著者
伊東 輝夫 西 敦子 池田 文子 串間 栄子 串間 清隆 内田 和幸 椎 宏樹
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.63, no.11, pp.875-877, 2010-11-20 (Released:2016-09-07)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

3歳,雄,体重2.5kgのマルチーズが,種なし小ブドウ約70グラムを食べた5時間後から始まった嘔吐と乏尿を訴えて摂取2日後に来院した. 血液検査では重度の高窒素血症,高カルシウム血症,高リン血症,および高カリウム血症が認められた. 利尿剤,ドパミン,点滴による治療を3日間試みたが無尿となり,ブドウ摂取4日後に死亡した. 腎臓の病理組織検査では近位尿細管上皮細胞の著しい変性壊死が認められた. これらの臨床および病理組織学的所見からブドウ中毒と診断した.
著者
劉 欣欣 池田 大樹 小山 冬樹 脇坂 佳子 高橋 正也
出版者
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.47-50, 2018-02-28 (Released:2018-02-28)
参考文献数
20

長時間労働は様々な心身不調と関連し,特に脳・心臓疾患の発症リスクを増大させることが知られている.国内では,過重労働(特に長時間労働)によって脳・心臓疾患を発症したとする労災認定件数,いわゆる過労死等の認定件数は年間250件から300件程度で推移し,明らかな減少傾向は認められていない1).長時間労働による心血管系負担の軽減策を検討・提案することは,労働者の健康維持,さらには過労死の予防に極めて重要である.本研究では,長時間労働を模した実験室での被験者実験により,血圧を維持するための心臓と血管系の反応(背景血行動態反応)について検討した.本稿では,その実験結果の一部である血行動態反応の個人差について紹介し,心血管系負担の軽減策を検討するための資料提供を目的とした.
著者
稲増 一憲 池田 謙一
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.103-112, 2009-11-30 (Released:2017-02-20)

In this research, the effects of interpersonal relationships, psychological intimacy, and frequency of conversation on the motive to share new information or refer to shared information were examined by means of a survey using topic selections of conversation. There are contradictory findings in previous research on whether intimacy promotes referring to shared information or unshared information, as the studies confuse psychological intimacy and frequency of interaction. The results of our sampling survey showed that psychological intimacy increased topic selection based on the motive to share new information while frequency of conversations increased topic selection based on the motive to refer to shared information. In addition, psychological intimacy and frequency of conversations had an interaction effect on topic selection based on the motive to share new information. The results indicate that psychological intimacy and frequency of interaction should be distinguished, as this will assist in eliminating the confusion in previous studies.
著者
池田 和正 増田 啓年 吉末 訓弘 東岡 喜作子 松島 英司 永山 績夫 川口 安郎
出版者
The Japanese Society for the Study of Xenobiotics
雑誌
薬物動態 (ISSN:09161139)
巻号頁・発行日
vol.12, no.6, pp.656-667, 1997-12-31 (Released:2007-03-29)
参考文献数
16
被引用文献数
1

