著者
田中 聡久 山下 幸彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.12, pp.37-42, 2000-04-20

画像の局所的な方向性に適応した重複直交変換(LOT)を提案し, 適応画像符号化への応用を示す.まず, 2MとMの2種類の長さの基底関数を持つ直交重複変換を考える.そして, 長い基底関数が与えられている場合, エネルギー集中性の意味で, 短い基底関数の最適解を導く.次に, この最適解を使って, 画像の局所的な方向性に適応した重複直交変換(OALOT)の定義を与え, その解と設計法を示す.計算機実験の結果, この変換がブロック歪みだけでなく, 強いエッジの周りに発生する高周波雑音も抑制することを示す.
著者
今西 二郎 渡邊 聡子 栗山 洋子 細野 八郎 田中 邦雄 矢野 忠 細川 豊史
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.669-674, 2002-11-20
参考文献数
4
被引用文献数
9 8

医学生の講義前後における東洋医学に関する意識を検討するため,京都府立医科大学の学生に自己記入式アンケートを配布した.医師に漢方を処方してもらったことのある学生は,18%,薬局で買った漢方薬をのんだことがあるのは53%,鍼灸治療を受けたことがあるのは,わずか13%であった。84%の学生が漢方医学に関心をもっており,漢方医学は勉強する価値があると思っている学生は82%,現代医療において漢方は必要であると考えている学生は76%,また将来漢方を自分の診療に取り入れようと思っている学生は54%であった.これらの数値は,講義後,それぞれ92%,85%,87%,62%に増加していた.
著者
品田 知美 田中 理恵子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、「日本および英国の核家族において、日常の生活様式の選択および水準維持が、子どもを持つことや働きかたへの理想とどのように関連しながら現実に選択されているのか、ミクロな家族システム内で生じている力学に関する知見を得る」という第1の目的は昨年度までに概ね達成された。日本の親たちに期待されている生活様式水準については、研究協力者による雑誌分析の結果によると、とりわけ食の分野において時間短縮というトレンドが提示されているようでも、実質的には相当に質への要求が高止まりしており、母親たちへの期待値は高いのではないかという暫定的知見が得られた。また、英国および日本の双方において小学生の子どもと同居する女性に対してインタビューを実施した。家族と労働にかんしてどのような意識構造のもとで両国で日々の生活が営まれているのかについて、その差異と共通性への知見を得ることができた。現時点ではすべての実査を終えたばかりであり、内容については十分な分析に至っていない。1つ暫定的な結論を述べるならば、日本の親たちの生活時間のトレンドは、食を整える時間がやや減って、子どもとかかわる時間が増加したという、英国の親たちに接近しているにしても、インタビュー調査によれば、意味するところはかなりの違いを伴っている可能性が示唆された。最終年度には、これまでの実査で得られた知見をもとに、「子どものいる核家族のワークライフバランスを実現するにあたり、生活領域で希求されていることと、現代日本の労働システムには、どのような点において齟齬が生じているのかについて理論的に考察する」第2の目的に向けて取り組む予定である。
著者
森山 卓郎 鍋島 惠美 斎藤 真由美 村田 眞里子 櫨山 ゆかり 小川 陽子 高野 史朗 光村 智香子 田中 琢也
出版者
京都教育大学
雑誌
京都教育大学紀要 (ISSN:03877833)
巻号頁・発行日
vol.115, pp.27-45, 2009-09

葛藤場面の写真から事態をどう見取るか,そしてどのような対応をするのかを学生(教育実習未経験),保護者,幼稚園の教員,保育園の保育士,において調べた。その結果,「可能性のある事態」,「最も可能性の高い事態」としても,幼稚園の教員は「事故」と考える割合が低く,学生は高かった。ここから,学生は事態をどう見るかの観点が獲得できていないと言える。次に,対応についても調査したが,「見守る」という対応をとったのは幼稚園の教員に有意に多く,学生に有意に少かった。同じ場面に対しても学生と幼稚園教員とでは対応が違うと言える。子どもが「仲よく」という発言をしていたという仲裁の場合は,「そうだね,仲良くしようね」といった介入は幼稚園の教員には有意に少なく,保護者に有意に多かった。以上から,幼稚園教員には直接的な介入を少し控えて,子どもたちの自立的な発達を促す傾向が読み取れる。こうした様々な「見方」を意識化することは教育実習での学びをより深くするためにも有益だと思われる。Using questionnaires, we studied how students, parents, kindergarten and nursery school teachers judged a situation in a photo showing conflict between 9 children. We found that students tended to judge the scene as an accident, while kindergarten teachers did not. From a management point of view, kindergarten teachers tended to "monitor the situation," while students did not. In case in which a child tried to mediate other children's conflicts, parents agreed with and enforced the mediation, while kindergarten teachers did not. Generally speaking, kindergarten teachers try to refrain from intervening with the intent of nurturing children's self-management.
著者
兼松 義典 笠井 唯克 田中 四郎 毛利 謙三 広瀬 尚志 兼松 宣武
出版者
朝日大学
雑誌
岐阜歯科学会雑誌 (ISSN:03850072)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.232-235, 2004-02-20
参考文献数
10

