著者
黒河 卓弘 吉松 和久 山内 将行 田中 衞
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.122, pp.71-76, 2010-07-05

本研究では,ボルトなどの緩みを検出し,緩んだ角度を計測できる,スパイラルインダクタを用いた安価なシステムの構築を提案する。スパイラルインダクタは,2枚重ねれば,その間に相互インダクタンスが生じる。よって,一方のスパイラルインダクタが回転すれば,スパイラルインダクタ間の相互インダクタンスが変化すると考えられる。そこで,スパイラルインダクタを用いたフィルタを構成し,相互インダクタンスの変化を利用すれば,回転角度が検出できると考えられる。
著者
浅野 真誠 大矢 雅則 田中 芳治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.357, pp.111-116, 2009-12-31

近年,KossakowskiとOhyaによって,非最大エンタングルド状態を用いた量子テレポーテーション・スキームが提案された.本研究では,そのスキームを実現する物理モデルを,量子光学に基づいて提案する.我々のモデルでは,アリスがシュレディンガーの猫状態をボブに送信する.アリスとボブの間に用意されるエンタングルド状態は,光子数状態をビームスプリッターに入射することで生成する.入力する猫状態とエンタングルド状態における平均光子数の比が等しいとき,フィデリティは高い値を示す.
著者
石崎 俊 田中 茂範 今井 むつみ
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.28, pp.17-24, 1994-03-17
被引用文献数
6

自然な発話状況における対話では、従来の文法に基づいて判断するとおかしいが、意味は自然でよく分かる文が多く見られる。そのような対話文では意味を主体にした解析手法が望ましい。しかし、従来の意味解析手法や辞書の機能では「固い」ため、そのような意味解析を実行するには不十分なことが多い。そこで、本研究では、従来よりも柔軟な意味解析機構をもつモデルの構築を目標とし、それに適した意味解析法と、概念辞書における距離空間の導入について基礎的な検討を行う。概念辞書において概念間の距離を、従来のように階層構造をたどるのではなく、多次元尺度法を用いて定量的に距離を測ることによって距離空間を構成することを検討する。次に、状態を表す概念を指標としたSD法を用いて意味空間における距離を計算し、動的な意味の変化について基礎的な検討を行う。In spontaneous conversation, we have many ungrammatical but semantically natural sentences. Analysis based on semantics or context seems appropriate for such conversational texts. The traditional methods for semantic analysis or structures of concept dictionaries are not enough to treat with such texts. This paper discusses, therefore, a computational model which has a flexible mechanism for semantic analysis and discusses functions and a structure which concept dictionaries should have. For example, using cognitive psychological experiments, MDS method, a metric space among concepts can be organized. Then, SD method using concepts of state as parameters introduces a metric space where dynamic semantic analysis can be formalized. This paper discusses possibilities of these new approaches.
著者
田中 共子 兵藤 好美 田中 宏二
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.39-50, 2002
被引用文献数
3

This study analyzed 251 completed questionnaires concerning the social support network of caregivers for elderly family members. The hierarchy of social support resources was assumed to be in the order of co-resident family members, non-resident family members, friends, and neighbors to professional caregivers. Using the subcategory comparison method showed that a lower member compensates for a higher member's absence for emotional and instrumental support, and thus a hierarchical compensation model was supported. Social support network members conformed to the task specificity model regarding emotional, minor and major instrumental support, companionship, and informational support. Further, for companionship and informational support, particular resources indicated that compensation depends upon task specificity. Therefore, revision of the hierarchical compensation model is suggested. Caregiver levels of life satisfaction in cases of coresident family support are than those of non-resident family support. The importance of family support, the possibilities of compensation, and the differences of social support networks that depend on the relationships between caregivers and caretakers, are discussed.
著者
池上 宗光 田中 衞
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.77, no.7, pp.954-964, 1994-07-25
被引用文献数
25