S-1の動物種差について明らかにするためにマウス,ラットおよびイヌを用いたS-1の動態試験を試みた.また,イヌにS-1の投与量を変えて経口投与した時の各未変化体とその代謝物についてpharmacokinetic parameterを算出し,用量依存性について検討した.1.マウス,ラットおよびイヌを用いたS-1の動態試験の結果,血漿中FTはいずれの動物種においてもCmaxに顕著な差は認められなかった.しかし,イヌのAUCは103155ng·hr/mlともっとも高く,ラットが53600ng·hr/ml,マウスは4180ng·hr/mlであった.この種差はT1/2値にも見られた.血漿中5-FUはマウスのCmax、が1081ng/mlと顕著に高く,ラットが282ng/mlともっとも低かった.しかしT1/2値はマウスがもっとも小さく,ラットおよびイヌは同程度であった.血漿中CDHPはマウスのCmaxが1815ng/mlと顕著に高かったものの,AUCはいずれの動物種においても顕著な差は見られなかった.血漿中OxoのCmaxおよびAUCはいずれもマウスで顕著に高く,ラットがもっとも低かった. 2.ラットおよびイヌのbioavailabilityを算出した結果,FTのbioavailabilityはいずれもほぼ100%であった.一方,CDHPはラットで36.8%,イヌでは27.0%であった.またOxoではラットが3.0%に対しイヌでは9.9%であった. 3.イヌを用いてFT,5-FU,CDHPおよびOxoの用量依存性について検討した.その結果,FT,CDHPおよびOxoについては用量に比例した推移を示すことが明らかになった.一方,5-FUは用量の増加率以上に濃度が高くなり,線形と仮定した場合の濃度に比べAUCは1.8倍から2.8倍の増加が認められた.これはS-1に配合されている5-FUの代謝酵素の可逆的な拮抗阻害剤であるCDHPが,投与量の増加に従いCmax,AUCが高くなることで5-FUの代謝阻害をより強め,長時間持続するため,5-FUの代謝クリアランスが低下したためであると推察される.
著者
池田 大四郎 味戸 慶一
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.49, no.11, pp.1002-1012, 1991-11-01 (Released:2009-11-16)
参考文献数
46
被引用文献数
2 3

Anthracycline antibiotics, adriamycin, daunomycin and aclacinomycin A, have been widely used in the clinical treatment of various tumor diseases. Recently, semisynthetic anthracyclines, pirarubicin and epirubicin having improved antitumor effects and reduced adverse reactions in comparison with the parent compound, have been launched into clinical chemotherapy. Furthermore, several semisynthetic agents are under the clinical trials (phase I or phase II stage). In our search for useful and orally absorbable analogs, we synthesized a new barminomycin analog and a number of pirarubicin analogs. Barminomycins I and II have the unique eight-membered acetal-azomethine ring structure and show the strong activity in vitro. A new barminomycin analog (1) has been synthesized through the hypothetical biogenic intermediate, 4'-O-glycosyldaunomycin (22). The activity of 1 in vitro is stronger than that of the parent daunomycin. The quantitative structure-activity relationships of orally absorbable pirarubicin analogs are also discussed. The gastrointestinal absorption of salicylidene analogs of pirarubicin depends on the van der Waals volume of the substituent (s) on the salicylidene moiety and the polarity of the molecule.
著者
伊藤 裕子 相良 順子 池田 政子 川浦 康至
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.276-281, 2003
被引用文献数
7 22

In this study, a subjective well-being scale was developed, and its reliability and validity evaluated. The Subjective Well-Being Scale (SWBS) had twelve items which covered four domains. It was administered to 1005 adults and 520 college students. Results indicated that for the students, college life satisfaction and self-esteem had positive correlations with SWBS score. For the adults, marital satisfaction, workplace satisfaction, and household income satisfaction had positive correlations with the score. These findings showed considerable constructive validity for SWBS. In addition, internal consistency was sufficiently high, indicating the measure's high reliability. SWBS may be a simple but reliable and valid measure, and it is useful for examining subjective well-being of both adults and college students.
著者
今井 則博 池田 健次 瀬古 裕也 平川 美晴 川村 祐介 保坂 哲也 小林 正宏 斎藤 聡 瀬崎 ひとみ 芥田 憲夫 鈴木 文孝 鈴木 義之 荒瀬 康司 熊田 博光
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.758-760, 2010 (Released:2010-12-29)
参考文献数
5
被引用文献数
3 2

Miriplatin is a novel lipophilic platinum complex developed to treat hepatocellular carcinoma (HCC). Although HCC patients frequently have coexisting severe liver cirrhosis, there is no prospective data regarding clinical toxicity of miriplatin in HCC patients with severe cirrhosis. We retrospectively evaluated the safety and efficacy of transcatheter arterial chemotherapy with miriplatin in 34 HCC patients with severe liver cirrhosis (Child-Pugh grade B). An anti-tumor effect of complete response was achieved in 8 of 34 patients and no serious adverse events were observed. These results suggested that transcatheter arterial chemotherapy with miriplatin can be used safety for HCC patients with Child-Pugh B liver cirrhosis.
著者
徳永 旭将 池田 大輔 中村 和幸 樋口 知之 吉川 顕正 魚住 禎司 藤本 晶子 森岡 昭 湯元 清文
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.14-34, 2011-07-20

