著者
三代 謙仁 川村 隆浩 中川 博之 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.11, pp.1791-1799, 2011-11-01
参考文献数
19

近年,食や環境への意識の高まりから野菜作りやインテリアグリーンに関心が集まっている.しかし,都市の限られた環境で緑を育てるのは容易ではなく,その環境に適した植物を選択するには専門的な知識が必要ということもあり,不用意に繁茂させたり,逆に枯らしてしまうケースも多い.また,インテリア/エクステリアとしては周辺環境との調和が気になるが,成長時の生い茂った姿を想像するのは素人には難しい.そこで本論文では,携帯電話のセンサを用いて,植裁スペースの環境(日照,温度,気温等)に適した植物を推薦するエージェントシステムの開発について述べる.また,本システムでは,推薦した植物の成長した姿を3DCGで表示するという拡張現実手法を用いて,周辺の景観とマッチするかどうかを視覚的に確認することもできる.これにより,植物や園芸に関する特別な知識がなくとも,環境に適しており,かつ周辺の景観との調和のとれた植物を選ぶことが可能となる.今回の実験では約70%の精度で適した植物を推薦できることを確認できた.
著者
刈間 文俊 若林 正丈 村田 雄二郎 クリスティーン ラマール 生越 直樹 伊藤 徳也 代田 智明 瀬地山 角 高橋 満 古田 元夫 若林 正丈 黒住 真 代田 智明 深川 由紀子 生越 直樹 クリスティーン ラマール 高見澤 磨 楊 凱栄 谷垣 真理子 伊藤 徳也 瀬地山 角 田原 史起 有田 伸 岩月 純一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

中国では、漢字が、簡略化や教育によって、血肉化され、作家達も、前近代的なものを凝視し続けた.戦前の日中関係では、日本の漢学者と漢字紙が大きな役割を果たした.戦後韓国は、漢字を駆逐する一方、伝統的な同姓不婚制度を再構築させ、台湾は、漢字を簡略化せず、80 年代以降には、多文化主義的な社会統合理念を形成した.それに対して、中国大陸では今や、漢字文化からも消費文化からも疎遠な農村が、自律と国家による制御の間で揺れ動いている.本研究は以上を実証的に解明した.
著者
グェンミン テイ 伊藤 雅博 川村 隆浩 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.70, pp.39-44, 2011-05-19

本研究の最終目的は,計算機がユーザの状況を把握し,それに応じて皆の経験に基づく最適な行動パターンを推薦することである.これを実現するために,皆の経験に基づく行動パターンの集合知(行動パターンの構成要素,行動パターン間の関係)が必要である.そして,これらの行動パターンの表現,参照,更新の方式が必要である.しかし,皆の経験に基づく行動パターンの集合知を人手で構築するには膨大なコストがかかる.そこで,本論文は行動パターンの集合知である意味ネットワークの自動構築手法を提案する.まず,webコーパスから取得した行動文の中に現れる行動属性を自動的に抽出する.次に,抽出された行動データ(行動属性と行動属性間の関係)をN3で記述する.最後に,行動主と行動間の関係(遷移関係,因果関係)で,行動間のリンクを付け,意味ネットワークを構成する.
著者
合崎 英男 中嶋 康博 氏家 清和 竹下 広宣 田原 健吾
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.32-40, 2009 (Released:2009-04-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1

携帯電話を通じてアクセスする食品リスク・コミュニケーション・システムを開発し,質問紙調査によってその有効性と改善方向を検討した.回答者は当該システムを通じて農薬に関する情報を得て,その評価結果を質問紙に回答するよう求められた.提供情報に対する閲覧者の理解度はおおむね高く,本システムの有効性を支持する結果が得られた.しかし,調査結果からはWeb情報の閲覧には金銭的なコスト意識も含めた心理的障壁の存在が明らかにされた.心理的障壁を乗り越えるためのインセンティブの程度についてはさらなる検討が必要である.
著者
田中 俊行 グェン ミンティ 中川 博之 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.11, pp.1751-1761, 2011-11-01

