著者
山口 雄仁 藤芳 明生 渡辺 哲也 鈴木 昌和 相澤 彰子 川根 深 駒田 智彦 金堀 利洋
出版者
日本大学短期大学部
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では,全盲・重度弱視・発達性読字障害など様々な形で視覚に障害を持つ児童・生徒が,インクルーシブな教育環境でデジタル教科書を容易に利用できるようにするため,電子書籍の国際標準規格EPUB3(DAISY4)に準拠するアクセシブルなデジタル教科書の標準モデルを確立した。それに基づいて既存のデジタル教科書に含まれる数式・化学式や図・グラフ・表・地図など特殊表記・2次元情報を,バリアフリー化するためのコンテンツ制作・編集システムと,多言語でそうしたコンテンツを利用するための閲覧システムなどを開発するとともに,わかりやすい触読図製作ツール,理数系文書理解支援技術などを研究した。
著者
小峯 和明 渡辺 匡一 池宮 正治 渡辺 憲司
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

研究の推進に当たって、まず長年進めている琉球文学研究会メンバーを協力者として要請し、初年度に沖縄で研究会を開催、各自の研究テーマと琉球文学研究とのすりあわせを行い、研究組織の拡充をはかった。当初の目的にしたがい、本土との交流もふまえた総合的体系的な琉球文学の総合目録作成をめざし、初年度にハワイ大学ホーレー文庫調査を試みたが、図書館側の事情もあり、思うように進捗しなかったため、テーマを各自の研究課題とあわせてしぼることとし、最終的に琉球の中世と近世の一大転換点である薩摩藩の侵攻、いわゆる島津入りに焦点を集約し、「薩摩藩侵攻前後の文学言説をめぐって」という研究テーマを確立した。これは従来まったくみられない斬新かつ重要なテーマであり、島津入りの数年前に琉球に滞在した袋中の著述『琉球神道記』『琉球往来』、島津侵攻を物語化した『薩琉軍記』、本土から往還した僧の『定西法師物語』、近世期の遊女・遊郭の起源伝承等々、多角的多面的ななテーマ設定が可能になった。『琉球神道記』をのぞいてはいずれも本格的な研究がなされておらず、伝本調査をはじめ、基礎的な研究からはじめ、ひとまず研究の方位を見定める地点で時間切れとなった。『琉球往来』に関しては従来の活字翻刻を一新する伝本を再発見し、詳細な本文校訂と注釈によって、一気に古琉球をうかがう資料としての価値が高まった。『琉球神道記』は近年の中世神道系の研究動向をふまえた注釈のための基礎資料集を作成、『薩琉軍記』は錯綜する伝本を整理し、かつ写本二種を購入、基礎的な研究をスタートさせた。『定西法師物語』も詳細な伝本研究と注釈研究を始動させ、遊女伝承も従来解明されていない領域にはじめて本格的な考証が加えられた。以上のように、基礎的な研究に終始したが、従来琉球文学といえば、無文字のシャーマニックな古代的なイメージが強かったのを完全に払拭し、あらかな研究の地平を開拓することができた。本研究をもとになるべく早く成果を公刊したいと考えている。
著者
橋本 道子 和 秀雄 阪口 雅弘 井上 栄 宮沢 博 渡辺 美香 三関 三乃 安枝 浩 新田 裕史
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.597-598, 1994-06-15
被引用文献数
2

ネコを飼育している家庭の布団からのネコ主要アレルゲン(Fel d I)除去を家庭用洗濯機を用いて行った. 洗濯の前後に布団から綿の一部を集め, その綿からネコアレルゲンを抽出した. その抽出液中のFel d I量をサンドイチELISA法で測定することにより, 除去率を評価した. 洗濯後の布団のFel d I量は95%以上減少した. 布団洗いはネコアレルゲンを除去するのに効果的な方法であることがわかった.
著者
渡辺 和志 吉崎 静夫
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.73-83, 1991-09-20
被引用文献数
2 1

