著者
植竹 勝治 大塚 野奈 長田 佐知子 金田 京子 宮本 さとみ 堀井 隆行 福澤 めぐみ 江口 祐輔 太田 光明 田中 智夫
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌 (ISSN:18802133)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.192-198, 2007
参考文献数
20

動物介在活動(AAA)に飼い主と共に参加する飼い犬(Canis familiaris)のストレス反応を、尿中カテコールアミン濃度を測定することにより調べた。イヌの覚醒状態に影響すると考えられる次の2要因について検討した: 特別養護老人ホームでのAAAへの参加日数(現地調査1)および対面式での活動時における老人の座席配置(車座と並列)(現地調査2)。現地調査1では、新規参加犬8頭の活動前から活動後にかけた尿中ノルアドレナリン濃度の上昇量が、参加日数が経過するにつれて直線的に低下した(尿中ノルアドレナリン濃度の上昇量に対する参加日数(毎月1回の参加で計9日間)の回帰係数-1.213,R^2=050,P<0.05)。その一方で、活動中の各セッションにおいて、姿勢や行動を相対的に長く抑制された場合には、アドレナリン(長い抑制15.03±9.72ng/mL vs.短い抑制4.53±2.94ng/mL)とノルアドレナリン(長い抑制12.26±8.80ng/mL vs.短い抑制3.62±3.62ng/mL)の濃度上昇は、相対的に短い抑制の場合に比べていずれも有意に大きかった(共にP<0.05)。現地調査2では、尿中カテコールアミン濃度の上昇は、老人の座席配置、すなわち車座(12頭,アドレナリン10.73±9.77ng/mL;ノルアドレナリン7.13±8.01ng/mL)と並列(11頭,アドレナリン13.37±10.63ng/mL;ノルアドレナリン5.70±5.19ng/mL)間で差がみられなかった。これらの結果から、月1回の参加でも、飼い主と一緒であれば、特別養護老人ホームという新規な環境とAAAの雰囲気に、イヌは容易に順応することができ、また見知らぬ老人に囲まれたとしても、特に緊張を感じていないことが示唆された。
著者
小川 泰嗣 木本 晴夫 田中 智博 石川 徹也 増永 良文 芥子 育雄 豊浦潤 福島俊一 宮内 忠信
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.86, pp.145-152, 1994-10-13
被引用文献数
4

日本語を対象とした情報検索に関する研究開発では、性能(検索精度)の評価に開発元独自の方法が用いられてきた。このような状況に対し、われわれは「情報検索システム評価用データベース構築ワーキンググループ」を設置し、情報検索手法・システムを公正かつ客観的に評価するためのベンチマーク構築を目指している。本稿では、情報検索システムモデル・対象データの特性とサンプル件数・評価法・作成手順などベンチマーク構築に関する現在までの検討内容を報告する。In the research and development of Japanese information retrieval systems, different research groups have been using different measures to evaluate their system because there is no standard or benchmark for them. Our working group in IPSJ-SIGDBS has been developing such a benchmark, and in this report we will present several of its characteristics: IR models, the features and size of texts and queries, evaluation methods, and the development procedure of the benchmark.
著者
植竹 勝治 中谷 治奈 増田 尚子 吉田 善廣 江口 祐輔 田中 智夫
出版者
麻布大学
雑誌
麻布大学雑誌 = Journal of Azabu University (ISSN:13465880)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.191-193, 2009-03-31

