著者
鈴木 康弘 池田 安隆 渡辺 満久 須貝 俊彦 米倉 伸之
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.151-159, 1989-06-24 (Released:2010-03-11)
参考文献数
17
被引用文献数
5 2

Many active faults trending N-S along basin-mountain boundaries are recognized in Northeast Japan, but only a few of them have experienced surface faulting in historical time; most of them seem to have been quiescent in the past several hundred years or more. Thus earthquakes are anticipated to occur from these active faults in the near future. To detect the recurrence intervals of faulting, which can be obtained by the excavation study, is indispensable for the long term prediction of earthquakes.We excavated a trench at Kitasakai, Sakata City, across the Kannonji fault, one of the eastern boundary faults of the Shonai plain, Northeast Japan, in order to reveal its late Holocene activity including a possible faulting event associated with the Shonai earthquake (M=7.0) of 1894 A. D., which caused severe damage along this fault.Our excavation has revealed that (1) the last surface faulting event on the Kannonji fault occurred in a period from 2, 500 years B. P. to 1894 A. D., and that (2) no surface faulting occurred (at least at the trenching site) in association with the Shonai earthquake of 1894. Careful examination of historical records, however, strongly suggests that the earthquake of 1894 was also generated from this fault; it is likely that thick, unconsolidated sediments prevented the rupture from propagating up-dip to the surface. These results indicate that the interval between the last two earthquakes originating from the Kannonji fault is less than 2, 500 years. It could be 1, 000 years, because the event revealed by excavation is possibly correlated to the historically-documented earthquake of 850 A. D..
著者
渡辺 悠樹 村山 斉
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.200-208, 2013
参考文献数
19

自発的対称性の破れは素粒子物理から原子核,物性,冷却原子,天体,更には初期宇宙論,化学,生物まで幅広く適用される重要な考え方である.特に連続的な対称性の場合はギャップのない励起,南部・ゴールドストーンボソンが現れ,長波長・低エネルギーの現象を決めている.しかし,何種類の南部・ゴールドストーンボソンがあるのか,エネルギーが運動量の何次で振る舞うか,という非常に基本的な問題に対して今まではケースバイケースで調べられていて,一般論がなかった.最近筆者らは南部・ゴールドストーンボソンを統一的に理解する一般論を提唱した.これはローレンツ不変な系で知られていた南部・ゴールドストーン定理を拡張したものになっている.今まで何がはっきりしていなかったのか,これで何が分かったのかを,磁性体,結晶等を例にできるだけ具体的に解説する.
著者
渡辺 喜美 佐藤 吉哉
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1462, pp.100-102, 2008-10-20

問 世界の金融危機が深刻化してきました。日本でも大和生命保険が破綻するなど余波が出ています。渡辺さんは金融担当大臣の頃から、「対岸の火事じゃない」と言っていました。 答 海外では既に金融恐慌が起きています。せっかく立ち直った日本がこの恐慌の波を受けて、再び大ダメージを被らないとは言い切れません。
著者
島 智彦 渡辺 雄貴 伊藤 稔
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.293-304, 2016-03-31 (Released:2016-03-23)
参考文献数
22

本研究では,中学校の数学授業に,協同学習の基本技法と協同の価値提示を取り入れ,生徒の協同作業に対する認識の変容を調査することを目的に2つの研究を行った.研究Ⅰでは,第1著者が,日常的に協同学習の基本技法を取り入れ,適宜協同の価値提示を行う授業について,第1学期を通して継続して行い,主に個人志向因子の低下という側面から協同作業に対する肯定的な認識を高めることが示された.研究Ⅱでは,同学年,同科目を指導する他の2名の教師に同様の授業について第2学期を通して継続して行ってもらい,個人志向因子の低下および互恵懸念因子の低下という側面から協同作業に対する肯定的な認識を高めることが示された.以上より,協同学習の基本技法と協同の価値提示を取り入れることが,協同作業に対する認識を肯定的に変化させ,生徒間の相互作用を重視した指導を導入していく際の有効な方法であることが示唆された.
著者
渡辺 保人 藤井 義正 菅野 栄
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.599-602, 1957

Thiaminehydrochloride, thiaminedicetylsulfate, dibenzoylthiamine and thiaminemonorhodanate were added to various kinds of wheat flour and stored at room temperature for 30 days in summer, and then their stabilities were compared. The stabilities were found to be independent of the kind of flour. The stability was found to vary according to the kinds of derivatives.
著者
高林 範子 小野 光貴 渡辺 富夫 石井 裕
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.84-91, 2014-04-15 (Released:2014-05-16)
参考文献数
11
被引用文献数
1 2

著者らは,看護コミュニケーション教育を支援する目的で,仮想病室に患者と看護実習生役のアバタを実装した身体的バーチャルコミュニケーションシステムを開発し,有効性を示した.本システムは,対話者のノンバーバル情報に基づいて対話者の化身であるアバタのノンバーバル行動を生成し,仮想病室で対話者相互のアバタのインタラクションを観察しながらコミュニケーションできるシステムである.5組10人の看護学生を対象に,システムを用いたロールプレイングによるコミュニケーション実験を行い,官能評価,自由記述内容の結果,「役になりきれた」「対話しやすさ」「システムを使用したい」などの項目で肯定的に評価され,看護学生同士の対面でのロールプレイングよりも有効であることが示された.患者体験ができ,役になりきることが可能なシステムであることが確認され,本システムによる新たな看護コミュニケーション教育支援の活用可能性が示された.
著者
柳清 洋佑 馬渡 徹 黒田 陽介 桑木 賢次 森下 清文 渡辺 敦
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.9, pp.2659-2662, 2009 (Released:2010-02-05)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1 1

