著者
池田 弘 櫻間 教文 黒住 順子 大森 一慶 荒木 俊江 真鍋 康二 福島 正樹
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.115-122, 2019
被引用文献数
1

<p>銅欠乏症による種々の血球減少症を併発した透析患者5例を経験した. 男女比は1 : 4, 平均年齢は76歳, 平均透析歴は5.2年, 原疾患は糖尿病2例, 多発性囊胞腎1例, 腎硬化症1例, 不明1例, 併存症は誤嚥性肺炎3例, 脳神経障害2例, アクセス感染2例, 大腸癌術後の低栄養状態1例, 化膿性脊椎炎1例であった. 1例で経腸栄養, 4例で亜鉛製剤投与が行われていた. 診断時の血中銅, セルロプラスミンの平均濃度は26.6μg/dL, 12.6mg/dLで, 汎血球減少症2例, 貧血+血小板減少2例, 貧血のみ1例であった. 3例に硫酸銅, 1例に純ココア, 1例に銅サプリ投与を行い, 全例, 血球減少が改善した. 透析患者ではリン制限に伴う銅摂取量減少, 亜鉛補充による腸管での銅吸収抑制から健常人より銅欠乏をきたしやすいと考えられる. ESA抵抗性の貧血や複数系統にわたる血球減少症をみたときは, 銅欠乏も念頭において診療を行う必要があると考えられた.</p>
著者
池田 誠
出版者
日本イギリス哲学会
雑誌
イギリス哲学研究 (ISSN:03877450)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.31-44, 2014

<p>John Rawls is famous for his Kantian conception of justice, and also well known for reviving the significance of Henry Sidgwick's ethical thought in contemporary ethics. Rawls praises Sidgwick partly because Sidgwick attempted to justify a Method of Ethics by appealing to its ʻreflective equilibriumʼ with our considered judgments. However, this interpretation of Sidgwick by Rawls has been criticized by some utilitarians such as Peter Singer. I argue that, against his wish, Singer rather supports Rawlsʼs interpretation of Sidgwick as a reflective-equilibrium-theorist. Furthermore, I defend Rawlsʼs reflective-equilibrium methodology by pointing out his conception of justification behind it and by showing Singerʼs inappropriate conception of objectivity in ethics.</p>
著者
檜山 哲哉 阿部 理 栗田 直幸 藤田 耕史 池田 健一 橋本 重将 辻村 真貴 山中 勤
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.158-176, 2008 (Released:2008-05-12)
参考文献数
162
被引用文献数
10 8

水の酸素・水素安定同位体(以下,水の安定同位体)を用いた水循環過程に関する重要な研究および最近の研究のレビューを行った.海水の同位体組成(同位体比)に関する知見,同位体大循環モデルを用いた全球スケールの水循環研究,降水形態による同位体比の差異や局域スケールの降水過程に関する研究,流域スケールでの流出過程,植生に関わる蒸発散過程(蒸発と蒸散の分離)の研究をレビューした.加えて,幅広い時間スケールでの気候変動や水循環変動に関する研究として,氷床コアや雪氷コアを利用した古気候・古環境復元とそれらに水の安定同位体を利用した研究についてもレビューした.最後に,水の安定同位体を利用した水循環研究の今後の展望をまとめた.
著者
前原 文雄 井上 由紀子 池田 淳 伊藤 学 長谷川 文雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア = The journal of the Institute of Image Information and Television Engineers (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.601-608, 2000-04-20
参考文献数
9
被引用文献数
11

