著者
渡邊 亨 高瀬 恵一郎 小嶋 徹 笠倉 尚人 板井 典朗 栂 博久 高橋 敬治 大谷 信夫 湯浅 幸吉 上田 善道
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.75-79, 1998
被引用文献数
1

症例は31歳, 女性。上気道炎に罹患しやすく, 25歳時には喀血の既往歴があった。平成8年3月に湿性咳嗽と黄色痰を生じ, 以降, 乾性咳嗽が続いていた。5月28日, 突然約100mlの喀血を生じ, 以後も喀血を繰り返すため近医受診し, 同日当院に紹介入院となった。気管支鏡により, 右B^<10>から鮮紅色の出血を認め, 胸部CT検査では右S^<10>領域に気管支拡張像と一部造影効果のある腫瘤状陰影を認めた。また, 大動脈造影では右下横隔膜動脈から肺静脈へ灌流する異常血管を認めた。異常の結果から肺分画症と考え, 喀血を繰り返していることから手術適応と考えて, 病変部分右S^<10>の肺部分切除を行った。切除標本にて, 拡張した気管支内に異物を認めた。本例は, 胸部CT, 右下横隔膜動脈造影により肺葉内肺分画症が疑われたが, 気管支内異物のため感染を繰り返し, その結果新生血管が発育し, 喀血を繰り返した症例であると考えられた。
著者
矢野 雅之 勝間 大輔 清水 大輔 渡邊 睦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.25, pp.321-326, 2006-03-17

画像認識を行う際、まず領域分割を行って認識対象の候補となる領域を設定することが行われる。しかし、領域数は一般に未知であり、又、明度/色相値の類似性のみで領域を生成した場合には影や模様の影響により適切に設定できないという問題がある。そこで本稿では、明度による自動領域分割に対してDFT処理した領域をクラスタリングした分割結果を統合することにより、領域分割結果の精度向上を行う方式について提案する。屋内シーン、屋外シーンにおいて本手法の有効性を確認した。The first stage of object recognition is generally the region(description) creation to identify candidates of recognized objects by means of segmentation. However, several difficulties exist in the segmentation, such as, unknown region number and miss-segmentation due to shadows or irregular texture patterns. We propose a unified method of both intensity-based segmentation result and texture-based one to improve the accuracy. The texture-based segmentation is executed by clustering DFT outputs. Experimental result have shown the effectiveness of the proposed method.
著者
勝間 大輔 清水 大輔 渡邊 睦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.93, pp.241-248, 2006-09-09

室内に存在する物体の種別・位置姿勢を2次元画像認識により求める際,複数物体の重なり・遮蔽や影などの影響によるコントラスト低下が生じた部分の特徴抽出が失敗し,正しく認識が行われないという問題がある.本論文では,認識対象個々の形状・属性情報を記述した物体モデルに加え,物体相互の位置関係,および人間動作との干渉関係を記述した『関係モデル』を適用することにより,上記の問題に対処する手法を提案する.撮影したシーンからまずエッジを抽出・ラスタベクトル変換・補完した後,連結性解析により閉面領域抽出を行う.次に物体モデルと照合することによりまず閉面単位のスコアを計算した後,隣接する閉面単位スコアを統合した統合スコアを求め,認識対象物体の候補を抽出する.ここで関係モデルを適用することにより,認識対象侯補完の位置関係の整合性を検証し,矛盾の無い閉面領域の組み合わせを認識対象物体領域として得る.最後に物体同士の位置関係や人間動作との干渉関係を用いることにより,未認識領域に対する解釈当て嵌めを行う.現在実装しているのは認識対象物体の候補抽出部分までであり,室内環境シーンを対象とした実験結果について述べる.2D Object recognition system tends to fail when detected features are vastly lost caused by overlapping of multiple objects, occlusion and decline in contrast This paper proposes a method to manage the incomplete feature detection problem by applying a "relation model" in addition to the conventional object model. First, detection of edge segments, raster-to-vector transformation and supplementation of edge segments are executed and closed region-based descriptions are created. Next, candidates of recognized objects are extracted by calculating the scores of each closed region based on matching with the object model, and unified scores are calculated by unifying the closed region scores in the neighborhood. Then, the consistency among recognized object candidates are examined by applying the relation model, and combinations of closed region are selected as recognized object regions. Finally recognition of unknown regions is executed by applying the relations among object positions and the relations between objects and human motion. Experimental results in indoor scenes by the implemented system are shown
著者
中村 貴志 松木 裕二 志堂寺 和則 渡邊 聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.103, pp.65-68, 2006-09-29