本研究は,授業における児童の認知・情意過程を把握するために,小学校6年・理科の授業を題材にして,いくつかの再生刺激条件を検討し,手続き,時間,報告内容の観点からみて優れた再生刺激法を明らかにした.主な結果は次のとおりであった.(1)VTRによる再生刺激画面は,教室の後方より前方を写した画面が適当であった.(2)質問紙法とインタビュー法による報告内容の質と量について比較した結果,方法による差はほとんどみられなかった.(3)調査時間が短時間ですむ方法は,再生刺激場面を教師が決定し,質問紙法で児童に報告させる方法であった.(4)児童が授業を通して思ったり考えたりして,VTRを中断した場面の半数以上は共通していた.おもな場面は,教師の主発問,教材の提示,児童の実験であった.
著者
渡辺 匡央 森 征洋
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育学部研究報告. 第II部 (ISSN:03893057)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.75-101, 2004-09-29
被引用文献数
1

女木島の東浦で発生する局地的強風「オトシ」の現地観測を2回の冬季に行った。「オトシ」は日本付近を低気圧が通過した後, 冬型の気圧配置が強まり, 瀬戸内海地域で西南西から西の風が卓越するときに発生する。「オトシ」の発現時間の長さは短いときで数時間, 長いときで約4日間続くことがあり, ほぼ冬型の気圧配置の持続時間と一致する。「オトシ」は, 南西から南にかけての強風で, これまでの観測で, 最大平均風速20.2m/s, 最大瞬間風速35.2m/s (2002年1月27日) を観測している。「オトシ」が吹くとき, 風向の変動は少ないが, 風速の変動は大きく, 突風率も大きい。「オトシ」の発生時における移動観測や目視による海面の観察からから, 西よりの季節風が卓越するとき, 女木島南端に吹き付けた気流が地形によって曲げられて, 島を回り込んで東浦に向かって進むことが分かった。しかし, 風下側で風が強化される原因や, 季節風に対して島影になると思われる地域で強風域が形成される原因については限られた観測データだけでは解明できない。今後, コンピュータを用いた数値シミュレーションなどによる検討が必要である。
著者
鈴木 康弘 杉戸 信彦 坂上 寛之 内田 主税 渡辺 満久 澤 祥 松多 信尚 田力 正好 廣内 大助 谷口 薫
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.37-46, 2009 (Released:2010-02-24)
参考文献数
16

活断層の詳細位置・変位地形の形状・平均変位速度といった地理情報は,地震発生予測のみならず,土地利用上の配慮により被害軽減を計るためにも有効な情報である.筆者らは糸魚川-静岡構造線活断層帯に関する基礎データと,活断層と変位地形の関係をビジュアルに表現したグラフィクスとをwebGIS上に取りまとめ,「糸魚川-静岡構造線活断層情報ステーション」としてインターネット公開した.本論文は,被害軽減に資する活断層情報提供システムの構築方法を提示する.これまでに糸魚川-静岡構造線北部および中部について,平均変位速度の詳細な分布を明らかにした.この情報は,断層の地震時挙動の推定や強震動予測を可能にする可能性がある.さらに縮尺1.5万分の1の航空写真を用いた写真測量により,高密度・高解像度DEMを作成した.人工改変により消失している変位地形については,1940年代や1960年代に撮影された航空写真の写真測量により再現し,その形状を計測した.写真測量システムを用いた地形解析によって,断層変位地形に関する高密度な解析が可能となり,数値情報として整備された.
著者
入澤 千晶 石郷岡 学 渡辺 博幸 石井 延久 鈴木 騏一 菊地 悦啓
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.1193-1196, 1990-10

We have experienced 2 cases of intracavernous induration after injuries to the external genital parts caused by a motorcycle tank. Case 1. A 28-year-old male was admitted to our department complaining of painless indurations of the penile radix. Cavernosography showed segmental filling defect in left corpus cavernosum. Because erectile disturbance was noted, resection of the induration was carried out. Microscopic section of the excised tissue showed only fibrosis. Case 2. A 20-year-old male visited our clinic with chief complaints of induration of the penile radix and erectile disturbance. Corpus cavernosography demonstrated filling defect in bilateral corpus cavernosum. We recommended the resection of the indurations, but the patient refused. A brief review on etiology and therapy of intracavernous fibrosis was made.
著者
高橋 博巳 安藤 隆穂 玉田 敦子 鷲見 洋一 伊東 貴之 川島 慶子 長尾 伸一 逸見 竜生 寺田 元一 渡辺 浩 堀田 誠三 渡辺 浩
出版者
金城学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