膨大な映像データベースの中から自分の意図する素材の高速検索や加工編集を可能とし, 同時に映像素材が多目的に利用できるペタ (百万G) バイト級の大容量映像アーカイブシステムと, その視覚的検索方式を開発した.大容量アーカイブでは, アクセス速度の向上から容量, 処理速度の異なる複数種類のサーバ, もしくはアーカイブを組合せて, これらを統合管理する必要がある.また, 大容量画像データを利用者が内容を確認しつつ効率的に検索する必要がある.このため, マルチ画面同時表示によるブラウジング方式, ならびに画像データのシーン変化点を自動検出し, ダイジェスト映像を作成し検索に供する方式を開発した.ここでは, 大規模磁気テープ自動装填ロボット (7200巻) を中心とした大容量アーカイブシステムと, マルチ画面表示, シーン検出方式によるダイジェスト映像を併用した視覚的情報検索方式について報告する.
著者
三木 静恵 漆原 寿彦 池田 健太郎 柴田 聡
出版者
群馬県農業技術センター
雑誌
群馬県農業技術センター研究報告 (ISSN:13489054)
巻号頁・発行日
no.9, pp.43-50, 2012-03

ホウレンソウ萎凋病に対する土壌還元消毒法の防除効果を検討した。フスマあるいは糖蜜を用いた土壌還元消毒および、鎮圧処理を併用した土壌還元消毒は、化学くん蒸剤による土壌消毒と同様に土壌中の菌密度を低減させ、高い防除を得られることが明らかとなった。また、本法において1週間の処理期間では発病株率が8.7%であるが、2、3週間の処理期間では発病株率がそれぞれ0.6%、1.3%と少なくなり、防除効果を高めるには2~3週間以上の処理期間が必要と考えられた。さらに、本消毒法に用いる有機物について、フスマなどの代わりに麦わらの利用を検討した。麦わら単独あるいは、規定のフスマ施用量(1t/10a)を減らし麦わらを併用した場合は、慣行に比べ、発病が多くなった。一方、規定のフスマ施用量に加え、麦わらを併用する場合では、還元状態がより低く持続され、防除効果は同等であった。これらのことから、麦わらはフスマなどの代替資材として適さないと考えられた。しかし、規定のフスマ施用量に加え麦わらを併用する方法は、安定した防除効果が得られる可能性が示唆された。
著者
池田 秀三
出版者
京都大學文學部
雑誌
京都大學文學部研究紀要 = Memoirs of the Faculty of Letters, Kyoto University (ISSN:04529774)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.117-200, 1986-12-25

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
池田 秀三
出版者
京都大學文學部
雑誌
京都大學文學部研究紀要 = Memoirs of the Faculty of Letters, Kyoto University (ISSN:04529774)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.1-62, 1984-03-31

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
池田 秀三
出版者
京都大學文學部
雑誌
京都大學文學部研究紀要 = Memoirs of the Faculty of Letters, Kyoto University (ISSN:04529774)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.73-112, 1985-03-30

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
池田 輝久
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.549, pp.178-181, 2002-06-03

例年より早く桜が開花し,早く暖かい日がやって来た今年の4月,多くの学生が新社会人へと旅立った。新社会人の皆さんの多くは今,研修が終わり現場の仕事を始めたところだろう。期待と不安が入り混じった気持ちで,飛び込んだ社会人の世界。そこに無限の可能性があることは間違いない。大きな夢に向かって進んでほしい。
著者
池田 順子 増山 富美子
出版者
埼玉県農林総合研究センター
雑誌
埼玉県農林総合研究センター研究報告 (ISSN:13467778)
巻号頁・発行日
no.9, pp.42-45, 2010-03

のらぼう菜は、洋種なばなに分類されるアブラナ科野菜である。埼玉県、東京都、神奈川県で栽培され、県内では、比企地域で江戸時代から栽培される伝統野菜である。主におひたしやごま和えとして食されている。こののらぼう菜を活用し、産地化・ブランド化を図るため、埼玉県在来のらぼう菜3系統(比企のらぼう菜、都幾川のらぼう菜、野口種苗のらぼう菜)の栄養・食味特性を明らかにするとともに加工品への添加利用を検討した。
著者
池田 まどか 古川 恭子 鈴木 明子 赤崎 眞弓
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.42, 2002