在,運転挙動の測定を行う実験の多くは,運転挙動測定装置を搭載した実験専用車両を被験者が運転することによって行われている.しかしながら,この方法では,自分の運転に対する評価を被験者が過剰に意識したりするため,普段の運転挙動を測定することが困難となっていた.そこで,著者らは,被験者の車両に容易に設置可能なシステムを開発した.この装置を被験者が普段使用する車両に搭載することで,速度,加速度,車両位置,車間距離,前方映像を長期間連続して測定することが可能になった.また,取得した全ての運転挙動データを人が確認するのは大変であるため,データから必要な部分を自動的に抽出するシステムを開発した.To measure drivers' behavior, experimental vehicles must be driven by test drivers. But because drivers are then conscious of the experiment, their everyday driving behavior cannot be analyzed. To measure and record everyday driving behavior, we developed a portable device that installs easily and measures car speed, acceleration, position, distance gap, and a frontal image. This device can be installed in drivers' personal cars so that we can examine their long-term driving behavior. In addition, we have developed a system that automatically analyzes the recorded driving behavior.
著者
秋元 守 原田 耕一 渡邊 和二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.59, pp.29-34, 2002-09-19

本報告は,AMeDAS観測の降水量データを活用した,日本全国各地を対象とする1分間降雨強度分布推定法の高精度化検討に関するものである.まず,過去25年間の1時間雨量データ及び1分間雨量データから,近年になって短時間に強い雨が降る傾向が増加している地点があること,及び1時間降雨強度分布と1分間降雨強度分布の関係が変化していることを示す.次に,この傾向を1分間降雨強度分布推定法の高精度化に反映する一例として,1時間雨量データから1分間降雨強度分布を推定する際に10分間雨量データも考慮する手法について定量評価し,既存の推定法より高精度となることを示す.
著者
秋元 守 原田 耕一 渡邊 和二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.305, pp.29-34, 2002-09-12
被引用文献数
1

本報告は,AMeDAS観測の降水量データを活用した,日本全国各地を対象とする1分間降雨強度分布推定法の高精度化検討に関するものである.まず,過去25年間の1時間雨量データ及び1分間雨量データから,近年になって短時間に強い雨が降る傾向が増加している地点があること,及び1時間降雨強度分布と1分間降雨強度分布の関係が変化していることを示す.次に,この傾向を1分間降雨強度分布推定法の高精度化に反映する一例として,1時間雨量データから1分間降雨強度分布を推定する際に10分間雨量データも考慮する手法について定量評価し,既存の推定法より高精度となることを示す.
著者
三品 美夏 渡邊 俊文 藤井 康一 前田 浩人 若尾 義人 高橋 貢
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.989-993, 1997-11-25
被引用文献数
8

麻布大学附属動物病院に来院した犬152頭 (正常群102頭, 腎疾患群13頭, 心疾患群37頭) に対し, オシロメトリック法を用い, 最高血圧, 平均血圧, 最低血圧, 心拍数の測定を行った. オシロメトリック法で測定した血圧および心拍数は, 正常群では測定回数を重ねるに従い低下し, 安定する傾向が認められた. 前腕部と尾根部において血圧および心拍数を測定したところ, 両者間での測定値に有意差は認められなかった. 性差に関して雄は, 雌に比較して有意 (p<0.05) に高値を示した. 年齢と血圧の関係は認められなかった. 正常群および疾患群の心拍数と血圧の検討では, 各群間で心拍数には差は認められなかったが, 最高血圧, 平均血圧, 最低血圧のすべてにおいて正常群, 心疾患群に比較して腎疾患群は有意 (p<0.05) に高値を示した. このことから, 犬における腎疾患の症例では高血圧が発症していると考えられた.
著者
渡邊 一弘 菊池 正浩 奥村 正裕 廉澤 剛 藤永 徹
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.889-894, 2001-08-25
被引用文献数
2 8

犬の歯根尖部にみられるapical deltaという複雑な構造は, 根尖病変の要因の一つと考えられている. 本研究では, apical deltaを含む根尖病変を除去するために行われている根尖切除術を実験的に犬に施した後, エナメルマトリックスタンパク(EMP)を根尖部に注入し, 根尖部歯周組織再生に対するFMPの効果を組織学的に検討した. ビーグル成犬5頭に対し, 全身麻酔下で左右の上顎第4前臼歯頬側近心根および上顎犬歯根の根尖とセメント質を除去した後, 左右いずれか一方の術部にEMPを注入し, 反対側を対照群とした. 12週間後, 安楽死して組織を採取し, 光学顕微鏡下で根尖切除部位における欠損の大きさ, 新生セメント質およびこれと新生骨を結ぶコラーゲン線維の有無を評価した. その結果, EMP群では対照群に比べ, 切除部位の欠損部は小さく, 新年セメント質の形成は優勢であった. 特に, 対照群では認められない新年セメント質と新生骨を結ぶコラーゲン線維が明らかに存在し, EMPが根尖切除後の根尖部歯周組織の再生を促進することが確認された. これらの所見は, 犬の根尖切除術に対するEMP使用の有用性を示唆するものである.
著者
渡邊 洋 梅村 浩之 吉田 千里 松岡 克典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.5, pp.491-500, 2001-05-01
被引用文献数
4

