著者
江崎 保男 橋口 大介 金沢 正文 今堀 るみ子 池田 善英
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 = Japanese journal of ornithology (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.267-279, 2000-03-01
被引用文献数
3 6

1)京都府南部の丘陵地域に約40km<sup>2</sup>の調査地をもうけ,オオタカの目視調査を1年間おこなった.丘陵部はアカマツが混じりコナラを主とする山林,平地部は農耕地と市街地であった.<br>2)オオタカは周年にわたって出現した.調査地中心部の約5km<sup>2</sup>の孤立林で1つがいが営巣し,繁殖に成功した.孤立林の外側には広い山林あるいは農耕地•市街地が虫食い状にまじる山林が存在したが,これらの場所には営巣つがいが存在しなかったと考えられる.<br>3)翼羽の欠損によりつがいのオスは個体識別ができたが,繁殖期にはこのオス以外のオスは確認できなかった.繁殖期を前半と後半に区分すると,オスの行動圏の大きさはそれぞれ6.8km<sup>2</sup>と10.8km<sup>2</sup>であった.<br>4)7月から8月にかけて出現した幼鳥は調査地内で巣立った個体であると推測されたが,巣立ち直後の7月には巣の付近でのみ目撃され,8月にはかなりよく動き回るようになり活動域が季節とともに拡大する様子がみられた.<br>5)オオタカの出現パターンやその他の状況証拠から,孤立林を含む調査地中心部は繁殖期にはつがいによって独占使用されていて,行動圏の大きさは5-10km<sup>2</sup>であったと考えられる.一方,非繁殖期には同じ地域が複数の成鳥オスや亜成鳥を含むオオタカによって非排他的に共同利用されていたとみられる.<br>6)孤立林は繁殖期のみならず周年をとおしてオオタカの生息の好適地であったと考えられるが,尾根にかこまれた比較的安全な巣場所を有することにくわえて,比較的大きな孤立林であること,かつ狩り場として適当な農地につつく林縁部を有することなどがオオタカに好まれる理由ではないかと推察される.
著者
池田 幸弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.250-251, 2016

JR武蔵野線新秋津駅を下車し,学生さんたちと並んで住宅地を15分程度歩くと視界がひらけキャンパスが見えてきた.周りは武蔵野の自然豊かで,学び舎としてとても良い環境に立地している.正門の守衛所で資料館訪問の旨を伝えてキャンパスに入り,右手の創立者像を見ながら校内を歩くとすぐに資料館があった.丁寧な受付担当の方の説明をうかがいつつ,記帳のみで入館させていただくことができた.
著者
末弘 由佳理 池田 仁美 Yukari Suehiro Hitomi Ikeda
雑誌
生活環境学研究
巻号頁・発行日
no.2, pp.42-45, 2014-09-01

神奈川県の葉山町に位置するビーチサンダル専門店である有限会社ゲンベイ商店1)が主催する「ビーチサンダルコンテスト」に参加した報告である。今回のコンテストは,「げんべい」と本学武庫川女子大学のコラボレーション企画である。コンテスト会場は西宮阪急(阪急百貨店)2)であり,西宮阪急「誕生祭」5周年『地域で子育て,みんなで子育て』のテーマの下,実施されたものである。学生は『家族愛』をテーマに,「げんべい」で2014年に販売される ビーチサンダルのデザインを行った。本学短期大学部生活造形学科アパレルコース所属の50名がデザイン画を提出し,西宮阪急の来店者による投票の結果,上位3名の作品が商品化され,西宮阪急の子供服売場にて販売された。
著者
"荻野 千鶴子 古川 智恵子 豊田 幸子 飯島 則子 池田 恭子" オギノ フルカワ トヨダ イイジマ / C. "OGINO C. FURUKAWA S. TOYODA N. IIJIMA K." IKEDA
雑誌
名古屋女子大学紀要 = Journal of the Nagoya Women's College
巻号頁・発行日
vol.24, pp.9-18, 1978-03-15

"以上女子大生の被服購入状況の調査結果をまとめると下記のようである。 1.学生の所持する衣服では,洋服がそのほとんどを占め,その製作割合は,洋服は80%が既製服であり,和服は家庭,注文製作がその大半を占め対象的にみられた. 2.流行への関心度では,女子大生は高い関心を示し,無関心は0で既製服購人の選択順位についても,和洋服ともに,サイズ,品質表示,価格などの実質面よりむしろデザイン,色・柄などの流行面の視点を第1位に選択し,流行への関心の高さがみられた.又,過去4年間の服種別流行への関心度では,ジーンズが顕著に高くみられた. 3.ジーンズ所持数大・小グループの2群にわけて意識を比較した結果,大グループは服の所持数が多くても,死蔵枚数が多く,活用枚数は少ない.又,購入時の計画性についても,小グループに比較して,無計画の傾向がみられた.流行おくれの服の処理でも,大グループはそのまま保管することが多く,小グループでは,そのまま着用したり,他人に譲ったりと活用範囲も広く,大グループに比較して効果的な衣生活運営の傾向が認められた."
著者
片倉 浩理 畠中 陸郎 山下 直己 佐藤 寿彦 岩切 章太郎 尾崎 良智 長井 信二郎 岡崎 強 塙 健 松井 輝夫 美崎 幸平 桑原 正喜 松原 義人 船津 武志 池田 貞雄
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.281-284, 1999
参考文献数
14