符号化において,もとの信号が自然画像のように近傍で強い相関をもっている場合には,より少ないビット数でもとの信号を表現できることが期待される.本論文では,送信側において局所的に相互接続された離散時間型セルラニューラルネットワーク(DTCNN)のダイナミックスによるA-D変換でアナログ画像をディジタル画像に符号化し,受信側でそのディジタル画像を低域フィルタに通すことによりもとのアナログ画像を復号する低ビットの符号化方式を提案する.本方式では,静止画像の符号化を原画像と復号画像間の誤差を最小化する最適化問題に帰着させ,符号化により発生する雑音を画像全体で抑えるようにひずみ関数を定義する.そして,ニューロンの出力を多値に拡張した多値ニューロンのダイナミックスにより高品質な復号画像を得るようにしている.本方式は,単純なデバイスから複雑な機能を実現する並列処理的なダイナミックスを用いているので,網膜のように光などでまとまって入力されたアナログ情報をリアルタイムにディジタル変換することが可能であると期待される.
著者
田中 寿人 笠原 貴紀 秋山 菜奈絵
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.424-428, 2011-09-25 (Released:2011-12-09)
参考文献数
3

【目的】一般診療上にて椎間板ヘルニアは,交通外傷などの関連性を問われる機会が増えてきた.頚部椎間板ヘルニアの画像所見のうち,外傷性ヘルニアである事を示唆する所見が捕らえることが出来ないか検討した.【方法】平成20年度に当院において頚部椎間板ヘルニア疑いでMRI検査した症例を明らかな外傷歴のある外傷群(19例)と外傷歴のない非外傷群(16例)にわけてそれぞれの画像を比較した.【結果】外傷群では椎間板ヘルニアがT2で高輝度を示し,椎間板内部とヘルニアが連続して高輝度を示すものもあった.外力の程度によっては喉頭下軟部組織の腫脹を認めた.さらに屈曲損傷型は棘間靱帯部に出血を認めた.以上の所見は外傷の関与を強く疑わせる所見と考えられた.ただ,若年層は非外傷群でもT2*で高輝度を示す事があり,喉頭下軟部組織の腫脹は頚長筋炎の症例と紛らわしい事があるため注意が必要であった.
著者
田中 義博 酒井 靖彦 近江谷 尚紀 清野 晃孝 池田 光男 早坂 正博 高橋 健二 田島 篤治
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.991-1009, 1985-10-01
被引用文献数
8

医療の向上,社会福祉の増強とともに高齢化社会が出現しdenture wearerが非常に増える傾向にあるこのなかにあって,高齢者の適切な摂食作業を呼び起こすために,食品の物理的な性質の研究は重要な課題である。特に老人特有の無気力化の防止に咀嚼,いわゆる食行動,摂食作業は日常生活のなかで大きな役割をはたしているものと考える。このような考えから,われわれは,摂食時における総合的な咀嚼研究の展開をめざしているが,今回は基礎的研究として多極食品の咬合破断時の状態を口腔外装置を使用して荷重量-変位量によって捕捉した。
著者
田中 愛子 丹 佳子
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

第1段階は、健康な成人を対象に、45分の笑いヨガを4回行った。参加者7人の血液検査、POMSテストを分析した結果、NK細胞活性は笑いヨガ前後の有意差はなかったが、POMSテストでは「不安‐緊張」等が有意に減少した。第2段階は、がんの既往歴がある5人の女性を対象に、40分間の笑いヨガを月に2回、全5回実施した。結果、笑いヨガ前後で、NK細胞活性に有意差はなかったが、POMSテストでは緊張-不安」等が有意に減少した。以上より、定期的に笑いヨガを行うことは、精神的な効果が顕著であることが示唆された。
著者
青木 輝夫 本山 秀明 竹内 望 的場 澄人 堀 雅裕 八久保 晶弘 山口 悟 田中 泰宙 岩田 幸良 杉浦 幸之助 兒玉 裕二 藤田 耕史 朽木 勝幸 庭野 匡思 保坂 征宏 橋本 明弘 谷川 朋範 田中 泰宙 植竹 淳 永塚 尚子 杉山 慎 本吉 弘岐 下田 星児 本谷 研
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

グリーンランド氷床上での現地観測から、涵養域ではアルベド低下に対するブラックカーボン(BC)等積雪不純物の寄与は小さく、積雪粒径増加効果の方が大きいことが分かった。また2012年7月の顕著な表面融解には下層雲からの長波放射が効いていた。消耗域では表面の不純物中に微生物が大量に含まれ、アルベド低下へ大きく寄与していた。衛星観測から2000年以降の氷床表面アルベドの低下原因を解析した結果、涵養域では積雪粒径の経年増加が主要因で、消耗域では裸氷域と微生物を含む暗色域の拡大が原因であった。内陸域で深さ223mの氷床コアを掘削し、その解析からBC濃度は1920-30年に現在の数倍程度高いことが分かった。
著者
田中 亘
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.29-38, 2004-07-01
被引用文献数
1