インターネットの普及に伴い,Web上には商品やサービス(対象物)に対する多くの評判情報が蓄積されている.しかし,誰でも発信できるが故に,情報は膨大となり,それら全てに目を通すことは利用者にとって多大な負担となる.そのような背景から,レビューから意見を自動的に抽出する研究が盛んに行われており,意見を<対象物,評価視点(属性),評価値>の三つ組と捉え抽出する研究も行われている.しかしながら多くの研究は,評価視点や評価値の抽出に辞書を用いており,ジャンルごとに必要となる辞書の構築のためのコストは小さいとはいえない.また,単に辞書を用いてマッチングを行っただけでは,精度が上がらないのが現状である.そこで本論文では,教師あり学習を用いて,レビューサイトから意見を抽出する手法を提案する.提案手法は,従来の手法のように大規模な辞書をあらかじめ用意する必要がないため,コストを大幅に抑えることが可能である.実験の結果,辞書をあらかじめ用意しない既存手法と比較して,最大で適合率は約26%,再現率は約47%向上した.また,既存研究では個別の辞書を必要とするような他ジャンルに対して本手法を適用した結果,ほぼ変わらない精度で抽出することができ,他ジャンルへの適用の可能性を示すことができた.
著者
佐藤 大輔 中川 博之 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.11, pp.1773-1782, 2011-11-01

本論文では,閲覧中のWeb上のニュース記事に対する意見を個人のブログから収集し,その本文中の主張部分を抽出して提示するシステムの提案を行う.現在ニュースサイトにコメント欄が用意されているところは少なく,検索エンジンを用いても個人の意見のみを収集するのは容易ではない.そこで個人の意見を述べやすい場であるブログに着目してニュース記事に関連した意見を集め,主張を抽出する.本研究では主張とは意見の中で筆者が強く述べている主観的な部分を指す.開発中の主張提示システムの中で,本論文では主張抽出に焦点を当てる.主張抽出には人手により主張であるとされた文章から形態素解析を利用して特徴的な抽出ルールを設定した.本システムによりユーザはニュースサイトを閲覧すると同時に意見の多角的な見方が可能になり,より深い洞察が得られるようになる.評価実験において人手による正解との適合率を求めたところ70.0%となった.
著者
浜本 一知 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.11, pp.1812-1824, 2011-11-01

ライフログなどの個人情報を提供し,プロバイダより情報推薦などの個人サービスを受ける場合,多くの個人情報を提供することで更に品質の高い個人サービスを受けることができる反面,情報の漏えいや流用などによるプライバシ侵害の危険性も増える.そこで本論文では,ユーザごとに設定する希望匿名度に対応する属性を開示する前に,匿名度に影響を及ぼす二つの要素,(1)プロバイダのユーザ背景情報,(2)コミュニティの状況,をチェックし匿名度に反映させることで開示属性を調整し,結果,無用な情報開示を避けることを特徴とするプライバシ保護エージェントを提案する.(1),(2)それぞれにおいて,課題を分析し,解決への提案手法について述べ,(1)は事例モデルによる実験的机上検証,(2)は歩行者モデルを用いたコミュニティを想定し机上検証により,提案手法の妥当性と有効性を確認した.
著者
田原 宏晃
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学紀要 (ISSN:02891190)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.55-70, 2008-03

The first Code of Points in Gymnastics was formulated by International Gymnastics Federation (F.I.G.) in 1949. It is commonly assumed that the 1964 edition of the Code of Points is the basis of present Code of Points. From the 1964 edition to the 2006 edition, the Code of Points has been revised for 10 times, and 11 revised editions have been published since 1964. The purpose of this investigation was to clarify the tendency of how gymnastics skills have been developed by putting all the published skills together, in order to make fundamental materials for future study. This time, the investigation was focused on vaulting skills only. The results in present study were summarized as follows. ・Total 177 vaulting skills have been published since the 1964 edition to 2006 edition. ・In the 1964 edition, only 12 vaulting skills were published. However, within about half century, the number of vaulting skills has increased for 10 times, and 133 vaulting skills were published in the 2006 edition. ・During the period, developments in the first flight phase were mainly made in vaults with 1/4 turn or rounding off after or before jumping off the springboard, respectively. In the second flight phase, the developments were mainly seen in vaults with handspring and Yamashita styles, which were characterized by rotations of the body about lateral and longitudinal axes of the body after pushing off the horse. ・Although the largest number of vaulting skills with highest values was published in the 1989 edition, the number has decreased after the edition, and only one new vaulting skill with highest value was published in the 2006 edition. ・Of all the published vaulting skills, there were 5 vaulting skills that were continuously published from the 1964 edition to the 2006 edition. During this period, there were 27 vaulting skills with only one publication, and two of these 27 vaulting skills were newly published skills in the 2006 edition.
著者
下川信祐 新上 和正 大田原一成
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.116(2003-IS-086), pp.31-38, 2003-11-19

