著者
山地 康大郎 隅 健次 田中 聡也
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.823-828, 2016-05-31 (Released:2016-11-30)
参考文献数
24

子宮全摘後に膣断端離開により小腸脱出をきたした2症例を経験したので報告する。症例1は33歳,女性。卵巣腫瘍に対し腹腔鏡下子宮全摘,付属器切除を施行され,術後2ヵ月目の性交渉直後より腹痛を自覚し当院を受診した。膣より小腸の脱出あり緊急手術を施行された。膣断端が離解し回腸が80cmにわたり嵌頓していた。腸管壊死はなし。膣断端閉鎖を施行された。また総腸間膜症が認められた。症例2は53歳,女性。子宮筋腫に対し腹式子宮全摘を施行され,術後2ヵ月目に排便後,腹痛と膣脱出物を自覚し当院を受診した。膣より小腸の脱出あり緊急手術を施行された。膣断端が離解し回腸が1mにわたり嵌頓していた。腸管壊死はなし。膣断端閉鎖を施行された。本症でも総腸間膜症あり。子宮全摘後の膣断端離開はまれな合併症だが,小腸嵌頓が生じると症状が激烈であるため緊急手術の必要がある。また総腸間膜症が小腸脱出を助長する一因となることが示唆された。
著者
加藤 走 木村 充 田中 聡 中原 淳
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.46077, (Released:2023-06-07)
参考文献数
51

大学のリーダーシップ教育プログラムが増加することに伴い,大学生の個人的要因と大学生のリーダーシップ行動との関係についての検討が求められている.本研究の目的は,大学生のリーダーシップ行動とリーダー・アイデンティティの関連を定量的データに基づき明らかにすることである.本研究では,大学生291名を対象にwebによる質問紙調査を実施し,取得したデータに対してパス解析を行い仮説の検証を行った.分析の結果,大学生の関係水準のリーダー・アイデンティティならびに集団水準のリーダー・アイデンティティがリーダーシップ行動と正の関係があること,集団水準のリーダー・アイデンティティが関係水準のリーダー・アイデンティティよりも率先垂範,挑戦,目標共有,目標管理のリーダーシップ行動と強い正の関係があることが明らかになった.最後に,以上の結果から考えられる本研究の意義や教育実践への示唆,今後の課題について考察した.
著者
谷出 康士 沖 貞明 田坂 厚志 甲田 宗嗣 長谷川 正哉 島谷 康司 金井 秀作 小野 武也 田中 聡 大塚 彰
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.C3P1368, 2009

【目的】イメージトレーニングによる運動学習や運動習熟に関する研究は数多く報告されている.しかし,イメージトレーニングの筋力増強効果についての研究は少ない.そこで本研究では大腿四頭筋を対象とし,イメージトレーニングによる筋力増強効果を検討した.また,イメージ能力の高い被験者群とイメージ能力の低い被験者群との2群を設け,イメージ能力の差が筋力増強効果にどのような影響を与えるかを調べることとした.<BR><BR>【方法】研究の実施にあたって対象者には十分説明を行い,同意を得た.対象は健常学生24人とし,筋収縮を伴う筋力増強運動群(以下,MS群),イメージ能力の低いイメージトレーニング群(以下,Ns群),イメージ能力の高いイメージトレーニング群(以下,PT群)に分類した.Biodexを用いて,膝関節屈曲60°での膝関節伸展筋力を計測した.MS群には大腿四頭筋の等尺性最大収縮をトレーニングとして行わせた.一方Ns群とPT群にはトレーニング前に運動を想起させる原稿を読ませ,上記のトレーニングをイメージさせた.4週間のトレーニング実施前後に等尺性収縮を5秒間持続し,最大値を記録した.また,全被験者に自己効力感についてのアンケート調査を実施した.統計は各群内の筋力差にt検定を,3群間の筋力上昇率の差に一元配置分散分析を行い,有意差を5%未満とした.<BR><BR>【結果】1)筋力測定の結果:初期評価と最終評価における筋力平均値の変化は,MS群(p<0.01),Ns群(p<0.05),PT群(p<0.01)で有意に増加したが,各群間での筋力上昇率に有意差は認められなかった.2)アンケート:「トレーニングにより筋力は向上したと思うか」という問いと筋力上昇率との間に,MS群は正の相関が認められたのに対し,Ns群およびPT群では負の相関が認められた.<BR><BR>【考察】筋力測定の結果,3群全てにおいて筋力が向上した.イメージトレーニングのみ行ったNs群とPT群においても筋力増強が認められた理由として,運動イメージを繰り返すことにより筋収縮を起こすためのプログラムが改善されたためと考える.次に,Ns群・PT群間の筋力上昇率に有意差は認められない理由として,イメージの誘導に用いた原稿が影響したと考えられる.この原稿によってイメージ能力が低いと想定したNs群でも,一定の水準でイメージを持続できていたと考えられる.原稿によるイメージのし易さは,PT群に比べてNs群で高く,Ns群は原稿の誘導を頼りにイメージを想起し,PT群とのイメージ能力の差を補った可能性が示唆された.最後に,MS群では筋力上昇率と自己効力感との間に正の相関があったが,Ns群・PT群では負の相関が認められた.イメージトレーニングのみ行ったNs群・PT群では,フィードバックが無いことで,「この練習で筋力は向上するのか」という懐疑心が強くなったと考えられる.
著者
高梨 郁子 菅沼 優子 久永 聡 田中 敦 田中 聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.28, pp.71-78, 2007-03-16
被引用文献数
9