γ-アミノ酪酸 (GABA) の経口投与が肉用牛の長距離輸送および出荷・屠畜時のストレスを低減するかどうかを調べた。試験1では,対照区の去勢牛4頭に20mLの蒸留水を,処理区の去勢牛4頭に体重当たり10mgのGABA粉末を20mLの蒸留水に溶解した水溶液を,それぞれ130.1kmの陸路輸送直前に経口投与した。分散分析の結果,供試牛の唾液中コルチゾール濃度に対する処理と輸送経過時間との交互作用は,経過時間が60分までは有意 (P<0.05) であったが,120分以降については有意ではなくなった。試験2では,肥育牛20頭を5頭ずつ4処理区に分け,屠畜場への輸送前と翌朝の屠畜直前に,G区には13gのGABA粉末を100mLの蒸留水に溶解した水溶液を,S区には100mLの生理食塩水を,SG区には輸送前に生理食塩水と屠畜直前にGABA溶液を,それぞれ経口投与した。C区には輸送前も屠畜直前にも何も投与しなかった。多重比較検定の結果,いずれの処理区のウシの血漿コルチゾール濃度も,C区のウシよりも有意に低かった (全てP<0.01)。血漿アドレナリン濃度も,C区に比べ,S区のウシで有意に低く (P<0.05),G区のウシで低い傾向 (P<0.10) がみられた。これらの結果から,GABAの経口投与は,肉用牛の輸送および屠畜時のストレスを投与後数十分間は低減させることが確認された。We examined whether orally administered γ-aminobutyric acid (GABA) would reduce stress of applied animals such as cattle, sheep, pigs and dogs. We report here only about the results of tests of transport and handling stress in cattle. In test 1, 20 mL of GABA solution containing 10 mg of GABA powder per kg body weight was administered to a group of 4 steers. Twenty mL of deionized water was administered to another group of 4 steers. Both groups of steers were then transported together 130.1 km by road. A significant interaction between group and salivary cortisol level for transport times up to 60 min was shown in two-way repeated-measure ANOVA (P<0.05). In test 2, 100 mL of GABA solution containing 13 g of GABA powder was administered to 5 steers twice, just before transport and before slaughter (group G). One hundred mL of normal saline solution (NSS) was administered to 5 steers (group S); 100 mL of NSS and 100 mL of the GABA solution were administered to 5 steers just before transport and before slaughter, respectively (group SG). The remaining 5 steers did not receive any solutions (group C). Significantly lowered concentration of plasma cortisol in groups G, S and SG compared to group C was shown in multiple comparisons (all P<0.01). The concentration of plasma adrenaline was significantly lowered in group S (P<0.05) and tended to be lower in group G (P<0.10) compared to group C. These results indicate that orally administered GABA can be a kind of stress reliever for cattle transported and handled by human.
著者
伊藤 俊一 世古 俊明 田中 智理 久保田 健太 富永 尋美 田中 昌史 信太 雅洋 小俣 純一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0326, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】筋ストレッチングは,疼痛改善や関節可動域改善のための治療法の一つとして臨床で多用されている。その実施に関しては,静的ストレッチング(static stretching:以下,SS)と動的ストレッチング(dynamic stretching:以下,DS)が一般的である。SSは,目的とする筋群を反動動作なしにゆっくりと伸張を数秒から数十秒間保持する方法であり,SSは筋や腱の損傷の危険性が低く安全に実施することが可能とされている。近年では,近赤外線分光法(Nuclear Information and Resource Service:以下,NIRS)を用いた動物実験での筋血液動態の検討結果として,DSではSSに比べて筋収縮による血液循環の改善が認められるとされているが,ヒトにおける詳細な検討はない。また,ヒトを対象とした研究では,ストレッチング前後の関節可動域やパフォーマンスの比較は多数みられるが,血液変化での検討はほとんどない。本研究の目的は,ストレッチング法の違いがヒトでの筋血液量に与える影響を検討することである。【方法】対象は健常成人女性20人(21.7±0.7歳)とし,内科および整形外科的疾患を原因とする肩こりを有し薬物を使用している者や通院している者は除外した。また,対象のBMIは22.4±0.8であった。方法は,各被験者の利き手側を対象として,僧帽筋上部線維に対して頚部側屈他動的伸展によるSSとDSを24時間以上の間隔を空けてそれぞれ施行した。SSはストレッチ持続時間を30秒間×3セットとし,セット間は10秒間の安静とした。DSは5秒間の筋収縮後25秒間の安静を1セットとして3セット施行した。また,各ストレッチングの施行順序は無作為とした。筋血液量の変化は,ストレッチング介入前後での酸素化ヘモグロビン(oxy-Hb),脱酸素化ヘモグロビン(deoxy-Hb)をDyna Sence社製NIRSを用いて測定した。NIRSのデータの測定間隔は1秒とし,僧帽筋上部線維(第7頸椎棘突起と肩峰を結ぶ線上で,第7棘突起から3横指外側)に筋線維の走行と平行にプローブを貼付した。さらに,頚部側屈角度は酒井医療社製REVOによりストレッチング施行側の最大側屈角度を測定した。関節可動域の測定方法は,日本整形外科学会の測定方法に準じた。筋硬度の測定箇所は,イリスコ社製筋硬度計PEK-1を用いてNIRSのプローブ貼付部位と同一箇所とした。被験者は,いずれの条件下でも15分以上安静を保った後に測定を開始した。頚部側屈角度と筋硬度の測定は椅座位とし,筋ストレッチング実施前と実施後の2回の測定を行った。統計的解析には,Mann WhitneyのU検定とWilcoxonの順位和検定を用い,関節可動域および筋硬度には対応のあるt-検定を有意水準は5%未満として検討した。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は,福島県立医科大学会津医療センター倫理委員会の承認を得て,全対象者に書面により本研究の趣旨を説明し,同意書を得て実施した(承認番号24-21)。【結果】Oxy-Hb変化量(安静時値とストレッチング後の値との差)は,DSではSSと比較して有意な増加を認めた(p<0.01)。しかし,deoxy-Hbの変化および頚部側屈可動域,筋硬度には有意な差を認めなかった。【考察】NIRSの測定値に影響を与える因子として,被検者の皮下脂肪圧が挙げられている。先行研究では,BMI20-24の被験者では皮下脂肪厚が影響されないとされており,本研究の対象はすべてBMI20-24の範囲内であったことから,測定値に皮下脂肪厚の影響はないと考えられた。また,光岡らによるNIRSを用いた運動前後の筋内酸素動態の検討結果では,動脈血内においてはoxy-Hb量・deoxy-Hb量は両者ともに変化するが,静脈血内においてはoxy-Hb量は変化するがdeoxy-Hb量は変化しない,あるいは減少傾向を示すと報告されている。今回の結果,DSでは随意的な筋活動により,筋の収縮-弛緩による静脈還流を高めるミルキング作用が働き,DSではSSに比べ有意にoxy-Hb量を増加させた理由と考えられた。しかし,本研究により頚部側屈可動域,筋硬度には有意な差を示さなかったことは,今回の対象を健常成人女性としたためと考えられ,肩こりや頚部痛を有する対象者で再検討する必要がある。またさらに,本研究の対象者は20歳代の成人女性だけであるため,今後高齢者での加齢変化や性差の影響なども検討していく必要があると考える。【理学療法学研究としての意義】従来から,疼痛の原因の一つとして筋の血行障害が挙げられている。これまでのヒトを対象としたストレッチングの検討結果は,ストレッチング施行前後の可動域,筋出力,パフォーマンスでの比較であり,筋血液動態での検討は少ない。本研究結果は,今後臨床において血行障害改善のためのストレッチングの選択や適応を検討するに際に有用になると考えられる。
著者
東﨑 康嘉 松下 直矢 隅谷 悠司 後藤 卓也 田中 智之
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.854, pp.17-00272-17-00272, 2017 (Released:2017-10-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1