今回,われわれは,根管治療中に誤ってビタペックス^<[○!R]>を下顎管に圧入したために,下唇麻痺を惹起した1例を経験したので,その概要を報告する.治療は,(1)ビタペックス^<[○!R]>の除去(2)ビタミンB複合剤などの薬物療法(3)星状神経節ブロックと低周波通電による理学療法を行った.治療開始12週後に根管充填材が消失,20週後に下唇,〓部皮膚の知覚麻痺がほぼ完全に消失した.
著者
田中 八百八
出版者
日本森林学会
雑誌
林學會雑誌 (ISSN:21858187)
巻号頁・発行日
vol.9, no.5, pp.21-37, 1927-07-10 (Released:2009-02-13)
著者
田中 孝幸 桐野 秋豊 箱田 直紀
出版者
九州東海大学農学部
雑誌
九州東海大学農学部紀要 (ISSN:02868180)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.1-7, 2001
被引用文献数
1

ワビスケツバキ19品種について形態学的及び歴史的に調査を行った.その結果,'太郎冠者'はピタルディツバキC.pitardiiとヤブツバキC.japonica間のF1雑種で,'胡蝶侘助'が花壇地錦抄に現れた1695年以前に起源があるものと思われた.さらに,'太郎冠者'以外のワビスケツバキ品種群は2つのグループ,すなわち,狭義のワビスケツバキ品種群と'西王母'タイプのもの及びそれらの中間の形質を持つものに分けられた.広義のワビスケツバキ品種群をピタルディツバキC.pitardiiとヤブツバキC.japonica間のF1雑種('太郎冠者')あるいは戻し交雑世代のもの(多くはBC1)であると定義した.
著者
上城 太一 藤原 晶彦 田中 英明 多賀谷 敦
出版者
一般社団法人 軽金属学会
雑誌
軽金属 (ISSN:04515994)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.147-151, 1991-03-30 (Released:2008-10-30)
参考文献数
11
被引用文献数
5 5

Aluminum single crystals in the (112) [111] orientation were cold-rolled to 99% reduction. The main component of rolling textures changed from the initial orientation towards (4 4 11) [11 11 8] orientation above 80% rolling but it was sharp up to the maximum reduction. The weak intensity areas were observed spreading over the pole figures. The minor component which was symmetrical to the main component with respect to the transverse direction, was formed at 90% rolling and developed with increasing reduction. The deformation structure of a totated cube orientation was observed in the (100) pole figure of the crystal cold-rolled 99%. The recrystallization textures were composed of a (1 1 10) [7 3 1] orientation which was appropximately related to the cube orientation by 22° rotation around the normal direction. Any orientation change from (1 1 10) [7 3 1] to (001) [100] was not found with an increase in rolling reduction. The formation of the rotated cube texture is attributed to preferential nucleation from the deformation structure in the same orientation. The deformed matrix of S-orientation might be required for development of the cube texture of good symmetry.
著者
深井 明 田中 之浩
出版者
日本食品衛生協会
雑誌
食と健康 (ISSN:13482513)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.8-17, 2003-04
著者
畠山 栄子 横内 靖典 田中 博明 石井 宏
出版者
城西大学
雑誌
城西大学研究年報. 自然科学編 (ISSN:09149775)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.63-79, 1991-03