片肺換気が困難な気胸症例に対し,体外循環補助下に手術を施行した1例を経験したので報告する.症例は34歳,女性.32歳時に肺気腫を指摘された.右気胸を繰り返し,3回の外科的処置を施行されたが右肺の拡張不全が残存した状態であった.34歳時に左側気胸を発症し,気瘻および肺虚脱が持続する為に外科的治療を行うこととした.術前から呼吸状態不良であり,術中片肺換気では酸素化を維持できないと予想されたため,静脈─静脈バイパスによるExtra-Corporeal Lung Assistを用いて手術を行うこととした.右大腿静脈および右頸静脈にカニューレを挿入し体外循環下に片肺換気とし,左側のbulla切除を行った.術後経過は良好であり在宅酸素療法指導後,第21日病日に自宅退院した.低肺機能の患者でも肺手術を行わざるを得ないことも少なくは無く,本症例を通じて体外循環補助下の気胸手術に関して考察を加える.
著者
小林 茂 渡辺 理絵
出版者
大阪大学文学研究科片山剛研究室
雑誌
近代東アジア土地調査事業研究ニューズレター
巻号頁・発行日
vol.1, pp.14-23, 2006-03

平成17年度科学研究費補助金 基盤研究(A)1930 年代広東省土地調査冊の整理・分析と活用(課題番号 17251006)中間報告書
著者
八木 隆徳 坂上 清一 渡辺 也恭 高橋 俊 小路 敦
出版者
北海道農業研究センター
雑誌
北海道農業研究センター研究報告 = Research bulletin of the National Agricultural Research Center for Hokkaido Region (ISSN:13478117)
巻号頁・発行日
no.199, pp.13-23, 2013-03

ススキの分布北限域に近い北海道札幌市において,夏期の刈取りがススキ型草地の種組成と地上部重の推移に及ぼす影響を10年間調査した。隔年もしくは毎年の夏期の刈取りによりクマイザサが抑圧され,ススキの優占が維持できた。出現種数(26種/30m2,5.1‐7.7種/m2)は国内他地域のススキ草地に比べ低いこと,刈取りにより光環境が改善されても種数および種多様度指数の増加はみられないことが示された。ススキのみの現存量は処理間差が小さく,120-300gDM/m2程度であった。隔年の刈取りにおいても現存量が減少する傾向にあるため,長期的に利用するためには利用強度を隔年の刈り取りよりもやや軽くする必要があるものと推察された。

2 0 0 0 OA 新渦巻 : 小説

著者
渡辺霞亭 著
出版者
隆文館
巻号頁・発行日
vol.光子の巻, 1914
著者
渡辺悟 鈴木徹也
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.199-200, 2014-03-11

古文書には変体仮名が使われており、その翻刻作業には多くの知識と労力を要する。それは変体仮名には、異なる読みをする類似形状の文字や同じ読みをする多様な形状の文字が存在するためである。以前我々の研究グループは古文書の翻刻支援を目的として制約充足による手書き変体仮名認識法を提案した。その手法では、各文字の読みの候補を挙げ、読みの組み合わせの中から最適な単語列を探索する。この手法には、制約が少ないとき、組み合わせ爆発を起こすことがあった。本研究では、単語の生起コストと連接コストを導入し、コスト最小法とN-best探索を用いて解の個数削減を図った。実験により従来手法の問題点を解決できたことを確認した。
著者
伊藤 謙 宇都宮 聡 小原 正顕 塚腰 実 渡辺 克典 福田 舞子 廣川 和花 髙橋 京子 上田 貴洋 橋爪 節也 江口 太郎
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.157-167, 2015-03

日本では江戸時代、「奇石」趣味が、本草学者だけでなく民間にも広く浸透した。これは、特徴的な形態や性質を有する石についての興味の総称といえ、地質・鉱物・古生物学的な側面だけでなく、医薬・芸術の側面をも含む、多岐にわたる分野が融合したものであった。また木内石亭、木村蒹葭堂および平賀源内に代表される民間の蒐集家を中心に、奇石について活発に研究が行われた。しかし、明治期の西洋地質学導入以降、和田維四郎に代表される職業研究者たちによって奇石趣味は前近代的なものとして否定され、石の有する地質・古生物・鉱物学的な側面のみが、研究対象にされるようになった。職業研究者としての古生物学者たちにより、国内で産出する化石の研究が開始されて以降、現在にいたるまで、日本の地質学・古生物学史については、比較的多くの資料が編纂されているが、一般市民への地質学や古生物学的知識の普及度合いや民間研究者の活動についての史学的考察はほぼ皆無であり、検討の余地は大きい。さらに、地質学・古生物学的資料は、耐久性が他の歴史資料と比べてきわめて高く、蒐集当時の標本を現在においても直接再検討することができる貴重な手がかりとなり得る。本研究では、適塾の卒業生をも輩出した医家の家系であり、医業の傍ら、在野の知識人としても活躍した梅谷亨が青年期に蒐集した地質標本に着目した。これらの標本は、化石および岩石で構成されているが、今回は化石について検討を行った。古生物学の専門家による詳細な鑑定の結果、各化石標本が同定され、産地が推定された。その中には古生物学史上重要な産地として知られる地域由来のものが見出された。特に、pravitoceras sigmoidale Yabe, 1902(プラビトセラス)は、矢部長克によって記載された、本邦のみから産出する異常巻きアンモナイトであり、本種である可能性が高い化石標本が梅谷亨標本群に含まれていること、また記録されていた採集年が、本種の記載年の僅か3年後であることは注目に値する。これは、当時の日本の民間人に近代古生物学の知識が普及していた可能性を強く示唆するものといえよう。