著者
駒﨑 掲 久原 拓巳 田中 由浩 渡邊 淳司
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.91-100, 2023 (Released:2023-06-30)
参考文献数
25

In viewing contents that do not require user’s active involvement, such as sports games and music concerts, the video and audio are often viewed from third-person view instead of a first-person view. However, this type of viewing experience explicitly divides the viewer and player into the viewer and the viewed. Therefore, the authors have developed a new type of experience that generates a different type of empathy: “Becoming-player sports viewing,” in which the player’s movements can be perceived as viewers’. This experience uses a third-person video, but also uses the viewer’s own movements and tactile vibrations presented to multiple bodily parts, allowing the viewer to feel a sense of becoming a player in the video. In this paper, we report on the actual implementation of “Becoming-player sports viewing,” and experiments that demonstrate the principle of it.
著者
福田 友美子 田中 美郷
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.17-26, 1986-12-29 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
1

6〜11歳の聴覚障害児40名(平均聴力レベル50〜130dB)を対象にして、文のイントネーションと単語のアクセントを検査材料に用いて、発話の音声サンプルを録音した。それらの基本周波数を観測し、疑問文と平叙文の分末の音程の変化の差や単語のアクセント型による前後の音節の音程の変化の差を分析した。一方、各検査項目についての発話の品質を、聴覚的に判定して、正しい発話と誤った発話とそれらの中間の発話に分類した。そして、これらの音響的分析の結果に基づいて、標準的な発話の場合の音声の性質を参照して、正しい発話の領域を設定すると、聴覚的判定の結果と良く対応した。従って、このような音響的分析の結果から、文のイントネーションや単語のアクセントの品質を客観的に評価できることが示されたことになる。さらに、このような評価方法より得られた結果と対象児の聴力レベルの特性との関係を調べたところ、発話の声の高さの調節は低い周波数域の聴力レベルと密接に関連しており、250Hzと500Hzでの聴力レベルで境界を設定することによって、高さの調節能力を予測できることが示された。
著者
尾関 麻衣子 仲澤 裕次郎 田中 公美 佐藤 志穂 駒形 悠佳 宮下 大志 戸原 雄 高橋 賢晃 田村 文誉 菊谷 武
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.11-17, 2023-06-30 (Released:2023-07-28)
参考文献数
25

回復期において経口摂取が困難となり胃瘻造設された患者が,入院中から退院後の継続した摂食嚥下リハビリテーションと栄養介入により,経口摂取が可能となった症例を経験したので報告する。 患者は70代後半男性。腸閉塞から脱水状態となったことで脳梗塞を発症して入院し,その際の嘔吐により誤嚥性肺炎を発症した。入院中は中心静脈栄養による栄養管理が行われた。経口摂取の再開に向けて,病院主治医からの依頼で病院に訪問した歯科医師が摂食嚥下機能評価を行い,病院の言語聴覚士に対して摂食嚥下リハビリテーションを指示した。患者には胃瘻が造設され,初診から4カ月後に一部経口摂取が可能となった状態で自宅に退院した。退院に合わせて,病院へ訪問していた歯科医療機関が継続して訪問し,管理栄養士が同行した。摂食嚥下リハビリテーションを継続し,摂食機能の改善に合わせて,経口摂取量の調整や適した食形態の指導,調理方法や栄養指導を段階的に行い,嚥下調整食から常食への変換を図った。初診から11カ月後に完全経口摂取が可能となり胃瘻が抜去された。 本症例より,胃瘻患者の完全経口摂取には,入院中から退院後まで一貫した摂食嚥下リハビリテーションと栄養介入が重要であることが明らかとなった。同時に,退院後の生活期における栄養管理方法については,QOLの改善,家族に対する支援,患者や家族の栄養状態維持の必要性に対する理解について課題が示された。
著者
川口 航平 山神 良太 河野 賢一 鹿毛 智文 村上 亮 武冨 修治 田中 栄 乾 洋
出版者
日本関節病学会
雑誌
日本関節病学会誌 (ISSN:18832873)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.54-60, 2023 (Released:2023-07-31)
参考文献数
27