当社はアイキャッチ効果の高い大型映像表示機器と,操作が可能な携帯電話を連携したインタラクティブデジタルサイネージシステムを開発している.情報ポータルとしての大型映像表示機器の魅力的な広告コンテンツによって街を歩く人を集客し,更にそこから広告の店舗や会場に誘導することで街の様々なスポットに人の流れを作る街づくりプラットフォームとして提案している.しかし,携帯電話による歩行者誘導サービスを実現するためには屋内における様々な課題を解決した実現方式を検討する必要がある.今回,我々は屋内における携帯電話での歩行者誘導を実現するための方式について検討を行った.本稿では,この検討結果について述べる.Mitsubishi Electric Corp. has developed Interactive Digital Signage System, which enables interactivity between mobile phones and huge Displays, such as multi DLP (Digital Light Processing). We are proposing this system as a new platform for revitalization of local towns. The system is aiming to attract and gather the people, who walk the streets,by mesmerizing advertisement, and lead them to some specific location.However, there are many problems to realize indoor pedestrian navigation system using mobile phones. In this paper, we investigate those problems and propose a new mechanism which makes available to leads the peoplefrom information portal to some specific location, such as advertisingstores and/or event venue.
著者
韓 林花 田中 聡久 朴 原模
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶應義塾大学日吉紀要. 言語・文化・コミュニケーション
巻号頁・発行日
no.26, pp.97-119, 2001-04 (Released:2001-00-00)

第1章 はじめに 済州島の伝統女性社会第2章 済州島の潜嫂と歴史第1節 済州島における伝統的女性社会の2つの共同体済州島の自然環境と生活環境済州島女性の特性第2?節 済州島の潜嫂の世界済州島の潜嫂の世界潜嫂の歴史潜嫂社会の位階秩序潜嫂の訓練・修練潜嫂の作業場における危険要素潜嫂の事故死と「ケダッキ」第3節 済州島の潜嫂の世界二つの儀礼,彼女たちの祭り
著者
村川 美也子 星川 恭子 中川 美奈 田中 聡司 由雄 祥代 須田 剛生 阿部 和道 黒田 英克 飯島 尋子 日本肝臓学会キャリア支援・ダイバーシティ推進委員東部会ワーキンググループ
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.476-486, 2023-10-01 (Released:2023-10-12)
参考文献数
8

