著者
池田 重人 志知 幸治 岡本 透
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.129, 2018

<p>これまでに演者らが秋田周辺地域でおこなってきた花粉分析の結果から、天然秋田スギの衰退は中世の時代にはすでに始まっていた可能性が示された(第128回大会)。これらの中で、鳥海山北麓の桑ノ木台湿原で採取した堆積物試料を用いて、大型微粒炭(>250μm)の出現傾向から近傍で起きた火事の時代変化を明らかにし、花粉分析による植生変遷過程と合わせて考察した。大型微粒炭は、深度65cm(約1000年前)以深と表層ではほとんどみられず、深度65~30cmにおいてのみ多数検出された。大型微粒炭の増加と連動するようにシダ(単条溝型胞子)が増えた後イネ科が圧倒的な優勢を示し、やや遅れてカヤツリグサ科やマツ属が増加した。一方、スギは約2500年前以降優勢を保っていたが、大型微粒炭の増加とともに減少し、深度40~25cmでは10%台まで落ち込んだ。これらの一連の変化は、火入れや伐採などの人為的な活動の影響を反映したものと考えられた。</p>
著者
陳 湘琴 池田 孝之
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.66, no.550, pp.209-215, 2001-12-30 (Released:2017-02-04)
参考文献数
28
被引用文献数
1 2

This paper analyzes the characteristic and the development process of Tai-Zhong City Planning underJapanese rule, especially focusing on three issues: (1)the contents of the city planning according to its periods ; (2)The characteristics of urban infrastructure project ; (3)the formation of urban structure. The results are as follows: (1) The urban development of Tai-Zhong City planning under Japanese rule is divided into 4 periods: the investigation and the planning; the establishment of the urban block and the urban axis; the beginning of the zoning; the application of the city planning system. (2) The characteristics of the layout and the pattern of the main infrastructure; urban blocks, roads, rivers and parks. (3) The Tai-Zhong-Castle area was vastly improved by the urban chessboard-pattern, the railway axis and the loop road axis and the change of the river basin. All this had an influence on the urban structure in Tai-Zhong city.
著者
池田 史子
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学國際文化學部紀要 (ISSN:13427148)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.A11-A21, 2006-03-07
被引用文献数
1

This article examines the accent system of nouns in the dialect of Tokuji Town, located in Yamaguchi Prefecture. In addition the article looks at the accent rules which are made when these nouns are put together to form compound nouns. It was found that the accent of these compound nouns is decided by the number of mora in the second element of the compound noun.
著者
床井 良徳 井山 徹郎 池田 富士雄 宮田 真理
出版者
独立行政法人 長岡工業高等専門学校
雑誌
長岡工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:00277568)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.49-61, 2018 (Released:2019-02-22)

本報告では,高専ロボコン2017にて,史上初となるAとBの両チームともに全国大会に出場した長岡A「新鮮組」と長岡B「ベアLINK”」の関東甲信越地区大会と全国大会の模様とロボティクス部の2017年の活動について報告する.長岡A「新鮮組」は,地区大会にて19年ぶりの優勝を勝ち取り,全国大会出場を決めた.一方,長岡B「ベアLINK”」は,地区大会にてアイデア賞を受賞するも全国大会を逃したが,その後,競技委員会推薦チームとして全国大会を果たした.全国大会では,長岡A「新鮮組」がベスト4と検討し,長岡B「ベアLINK”」は競技で自分たちの持ち味を上手く生かすことができなかったが「アイデア倒れ賞」を受賞した.
著者
池田 岳史
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.82, 2005 (Released:2005-07-20)

国内においての伝統的建造物群保存地区2地区における住民意識に関する調査との比較を目的とし,海外での伝統的建造物群保存とそれらの建築物での生活に関する実態調査を行うこととした。調査の対象としたドイツ連邦共和国ローテンブルグ市は,12世紀_から_14世紀に築かれた城壁に囲まれた旧市街地を中心にファッハヴェルクと呼ばれる木組みの家屋が数多く残る街である。今回の調査では,現地での街並み景観調査及びローテンブルグ市建設局長ハンス・ミューレック氏への取材を中心に調査を行った。 調査の結果日本国内での調査と異なる印象を受けた点については,観光客との関係であり,住人の生活環境への侵入やトラブルといった面について,エリアが比較的広いという条件はあるもののほとんど聴かれなかった。観光地としての歴史とそれに関連する文化がローテンブルグ市には根付いているものと考えられる。伝統的な建造物やそれによって構成される街自体を文化と捉え保存し,かつ生活空間としていくことは容易な事ではないが,資金や材料,方法といったハード面での支援に加え,ソフト面での充実,つまり文化を育てるという方向での支援や活動が求められるように思われる。
著者
朴 珍相 池田 俊也 南 商尭 武藤 正樹
出版者
一般社団法人 日本医療・病院管理学会
雑誌
日本医療・病院管理学会誌 (ISSN:1882594X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.181-188, 2016

