著者
田中 克典 加藤 鎌司 山本 悦代 大庭 重信
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では果実形質が選抜されていたことを検討するために,果肉色(CmOr)や果実の酸味(CmPH)に関連する遺伝子についてDNAマーカーを開発するとともに,それらのマーカーを用いてメロン種子遺存体を分析した.分析により,メロン種子遺存体の解析によって,近世の商業都市である大坂城・城下町ではメロン仲間の選択において酸味や果肉色に好みがあったこと,それらのメロン仲間が日本在来のマクワやシロウリと関連があることを示していたことがわかった.今後,作物への嗜好と選抜との対応,これに関わる社会や政治的背景を研究するため,これらDNAマーカーを幾つかの時代のメロン種子遺存体に適用する.
著者
田中 敏博
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
日本臨床薬理学会学術総会抄録集 第42回日本臨床薬理学会学術総会 (ISSN:24365580)
巻号頁・発行日
pp.1-LBS-5, 2021 (Released:2022-04-14)

【はじめに】ガルカネズマブ(商品名:エムガルティ)は、片頭痛に関連すると考えられているカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)に特異的に結合し、CGRPの受容体への結合を阻害するよう設計された新規作用機序のモノクローナル抗体である。片頭痛の予防を適応として2018年9月、米国において承認を取得し、本邦でも2021年4月に発売となった。【症例】15歳男児、中学3年生【既往歴】特記事項なし【家族歴】母、片頭痛【現病歴】以前より天候の影響を受けるなどして頭痛を訴えることがあり、登校できないこともあった。当科を受診し、頭痛対策としてアセトアミノフェンやロキソプロフェン、片頭痛としてバルプロ酸、起立性調節障害としてミドドリン等を順次服用したが、効果を認めなかった。中学3年生になり、春先は登校できていたが梅雨時期に入って状態が悪化。頭痛が続き、登校も運動もできなくなって、精神的な落ち込みが顕著となった。本人および保護者と相談し、ガルカネズマブを投与することとし、7月末に初回の2本を投与した。【経過】投与後数日して頭痛の軽減を自覚した。日々の調子がよくなり、自発的に身体を動かす意欲が出てきて、食欲も増進した。8月末、9月末と1本ずつ投与し、2学期からは登校ができてサッカーの練習にも参加、体育祭にも出場した。【結語】年長児の従来の治療薬に抵抗性の片頭痛に対して、ガルカネズマブの投与は選択肢となり得る。ただし、特に小児における長期的な有効性と安全性の評価に留意していかなくてはならない。
著者
富山 恵介 田中 周平 森岡 たまき 小浜 暁子 李 文驕
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.23-00028, 2023 (Released:2023-07-20)
参考文献数
10

近年,環境中のマイクロプラスチックファイバー(以下,MPFs)の存在が明らかになり,要因の一つに衣類の洗濯による排出が指摘されている.本研究では,洗濯による生地設計別のMPFsの排出特性を把握することを主目的とした.糸(長繊維・短繊維),編立(プレーン・メッシュ),加工(柔軟剤無し・柔軟剤有り)で設計を分けたポリエステル生地を8タイプ開発し,ドラム型洗濯機の標準コースで洗濯後,目開き10μmのプランクトンネットでMPFsを捕集した.目的変数をMPFs重量とした3元配置分散分析では,糸の寄与率74.5%,加工の寄与率18.7%となり排出量の主要因であることが示された.糸の長繊維は短繊維に対し中央値で42~45%小さく,加工の柔軟剤無しは柔軟剤有りに対し中央値で22~25%小さい結果となった.
著者
香川 隆英 田中 伸彦
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.201-204, 1995-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