Power transmission systems using gears require both large capacity and miniaturization. As a result, the gears used in power transmission need to be strong enough to withstand high loads and high engine speeds. Because surface damage and temperature are related, it is very important to know the surface temperature of gears in operation. However, measuring the surface temperature of gears in operation is difficult. As an effective means to measure the surface temperature, method of using dissimilar metals is known. The voltage proportional to surface temperature was produced by contacting dissimilar metals. This is known as Seebeck effect. The authors tried to use two simple ferrous metals. In this study, S55C (Carbon steel) and SUS316 (Stainless steel) were selected to dissimilar metals. Both dissimilar metals were heat-treated and surfaces were hardened. SUS316 was performed plasma carburizing process and S55C was performed induction hardening. As for the gear, it is known that the two or more teeth will mesh simultaneously. In order to remove the influence of the number of tooth in operation, the gear of two sheets were made into the one structure meshed by turns (combined lacked gear). When making the gear of two sheets into one structure meshed by turns. The experiments were operated on maximum condition of contact pressure 1.47GPa in a pitch point. As a result, surface temperature measured almost successfully by combined lacked gear by SUS316 plasma carburizing process and S55C induction hardening. When we compared the experimental values and the theoretical values using Blok's formula, surface temperatures on gear teeth values were largely same.
著者
田中 智志
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤大學文學部研究紀要 (ISSN:04523636)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.A1-A28, 1996-03