一般に,前兆現象は突発現象にそのものに比べて非常に目立ちにくく,その開始時刻は曖昧である.従来よく用いられてきた変化点検出法を適用した場合,このような微小で緩慢な変化は見逃されやすい.Tokunagaら(2010)では,Ideら(2005)の提案した特異スペクトル分析を応用した変化点検出法(SST)を,多次元データを用いたアルゴリズム(MSST)へと拡張することで,鋭敏に前兆現象の開始時刻を推定できることを示した.MSSTは,緩慢な変化も検出できる鋭敏な手法であるが,実データへの適用では誤検出が問題になる.本稿では,突発現象の大まかな開始時刻をあらかじめ検出し,さらに検出された時刻の前後で前兆現象の開始時刻と終了時刻を個別に探索することで,前兆現象を鋭敏に検出でき,かつMSST単体よりも誤検出を劇的に減少させることができることを示す.
著者
池田 正明 熊谷 恵 中島 芳浩
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.44, pp.S13-2, 2017

概日リズムは、地球が24時間で自転しながら太陽の周りを回ることにより地球上に起こる明暗の光環境リズムを、地球上の生物が体内に取り込む形で形成されたと考えられている。地球上の生物は、生体内に概日リズムシステムを獲得したことにより、24時間周期の明暗変化を予測して体内を変化させ、恒常性の維持や環境適応を有利にしていったと考えられている。概日リズムが遺伝子レベルで制御されていることは、1971年にベンザーらがショウジョウバエからリズム変異体<i>period</i>を発見したことを端緒に、これが1984年の<i>period</i>遺伝子の発見へつながり、1997年の<i>Clock, Bmal1, Per</i>などの哺乳類の時計遺伝子の発見、1998年のCLOCK/BMAL1/PER時計遺伝子群の転写翻訳によるフィードバック機構からなるコアフィードバックループの同定へと続き、20世紀末に明らかにされた。コア時計遺伝子であるCLOCK/BMAL1/PERは転写因子として機能しているが、これらの分子にはPASドメインというドメイン構造があり、PASドメインは転写因子間の相互作用のインターフェースとして機能している。CLOCK/BMAL1はこのPASドメインを介してヘテロダイマーを形成し、<i>Per, Cry</i>時計遺伝子のプロモーターにあるE-boxに結合してこれらの遺伝子の転写を促進、産生された産物はCLOCK/BMAL1の転写促進活性を抑制することによって約24時間のリズムを形成している。時計遺伝子は概日リズムの発振という機能を生体内の殆どの細胞で発現することに加えて、CLOCK/BMALが、時計制御遺伝子(<b>clock controlled genes</b> (CGG))を直接転写制御することにより、生体内の代謝リズム発現を起こし、生体内の恒常性維持に働いている。本シンポジウムでは概日リズムの分子機構を概説するとともに、毒物代謝との接点についても論考したい。
著者
池田 緑
出版者
大妻女子大学
雑誌
大妻女子大学紀要. 社会情報系, 社会情報学研究 (ISSN:13417843)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.55-77, 2005