第44回日本肝臓学会東部会のキャリア支援・ダイバーシティ推進委員会関連企画の一環として,学会参加者を対象にキャリア支援・学会・SNSに関するアンケート調査を実施し,238名(男性78%,女性22%,40歳未満21%)から回答を得た.「希望するキャリアを継続する際の大きな障害」について最多回答は「時間的な余裕」(61%),次いで「支援体制の不備」(43%)であり,「キャリア支援・ダイバーシティ推進において重要だと思うこと」は「働く環境の整備」(58%)が最多だった.また,学位の取得や留学については肯定的な意見が多かった(学位81%,留学75%).必要な学会の取り組みとしては,学術集会・教育講演会のハイブリッド開催(74%)や単位更新のweb化(51%)の要望が多かった.さらにSNSを利用している割合はFacebook 44%,Twitter 32%であり,Twitterは若い年代で多かった.
著者
加藤 走 木村 充 田中 聡 中原 淳
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.207-216, 2023-06-20 (Released:2023-07-14)
参考文献数
51

大学のリーダーシップ教育プログラムが増加することに伴い,大学生の個人的要因と大学生のリーダーシップ行動との関係についての検討が求められている.本研究の目的は,大学生のリーダーシップ行動とリーダー・アイデンティティの関連を定量的データに基づき明らかにすることである.本研究では,大学生291名を対象にweb による質問紙調査を実施し,取得したデータに対してパス解析を行い仮説の検証を行った.分析の結果,大学生の関係水準のリーダー・アイデンティティならびに集団水準のリーダー・アイデンティティがリーダーシップ行動と正の関係があること,集団水準のリーダー・アイデンティティが関係水準のリーダー・アイデンティティよりも率先垂範,挑戦,目標共有,目標管理のリーダーシップ行動と強い正の関係があることが明らかになった.最後に,以上の結果から考えられる本研究の意義や教育実践への示唆,今後の課題について考察した.
著者
田中 聡
巻号頁・発行日
pp.62-85, 2012-03-31

新しいアイヌ史の構築 : 先史編・古代編・中世編 : 「新しいアイヌ史の構築」プロジェクト報告書2012
著者
真鍋 勇一郎 衣川 哲弘 和田 隆宏 田中 聡 角山 雄一 中島 裕夫 土岐 博 坂東 昌子
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.243-252, 2020-07-15 (Released:2020-07-15)
参考文献数
30

放射線の生体影響は様々なデータが蓄積している。しかしながらそれらの定量的,体系的な理解が不足している。我々は数理モデルによる理解を進めて来た。現在までの研究の進展と今後を展望したい。また,分野横断研究の必要性についても述べたい。
著者
田中 聡 中原 淳
出版者
経営行動科学学会
雑誌
経営行動科学 (ISSN:09145206)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.13-29, 2017

The aim of this study is to examine learning by middle management through the experience of new business incubation. We carried out a study consisting of semi-structured interviews of 15 middle managers working in new business departments of private enterprises. We analyzed the qualitative data from the 15 participants on the basis of the Modified Grounded Theory Approach(M-GTA) and constructed a learning process model. As a result of the M-GTA based analysis, it became clear that the learning of middle management through the experience of new business incubation had four phases: I. the responsibility avoidance phase, II. the reality acceptance phase, III. the critical reflection phase, and IV. the perspective transformation phase.
著者
林 勲男 杉本 良男 高桑 史子 田中 聡 牧 紀男 柄谷 友香 山本 直彦 金谷 美和 齋藤 千恵 鈴木 佑記
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008-04-08

大規模災害被災地への人道支援や復興支援は、災害規模が大きくなるほど、地域を越え、国を越えたものとなる。そうした支援が被災地の従来の社会関係資本を正しく評価し、それを復旧・復興に活用し、さらにはその機能と価値を高めることによって、将来の更なる災害に対する脆弱性を克服することに繋がる。しかし、地域や国を越えての異なる文化や社会構造の理解は容易ではなく、多分野の専門家や住民との協働が求められる。それは、開発途上国の被災地への支援だけでなく、先進国で発生した災害の被災地支援についても同様であることが、2011年3月発生の東日本大震災で示された。平穏時から、対話と協働に基づく活動と研究が重要である。
著者
古居 俊一 白岩 加代子 川勝 修就 長谷 いずみ 金井 秀作 田中 聡 大塚 彰
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.H4P3264, 2010 (Released:2010-05-25)