一九世紀前期のニューイングランドに、多くの、愛による教育を論じる書物が登場した。愛による教育は、自己統治する<人間>を形成する方法である。自己統治する人間は、自己が超越的な内在性に準拠するという、自己準拠の形式をもつ身体である。愛による教育は、おもに中産階級の<家庭>をつうじて流布していったが、この家庭も、自己準拠の形式をもつ制度である。また、公教育は、第二の家庭として、父の補として、治療する博愛として構想されたものである。人間も家庭も公教育も、モダンな言説戦略に条件づけられ、この戦略は、機能連関という社会構造によって条件づけられている。愛、したがって愛による教育は、こうしたモダンな身体・制度、言説戦略、社会構造とともに可能になるものである。
著者
新村 毅 植竹 勝治 田中 智夫
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌 (ISSN:18802133)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.109-123, 2009
参考文献数
128

近年、動物福祉は思想から法律への具現化を急激に始めており、世界各国で法律・ガイドラインの制定がなされている。本総説では、産卵鶏の各種飼育システムにおける福祉性および生産性について概説し、福祉については、世界的に福祉の基本概念として認められている5つの自由の観点から長短所を明瞭化した。恐怖・苦悩からの自由については、多くのシステムが変動的であるものの、飢え・乾きからの自由については、いずれの飼育システムもリスクが低いと言える。各システムの特徴については、非ケージシステム、特に放牧では、痛み・傷・病気からの自由についての評価が低く、生産性については、産卵率の低下、卵殻・卵黄の退色が見られることに加えて管理に費やす時間は増加するため、結果として経済コストは高くなる。しかしながら、その一方で、正常行動発現の自由については評価が高い。従来型ケージは、非ケージシステムと逆の特徴を有しており、生産性を含む多くの指標において高い評価が見られ、粉塵・アンモニア量が少ないため、不快感からの自由については、リスクが低い唯一のシステムと言える。ファーニッシュドケージは、従来型ケージの利点を多く残しつつも、正常行動発現の自由については従来型ケージよりも評価が高い。しかしながら、小型ファーニッシュドケージと比較して、大型ファーニッシュドケージでは、羽毛つつきなどの増加により、痛み・傷・病気からの自由および恐怖・苦悩の自由については低い評価となる。このように、完全なシステムは存在せず、いずれの飼育システムにも長短所が存在することから、それらを理解しつつ、様々な動向を考慮し、飼育システムを採用する必要があるだろう。
著者
早川 晃司 大鐘 潤 田中 智 塩田 邦郎 八木 慎太郎
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集 第104回日本繁殖生物学会大会
巻号頁・発行日
pp.6, 2011 (Released:2011-09-10)