没入型VR装置(CAVE)を用いて広域視野(前面、床面、両側面)に、エンドレスループ状のトンネル内部を進行するヴェクションを生じさせるオプティカルフローを模擬した視覚環境下で、中心視野における奥行順序判断の感度としきい値を調べた。実験の結果広域視野にオプティカルフローが与えられた場合、奥行判断の感度が高くなり回転方向に依存してしきい値がシステマティックに変化することが示された。この結果を説明するものとして被験者のimplicitな基準面の参照と周辺視野情報からの体性感覚の変化が考えられた。
著者
安藤 英由樹 渡邊 淳司 稲見 昌彦 杉本 麻樹 前田 太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.11, pp.2025-2033, 2004-11-01
被引用文献数
18

これまで,指先に皮膚触覚情報を提示する手法についての研究が数多く成されている.しかし,これらの研究においては,指の腹側から触覚提示を行う方式が採用されているため,実環境からの触覚情報にバーチャルな触覚情報を重畳することは困難である.そこで,指の腹側ではなく,爪の側から振動を加えることによって,指のなぞり動作時に実環境ヘバーチャルな凹凸感を重畳可能な触覚提示デバイスを提案する.本デバイスは,指先で物体をなぞるときに指先に振動が加わると,振動ではなく凹凸といった知覚が生じることを利用している.本論文においては,そのなぞり動作時に指腹部で起きている圧力変化について調べ,その知覚が生じるメカニズムについて考察した.そして,心理物理実験によって任意のバーチャルな凸状幅を提示するための振動タイミングを特定した.
著者
渡邊 智子 土橋 昇 高居 百合子
出版者
千葉県立衛生短期大学
雑誌
千葉県立衛生短期大学紀要 (ISSN:02885034)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.15-21, 1986

花粉は,種子植物(顕花植物)の葯でつくられる粒状の細胞で受精の働きのある雄性配糖体を有し,下等植物の小胞子にあたる。花粉は,移動媒体により風媒花粉,水媒花粉,動物媒花粉に分類され,動物媒花粉は更に虫,鳥,人等に細分される。この中でもミツバチ花粉は,虫媒花粉の代表的なものの1つである。ミツバチは,その蜜嚢に少量の蜜をつめ,花から花へと移動する。その間に持参した蜜で顎と前肢を使い花粉を湿し団子状にした後,巣へ運搬する。この花粉団子がミツバチ花粉であり花粉荷とも呼ばれ,はち蜜と共にミツバチの自活栄養素となる。この点に注目し,古くからヨーロッパでは民間医薬品として珍重されており,日本においても真言宗の「求聞持食」に薬草類30種類の一つとして含まれている。近年では花粉荷は,巣箱の巣門口に花粉荷採取器を取りつけて採取し,食品として用いている。花粉の研究は,主に風媒花粉について花の種類別に,植物学的に行なわれている。ミツバチ花粉は,ミツバチが蜜と花粉を混合したものであり単一花の花粉から形成されていない。そのため,成分分析例も少なく,栄養学的研究報告はさらに見い出すことは難かしい。風媒花粉の成分をみると,花の種類により差がみられるが炭水化物13〜36%,繊維5%,蛋白質6〜29%,脂肪1〜4%であり,ビタミンB群も多く含み必須アミノ酸もすべて含んでいることから,ほとんどすべての栄養成分を豊富に含んでいることがわかる。また,花粉は2層の膜,クチクラ性の花粉外膜とセルロース性の内膜で包まれている。このことから,花粉をヒトが摂取した場合その栄養成分がすべて生体に吸収されるかどうか,その含有する繊維質は生体にどのような影響を与えるのかたいへん興味がもたれた。そこで幼ラットにミツバチ花粉を投与し成長におよぼす影響を検討したので報告する。
著者
山田 律子 渡邊 由紀子 相部 久美子
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.1-11, 2002-12

図書館員のスキルアップを図るために九州大学附属図書館で実施している職員研修の一つであるラテン語古刊本書誌作成研修会の10年間の活動を紹介し,この自主研修から得た成果と今後の課題等について報告する。