今回は, 一般・集中・毎週グループの三つのグループに対し, 一般グループについては, 特別な条件は与えず, 毎週1回の体育実技を受講させ, 集中グループには5日間の集中授業のみで, その中で毎日3分間の踏台昇降運動をトレーニングとして条件を与え, その他は一般グループと同様に体育実技の授業を午前9 : 30〜午後4 : 30まで, 途中昼休みとして40分間の休憩を取っての毎日厳しい集中授業を実施。そして毎週グループは一般グループと同様, 週1回の体育実技を行うと共に毎授業時に準備運動として, 3分間の踏台昇降運動を実施した。そしてこの3グループ間の一年間の体育実技の効果を最初の測定(4月の体力測定の中の踏台昇降テスト)と最後の測定(12月の体力測定の中の踏台昇降テスト)との比較によってみたものである。ただし, 集中グループについては, 踏台昇降テストは集中授業の初日と集中授業の最終日に実施している。その結果, 何の条件も与えていないグループの最初の測定の結果と最後の測定の結果の値は, 平常脈・1回目の脈拍・2回目の脈拍・3回目の脈拍・身体効率指数, それぞれに多少良い傾向を示しているが, その差はあまり大きなものではない。つまり4月の体力(持久性に限り)からわずかながらの向上をみるに留まった。集中のグループについては短期間のトレーニングを与えることにより, 最初の測定の結果では, 一般グループを全ての平均値が大きく下まわっていたにもかかわらず, 最後には, 一般グループに追いつき, 更にはわずかながらではあるが追い越している。このことから一時的にでも継続してトレーニングをすれば, それなりの効果を上げることができる。これは当然のことであるが, そのトレーニングの内容が, わずか3分間の踏台昇降(男子40cm・女子35cmの高さの台使用)運動だけでトレーニング効果を得ているという事に興味をひくのである。最後に毎週グループについては, 当然の結果を得ているという事が証明され, やはり週に一度だった3分間の踏台昇降運動で, これ程大きな成果を上げることができたという事は, 大きな意義を持つものである。そして今回トレーニングを積んでいる者といない者とは, 脈拍ののび率の結果からもわかるように, ある刺激に対する反応の仕方がトレーニングを積んでいない者は, 大きく反応し, トレーニングを積んでいる者は反応が少ない。つまり負荷に対する許容量が大きいという事が証明された。これからも, 常日頃の運動不足により運動許容量が小さくなってきている人達は小さな刺激に対しても, 大きく反応してしまい, 各自の体力の低下が, 日常生活にも影響してくるようになる事は必然であろう。体力はちょっとした心がけで維持増進する事ができるのである。次回は, 特に毎週グループの学生の追跡調査をし, 現在の体力がどのように変化していくかを調査したいと考える。
著者
齋藤 誠二 田中 翔子 松本 和也
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.266-273, 2012-10-15 (Released:2012-12-25)
参考文献数
19
被引用文献数
1 2

転倒しにくいスリッパを提案することを目的に,スリッパの性質と歩容およびスリッパのズレとの関連について検討した.若年者男性10名と女性10名に異なる4足のスリッパを履かせ8 mの自由歩行をさせた.そして,歩行中における任意の3歩分の歩容と下肢筋電図を分析した.さらに,スリッパの主観評価と屈曲性評価を実施した.その結果,屈曲性の低いスリッパを履いて歩行すると片足支持期における足関節の背屈が抑制されることが示唆された.また,遊脚期終期において足部が床と接触することを避けるために,股関節をより屈曲させるとともに,膝関節の伸展を遅らせる必要があることが示唆された.さらに,ソールの屈曲性が影響していると推察されるフィット性が低いスリッパでは,遊脚期においてスリッパが足部からズレやすいことが示唆された.したがって,高齢者のスリッパによる転倒を予防するためには,適度な屈曲性を明らかにする必要がある.
著者
神谷 泉 黒木 貴一 田中 耕平
出版者
日本情報地質学会
雑誌
情報地質 (ISSN:0388502X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.11-24, 2000-03-25
参考文献数
40
被引用文献数
23

数値地図50mメッシュ(標高)を用い,地表面の傾斜を濃淡画像で表現した傾斜量図を作成し,これを用いた地形・地質の判読を試みた。傾斜量図は,低地(段丘),山地,火山,地すベり地の地形の判読に有用であった。また,構成地質に関しては,構造線・断層の候補となるリニアメント,ある種の岩石の分布域の境界を判読できる場合があった。判読のための傾斜の計算方法としては,Roberts型よりもPrewitt型あるいはSobel型が優れている。傾斜量図は,他の地表面の表現手法と比べ,いくつかの点で優れている。上記の判読で使用している基本的な判読キーは,「明るさ」,「一様性」,「線間隔」,「鮮明さ」,「方向性」であった。また,山地においては,尾根と谷に対応する明るい線が互いにがっちりかみ合った模様である「脳状模様」が有用な判読キーであった。以上を総合し,傾斜量図は,地形・地質を調査する上で重要な資料となりうる。
著者
宇野 弘晃 田中 一晶 中西 英之
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

本研究の目的は自動相槌システムを開発し,遠隔操作ヒューマノイドロボットを用いる遠隔地間の会話において操作者の負担を軽減することである.従来のロボット操作では操作者に負担を強いることが問題であった.本研究では,会話中の身体動作として特に相槌に着目し,相槌を自動化することでその問題を解決する.自動相槌システムの実用性を調べるために,自動相槌による話しやすさや存在感への影響を測る実験を行った.