哺乳動物のゲノム上には組織・細胞種依存的なメチル化可変領域(T-DMR)が多数存在し、T-DMRのメチル化・非メチル化の組み合わせであるDNAメチル化プロフィールは細胞種固有の機能発現に重要な役割を果たしている。ヒストンH1ファミリーに属するH1fooは、卵核胞期から受精後2細胞前期までの限られた時期・細胞のみで発現する。H1fooは T-DMRを有し、雌性生殖細胞系列でのみ脱メチル化され、体細胞および雄性生殖細胞系列ではDNAメチル化によって発現が抑制されている。H1fooは体細胞核のリプログラミングや卵成熟に関わることが知られているが、その機能については明らかでない。そこで本研究では、マウスES細胞にH1fooを強制発現させることで、H1fooの機能解析を行った。H1foo発現ES細胞(H1foo-ES)を胚様体または神経細胞へと分化させる条件で培養すると、H1foo-ESはコントロールES細胞(Control-ES)で認められた分化に伴うマーカー遺伝子群の発現変化が起こらず、未分化細胞と類似した発現パターンを示した。発生・分化に伴いメチル化状態が変化するT-DMR(196遺伝子)をバイサルファイト法により調べた結果、H1foo-ESでは分化に伴う変化が認められず、特にControl-ESで分化後にメチル化される遺伝子群において顕著であった。一方で、H1foo-ESでは未分化条件下でも11のT-DMRにおいてControl-ESとDNAメチル化状態の差異が認められた。その中にはNoboxなどの卵特異的な遺伝子が含まれており、Control-ESに比べH1foo-ESおよび未受精卵で低メチル化状態だった。さらに、クロマチン免疫沈降法により、これらの領域へのH1fooの結合が認められ、H1fooによるT-DMRのメチル化変化であることが示唆された。これらの結果は、H1fooは特定の遺伝子領域のメチル化状態を変化させ、未分化ES細胞のDNAメチル化状態を維持することを示している。すなわち、H1fooは、卵および初期胚に特異的なDNAメチル化プロフィール形成に関与し、それゆえに非発現細胞ではDNAメチル化により発現が厳しく抑制されていると考えられる。
著者
伊藤 裕一 小川 登志男 田中 智基 佐藤 景一
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:2188921X)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.1-6, 2016-01-29

We have developed the creating and manufacturing contents for elementary school students to convey the attractiveness of mechanical engineering. In last year, we have developed the content related to fluid dynamics. The participants made a special model glider which was like "winged seed". In this year, we have developed the content using shape memory alloy. We demonstrated the unique properties of the shape memory alloy and then the participants made the strap of the shape memory alloy in the content.
著者
田中 智夫 太田 光明 植竹 勝治 江口 祐輔 タナカ トシオ オオタ ミツアキ ウエタケ カツジ エグチ ユウスケ Toshio Tanaka Mitsuaki Ota Katsuji Uetake Yusuke Eguchi
雑誌
麻布大学雑誌 = Journal of Azabu University
巻号頁・発行日
vol.11/12, pp.126-129, 2005 (Released:2012-09-12)