我が国における森林の風致施策は, 明治6年の「官林調査仮条令」において, 社寺林を風致林として保護するところから始まる。その後, 今日までの120年の間に様々な歴史・変遷の過程を経ながら, 森林の風致施策は展開してきた。その風致施策の2本の柱は, 保安林制度の中での施策と, 国有林におけるレクリエーションの森を代表とする施策である。本論では, 保安林制度における, 風致保安林と保健保安林について, 保安林制度及び森林風致施策の歴史の中での位置づけを明らかにする。
著者
原田 徳士 田中 優貴 亀村 真也 田中 誠人 廣島 玲子
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0410, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】日常生活の中で強い運動を行った後に,疲労で体が動かしにくいと感じる,または筋肉痛が起こるといった筋疲労を経験することがある。筋疲労が起こると,筋が発揮できる力が減り,俊敏性や巧緻性も低下し,パフォーマンスが一過性に低下する。また,筋疲労は筋肉痛を引き起こし,更なるパフォーマンスの低下が起こる。しかし,筋疲労とパフォーマンスの関係について調べた先行研究は少ないため,本研究では高強度運動によって大腿四頭筋に筋疲労を起こし,筋疲労がパフォーマンスに与える影響について検討した。【方法】本研究の対象者は21歳の健常男性10名で,全員より研究参加の同意を得た。まず運動前に測定を行い,次に大腿四頭筋に筋疲労を起こすため無酸素運動を中心とした運動5種類を実施し,運動終了直後に運動前と同項目で測定を行い,24時間後に再度同項目を測定した。測定項目は,パフォーマンスの指標として等速度性筋力測定機器(Biodex)を用いて大腿四頭筋の筋力測定,自転車エルゴメータによる最大無酸素パワーの測定,俊敏性の測定として反復横跳びを行った。これらの測定後に筋疲労の指標としてBorg Scale,大腿四頭筋に対する疼痛評価としてVASを行った。筋疲労を起こすための運動は,先行研究よりレッグプレス,レッグエクステンション,ジャンプスクワット,自転車エルゴメータ,ランジ歩行を行った。【結果】Borg scaleでは,運動前(6.9)に比べ運動直後(16.3)と翌日(12.1)に有意な上昇がみられた。VASでは,運動前(0)に比べ運動直後(6.99)と翌日(6.33)に有意な上昇を認めた。最大無酸素パワー,反復横跳びでは運動直後は低下したが,翌日には運動前レベルまで回復した。大腿四頭筋筋力は運動前に比べ運動直後と翌日ともに有意に低下を示した。【結論】本研究ではBorg ScaleおよびVASの結果より大腿四頭筋に筋疲労・筋肉痛(運動直後の原発性筋肉痛と翌日の遅発性筋肉痛)が生じたと考える。最大無酸素パワーおよび反復横とびでは運動直後は筋疲労・筋肉痛のためパフォーマンスは低下したが,翌日には運動前レベルまで回復していた。この理由として,運動時の姿勢や運動戦略の変更,大腿四頭筋以外の筋の代償によりパフォーマンス低下を補ったと推測した。また,反復横跳びは大腿四頭筋以外に股関節外転筋,大腿二頭筋,体幹の筋が働くとの報告があり,本研究でも翌日はこれらの筋が代償したと推測した。次に,Biodexは大腿四頭筋に特化した筋力測定を行うため他の筋による代償は不可であり,翌日の測定でも筋疲労・筋肉痛が継続していたため筋力低下が示された。以上より,パフォーマンスは筋疲労が生じると直後には低下するが,その後はパフォーマンスの種類によって運動戦略の変更や代償により筋疲労の影響を抑えることができることが示唆された。
著者
俵 道和 田中舘 悠登 本間 一也 呉 承寧
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.22-00213, 2023 (Released:2023-07-20)
参考文献数
21

早強ポルトランドセメントおよび高炉スラグ微粉末を用いたペーストにCaO·2Al2O3を混和することによってセメント水和物である水酸化カルシウムが反応してハイドロカルマイト族の水和物を生成し,外部から浸透した塩化物イオンを化学的に固定化する効果と,細孔空隙率を小さくする物理的な浸透抑制効果が確認された.これによってペーストの塩化物イオンの見かけの拡散係数が大幅に低減された.この効果について初期養生温度が60℃の場合は低くなる傾向を示したが,中性化を受けた場合はほとんど変わらなかった.
著者
田中 誠 Makoto TANAKA
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 = Nagasaki International University Review (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.13-21, 2017-03