これまで植民地主義は主に政治制度と歴史性に結び付けて論じられてきた。しかしそのような認識枠組みでは,制度としては消滅しても実効的に存続する植民地主義を問題化できない。また,この社会に遍在する植民地主義的な支配関係も捉えることができない。本稿では,植民地主義を制度や歴史性の問題ではなく,心的傾向の問題として再定義したい。それによって,社会に遍在する支配関係において,植民地主義の痕跡を発見することが可能になり,さらにはコロニアリストの心性の問題としてその責任を問題化することが可能になる。さらに本稿では,国民国家システムにおけるフォーディズム体制が社会の分業化を促し,被抑圧者を創設し,やがて本質主義によって正当化してきたことを整理する。その過程では,コロニアリストによる支配に際しての共通の手法が発見できる。支配関係を指し示す言説の欠落,区別論,被支配者への問題の転嫁,被支配者への介入と分断,被支配者の多様性の賞賛,自己欺瞞の強要,などである。これらの手法を注意深く見ることによって,制度化された支配の中に植民地主義の痕跡を発見し,「心の支配」の問題に転換して捉え直すための視点を模索する。
著者
"栃原 きみえ 斉藤 一枝 水口 綾子 池田 恵子" トチハラ サイトウ ミズグチ イケダ K. "TOCHIHARA K. SAITO A. MIZUGUCHI K." IKEDA
雑誌
名古屋女子大学紀要 = Journal of the Nagoya Women's College
巻号頁・発行日
vol.25, pp.1-12, 1979-03-15

"被服の着装効果と人の個性との関係を明らかにするために,個性の要素の1つである顔の形態的因子を研究対象とし,本学学生222名を被験者として,1/2大の写真を用いて各部位の計測をした.1.眉,目,鼻,口の長径,幅径,角度 眉,目,鼻,口の各部位の長径,幅径および角度を計測し,最大,最小,平均,標準偏差を求めた.2.眉,目の長径,幅径,角度の左右差と出現率 顔の因子の左右アンバランスは個性の研究に必要と考え,眉長,眉幅,眼裂長,眼開大径および眉頭を基点とする眉尻の角度,眼頭を基点とする眼裂の角度の左右差について検討したが,左右同径,および同角度は極めて少なく,各項目ともに約80~90%の者に左右差が認められ,高い出現率であった.3.眉,目,鼻,口の相関係数 眉,目,鼻,口の長径,幅径,角度の120項目について相関係数を求めたところ,41項目が有意であった.その中で眉長,眉幅,眉角度,眼裂長,眼開大径のおのおの右と左間の相関係数が特に高い傾向を示した.そこで類型化のための資料には,左右のいずれか一方でよいと判断し,本研究では右を用いることにした.4.眉,目の類型化 4-1 眉,目の長径,幅径による類型化と出現率 本研究を進めるにあたって,先ず顔の因子の類型化が必要と考え,今回は眉と目を取り上げ,長径,幅径の標準偏差±3σを用いて5段階に分け,両者の組み合わせによって類型化を試み出現率を求めた. 4-2 眉,目の角度による類型化と出現率 眉長と眉角度および眼裂長と眼角度の各標準偏差を用いて類型化を試みたが,上り眉は52.7%と過半数を占め,下り眉は31.1%また0度つまり眉頭と眉尻が水平線上にある眉は16.2%であった. 目の場合,上り目の出現率は97.7%と圧倒的に高く,下り目は0.5%,0度は1.8%と低い傾向であった. 4-3 眉の特殊型 眉の形には俗にいう三日月型,への字型などがあるが,これらの形態と個性との関係を追求するために類型化を試みたが,全体の中での出現率は三日月型が22.5%,への字型が14.0%であった. 4-4 一重まぶた,二重まぶたの例 目の形態には俗にいう一重まぶた,二重まぶたがあるが,出現率は一重まぶたが55.4%二重まぶたが33.0%,また左右のいずれか一方が一重まぶた,または二重まぶたのいわゆる左右アンバランスの目は10.8%であった.以上のように一重まぶたの者が圧倒的に多かったのは,東洋人種である日本人の特徴を裏付けているものといえよう. 7-5 眉,目の位置に関する類型化 左右の眉頭間および眼頭間の各標準偏差を用いて5段階の類型化を,また眉の下縁と目の上縁間の標準偏差を用いて眉,目間の類型化を試み,眉と目の位置に関する形態を把握した.以上,眉,目,鼻,口の長径,幅径,角度を数値として確認し,また眉,目について類型化を試みたが,続けて鼻,口の類型化を試みたいと考えている.今後これらの資料をもとにして個性との関係を追求し,更に被服との関係についても明らかにしてゆきたいと考えている.終りに本研究の資料収集に御協力くださった高梨亨子講師,また被験者として御協力くださった服飾専攻の学生諸姉に,深甚の謝意を表します."
著者
鹿山 光 堀井 郁夫 池田 康行
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.290-295, 1974-05-20 (Released:2009-11-10)
参考文献数
35
被引用文献数
6 9