動物介在療法AATや動物介在活動AAAにに参加するイヌには,何らかのストレスが負荷されていることが知られていることから,本研究では,AAAにおける活動形態の違い及び活動経験に伴う慣れと,イヌのストレスとの関係について調査することを目的としたが,初年度はまず1つの施設において,慣れについて検討した。都内の特別養護老人ホームで活動するボランティア団体を調査対象とし,1年間にわたり毎月1回の活動時におけるイヌの行動と,活動前後の尿中カテコールアミン濃度を測定した。その結果,A及びNAの活動前後の濃度差は,活動回数を重ねるごとに直線的に有意に減少し,介在活動に参加するイヌは,活動への参加初期には少なからずストレスを感じていることがうかがわれた。また,介在活動に参加するイヌのストレスは,ヒトとの直接的な触れ合いというよりは,高齢者施設などの新奇刺激のほうが大きく影響しており,ハンドラーによる日常と異なる場面での行動・姿勢の制御も大きく関わってきていることが示唆された。2年目には,活動形態の異なる施設(高齢者が円状に位置し,その中を活動スペースとする「イヌが囲まれる」方法と,高齢者が向かい合って2列に並び,その間を活動スペースとする「イヌが囲まれない」方法)において,同様の活動を行うボランティア団体を調査対象として,原則として1年間毎月1回の調査を行った。いずれの施設においても,供試犬の尿中カテコールアミン濃度は,活動日の朝に比べて活動後に有意に上昇した。しかし,活動形態の違いによる差は認められず,高齢者の並び方といった要因は,「触れられる」,「行動を制御される」などの負荷がかけられる中では,大きな影響は認められなかった。各行動形の生起頻度や時間にも,活動形態による違いは認められなかった。なお,イヌの体格によって,ふれあい活動の内容や状況が異なることから,今後,犬種や活動内容とストレス強度との関係についても検討が必要であろう。 Stress states of dogs under an animal-assisted activity (AAA) in a nursing home were assessed by observing the dogs' behavior and urinary catecholamine concentration. In the first year, data collection was done every month in order to study the effects of habituation to AAA on the stress level changes of dogs. The results showed that even the dogs with AAA experience might feel some degree of psychological stress during AAA especially in the novel environment. Behavior of dogs was not affected by the AAA experience. In the second year, the similar program was conducted in the other three nursing homes, and the effects of contents of AAA were studied. In the two homes, the elder people sat in a circle around the dogs and their owners (C). In another home, the elder people sat in a double rank (R). Twenty-four dogs aged 2.3-7.7 years were used in total. Urine was gathered on the previous day of AAA (T1), in the morning of AAA (T2) and just after AAA (T3). Catecholamine concentrations of T1 and T2 urine were significantly different (p<0.01). Therefore, T2 urine was used as a baseline, and the difference of catecholamine concentrations between T2 and T3 urine was compared between C and R. Adrenaline (A) and noradrenaline (NA) concentrations of T3 urine were significantly higher than those of T2 urine in both C and R conditions (all : p<0.05). Dopamine concentrations of T3 and T2 urine were almost the same. These results showed that the dogs might feel some degree of psychological stress during AAA program. But the contents of AAA especially the position of elder people did not affect the stress level of the dogs.
著者
岩崎 健史 田中 智美 飯塚 祐輔
出版者
島根大学
雑誌
Laguna : 汽水域研究 (ISSN:13403834)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.13-18, 2009-06

Pacific oyster Crassostrea gigas and Portuguese oyster C. angulata are morphologically13;related species that are sympatrically distributed at nearshore blackish areas in13;the subtropical zone of East Asia. Although these two species have thus far been known as inter-fertilizable under controlled conditions, molecular-based studies on mitochondrial DNA analysis verified obvious genetic differences between them. Huvet et al. (2004) reported a novel microsatellite DNA marker enabling to discriminate allelic sequence variants for C. gigas and C. angulata. In this study, we developed a rapid, reliable, and secure PCR-RFLP analysis of the biallelic microsatellite marker to diagnose hybrid oysters between C. gigas and C. angulata in wild stocks. An array of wild oyster specimens of C. gigas haplotypes and C. angulata haplotypes collected from Japan, Taiwan, and Korea were subjected to PCR amplification of the microsatellite marker and subsequent RFLP assay using FastDigest&reg; Bsp1407I13;restriction enzyme, followed by microchip electrophoretic diagnosis of both PCR and RFLP products. It took about 2 hours for the whole process of our analysis, and the frequencies of biallelic variants observed in C. gigas and C. angulata haplotype stocks were at the equivalent level of those of the previous report. In addition, a high frequency of the allelic variants for C. angulata in C. gigas haplotype stock in Tokyo Bay suggests the occurrence of natural hybrid oysters between C. gigas and C. angulata.
著者
豊田 英人 江口 祐輔 古谷 益朗 植竹 勝治 田中 智夫
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌 (ISSN:18802133)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.57-65, 2012