英語の習得には、まずは基本である中学英文法をマスターすることが重要である。中学英文法の重要性に関する研究はこれまでも様々なものが行われている。本稿では、それらの先行研究を参考に、TOEIC L&R の問題を解く上で、中学英文法の知識がどれくらい重要な役割を果たすのかを検証することにした。調査したのは、TOEIC 公式問題集7冊の Part5の540問についてであり、使用されている単語はすべて意味・用法がわかっていると仮定した場合に、中学英文法の知識だけで解ける問題がどれくらいあるのかを調査した。調査の結果、中学英文法の知識で解答できる問題は、540問中520問であり、その割合は96.3%であった。今回の調査結果は、筆者の予想を上回る数値であった。TOEIC の該当問題の大部分が中学校レベルの文法で解けるということが明らかとなったことで、TOEIC のような難易度の高い問題を解く際にも、中学英文法をマスターすることは重要であること、語彙力の強化が必要であることを再認識させられた。日頃の英語指導においても、コミュニケーションを重視するからこそ、この2点に重点を置いた指導は重要となる。
著者
田中 克一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.617-622, 2019-10-15 (Released:2019-10-15)
参考文献数
10

作業療法の介入では,人生観や生活観をふまえた興味・価値に基づく作業の提供の重要性が強調される.特に,自らがどうあることに価値をおいているのかという信念を反映する「自分らしい作業」への支援は,活き活きとした生活の再構築には重要な視点である.しかし重度失語症者の場合,それらをインタビューにて捉えることが難しい.今回,重度失語症のある事例A氏の訪問作業療法で,A氏から「手記(手帳)」を手渡された.そして「手記(手帳)」を分析することにより,A氏の人生観・生活観を理解し,「A氏らしい作業」への支援を行うことができた.
著者
中島 英博 深堀 聰子 田中 一孝 斎藤 有吾 長沼 祥太郎
出版者
一般社団法人 大学教育学会
雑誌
大学教育学会誌 (ISSN:13442449)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.35-38, 2022 (Released:2023-06-23)
参考文献数
2

This study empirically examined how higher education institutions are transformed through the development of a teaching and learning management system. Under the cooperation of the mechanical engineering faculty at Kyushu University, we discuss how program-level educational goals are reflected in subject-level educational goals within a group of faculty members and how they are evaluated in charge of the subjects. The main conclusions are as follows. First, expert judgment was cultivated at a high level among faculty members, regardless of whether they had experience in teaching and learning management. The feature of the discipline of mechanical engineering and the organizational routines contribute to enhancing the expert judgment among faculty members. Second, organizational routines sharing educational goals and evaluation tasks between skilled and junior faculty members and the sharing of educational goals at the program level through the confirmation of graduate school entrance exam questions are the keys to enhancing organizational learning.
著者
田中 隆充 王 懿敏 阿部 裕之
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第67回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.102, 2020 (Released:2020-08-27)

本稿は,岩手県の伝統的工芸である南部鉄器の鉄瓶の輸出用の造形について示したものである.近年,南部鉄瓶は海外での需要が高まり,従来の南部鉄瓶の典型的な造形や表面にデコレーションされる文様(多くはアラレ模様),色彩のバリエーションが増えた.国や地域によって鉄瓶の使い方や上述のデザインの好みの差異があるため,マーケタによってデザイン条件が示される.しかし,南部鉄瓶は工芸職人が一人でデザインを行い,手づくりで制作する場合もあれば,制作過程毎に分業化され機械を主体とした量産用の制作の2つのカテゴリに分けられる.南部鉄瓶を専門としたデザイナはほとんど皆無であるため,量産に適さない造形を見極めるのが難しい.本研究ではデザインプロセスの川上に位置する,発散的な造形のバリエーションをデザインし,その後,工芸の専門家に一品物の鉄瓶に適しているのか,または,量産性のある造形であるかを確認,整理し考察を行った.整理をすることで,多くのデザインバリエーションから量産できるデザインの要素と量産可能な造形の可能性を知ることできると考えた.そして,目標に対して的を射たデザインを提案できると推察する.
著者
澤口 拓磨 武田 聖司 木村 英雄 田中 忠夫
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.36-49, 2015 (Released:2015-12-18)
参考文献数
34
被引用文献数
1 3