はじめに:人工膝関節手術に対しての術後患者立脚型評価が標準化しているが,術後患者立脚型評価には術前の心理的因子が影響すると報告されている。しかしTKA,UKAにおいての術前の心理的因子の違いや術後患者立脚型評価に与える影響の違いなどは明らかではない。本研究の目的はTKAとUKAにおける術前の心理的因子の違いとその心理的因子が術後臨床成績に与える影響の違いを明らかにすることである。方法:2018年10月から2021年3月に当科にて人工膝関節手術を行った症例で,術後1年以上の臨床成績の評価が可能であったTKA192膝とUKA43膝を対象とした。術前心理的因子は痛みに対する中枢性感作の評価スコアであるCSIと破局的思考の評価スコアであるPCSにて評価した。術後患者立脚型評価として術後1年でのKOOS,New Knee Society Scoreを使用した。TKAとUKAでの術前心理的因子の違いと術前心理的因子と術後患者立脚型評価の関連の違いを評価し2群で比較した。結果:術前心理的因子であるCSIはTKA群23.5,UKA群21.5,PCSはTKA群27.3,UKA群26.1とともに両群で有意差はなかった。CSIと術後患者立脚型評価の関係は,TKA群では術後患者立脚型評価のすべての項目で負の相関を示したが,UKA群ではすべての項目と相関がなかった。PCSと術後患者立脚型評価の関係では,TKA群では立脚型評価のすべての項目で負の相関を示したが,UKA群ではKOOSのADLとNew Knee Society Scoreの満足度の項目のみ負の相関を示した。結論:TKAとUKAにおいては術前心理的因子(中枢性感作,破局的思考)には差がなかった。しかしTKAとUKAにおける術前心理的因子(中枢性感作,破局的思考)が術後患者立脚型評価に与える影響の程度は異なっていた。
著者
竹内 伸行 田中 栄里 桑原 岳哉 臼田 滋
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.53-61, 2006-04-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
45
被引用文献数
3

Modified Tardieu Scale(MTS)は,関節可動域(Range of Motion ; ROM)と筋の反応の質(Quality of Muscle Reaction ; QMR)を測定する痙縮評価指標で,測定肢位と筋の伸張速度が規定されている特長がある。欧米ではMTSを用いた研究報告は多いが,信頼性や臨床的有用性を検討した報告は散見される程度である。国内ではMTSを用いた報告は見当たらない。今回,脳血管障害片麻痺患者の麻痺側足関節底屈筋を対象に,①ROMとQMRの検者内,検者間信頼性(n = 13),②筋をゆっくり伸張した時のQMRと速く伸張した時のQMRの関連性(n = 28),③QMRとModified Ashworth Scale(MAS)の関連性(n = 30)の検討を行った。本研究の目的は,これらの結果からMTSの臨床的有用性を検討することである。測定肢位は背臥位で,膝伸展位と膝屈曲位とし,足関節底屈筋を他動的に伸張して測定した。筋の伸張速度は,MTSの規定速度であるV1(できるだけゆっくり)とV3(できるだけ速く)を用いた。結果,①ROMの信頼性は,検者内,検者間共にICC = 0.98〜0.99,QMRの信頼性は検者内がκ = 0.73〜1.00,検者間がκ = 0.71〜1.00であり,高い信頼性を認めた。②V1のQMRとV3のQMRの関連性は,膝伸展位は弱い正の相関に止まり(rs = 0.39),膝屈曲位は相関を認めなかった(rs = 0.08)。③V1のQMRとMASの関連性は両肢位共に強い正の相関(rs = 0.89〜0.90)を認めたが,V3のQMRとMASの関連性は両肢位共に弱い正の相関(rs = 0.34〜0.38)に止まった。本研究結果では,MTSの高い検者内,検者間信頼性を認めた。さらにQMRは伸張速度を変えることで非反射性要素と反射性要素を考慮した評価が可能と考えられた。MTSは,痙縮評価指標として臨床的有用性が高いと示唆された。
著者
田中 寛
出版者
地方独立行政法人 大阪府立環境農林水産総合研究所
雑誌
大阪府立環境農林水産総合研究所研究報告 (ISSN:21886040)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-8, 2015 (Released:2020-04-02)