目的:昨年の報告において、保育実習の効果的な指導の工夫として、母親も同席した授業環境での乳幼児とのふれあい学習を提案した。本研究では、提案した保育実習における高校生の学びを人との関わり方および学習した内容の分析から明らかにするとともに、ふれあい学習の成果を検証することを目的とする。<BR>方法:分析対象は長崎県立N高等学校の乳幼児ふれあい学習に参加した生徒302名が反省や感想を自由に記入したプリントである。人との関わり、学習した内容を示した語句や文章を抽出&middot;分類し、「子ども理解」「将来親となる」などの視点で分析した。参加した母親の感想も考察の参考にした。<BR>結果:(1)提案したふれあい学習における生徒の学びには、「子どもと遊ぶ」「子どもを観察する」「育児体験をする」「子育て体験談を聞く」の4つがみられ、単独型の生徒と複合型の生徒が存在する。 (2)生徒の学習した内容は、育児の大変さ、子育てへの夫の協力の必要性、母親の偉大さ、乳幼児の心身の発達の様子や子どもの個人差や個性である。 (3)生徒の学びは子ども理解や子育て体験にとどまらず、自分と親との関係、将来親となる自分の姿を考えるという学びの広がりと、これまでの保育に関わる学習の内容を再確認し、乳幼児の心身の成長&middot;発達の様子を実感するという学びの深まりとがみられる。
著者
山本 聖子 池田 和子 大金 美和 杉野 祐子 谷口 紅 木下 真里 阿部 直美 紅粉 真衣 菊池 嘉 岡 慎一
出版者
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科保健学専攻
雑誌
保健学研究 = Health science research (ISSN:18814441)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.119-127, 2019-09

有効な患者教育の内容について検討することを目的とし,2016年1月~12月にHIV陽性の確定診断を受け,かつA病院のHIV専門外来受診を開始した成人患者20名を対象にアンケートおよびインタビュー調査を行った.内容は保健所等でHIVスクリーニング検査陽性の告知を受けてから外来に初診で来院し患者教育を受けるまでの間に閲覧したネット上の情報の内容,閲覧したサイトの種類,特に印象に残った情報や信憑性に不安を感じた情報は何か,信憑性の確認はどのように行ったか等であった.調査の結果,ネットで情報収集をしたと回答したのは16名であった.閲覧した内容(複数回答)については,「疾病・治療に関する情報」が最多で15名であり,次いで「他のHIV感染者の思い・体験」が14名であった.思いや体験などのようなナラティブ情報は患者の情緒的サポートに有用であるが,時に混乱を招くことがあり,患者の個別性に合わせた情報提供が必要である.またネット上の情報についての真偽を何らかの方法で確認すると回答したのは5名のみで,医療者側から意識的に,患者の持つ情報の内容や根拠の有無を確認していくことが必要であることが明らかになった.
著者
永田 純一 池田 郁男
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.69-76, 2006-04-01 (Released:2010-02-09)
参考文献数
37
被引用文献数
1

Trans fatty acids (TFAs) are positional isomers of cis fatty acids. TFAs are mainly produced by partial hydrogenation of unsaturated fatty acids and widely found in a variety of foods, including margarine, shortening and frying oil. A small amount of TFAs is also found in ruminant fats and milk. The amount of TFA intake in Western Europe and North America probably ranges from 5 to 15g/day. Epidemiological studies have shown that an excessive consumption of TFAs raised the LDL-cholesterol level and lowered HDL-cholesterol in humans. A high intake of TFAs is therefore thought to be a risk factor of coronary heart disease. On the basis of scientific evidence, the U. S. FDA required labeling of the TFA content for conventional food and dietary supplements on January 1, 2006. TFAs are also restricted their uses in the EU. The TFA intake in Japan is estimated to be approximately 1.6g/day, this amount being markedly lower than that in western countries. Although the low TFA intake in Japan is not thought to be an important issue at present, we should pay attention to an excessive intake of TFAs in the future.