【目的】踏み台昇降運動は、臨床場面において、糖尿病や呼吸器・循環器不全の患者の運動療法の1つとして用いられている。また、臨床場面以外でも高齢者に対して転倒予防や健康増進を目的として用いられている。しかし、踏み台昇降に関しての、台の高さや昇降速度の設定については、疾患や対象者によって異なり、それぞれに対応して運動強度を決定している。わが国における運動強度は、一般にAmerican College of Sports Medicine(ACSM)の基準を参照していることが多い。しかしながら、ACSMで示されている運動強度は昇降用計算式によって求められた概算値である。本研究では、踏み台昇降運動について、日本人健常者を対象に実測値による運動強度とACSMで示されている運動強度が一致するか検討した。【方法】対象は心肺機能及び身体機能に特に問題の無い大学生14名(男性10名:平均年齢21.4±0.5歳、平均身長169.0±2.5cm、平均体重68.6±4.9kg、女性4名:平均年齢21.0±0.8歳、平均身長158.1±2.8cm、平均体重48.5±.1.7kg)である。運動課題は、15cm、25cmの各高さの踏み台を120歩/分の速さで昇降運動を行った。踏み台昇降運動を行う際には、呼吸代謝測定装置VO2000(S&ME社製)を用いて酸素摂取量の測定を行った。踏み台昇降運動は9分間行い、測定開始後2分と測定終了前2分間を除いた5分間を踏み台昇降運動の代謝量として解析に用いた。また、安静時酸素摂取量については、運動負荷を与えず、椅子座位姿勢にて3分間測定した。測定開始後30秒と測定終了前30秒を除いた2分間を安静時代謝量として解析に用いた。解析方法は、VO2000より得られた記録を呼吸代謝解析ソフトM-graphを用いて解析した。各高さにおける運動強度について、安静時酸素摂取量を基に算出した実測値運動強度と1MET=3.5ml/kg/minを基に推測値運動強度を算出した。ACSMが提示する昇降用計算式から求められた運動強度と比較するとともに、実測値運動強度と推測値運動強度においては、対応のあるt検定を用いて統計学的処理を行った。測定値は平均値±標準偏差で示し、危険率5%未満を有意とした。【説明と同意】予め、被験者には本研究の目的および内容について説明を行い、文書にて同意が得られた者を対象とした。【結果】安静時酸素摂取量は、4.1±0.8ml/kg/minであった。踏み台昇降運動の運動強度は、高さ15cmでは、ACSMが提示する運動強度は5.8METsであるのに対し、実測値運動強度は4.7±1.1METs、推測値運動強度は5.3±0.5METsであった。高さ25cmでは、ACSMが提示する運動強度は7.9METsであるのに対し、実測値運動強度は6.4±1.4METs、推測値運動強度は7.1±0.5METsであった。実測値運動強度と推測値運動強度には統計学的な有意差は認められなかったものの、実測値運動強度は推測値運動強度やACSMの概算値よりも低い傾向を示した。【考察】日本人健常者において、実測値運動強度は、推測値運動強度とACSMで示す運動強度より強度が低い結果となった。この結果から、ACSMを指標として運動処方を行った場合、あるいは1MET =3.5 ml/kg/minで運動強度を求めた場合は、実際には目標とする運動強度に達していない可能性が示唆される。高齢者を対象としたエネルギー消費量の計測を行った研究では、1MET=3.5ml/kg/minで計算した強度と実測による強度で比較した場合、実測による強度の方が低い結果を示し、高齢者の運動処方には十分注意が必要であると述べられている。また、女性を対象とし、肥満者と非肥満者の歩行時のエネルギー消費を比較した研究では、肥満者のほうが歩行速度に関わらず、非肥満者よりも有意にエネルギー消費が大きいとの報告もみられる。酸素摂取量に関しては、体格や心理的状態なども影響することから、1MET=3.5ml/kg/minやACSMで示す概算値を日本人健常者にそのまま適応するのは適切ではないと考えられた。したがって、日本人を対象とした運動強度の概算値を作成する必要があると思われる。【理学療法学研究としての意義】ACSMで提示している運動強度と実測値から求めた運動強度に違いが認められたことは、今後運動処方する際の注意事項として有意義な基礎情報になると考えられる。
著者
鈴木 善晴 田中 聡一郎 郷 祐美子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.I_391-I_396, 2012 (Released:2013-03-26)
参考文献数
12