It is desirable that the disaster wastes contaminated by radioactive cesium after the severe accident at the Fukushima Nuclear Plant are reused as much as possible in order to minimize the quantity to be disposed of. Ministry of the Environment showed the policy that the wastes containing cesium of higher concentration than the clearance level (100 Bq/kg) were reusable as materials of construction such as subbase course materials of pavements under controlled condition with measures to lower exposure doses. In this study, in order to provide technical information for making a guideline on the use of contaminated concrete materials recycled from disaster wastes as pavement, doses for workers and the public were estimated, and the reusable concentration of radioactive cesium in the wastes was evaluated. It was shown that the external exposure of the public (children) residing near the completed pavement gave the minimum radiocesium concentration in order to comply with the dose criteria. The recycled concrete materials whose average concentration of cesium lower than 2,700 Bq/kg can be used as the subbase course materials of pavements.
著者
富田 眞治 平木 敬 田中 英彦 末吉 敏則 金田 悠紀夫 天野 英晴
出版者
京都大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1994

本年度は,平成5年度までの研究成果を基に,超並列プロトタイプ・システムを実機として実装可能とするため,LSI,プリント基板,システム筐体の設計を行った.さらに,これと平行してシステムの妥当性を評価するための種々のシミュレーション実験や,入出力機構の開発を行った.以下に代表的な研究成果を示す.1.超並列システムのキャッシュ一貫性制御方式の評価ディレクトリ・ベースのキャッシュ一貫性制御法として提案した疑似フルマップ方式を,本重点領域研究の成果として提案した.Recursive Diagonal Torus(RDT)ネットワーク上に実装した場合の性能をシミュレーションにより評価した.その結果,ネットワークの階層構造を活用したマルチキャストや,ACK回収の効果により,フルマップ方式に比べ,約4倍の処理速度が得られた.また,マルチキャスト法として,LPRA(Local Precise Remote Approximate)法,SM(Single Map)法,ならびにLARP(Local Approximate Remote Precise)法を提案しその評価を行った.その結果,無駄なトラフィック軽減の観点から,宛先ノードが少ない場合にはSM法が有利で,宛先ノードが一定数を越すとLPRA法またはLARP法が有利になることが判明した.さらに,LPRA法とLARP法の優劣は,データのマッピングに強く依存することも判明した.2.超並列システムの高速入出力システムの研究入出力専用の高速ネットワークをRDTと独立に設け,仮想FIFOならびにLANを介して接続されたワークステーション群全体の広大なディスク領域を超並列計算機のファイルシステムとして提供する入出力サブシステムを提案した.さらに,仮想FIFOでHDTVを接続することでビジュアルな計算機環境を構築可能とした。また,画像表示機構の実装に際しては,1画面のフレーム・メモリを16分割し並列計算機からの表示データ転送を分散並列的に行うことで,最大250MB/秒の転送速度を実現し,ハイビジョン画質の動画表示を可能とした.
著者
今枝 秀二郞 孫 輔卿 内山 瑛美子 田中 友規 スタッヴォラヴット アンヤポーン 角川 由香 馬場 絢子 田中 敏明 飯島 勝矢 大月 敏雄
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.85, no.773, pp.1387-1395, 2020 (Released:2020-07-30)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

[Introduction] Falls and femoral fractures are one of the most serious problems for an elderly daily life, these causes the possibility to become bedridden or forced to move to an elderly facility from their home. However, ways of falling and continuing to dwell in own houses by changing the architectural environment for the elderly people were unknown. The whole study revealed the measures of fall prevention by architectural ways at home and the purpose of this part was to clarify the architectural factors which related to falls and femoral fractures in their houses from the viewpoint of fall prevention. [Methods] This study had two steps. First, interview in hospital was conducted when elderly patients went into the University of Tokyo Hospital after they experienced falls and femoral fractures. In this interviews, basic information of patients and situation of falls were collected also by using clinical information. Second, tracking investigation by home-visit interview or interview in hospital was conducted after they went back home and it included measurement of fall places. [Results] The average age of 43 patients was 80.9 (SD 8.3) years old, the number of female was 34 (the average age was 80.6, SD 7.8) and that of male was 9 (the average age was 81.8, SD 10.4). First interviews showed that falls which caused femoral fracture happened all over places but the number of falls at home was biggest, 17 cases in 43 cases. In the houses, the number of falls at bedroom was 6 cases, at the corridor was 4 cases and at the living room was 3 cases. All 6 falls at the night time occurred going to or going back from toilet at home. In six types of falls, the number of falling by internal forces was biggest and next was falling by external forces. Fall cases at home had four types of falls. By analysis of each fall case in the house, architectural factors which caused falls and the effective architectural measures against falls were revealed. In addition, falls at home related to toilet had high risk for falls in spite of fall types and these results indicated that it was important to consider the routes and behaviors when falls happened. The home-visit interview revealed that these routes and behaviors related to housing plan such as the locations of bed and types or directions of doors. The actual routes at falls were showed on housing plane figure, how people rotated in the architectural spaces before they fell was revealed. From these second investigation, the ways of renovation which will prevents next fall at home was clarified. [Conclusion] This research showed the ways of falls which caused femoral fractures for the elderly in their houses and the possibility for the ways of architectural fall preventions by multidisciplinary specialists including architecture, medicine, nursing and physical therapy. In the next step, how people renovated their houses after they went back home in long-term care insurance system and who were involved with these renovation will be researched.
著者
小山内 誠 米川 元樹 川村 明夫 田中 三津子 此枝 義記 久木田 和丘 目黒 順一 玉置 透
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.246-249, 1999-02-15 (Released:2010-10-28)
参考文献数
5