本研究では、ハクビシン被害の対策を実施する上での基礎的知見として、捕獲ハクビシンを用いて、体型と繁殖状態について調査を実施し、それらに性差や季節性、地域差があるか否かについて検証した。調査は、埼玉県で捕獲された168頭(雄:74頭、雌:94頭)の成獣ハクビシンを対象として、体の各部位の計測値と、繁殖季節、受胎数、経産率を求めた。体サイズの測定では、冬期に捕獲した個体の体重、胸囲、腰囲が他の季節に捕獲した個体に比べ増加することが示された。繁殖季節は少なくとも1-9月と推定されたが、10-12月に関しては捕獲個体数自体が少なく、ハクビシンがこの時期に繁殖可能か否かは不明であった。受胎数は2.9±0.9で、経産率は57.4%であった。また、体型や受胎数、経産率に都市部と農村部で地域差は認められなかった。本研究の結果から、移入種といわれているハクビシンが、日本の気候に順応しており、高い繁殖能力を有し、都市部のような人の生活に密接した地域でも繁殖できる状態で生息していることが示唆された。このようなハクビシンの特性が、現在、我が国で増加しているハクビシン被害の一因となっている可能性が考えられた。
著者
田中 智夫 関野 通江 谷田 創 吉本 正
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.880-884, 1989

緬羊における色の識別能力のうち,特に類似色をどの程度まで識別できるかを明らかにすることを目的とした.供試羊は双子のコリデール種去勢羊を用い,正刺激側のスイッチを押すと飼料が与えられるスキナー箱を自作して2色の同時弁別実験を行なった.草の色を想定して緑を正刺激とし,黄および青から徐々に緑に近付けた計7色を負刺激としてそれぞれ識別させた.各課題とも1セッション30試行とし,20セッションまで行なった.各試行ごとにおける左右のカードの交換は乱数表に基づいて行なった.x2検定により1セッション21試行以上の正解(P<0.05)を基準とし,その基準に3回連続到達した時点でその色を識別したとみなした.結果は,黄から近付けた緑に最も近い色との対比において1頭が,また,青から近付けた緑に最も近い色との対比において2頭ともが,それぞれ識別不能と判断された他は,全ての組合せにおいて識別できるものと判断できた.以上から緬羊の色覚はかなり発達しているものと思われ,色による条件付け学習を利用した管理技術の開発の可能性が示唆された.
著者
平 朝彦 飯島 耕一 五十嵐 智秋 坂井 三郎 阪口 秀 坂口 有人 木川 栄一 金松 敏也 山本 由弦 東 垣 田中 智行 西村 征洋 鈴木 孝弘 木戸 芳樹 渡邊 直人 奥野 稔 井上 武 黛 廣志 小田 友也 濱田 泰治 室山 拓生 伊能 隆男 高階 實雄 勝又 英信 原田 直 西田 文明 南川 浩幸 金高 良尚
出版者
The Geological Society of Japan
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.7, pp.410-418, 2012
被引用文献数
5

東北地方太平洋沖地震において関東地方を中心に前例のない広域的な液状化被害が報告されている.都市地盤における液状化現象を理解し,その対策を立てるには,液状化が地下のどこで起ったのかを同定することが極めて重要である.本報告では,千葉県浦安市舞浜3丁目のボーリングコア試料に対して,X線CTスキャン解析を実施し,非常に鮮明な地層のイメージの取得に成功した.この結果,地面下13 mまでの地層を5つのユニットに区分することができ,その中で6.15 mから8.85 mまでの間で地層のオリジナルな構造が破壊されており,液状化した層であると判定した.この手法は,今後の液状化研究に関して,大きな貢献が期待できる.