著者
田中 耕太郎 高嶋 修太郎 田口 芳治 道具 伸浩 温井 孝昌 小西 宏史 吉田 幸司 林 智宏 山本 真守
出版者
日本脳循環代謝学会
雑誌
脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌) (ISSN:09159401)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.57-62, 2015 (Released:2015-08-07)
参考文献数
12
被引用文献数
1

要旨 我々の施設の非弁膜症性心房細動による心原性脳塞栓症(NVAF-CE)入院患者について入院時の抗血栓薬を検討すると,NOAC 登場前は,ワルファリン(W)32%,抗血小板薬(P)23%,抗血栓薬なしが45%であった.NOAC 登場後はW が35%,NOAC が18%,P が9%,抗血栓薬なしが38%であり,NOAC 登場前に比しP 処方患者が明らかに減少,抗血栓薬なしも軽度減少していた.以前ならW の代わりにP を処方していた症例に,NOAC が処方されている症例が増加していると考えられた.NOAC 服用中のNVAF-CE 発症患者の入院時NIHSS は平均1.4 であり,W 服用中の8.8,抗凝固薬非服用中の10.9 に比し,有意に(p<0.05)低値であった.入院時D-dimer 値についても,NOAC 服用群で有意に(p<0.05)低値であった.NVAF-CE の退院時の抗凝固薬は,NOAC 登場前はW 76%,処方なしが24%,登場後はW 44%,NOAC 43%,なしが13%で,抗凝固薬処方なしが減少していた.NOAC 使用が普及しつつあるが,長期の安全性と有用性については今後も検証が必要である.
著者
鬼頭 慎司 若杉(佐藤) 奈緒 松本(武田) 忍 小田 昌史 田中 達朗 深井 康弘 時津 高俊 森本 泰宏
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会
雑誌
歯科放射線
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.41-47, 2009

<B>Background:</B> To provide oral healthcare for patients of all ages, dental welfare environments and technical aspects of dentistry have evolved and developed and dental education must also diversify. Student-centered voluntary education and establishment of a life-long self-learning environment are becoming increasingly important in the changing world of dental education. In this article, we introduce a new process for the construction of a web-mediated database containing internet-based teaching files on the normal radiological anatomy of panoramic radiographs and CT images of the oral and maxillofacial regions, as well as a system for the delivery of visual learning materials through an intra-faculty local network. This process was developed by our 5<SUP>th</SUP>-year undergraduate students.<BR><B>Methods:</B> Animated CT scan images were produced using Macintosh Iphoto and Imovie animation software. Normal anatomical images of panoramic radiographs and CT scans were produced using Adobe Illustrator CS and Adobe Photoshop CS. The web database was constructed using Macromedia Dreamweaver MX and Microsoft Internet Explorer. This project was the basis of our participation in the Student Clinician Research Program (SCRP).<BR><B>Results:</B> At Kyushu Dental College, we developed a new series of teaching files on the web. Uploading these teaching files to the internet allowed many individuals to access the information. Viewers can easily select the area of study that they wish to examine.<BR><B>Conclusions:</B> These processes suggest that our laboratory practice is a useful tool for promoting students' motivation and improving life-long self learning in dental radiology. We expect that many medical and dental students, practitioners and patients will be able to use our teaching files to learn about the normal radiological anatomy of the oral and maxillofacial regions.
著者
田中 由乃 神吉 紀世子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.309-314, 2013-10-25 (Released:2013-10-25)
参考文献数
14
被引用文献数
3

戦後の都市周辺部におけるまとまった規模での住宅開発は世界各地で見られるが、現在開発から数十年が過ぎ住宅地の物理的老朽化が進んでいる。本研究の調査対象地であるチェコ共和国では社会主義体制下において都市周辺部の住宅開発が進んだが、その住宅開発地は現在でも多くの居住者の生活の基盤となっており、地域の状況に応じた生活環境の改善は重要な問題であるといえる。そこで本研究では、社会主義時代の住宅開発地再生に関わるプラハ市市役所と、プラハ11、13区役所の施策から、各地域の状況に応じた多様な施策がどこに生じ得るのかを明らかにする。 現地調査とヒアリング、公式文書による調査の結果、プラハ市市役所は2001年には社会主義時代の住宅開発地に対して環境再生のための調査事業を行い、全域的な事実資料をまとめていたことが分かった。また、プラハ11、13区では開発当時の地域独自のマスタープランが現在でも重要な意味を持っていること、11区役所が区主体の施策を行う一方で13区は市役所の土地利用計画に従うといった区レベルでの取り組みに違いがあることなどが分かり、これらが各地域の状況に応じた多様な施策につながると考えられる。
著者
田中 實男
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.37-44, 1996-03-31