腎不全患者では, 体液に移行した水分は透析などで除く以外に方法はない. そこで, 経口摂取した水分が腸管から吸収される前に高吸収性ポリマーで吸収し, 循環系へ入る水分量を抑制する方法を考案した. 今回, 各種ポリマーを用いた消化管内水分吸水能についての基礎的検討を行なった. ポリマーは, ポリアクリル酸Na (PA-Na), ポリアクリル酸Ca (PA-Na), 粒径の異なるN-ビニルアセトアミド (PNVA-1, PNVA-2) の4種類を作製し, 水, 生理食塩水, 人工胃液, 人工腸液を用いて吸水能を測定した. PA-Na1gに対する吸水量は水640m1/gと最も多く, PA-Caが2ml/gと最も少なく, PNVA4, 2はその中間の吸水力であり, これら各種ポリマーの吸水量は液の性状, pHなどにより大きな差が見られた. また, ヒト腸液を用いた検討でも吸水性に関し同様の結果が得られた. 吸水前後における組成分析では, 吸水後, PA1NaでNaの, PA-CaでCaの有意な増加がみられたが, PNVA-1, および2では, 有意な変化を認めなかった. 今回の検討から, 吸水材は十分に臨床応用可能と思われ, 特に非イオン型ポリマーであるPNVAの有用性が示唆された.
著者
原田 幸雄 今泉 誠子 田中 博 根岸 秀明 藤森 嶺 山田 昌雄 本蔵 良三 三浦 喜夫
出版者
The Phytopathological Society of Japan
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.766-768, 1992-12-25 (Released:2009-02-19)
参考文献数
5
被引用文献数
3 2

1989年,宮城県名取市の休耕田において,茎が橙色の斑点を示すクログワイを発見した。橙色の病斑部から病原菌が分離され,胞子の形態,培地上のコロニーの形状から,Nimbya scirpicola (Fuckel) Simmonsと同定された。本菌は分離宿主のクログワイとタマガヤツリに対してのみ病原性を示し,イネを含むいくつかの主要栽培植物に対しては病原性を示さなかった。なお,クログワイから本菌が病原菌として分離されたのは日本で最初である。
著者
田中 周平 垣田 正樹 雪岡 聖 鈴木 裕識 藤井 滋穂 高田 秀重
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.75, no.7, pp.III_35-III_40, 2019 (Released:2020-03-23)
参考文献数
10
被引用文献数
2 4

本研究では,下水処理場の処理工程におけるマイクロプラスチック(以下,MPs)の挙動と琵琶湖への負荷量を把握することを主目的として,2017年11月~2018年2月に4か所の流域下水処理場(分流式)の流入水,放流水,処理工程別において100μm以上のMPsを,流入水と放流水ではさらに10~100μmのMPsの分析を行った.その結果,下水,処理水,汚泥,スカムなどから合計30種類のMPsが検出され,流入水中のMPs濃度は158~5,000個/m3であった.放流水中のMPs濃度は0.3~2.2個/m3であり,放流先の琵琶湖水中のMPs濃度と同等であった.一方,10~100μmのMPsの除去率は76.3%であった.100μm未満のMPsの除去は急速砂ろ過を行っても不十分であると示唆された.4つの下水処理場からの合計負荷量は501,630個/日と推計され,晴天時の琵琶湖流入河川からの総負荷量とほぼ同じであることが示された.
著者
田中 誠
出版者
立命館大学
巻号頁・発行日
2015-09-25