The current study conducted numerical experiments using nonhydrostatic mesoscale meteorological model to clarify the mitigating e.ect of weather modification by cloud seeding on torrential rains. Based on simulated two heavy rain events in northern Kanto and Tokai regions of Japan, sensitivity analysis was performed by manipulating some conditions for cloud seeding implementation, i.e., area, height, time, etc., in incremental steps. Variations of rainfall distribution and convective cloud activity were examined to see the in.uence on the generation and development process of torrential rains. Results in some cases show a signi.cant decrease in areal average and/or regional maximum rainfall, especially noticeable in the case where cloud seeding was performed at a relatively high altitude. It suggests that weather modification by cloud seeding can weaken the development and convergence of torrential rains. In the case with such a decrease in regional maximum rainfall, a signi.cant increase of cloud ice was found in the upper part of the atmosphere, which seems to have caused the mitigation in the spatial and temporal convergence of precipitation particles falling to the ground.
著者
田中 聡一郎
出版者
慶應義塾経済学会
雑誌
三田学会雑誌 (ISSN:00266760)
巻号頁・発行日
vol.105, no.4, pp.577(55)-600(78), 2013-01

本稿では, 課税情報を用いた社会保障制度における低所得者対策のあり方の考察のために, その歴史的検討と『全国消費実態調査』の個票から市町村民税非課税世帯の推計を行った。世帯主年齢65歳以上の非課税世帯率は現役世代の非課税世帯率を大幅に上まわるものであることから, 現行の税制のまま, 市町村民税非課税世帯を低所得者対策に用いることは高齢者に便益を集中させる恐れがある。This study performs a historical consideration and an estimation of non-taxable households from individual data on the "National Survey of Family Income and Expenditure" and uses tax information to explore ideal conditions of measures for low-income people in the social security system. From the fact that non-taxable households aged 65 and older greatly exceed the non-taxable, currently active households, there is a concern that under the current tax system, using non-taxable household for low-income people measures will result in concentrating benefits in advantages to the elderly.小特集 : 社会保障制度の課題 : 新しいアプローチと分野
著者
山田 篤裕 四方 理人 田中 聡一郎 駒村 康平
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.127-139, 2012-01-20 (Released:2018-02-01)

本稿ではインターネット調査に基づき,主観的最低生活費の検討を行った。その目的は三つある。第一は一般市民が想定する最低生活費を計測することである。第二は主観的最低生活費が,尋ね方によりどれほど幅のある概念なのか,ということを確認することである。第三は生活保護制度と比較し,計測された主観的最低生活費がどのような特徴を持っているか把握することである。その結果,生活保護基準額は,単身世帯を除きK調査(切り詰めるだけ切り詰めて最低限いくら必要か質問)とT調査(つつましいながらも人前で恥ずかしくない社会生活をおくるためにいくら必要か質問)の主観的最低生活費(中央値)の間に位置すること,単身世帯では生活保護基準はT・K両調査を下回る水準となっていること,世帯所得が1%上昇しても主観的最低生活費は0.2%しか上昇しないこと,主観的最低生活費の等価尺度は小さい(=世帯に働く規模の経済性を大きく見積もる)こと,等を明らかにした。
著者
田坂 厚志 沖 貞明 田中 聡 島谷 康司 長谷川 正哉 金井 秀作 小野 武也 大塚 彰 坂口 顕
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.577-580, 2009 (Released:2009-09-24)
参考文献数
19
被引用文献数
1

〔目的〕超音波療法の客観的な有効性を明らかにするために,動物実験を行った。〔対象〕実験には10週齢の雌Wistar系ラットを16匹用いた。〔方法〕右足関節をギプス固定し,1日1回固定を除去して超音波照射後にトレッドミルで走行を行わせる超音波群(8匹)と1日1回固定を除去し超音波を照射せずにトレッドミル走行を行わせる対照群(8匹)の2群に分けた。〔結果〕個々のラットにおける実験開始前と実験開始1週間後の足関節背屈角度の変化をもって2群を比較したところ,超音波群では42.5±6.0度,対照群では51.2±11.7度となり,超音波群は角度変化が有意に少なかった。〔結語〕関節拘縮発生抑制効果に関する超音波の有効性が確認できた。