<p>我が国では2014年度診療報酬改定で一入院包括支払い方式(PPS)である短期滞在手術等基本料3が水晶体再建術等に導入され,入退院支援の強化や病棟機能再編の必要性が再認識されている。また,韓国においても同疾患に対して同様のPPSが施行されている。しかし,PPSについて臨床現場でどのように意識されているかに関する調査は両国ともほとんどない。そこで,水晶体再建術の治療・ケアに関わる日本78名,韓国84名の医療者に対し,現行PPSにおける診療の効率性とケアに関する意識調査を実施した。<br>その結果,両国とも現行のPPSに対し,医療の質の低下を懸念する意識を持っていることが明らかになった。また,日本の医療者はPhysician Feeについて出来高払いで評価を求める意識が高かった。PPSにおける医療経済的な側面と医療技術的側面の両方を評価する診療報酬体系の確立及び客観的な質の評価システム構築は,両国が同様に抱えている課題であることが示唆された。</p>
著者
池田 哲郎
出版者
日本英学史学会
雑誌
英学史研究 (ISSN:03869490)
巻号頁・発行日
vol.1976, no.8, pp.159-173, 1975-09-30 (Released:2009-09-16)
参考文献数
15
著者
池田 暁彦 水山 高久 原口 勝則
出版者
公益社団法人 砂防学会
雑誌
砂防学会誌 (ISSN:02868385)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.26-31, 2007-09-15 (Released:2010-04-30)
参考文献数
23
被引用文献数
1

Debris flows occur when enough water supplied into materials on torrential streams. The occurrence criteria of debris flow has been evaluated with rainfall. However, the critical rainfalls triggering off debris flow may be differ by the supply process of water into materials. Material has been as riverbed deposit before the rainfall, or is supplied by slope failures and landslides during the rainfall. The authors selected Nishinogaito torrent for the test field, where debris flows has occurred frequently in these several years. The authors analyze the critical rainfalls based on the supply process of materials. In the Nishinogaito torrent, the material has been supplied before rainfall. Analyzing the accumulated rainfall within the time of concentration, it was estimated to be ten minutes and the critical rainfalls triggering debris flow in the Nishinogaito torrent was found to be 17 mm per ten minutes. From the result, we described a possibility to estimate the supply process of materials and or its occurrence process of debris flow from analyzing the critical rainfalls.
著者
南光 弘子 池田 美智子 尾形 順子 吉野 博子
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 = The Nishinihon journal of dermatology (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.876-886, 1996-10-01
参考文献数
34
被引用文献数
2 1

爪白癬に対する経口抗真菌剤itraconazole 50mgカプセル剤の1日1回1&sim;2カプセル(50&sim;100mg)16週間以上投与での臨床成績を検討した。混濁比の平均は治験開始時8.7であったものが2週以降週を追うごとに軽減し24週時には1.6まで改善した。有効性は病爪の混濁比推移を指標に評価し7例中6例(85.7%)が著効であり全症例有効であった。安全性に関しては副作用として2例に消化器症状を認めたものの投与中止後すみやかに消失もしくは投与量の減量により再発もなく継続投与ができたことより, 比較的長期の治療が必要な爪白癬に対しても安全に使用できる薬剤であると考えられた。しかしながら基礎疾患ないし既往に消化器系の潰瘍を有する患者では長期間投与する際には注意が肝要と思われる。
著者
田中 修 広 三寿 池田 洋
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.40-46, 1966

フィールドパイアス型ベータトロンはflux-forcingと呼ばれる2つの磁気回路をもっている点で普通型べータトロンと異なっている。軌道磁界に静磁界のバイアスをかけることにより加速時間を長くし, 交流励磁だけの場合に比べて加速エネルギーを2倍近く増加させることができる。したがって, べータトロン本体の大きさの割合にエネルギーが大幅に上げられる。しかし, 中心磁束と軌道磁界の間に位相のズレを生じ, そのためにバイアス角に限界があり, X線出力は現在までに45°のバイアス角まででている。けれども, 中心磁束と軌道磁界の位相のズレから, 電子の安定軌道が自然に拡大する, いわゆるセルフエクスパンジョンの現象と安定軌道半径が連続可変であることから電子軌道について興味ある知識が得られた。また, 高エネルギーX線によるラジオグラフィの技術が進歩し, 重量金属物体の透過試験にも使用されている。
著者
升田 貴仁 椎名 愛優 三階 貴史 長嶋 健 藤本 浩司 髙田 護 池田 純一郎 大塚 将之
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.80, no.6, pp.1060-1066, 2019 (Released:2019-12-30)
参考文献数
30

若年者の乳腺葉状腫瘍はまれであり,線維腺腫,特に若年性線維腺腫との鑑別は困難である.これまでは線維腺腫であれば腫瘤摘出術,葉状腫瘍であればマージンをつけた切除が必要とされてきたが,近年,葉状腫瘍に対する手術においても断端陰性であればマージンは不要であるという報告が増加している.症例は11歳,女児.左乳房に7cm大の腫瘤を自覚し受診.画像検査および針生検では若年性線維腺腫もしくは良性葉状腫瘍が疑われ,腫瘤摘出術を施行した.病理結果は良性葉状腫瘍で断端は陰性であった.自験例では良性葉状腫瘍であったことと,腫瘤摘出術によって断端陰性が得られたことより,追加切除は施行せず,術後6年6カ月無再発で経過している.若年者の葉状腫瘍に対する治療において,根治性とともに整容性や機能温存へ十分配慮した上での方針決定が望まれる.
著者
横内 裕人 須田 牧子 池田 寿 藤田 励夫 山口 華代 荒木 和憲 一之瀬 智
出版者
京都府立大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

東アジアにおける日本・朝鮮・中国の文化交流を考える基礎情報を得るため、長崎県対馬市に所在する渡来経巻を悉皆調査した。具体的には、豆酘・多久頭魂神社に所蔵される高麗再雕版大蔵経の詳細な目録を作成し、他の寺院等に所蔵される再雕版大蔵経との比較検討を通じて、本経巻の成立・伝来を考察した。その結果、本大蔵経は、おそらくは15世紀頃に印刷され、江戸時代までに対馬に伝来した経巻であり、李氏朝鮮と対馬との緊密な関係の中でもたらされた文化財であることが確認された。