本研究では,林業体験活動の一つである京都府林業労働支援センター主催の「グリーンスカウト」事業参加者を対象に聴き取り調査,および就職までの追跡調査を行った。その結果から,彼ら林業就業希望者の属性および意識,林業へ参入できた者と参人できなかった者との差異について明らかにした。グリーンスカウト参加者の特徴として以下の点が挙げられる。(1)近畿圏の都市部出身で,20代前半は学生もしくはアルバイト,20代後半から30代は転職希望である。(2)自然(山)や環境への関心から林業への就業を希望し,その職場環境を評価する。(3)できれば都市からの便が良いところに就職したいとの意向を持ち,若干住居に不安を感じている。(4)年齢が上がるほど転職へのハードルの高さも自覚している。本事例における採用の決め手は,第一に地元の出身であるか否か,第二に意志の強さであった。事前体験制度は,就業希望者の思い描いていた林業と実際の林業とのミスマッチを埋める役割を果たしていた。しかし同時に,就業を果たせなかった多数にとってはそれが志望変更のきっかけとしても機能していた。
著者
近江屋 一朗 中村 攻 齋藤 雪彦 鳥井 幸恵 田中 史郎
出版者
千葉大学
雑誌
食と緑の科学 : HortResearch (ISSN:18808824)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.59-69, 2008-03

本研究は子どもの遊び環境の一つとして,現在その遊び環境としての機能が低下していると考えられる,下校路の将来あるべき像を描くためのものである.そのために50代以上,30代・40代,20代以下の回答者それぞれの下校行動の特徴を(1)下校ルート(2)下校時の行動と環境(3)下校ルートにおける仲間の有無から明らかにした.その結果,直帰型,Uターン型,選択型,複合型の5つに分けられた下校パターンは世代によって割合が変化しており,若い世代では下校ルートを能動的に使い分けない直帰型やUターン型の帰り方が多くなっていた.また,下校パターンと下校時の行動にも関係性が見られ,複数の道を使う帰り方で下校時の行動は活発であった.40代以下から増え始めた遠回り型や複合型は遊びや友達を得るために子どもたちが遠いルートでも利用しているということを示していると考えられた.これらより,今後の下校路には遊び環境の充実と共に幅広い道の選択を許容することの重要性が示された.
著者
古賀 令子 北方 晴子 田中 里尚 濱田 勝宏
出版者
ファッションビジネス学会
雑誌
ファッションビジネス学会論文誌 (ISSN:13489909)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.67-77, 2011-03

ファッションとメディアは切っても切れない関係にある。しかし、近年の大きな社会変化の影響が、ファッションの環境や構造を大きく変貌させ、メディアも「紙媒体」依存からの脱皮を余儀なくさせつつある。ファッションとメディアとの関係も、従来モデルから大きく変化しつつある。本研究では、そうしたファッション環境変化の現状とその変化に適応しようとしているファッション・メディアの課題とを把握するために、研究者とファッション・メディア編集の実務者双方の観点から問題を提出し、それらを総合してファッションとメディアとの関係付置を整理して、メディアの現場が抱える問題と、メディア研究が今後目指していく課題とを明確化しようという試みである。基礎的研究と、共通認識を形作るための議論の場の<シンポジウムファッションとメディアを考える〉(2009) の過程で、浮かび上がったいくつかの課題を、中国ファッション誌の現在の状況をケーススタディとして検証した。外部からの先進情報の導入と読者の啓蒙、内なる丈化の醸成と発信というメディアの機能が再確認でき、インターネット情報が氾濫する時代において「紙媒体としてのファッション誌」の意味を再考する必要性が浮上した。
著者
徳見 道夫 冨浦 洋一 田中 省作 宮崎 佳典 小林 雄一郎
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

科学論文の執筆や論文の読解において求められる重要な英語語彙は,分野や組織によって異なるため,分野や部局等の組織別に選定されることが望ましい.本研究は,近年,大学などの主要な研究機関で整備されている機関リポジトリ(自機関の著作物を電子アーカイブし公開するオンラインデータベース)を活用し,大学・部局別の重要語彙リストを効率的に作成する方法を提案した.実際に,九州大学を対象として,提案手法による部局別重要語彙リストを作成し,その有用性を確認した.