ここ四半世紀に亘るわが国の農畜産物の生産調整は, 消費を上回る生産の増大による絶対的過剰と, わが国の貿易黒字を背景にして海外からの農畜産物の輸入調整の出来ぬままに国内の生産を抑制する相対的過剰とを原因として開始された.このこと自体が, 農畜産物価格を低迷させる結果となり, 農業経営にとって非常に厳しい状況となった.ここ10年ほどの間に, この厳しい環境条件のなかにおいて農業経営の継続が不可能となり, 農家整理の事例が散見されるようになった.本稿においては, 農業経営が破綻を来たして, 破産整理に至った原因について, 30年間に亘る農業経営診断作業過程から得られた知見を整理して検討した.その結果, まず第1点として, 農家の破産整理にまで至った事例にすべて共通する基本的条件は, 農業生産技術水準の低位性であった.これまでに農業生産についても, 所得拡大を目指して経営規模拡大の努力がなされてきた.しかし, この規模の拡大が所得の増大に結びつくには, 省力化しつつ規模拡大前と同一生産技術水準の維持が前提条件である.さらには, 規模の拡大は, 多分に経営外からの原材料用役の購入の増大すなわち経費率の上昇を伴うのが一般的である.結果として, 経営規模の拡大とともに生産技術水準の低下と収益の減少を来すのが多かった.所期の目的たる所得の拡大を実現するには, 農業経営者としての高い管理能力の発揮が問われたのである.第2点として, 経営能力と密接に関係するが, 生活水準を維持するには農業経営規模が零細である点が指摘される.この点は, 施設型資本集約型農業経営においては, 可成りの規模拡大によって目的が達成されているが, 土地利用型農業経営は, 農地問題との関係でもって非常に零細である.しかし, この必要とされる農業経営規模とは, 農家の生活水準におおきく関係するわけで, 第3点として, とくに戦後生れの農業経営者の生活観の不健全さを指摘した.何よりも人並みの生活水準が前提であって, 自分で稼ぎ出す所得の多寡とは無関係という人生観は理解の外であるが, 現実に存在しているのである.第4点としては, 農村にこのような破産型人生観が通用するような金融環境が存在することが問題である.それは, とくに農協を中心として成立しているが, 現在に至ってその存在を整理しなければならない状況に追い込まれた.農家の高額負債問題は現実に破綻して, 具体的に破産整理の実行となったわけである.農家の高額負債問題の整理としては, 著者は早くから提案したところであるが, 農業経営の再建の可能性の有無を尺度にして, その可能性のない農業経営は早急に経営活動を停止させて整理すべきである.このことは, 債権者としての農協などと債務者としての農家の双方にとって, 可能な限り損害の少ない処理法となるからである.そして, 再建の可能性のある農業経営は, 経営から生活までを管理する濃密な指導態勢のもとに置かれるべきである.それは, これぐらいの指導を必要とするぐらいの破産型の人生観を持った農業経営者が多くいるからである.1992年(平成4)11月末に, 6,500万円の負債でもって農協との合意のうえで農村から退散した畜産経営者が, その後はビル清掃員ついで長距離トラック運転手と転身したが, 現在の彼の「畜産経営をやっていた時に比べてこんなに楽をしていいものかと思う」ということばのなかに, 経営者としての能力の欠落とそれまでの生活の無計画さを見出すのである.
著者
杉浦 司 田中 敏光 佐川 雄二 手島 裕詞
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2010-CG-139, no.5, pp.1-6, 2010-07-09