症例は41歳, 男性。脇差しにより頸部正中刺創を受け, 近医で皮膚縫合を施行されたが, 頸部腫脹, 発声障害が進行するため, 受傷後約18時間後に当院を受診した。著明な皮下気腫を認め, 気管の損傷を疑い気管支鏡を施行した。第1気管軟骨輪に約2cm, 同レベルの膜様部に約1cmの損傷を認めた。同検査中再出血により緊急手術を施行した。出血は甲状腺左葉内の動脈性出血であり縫合止血した。食道の損傷はなかった。気管軟骨輪および膜様部の縫合を行った。術後経過は良好で退院したが, 肉芽形成の可能性もあり, 経過観察が必要である。
著者
高橋 竜太郎 池田 心
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2018-GI-39, no.10, pp.1-7, 2018-02-23

将棋や囲碁,麻雀など多くのゲームでコンピュータプログラムが十分強くなり,より複雑なゲームやより高次な目的に関心が移りつつある.「ぷよぷよ」 は二十年以上遊ばれる人気の落ちものパズルゲームであるが,これも近年十分強いコンピュータプログラムの作成が達成された.本研究では,“連鎖構成” というこのゲームの中心的課題の一つに着目し,連鎖構成を身につけられれば楽しめる一方でこれができずに上達を諦めてしまう人が多い現状を解決したいと考える.そのためには,連鎖構成に特化した問題群,いわゆる 「なぞぷよ」 「詰めぷよ」 を沢山与えることが有効であると考える.人手により多くの良い問題が作成公開されているが,プレイヤごとの技術レベルや嗜好に合わせた問題が自動で無数に作成できれば,ぷよぷよを続ける人が増えることが期待できる.我々は,ランダム生成検査方式と,逆向き生成方式の二つのなぞぷよ作成法を試みる.さらに,作成された問題の 「難しさ」 「面白さ」 「役立ち度」 などを推測する関数を機械学習によって構成することを試みる.これらにより,プレイヤのレべルや好みにあった問題だけを提示するシステムを提案する.
著者
藤原 恵利子 三川 隆 矢口 貴志 長谷川 美幸 池田 文昭
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会大会講演要旨集 日本菌学会第55回大会
巻号頁・発行日
pp.36, 2011 (Released:2012-02-23)

Conidiobolus属菌は主に土壌,腐植などに生息する腐生菌であるが,一部の菌はヒト,動物に感染症を起こすことが知られ,特に熱帯圏では本菌による播種性感染症が報告されている.本属菌は接合菌類のトリモチカビ亜門,キクセラ亜門と系統関係にあることが示唆されており,接合菌類の系統進化を論じる上で鍵となる系統的位置にある菌群であると考えられている.本属菌の分類・同定は形態や生理学的性状に基づいた研究により現在32種以上知られているが,本属菌の系統分類は未だ確立されていない.我々は本邦産の本属菌の種相互の系統関係の解明を目的とし,土壌,腐植などから本属菌を分離し系統分類学的な研究を行っている.本属菌は15℃~35℃で生育する中温性菌が研究の対象となっており40℃以上で生育する菌に関する研究は殆どない.今回は高温条件下で発育する本属菌の分離法および系統的位置関係を検討した. 土壌,腐植など530サンプルを用いて40℃および25℃で5日間培養し,40℃のみで発育した菌株を分離した.参照株としてヒトから分離された高温性菌(IFM58391、IFM55973)を用いた.これらの菌株の18S rDNAの塩基配列を決定し系統解析を行った.高温性菌は4株(F325,F328,F329,F330)検出された.系統解析の結果,分離菌株4株およびIFM株は4つの系統群に大別された.今回分離した高温性菌およびIFM株は相互に類似した形態学的特徴を示すが,18S rDNAでは多様な系統関係にあり,形態,生理特性,遺伝子などの多相的な方面からの分類が必要であると思われた.
著者
池田 朋子 大貝 彰
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.62, no.492, pp.149-156, 1997-02-28 (Released:2017-02-02)
参考文献数
86
被引用文献数
4 3

Researches on spatial images in words are synthesized to understand their present condition and analysis methods. Seventy papers are categorized into the three fields; 1) history of architecture 2) architectural space 3) urban and rural space. Then, in each of the fields, their purposes and texts and the methods used for their analyses are examined. And the difference of the style of texts are understood to think about the difference of the methods and their developing processes. In conclusion, methods of researches on spatial image in words are influenced by the style of texts. Researches have abilities to advance in comparative studies and interdisciplinary fields.
著者
北村 倫夫 柴田 亜里沙 津川 佳子 張 静 池田 昌彦
出版者
北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院 = Graduate School of International Media, Communication, and Tourism Studies, Hokkaido University
雑誌
国際広報メディア・観光学ジャーナル
巻号頁・発行日
no.8, pp.67-88, 2009

It is vital for the New Chitose Airport to function not only as a node in itineraries of Hokkaido tourism from other countries but also as a last destination and medium of such tourism. This study was aimed at proposing strategy for raising the level of service (LOS) and enhancing the Hokkaido brand at the Airport's international flight passenger terminal, which is scheduled for construction in fiscal 2009. The study was based on interviews with 46 persons (mainly persons involved in inbound Hokkaido tourism, tour guides, and foreign residents of Sapporo). In light of the interview findings, it recommends improvement of arrangements for tourism consumption (i.e., sales of goods, food & beverage service, information provision, entertainment, and relaxation services) with a view to enhancing the Hokkaido brand, around key words such as "convenience", "comfort", "surprise", "enjoyment", and "impression".