トノサマバッタは相変異を持つ飛蝗の一種であり,西アフリカ,中国などでしばしば大発生する.日本のトノサマバッタを調査したところ,西アフリカ,中国と同等の相変異を有すること,生活史がヨーロッパ,アフリカと同様であることが明らかになり,一方,西アフリカや中国のような大発生に適した生息地がほとんど存在しないこともわかった.これらの結果の比較検討により日本ではトノサマバッタがなぜ大発生しにくいか,なぜ大発生が継続しにくいかについて考察した.関西国際空港では1994~97年に一期島,2007年に二期島でトノサマバッタが大発生し,危機管理として空港での飛行機事故を防止するために,調査と防除の基本戦略を設定した上で防除を行った.
著者
田中 克弥 吉本 仁 閔 理泓 窪田 亮介 窪 寛仁 大西 祐一
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学 (ISSN:00306150)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.21-29, 2023-03-25 (Released:2023-06-25)
参考文献数
20

高齢者社会が急速に進んでいる昨今,90歳以上の超高齢者への外科手術はまれでなくなってきた.今回われわれは超高齢者MRONJ患者に対し,全身麻酔下で外科的療法を施行した4例について検討を行った.4例の年齢は平均94.3歳で,骨粗鬆症の治療に対して3例はビスフォスフォネート製剤の内服,1例はデノスマブ製剤の皮下注射を行っていた.すべての症例で重大な術後合併症なども認められず術後の経過も良好であった.しかし,超高齢者の手術では全身状態や社会背景から手術の適応をより慎重に判断し,quality of lifeの改善を最優先した治療を選択する必要があり,慎重に検討が必要であると考えられた.
著者
武田 植人 栗原 毅 鈴木 猛 佐々 学 三浦 昭子 松本 克彦 田中 英文
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.31-35, 1962-04-05 (Released:2016-09-05)
被引用文献数
2 7

1961年7月より10月までの間, 横浜市鶴見区師岡町付近で未吸血の蚊が炭酸ガスに多数集まつて来ることを利用してドライアイスと蚊張を用いたトラップを作り, 捕集される蚊について検討した.7月28日にはドライアイスの消費量が100g〜550gである蚊張に午後6時から9時までの3時間のあいだ3, 000〜8, 000の雌成虫を捕集することが出来た.侵入口の方向が発生源の反対側の方向および風下であると, より効果的に捕集することが出来, 多少の風力および蚊張の配置場所には著明な差が認められなかつた.ドライアイスとヤギおよびニワトリを入れた蚊張に集まる蚊の数はドライアイス>ヤギ>ニワトリとなり, 動物誘引法およびライトトラップ法に比べてドライアイストラップ法ははるかに効果的であつた.ドライアイスに集まる蚊の日週活動を8月4日から9月6日に至る間, 午後6時から翌朝午前6時まで一時間毎に採集し観察した結果, 午後7時から8時までに侵入数が最高となり以後漸次減少するが午前4時〜5時まで侵入は続いた.蚊の種類別による日週活動の差はあまり著明ではなかつた.
著者
田中 辰明 平山 禎久 柚本 玲
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.128, pp.41-44, 2007-11-05 (Released:2017-09-05)
参考文献数
5
被引用文献数
1

ドイツのブデルス社は1731年に鉄鋼業として創業し、放熱器やボイラ、調理用暖炉などを製造してきた。1920年代には日本の有名建築にボイラを多数輸出し、わが国の建築設備界に影響を及ぼした。本報では同社が製造した調理用暖炉の調査報告を行う。当時は調理用の暖炉がそのまま厨房の暖房に用いられた。主に同社が1895年に発行した社内資料による。
著者
坂口 裕亮 田中 宏 北村 雅彦 松本 有紀 中垣 佳浩 松倉 将史 川辺 朋美 中山 正成
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.76, no.8, pp.e193-e196, 2023 (Released:2023-08-05)
参考文献数
9