一般に類似画像検索では,画像に様々な処理を施して抽出した特徴を比較している.しかし,画像から特徴量を抽出する処理には多くのコストがかかるため,対象とする画像が多数になると検索時間がかかりすぎる問題がある.本研究では,特徴抽出に GPU を活用することで類似画像検索の処理時間の短縮を図る.モルフォロジー演算を用いる特徴抽出処理を GPU(GeForce GTX285) に実装した場合,CPU(Core i7 920) で実行した場合に比べて類似画像検索全体で約 3 倍の高速化が見込める.
著者
仲本 桂子 渡邉 早苗 工藤 秀機 ノパラタナウォン サム 蒲原 聖可 ラダック ティム 土田 満 宮﨑 恭一 サーシャン ディリープ 田中 明
出版者
The Japan Dietetic Association
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.267-278, 2013

ベジタリアンの研究によると、ベジタリアンは、ビタミン B <SUB>12</SUB>、 ビタミンD の摂取量が非ベジタリアンより有意に低く、カルシウム、鉄、亜鉛、ビタミンA、ビタミンB <SUB>2</SUB> 、n-3 系多価不飽和脂肪酸(以下、n-3 系脂肪酸)の低摂取が懸念される。そこで、日本人用ベジタリアンフードガイド(JVFG)を用いて、日本人ベジタリアン男性(n=24)と女性(n=60)を対象に、栄養教育を行い、栄養状態の改善を試みた。 JVFG の栄養教育の介入前と後に、食事記録法による食事調査を行った。うち、16 名に対し、身体計測および血糖、尿酸、アルブミン/グロブリン比(A/G)、ナトリウム、カリウム、カルシウム、無機リン、鉄、総コレステロール、高比重リポたんぱくコレステロール、中性脂肪、ヘモグロビン(Hb)、プレアルブミンの血液生化学検査も行った。 結果、ベジタリアンで低摂取が懸念された栄養素のうち、女性において、ビタミンB <SUB>2</SUB>(p<0 . 05)、亜鉛(p<0 . 01) の摂取が有意に増加した。しかし、ビタミンA、ビタミンD、ビタミン B <SUB>12</SUB>、カルシウム、n-3 系脂肪酸の摂取量に有意な増加は見られなかった。身体・血液生化学成績では、女性においてA/G(p<0 . 01)、カルシウム、Hb(p<0.05)が有意に増加し、血糖(p<0.01)、尿酸、上腕三頭筋皮下脂肪厚(p<0.05)は有意に低下した。 以上より、日本人ベジタリアン、特に、女性において、JVFG の栄養教育介入により、栄養状態が変化することが示唆された。
著者
熊橋 智史 野川 雅道 内藤 尚 田中 志信
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.26, pp.S109, 2016

<p>Toward a development of noninvasive tissue oxygen consumption monitoring method, we propose an arteriovenous blood oxygen saturation measurement based on near-infrared spectroscopy. For arterial blood oxygen saturation measurement, we employ a conventional arterial blood oxygen saturation measurement method, pulse oximetry. Then, for venous blood oxygen saturation measurement, based on a similar principle of pulse oximetry, we developed a new venous blood photoplethysmographic oximetry using cyclic cuff compression technique (mean pressure: 10mmHg with 10mmHg amplitude, cyclic frequency: 0.1Hz). The noninvasive arteriovenous blood oxygen saturation measurement system comprises two-wavelength, 750/830nm. The calibration curve of blood oxygen saturation measurement was calibrated, without blood-drawing, using theoretical photon propagation model based on radiative transfer. The newly designed noninvasive arteriovenous blood oxygen saturation measurement system was evaluated with healthy subjects' forearms during isometric hand-grip exercise. The noninvasive measurement system could offer reasonable blood oxygen saturation changes during the exercise and following resting period.</p>
著者
田中 則雄
出版者
京都大学
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.409-421, 1972-12

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
田中 博道
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
1978

博士論文

1 0 0 0 OA 山東談叢

著者
田中逸平 著
出版者
歴下書院
巻号頁・発行日
vol.第1集, 1923
著者
出口 浩一 横田 のぞみ 古口 昌美 中根 豊 深山 成美 西村 由紀子 小田 清次 田中 節子 加藤 三枝子 佐藤 久美子 福本 寅雄
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.1600-1622, 1988