It had been found that some particular fish of several different families contain the wax esters as their major lipid type. The interest in deep sea organisms and advancing survey techniques have permitted to extend the occurrence of the wax esters in their lipids. In the fish there is a characteristic pattern in the presence of waxesters in the tissue lipids; namely, the wax esters are the major lipid, type in the muscle but are present trace in its roe, while this pattern is reversed in some fish.As the representative example of the latter, the mullets caught off coast of Mokuzu, Sukumocity, Kochi-prefecture, were collected and analyzed to understand the properties of ovary and other tissue lipids and thereby, to get some informations on the formation of wax esters during the process of maturing.From the biological measurement of mullet, the maturity of roe can be well expressed by the gonad index (gonad weight/body weight ×100, G.I.). It was further found that there is a relation between the gonad index and the wax ester content in roe lipids. Upon measurement of eleven gonads with different gonad indices from 0.28 to 17.65, the wax ester contents in roe lipids varied from 4.6% to 65.4%. This relation was expressed by the following empirical formula, y=62.6 (1-e-x/1.78), where x is the gonad index and y is the corresponding wax ester content in roe lipids.The wax esters of mullet roe lipids consist mainly of C26 to C40 with even chain-lengths. The major esters are C32 and C34, and the sum of both acids exceeds 70% of total, and a little amounts of odd numbered esters exist. The acid moiety of wax esters contains over 30% of C16 : 1 and C18 : 1 as main acids, respectively, while the alcohol moiety consists of C16 : 0 dominantly, as much as 61%. The fatty acid composition of triglycerides is similar to those of the free fatty acids, and the composition of free alcohols rather resembles those of the alcohol moiety of wax esters.Composition of various tissue lipids obtained from the immature (G.I. 0.28) was contrasted with that of mature mullets (G.I. 17.65). In the former there were no particular differences among the various tissue lipids but a small amounts of wax esters were detected in the lipids of liver, intestine contents etc. as well as ovary, while from the latter the wax esters more than 60% were found only in the lipids of ovary. There were no significant differences in other tissue lipids of both the mature and immature mullets.
著者
坂田 哲宣 安藤 正幸 吉田 和子 荘田 恭聖 荒木 淑郎 篠田 孝子 池田 玲子 小嶋 伸夫 酒井 博
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.123-128, 1988

1家族4人のうち3人が夏型過敏性肺臓炎を発症し, 1人が非発症であった. 住居は, 建築後13年目の木造家屋で, 発症1年前南側に倉庫が建ち,日当りと風通しが悪くなっていた. 発見の発端となった患者は, 43歳男性で, 昭和60年6月末より発熱, 咳嗽, 喀痰, 呼吸困難があり, 外泊, 退院により症状が反復するため来院した. そこで患家の環境調査, 免疫学的検討および抗原吸入誘発試験を行った結果, 環境より T. cutaneum の serotype I (血清型) を分離した. 分離株に対する発症者3例の血清特異抗体は, 共に陽性であった. 発症者3例の抗原吸入誘発試験では, serotype Iに陽性2例,疑陽性1例であったが, T. cutaneum の serotype II (TIMM1318株) に対しては3例共に陰性であった. 以上より, 発症者3名をT. cutaneum に起因する夏型過敏性肺臓炎と診断し得たが, 原因抗原の決定にあたっては本菌の serotype についても考慮すべきであることが明らかになった.