CT検査により脊柱管内を大きく占拠する石灰化した椎間板物質を認めた椎間板ヘルニアのミニチュアダックスフンド2症例に遭遇した.2症例ともに脊髄造影検査を実施したところ,神経徴候が悪化した.片側椎弓切除術にて,椎間板物質の摘出を試みたが,周囲組織と癒着しており摘出は困難であった.このことから,CT検査で認められた石灰化した椎間板物質は,脊柱管内で時間経過を経たものと考えられ,脊柱管内を大きく占拠する椎間板物質に長い経過で圧迫されている脊髄に対し,造影剤を注入することで脊髄障害を悪化させた可能性が考えられた.以上より,CT検査によって脊柱管内を大きく占拠する石灰化した椎間板物質を認める症例に対し,脊髄造影検査を実施する際には悪化の可能性を考慮する必要があり,また,手術法やその適応など十分検討が必要であると考えられる.
著者
西藤 聖二 佐藤 政宏 舞野 大輔 田中 正吾
出版者
The Society of Life Support Engineering
雑誌
ライフサポート (ISSN:13419455)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.96-104, 2010 (Released:2012-10-16)
参考文献数
16
被引用文献数
3 3

本論文では,精神作業と音環境が脳電気活動に与える影響を評価するために,不快音/快音を聴きながら精神作業課題を遂行したときの脳波の振幅変化を調べた.α波の振幅は音刺激(5KHz 単音とパッヘルベルのカノン)を聴いたり,精神作業課題(暗算と記憶)遂行したり,あるいは両方を行ったときに,安静時のα波の振幅に比べて約15∼20%減少した.そのような振幅抑制は,α波の時間的位相揺らぎの15∼30%の増加と対応していた.特に,低域周波数のα波の振幅の低減割合は,組合せストレス,すなわち暗算と不快な5KHz音の条件下で25%に達するが,暗算単独で行ったときや5KHz単音単独で聴取した場合には15.20%の低減率に留まる.一方,β波とγ波の振幅はほとんどのストレス条件下で有意な変化を示さなかった.この結果は,音と精神ストレスが低域α波を抑制しており,ストレス計測において考慮されるべき点であることを示している.
著者
田中 惣治 山本 澄子
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.873-876, 2014 (Released:2015-01-21)
参考文献数
11
被引用文献数
1

〔目的〕麻痺側立脚期に膝が伸展する歩行(extension thrust pattern :以下,ETP)と膝の動きが健常者と近い歩行(normal knee pattern:以下,NKP)の片麻痺者に対し歩行時の麻痺側足関節の筋活動を分析した.〔対象〕対象は回復期片麻痺者14名とした.〔方法〕自由速度の歩行での麻痺側立脚期における麻痺側前脛骨筋と腓腹筋の筋活動を測定した.〔結果〕NPは単脚支持期と比較し荷重応答期で前脛骨筋の筋活動が有意に大きかったが,ETPは立脚期の間で前脛骨筋の活動に有意差を認めなかった.腓腹筋の筋活動は両者において立脚期の間で有意差を認めなかった.〔結語〕麻痺側立脚期に膝が伸展する要因として麻痺側荷重応答期の前脛骨筋の筋活動が関与している可能性が示された.
著者
斉藤 咲弥香 永井 淸亮 黒岩 武信 遠藤 なつ美 田中 知己 加茂前 秀夫
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.75, no.8, pp.e165-e173, 2022 (Released:2022-08-18)
参考文献数
30

牛の発情・排卵同期化に複数のホルモン剤を用いる方法は経費と労力を要する.プロジェステロン(P4)1.55gを含有するP4単味腟内徐放剤(PRID−E)をホルスタイン種経産乳牛3頭に排卵後2日(D2群:排卵日を0日),別の3頭に排卵後15日(D15群)からそれぞれ20日間処置し,発情・排卵の同期化について検討した.その結果,排卵が両群の全頭において抜去後3~4日に起こった.卵胞発育波数はD2群が2~3波,D15群が3~4波であった.排卵卵胞の優位日数は両群各2頭では7日,残る両群各1頭では13~14日,最大直径は5頭では14.1~17.9mm,残るD2群の1頭では20.5mmであった.発情徴候は全頭において抜去翌日に最も明瞭となった.排卵後2日及び15日からPRID−Eの20日間処置を行うと当該徐放剤抜去後3〜4日に排卵を同期化できることが明らかになった.
著者
田中 貴男
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.67-74, 2011 (Released:2011-04-16)
参考文献数
13
被引用文献数
1