1987年後半に分離した入院患者由来グラム陰性桿菌に対するMonobactam系抗生物質 (Carumonam (CRMN), Aztreonam (AZT)) の抗菌力をPenicillin系抗生物質 (PCs)(Piperacillin (PIPC)), Cephem系抗生物質 (CEPs)(Ceftazidime (CAZ), Cefotaxime (CTX), Latamoxef,(LMOX), Cefsulodin (CFS)), Carbapenem系抗生物質 (Imipenem (IPM)), そしてPyridonecarboxylic acid系抗菌剤 (Norfloxacin (NFLX), Ofloxacin (OFLX)) を加えて検討した。<BR>検討に供した株は<I>Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Klebsiella oxytoca, Proteus mirabilis, Proteus vulgaris, Morganella morganii, Providencia rettgeri, Citrobacter freundii, Enterobacter cloacae, Enterobacter aerogenes, Serratia marcescens, Pseudomonas aeruginosa</I>, そして<I>Haemophilus influenzae</I>の合計13菌種400株である。<BR>1. Monobactam系抗生物質であるCRMN, AZTの抗菌力はほぼ同等であり, <I>E. coli, Klebsiella spp., Proteus spp., M. morganii, P. rettgeri</I>, そして<I>H. influenzae</I>の耐性菌はなく, <I>S. marcescens</I>の耐性菌は少ない。<I>C. freundii, Enterobacter spp., P. aeruginosa</I>の Monobactam系抗生物質の耐性菌は比較的高率であるが, これらの菌種に対するPCs, CEPs 耐性菌はMIC値≥50μg/mlのいわゆるResistant (R株) が高率であるが, Monobactam 系抗生物質の耐性菌はMIC値が12.5~25μg/mlのいわゆるIntermediate (I株) の占める割合が高い成績だった。<BR>2. PCsのPIPC耐性菌は検討に供した株のいずれにも平均して高率にみられた。<BR>3. CEPsの抗菌力は菌種によって異なっていた。CTX, CAZ, LMOX耐性菌は<I>C. freundii, Enterobacter spp., S. marcescens</I>に共通して高率であるが, <I>C. freundii, Enterobacter spp</I>. のLMOX耐性菌はI株の占める割合が高く, CTX耐性菌は<I>P. vulgaras,. M. morganii</I>にもみられた。なお, P. aeruginosaのCEPs耐性菌 (1株を含む) はCFS28%, CAZ12% だつた。<BR>4. Carbapenem系抗生物質であるIPMの抗菌力は13菌種のいずれに対しても耐性菌が皆無もしくは, 耐性菌が少なく最も安定した抗菌力を示したが, <I>Klebsiella spp., P. mirabilis</I>, そして<I>H. influenzae</I>にはMonobactam系抗生物質, CEPsの抗菌力に劣つていた。<BR>5. Pyridonecarboxylic acid系抗菌剤であるNFLX, OFLXの抗菌力はほぼ同等であるが, <I>P. vulguris, M. morganii, P. rettgeri, S. marcescens</I>, そしてP. aeruginosaの耐性菌 (I株を含む) が高率である他, K. pneumoniae, C. freundii, E. aerogenes, <I>H. influenzae</I>の耐性菌も散見された。
著者
重松 良祐 田中 喜代次 大島 秀武 三村 寛一
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.179-187, 1996-02-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
44
被引用文献数
5 1

This study was conducted to determine the effect of exercise training in water (water exercise) in sedentary obese women. Twenty-three women, aged 23-58 years (mean±SD 41.7±11.7), partici pated in this study. Any volunteer with diagnosed disease or taking prescribed medication that might influence the outcome of this study was excluded from participation. The women were allocated either to the exercise group (n =15, weight =65.2±12.3 kg, %body fat=39.2±7.0%) or the control group (n = 8, 62.4±8.3 kg, 34.0±2.4%), respectively. The exercise program consisted of dynamic movements for 60 minutes per session, three days per week for 16 weeks. The exercise intensity was set at approximately 65% of the age-related maximal heart rate. The attendance rate on the program was 89.2±3.0%. The body mass and %body fat of the exercise group decreased significantly by 4.7±1.9 kg (P<0.05) and 3.6±2.4% (P<0.01), respectively, compared with the preexercise values. Significant improvements in their aerobic capacity, trunk flexibility and vertical jump (P<0.05) were also observed. Their energy intake and the amount of other daily physical activity remained essentially unchanged throughout the study. No significant changes in any of the parameters measured occurred, in the control group. These findings indicate that water exercise improved the body composition and physical fitness of obese women.