当プロジェクトは、18世紀の公共知の東西比較を中心に、内外の研究者と共同研究を行ってきた。とくに朝鮮通信使を介しての日朝比較には、韓国の研究者と知見を共有し、当時の文芸共和国的な側面を解明することによって、これまで国ごとに分断されていた文学や思想の研究に新生面を開くことができた。これに比べると、清朝の文人や思想家とのより広範な知的交流の解明はなお道半ばと言わざるを得ず、より一層の深い解明が期待される。個別には伊東は『心身/身心と環境の哲学』、寺田・逸見らは『百科全書の時空 典拠・生成・時空』、長尾は『複数世界の思想史』において、従来の視点を大きく転換したり深化させて、新生面を開いている。
著者
渡辺 晴彦 宮崎 昭 川島 良治
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.706-712, 1975-12-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
18

肥育牛に尿素を含む飼料を与えたとき,尿石症の発生が少ない傾向のあることが観察されている.そこで尿石症に対する尿素の作用を確かめるために,めん羊を用いて尿素給与時の水分代謝と尿中ミネラル濃度を検討した.めん羊6頭を2区(だいずたん白質区と尿素区)に分け,予備期14日間,試験期10日間よりなる2期について,ラテン方格法による試験を行った.試験期間中には飲水量,尿量,糞中水分量,尿のpH,尿の浸透圧,血液のヘマトクリット値,尿中のCa, MgおよびP濃度を測定し,その結果を分散分析した.その結果,試験の時期間に有意差(P〈.01)を認めたが,尿素給与の影響のみを調べたところ,代謝体重当たりの尿量は尿素給与時に31%増加し(P〈.05),飲水量は17%増加した.一方,糞中水分量,尿の浸透圧,血液のヘマトクリット値,尿のpH,尿中のCaおよびP濃度には尿素給与による影響はみられなかった.しかし尿中のMg濃度は尿素給与時にやや低かった.そのため,尿素の給与は飲水量と尿量を増加させることによって尿石症の発生を予防するのではないかと思われた.なお,本試験ではめん羊の代謝体重当たりの飲水量と尿量との間には,r=0.931という高い正の相関を認めた.
著者
北村 倫夫 石田 宰 渡辺 謙仁
出版者
北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院 = Graduate School of International Media, Communication, and Tourism Studies, Hokkaido University
雑誌
国際広報メディア・観光学ジャーナル
巻号頁・発行日
no.15, pp.99-118, 2012

This study was aimed at proposing a strategy for promoting Science and Technology Tourism (STT) in Hokkaido, and was based on the case study for about thirty examples in Japan and foreign countries. By definition, STT is "the tourism aiming at learning about science and technology by seeing, hearing and experiencing." Although STT has been recognized as an important domain of tourism in foreign countries, it has not been right in Japan. However, as people's concern about science and technology is increasing in recent years, STT is playing a more important role in Japan and also in Hokkaido. The conditions for a success of STT in Hokkaido are having fundamentally three functions which consist of an exhibition function, a knowledge exchange function, and a participating experience function. Moreover, realization of the "economies of scale in tourism," effective use of unique natural resources, use of advanced science institutions, organizing of science tours, training of science communicators, cooperation with school education, etc. are also desirable conditions to make STT successful.
著者
亀井 輝彦 Li Yan Lee Seungpil 大和田 健 Nguyen Hao Nguyen Qui Mokhlesi Nima Hsu Cynthia Li Jason Ramachandra Venky 東谷 政昭 Pham Tuan 渡邉 光恭 本間 充祥 渡辺 慶久 井納 和美 Le Binh Woo Byungki Htoo Khin Tseng Tai-Yuan Pham Long Kim Kwang-ho Chen Yi-Chieh She Min Yuh Jong Chu Alex Chen Chen Puri Ruchi Lin Hung-Szu Chen Yi-Fang Mak William Huynh Jonathan Chan Jim Yang Daniel Shah Grishma Souriraj Pavithra Tadepalli Dinesh Tenugu Suman Gao Ray Popuri Viski Azarbayjani Behdad Madpur Ravindra Lan James Yero Emilio Pan Feng Hong Patrick Kang Jang Yong Moogat Farookh Fong Yupin Cernea Raul Huynh Sharon Trinh Cuong Mofidi Mehrdad Shrivastava Ritu Quader Khandker QUADER Khandker
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.15, pp.7-12, 2012-04-16