味覚障害の発症には, 一部亜鉛欠乏が関与すると考えられており, 亜鉛製剤であるポラプレジンクが味覚障害患者に対して有効であることも報告されている. しかし, 味覚障害に対する亜鉛補充の重要性を示した基礎研究の報告は少ない. ポラプレジンク (プロマック®) は亜鉛とL-カルノシンの錯体であり, 胃潰瘍治療剤として我が国で広く使用されている. 本稿では, 亜鉛欠乏ラットに対するポラプレジンクの味覚障害改善作用を示すと共に, その作用機序として, ポラプレジンクに由来する亜鉛の舌への分布, 舌上皮の亜鉛含量, 味蕾細胞の増殖能及び舌の病理組織学的変化に対するポラプレジンクの作用について言及する.
著者
上野 正典 田中 みどり 今井 靖幸 渡邉 朝子
出版者
高山赤十字病院
雑誌
高山赤十字病院紀要 (ISSN:03877027)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.7-12, 2015-03-01

急性期・回復期のリハビリテーション(以下リハ)は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の専門職が関わり、多い場合には1日に3時間ものリハを受ける機会がある。しかし退院後、生活期に移行すると、当施設をはじめ多くの老健施設では専門職によるマンツーマンで実施する個別リハの時間は大幅に減少する。そのため、入所される利用者の中にはリハに対し不安を抱かれる方も少なくない。武原は、急性期・回復期のリハが機能障害の回復を目的とした「治療モデル」であるのに対して、老健施設のリハは残された心身機能でいかに快適な生活を実現するかをテーマにした「生活支援モデル」であると位置づけている。そこで今回、病院リハを終了後に当施設へ入所された利用者の身体機能、精神機能、ADLを評価し、当施設のリハにおける現状と課題を検証した結果、精神機能・ADLにおいて有意差を認め改善傾向を示すことが示唆された。
著者
田中 敏郎
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.408-413, 2015 (Released:2018-08-26)
参考文献数
23
被引用文献数
1

ヒト化抗interleukin-6(IL-6)受容体抗体トシリズマブ(商品名:アクテムラ)は,我が国初の抗体医薬として,2005年にキャッスルマン病の治療薬として認可され,2008年には関節リウマチ,全身型および多関節型の若年性特発性関節炎に対しても保険収載された.これらの疾患に対するトシリズマブの効果は劇的であり,新たな治療の時代を迎えたと言われる.IL-6は多彩な作用を有し,様々な疾患の発症や進展に関与するサイトカインである.そのためトシリズマブは,上記以外の疾患に対しても画期的な治療薬となる可能性があり,世界中で適応拡大に向けた臨床試験が進められている.また,新たなIL-6阻害剤も開発中にある.本稿では,その可能性について紹介したい.
著者
石田 勝裕 渡邉 鉄也 田中 基八郎
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ジョイント・シンポジウム講演論文集:スポーツ工学シンポジウム:シンポジウム:ヒューマン・ダイナミックス 2007 (ISSN:24331309)
巻号頁・発行日
pp.172-177, 2007-11-13 (Released:2017-08-01)

Lure fishing and fly-fishing have been positioned as sports deliberately different from the traditional Japanese fishing-style. In the case of fly-fishing, casting is the element which anglers must master in order to cast a fly, done so by using the weight of a line. This study uses experimental and computational analysis to investigate the dynamic behavior of a fly line. Fly-fishing constitutes various elements, but the importance that casting holds is extremely large. Fling speed, the casting process and the loop shape of the line while in flight are important for the proper presentation of flies. Moreover, the shape of a fly line is also important for a long cast or controlled cast. However, it is difficult to grasp the phenomenon or to make a numerical model because a fly line is an object of flexible string. Therefore, the most suitable casting method will be clarified from the viewpoint of sports engineering and human dynamics. In addition, measuring an angler performing movements with a flexible object such as a rod or a line is difficult. So establishing a method to measure the dynamic behavior precisely is also one of the purposes of this study. For the past study, casting that uses only one hand have been analyzed. However, casting that uses both hands is often done in the actual fishing field. In this paper, line's behavior is examined in double haul casting.