19nm製造プロセスを用い、シングルチップとしては最大容量となる128Gb 3-bit/cell NAND型フラッシュメモリを開発した。NAND型フラッシュメモリとしては最大のGb/mm^2である、チップサイズ170mm^2を実現した。3-bit per cellでありながら、All Bit-Line(ABL)アーキテクチャ、Air Gap技術、400MbpsトグルモードI/Oインターフェースの採用により、標準BCH ECCにおいても18MB/sの書き込みスループットを実現した。
著者
佐々木 茂 渡辺 博芳
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

著者らは,質の高い Web 教材開発のため,インストラクショナルデザインのモデルに沿って授業全体の構成や流れを記述した「授業アウトライン」を作成するとともに,教材そのものの設計に特化した「コンテンツアウトライン」を作成する手法を提案している.本研究では,この手法をシステム的なプロセスと考え,この手順に沿った授業・教材設計を支援するツールを開発した.また本ツールを用いた教材コンテンツの設計・開発を実践した.
著者
山口 喜雄 天形 健 福本 謹一 新関 伸也 奥村 高明 結城 孝雄 中島 望 佐藤 昌彦 安東 恭一郎 村上 尚徳 渡邊 弘 本田 悟郎 株田 昌彦 森田 香緒里 田和 真紀子 石野 健二 茅野 理子 渡辺 浩行 山田 有希子 村松 和彦
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

(1)『芸術教育文献解題ブックレット:英日対訳』2012・2013刊行 (2)雑誌論文72、国内外での学会発表55、図書5 (3)アジア・欧米・オセアニア・アフリカの13ヶ国・地域の学校・美術館等に国際調査と研究成果の還元 (4)宇都宮大学で映画会・シンポジウム等を5回実施 (5)『美術教育の世界ドキュメント2015+日本美術科教科書研究2015+芸術教育文献解題ブックレット2014・2015』刊行 (6)英日対訳Webサイト「アーカイビング研究会」http://www.ae-archiving.jp/art-e/で情報発信
著者
三浦 於菟 興津 寛 武島 英人 赤池 正博 斎藤 輝夫 岡田 研吉 白石 佳正 渡辺 裕
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.637-642, 1998-03-20
被引用文献数
3

〓血証盗汗の記載の〓矢は, 王清任『医林改錯』と唐宗海『血証論』であるが, その病態説明は少ない。そこで血府逐〓湯加減・抵当丸・桃核承気湯加減で盗汗が消失した〓血3症例(女性)に基づき, 東洋医学的病態を考察した。その共通病態は熱証(夏季の発病, のぼせ, 盗汗時のほてりなど)と下焦の〓血証(下腹部脹満, 少腹急結, 頻尿など)であった。その病態理論は以下のように考えられられた。睡眠中は衛気が血分に入る。このため, 体表の衛気は虚となり発汗しやすい状況となっている。血分の衛気は〓血の存在のために鬱し, 夜間に〓血の熱はさらに強まる。この熱が津液を温め蒸し, その結果津液が外に押し出されて盗汗が生じる。これより, 熱証が〓血盗汗の前提条件と思われた。また下焦=肝とすれば, 血は夜間肝に帰ることにより, 下焦の蓄血で出現し易いとの仮説も考えられた。以上より, 盗汗の原因のひとつとして〓血を考慮することも必要と思われた。