人はどのようにしてシステムと深い関係を形成して行くのでしょうか?これを解き明かすには,従来のタスクレベルを越え,人レベルで利用行動を考察することが必要です.私たちは情報通信と人の幅広く深い関わりに注目します.マクロに眺めると現代の情報通信には,計算機と電話に由来する2元性(双対性)が現れています.これは,アンケート調査の分析で得られたミクロレベル(利用行為)での2種類の複雑さ(多様性と高次元性)に応じています.ミクロからマクロに一貫して2元性に応じている性差に注目し,その行動的起源を辿り,2つのモードをもつ行動モデルを抽出します.これは双対的なマクロ構造や性差研究報告を説明します.ユーザー経験を予想するための参照モデルとしてデザインに利用できます.また,人と深い関係を形成するためのシステム概念,技術と人間社会の発展に対する鳥瞰図,ライフスタイルの長期的シフト(日常化)が導けます.
著者
大江 夏子 田原 誠 山下 裕樹 丸谷 優 蔵之内 利和
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学研究 (ISSN:13447629)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.169-177, 2004-12-01
参考文献数
25
被引用文献数
6 3

蒸切干し用に開発されるサツマイモ新品種の不正使用や海外流出に対抗する手段を確立するため,加工品である蒸切干し製品から,その原料となった品種を,DNAの多型を基に高精度に判定する技術を開発することとした.転移因子であるレトロトランスポゾンは,植物のゲノムに多数の複製配列が散在している.サツマイモのレトロトランスポゾンRtsp-1のゲノム挿入部位を,葉から抽出したDNAを用い,蒸切干し用新品種候補を含む12品種についてS-SAP(Sequence-Specific Amplification Polymorphism)法により分析した結果,多数の複製配列の挿入と挿入部位の品種間の多型が検出された。品種間で違いが見られたRtsp-1挿入部位の塩基配列を調べ,挿入を受けた宿主側の配列とRtsp-1の末端反復配列間のPCRによって,それぞれの品種について様々な挿入部位における挿入の有無を調べた.その結果,最少5ヵ所の挿入部位のPCRにより,上記12品種の区別が可能であった.蒸切干しイモのDNAは,イオン交換樹脂カラムを用いて抽出することができたが,加工による断片化が進んでいた.断片化した蒸切干しイモのDNAを鋳型にしたPCRにおいても,明瞭な結果が得られ,原料品種の識別が可能であった.染色体の特定部位におけるレトロトランスポゾン挿入の品種間多型をPCRにより判定し品種識別を行う方法は,DNAが断片化した加工品の分析に適する,再現性が高く操作が容易,マーカー数の確保が容易などの利点があり,高次倍数性の作物や加工品などにおける優れた品種識別マーカーとなる.
著者
グェン ミンティ 川村 隆浩 中川 博之 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.166-178, 2011 (Released:2011-01-06)
参考文献数
31
被引用文献数
2

In our definition, human activity can be expressed by five basic attributes: actor, action, object, time and location. The goal of this paper is describe a method to automatically extract all of the basic attributes and the transition between activities derived from sentences in Japanese web pages. However, previous work had some limitations, such as high setup costs, inability to extract all attributes, limitation on the types of sentences that can be handled, and insufficient consideration interdependency among attributes. To resolve these problems, this paper proposes a novel approach that uses conditional random fields and self-supervised learning. Given a small corpus sample as input, it automatically makes its own training data and a feature model. Based on the feature model, it automatically extracts all of the attributes and the transition between the activities in each sentence retrieved from the Web corpus. This approach treats activity extraction as a sequence labeling problem, and has advantages such as domain-independence, scalability, and does not require any human input. Since it is unnecessary to fix the number of elements in a tuple, this approach can extract all of the basic attributes and the transition between activities by making only a single pass. Additionally, by converting to simpler sentences, the approach can deal with complex sentences retrieved from the Web. In an experiment, this approach achieves high precision (activity: 88.9%, attributes: over 90%, transition: 87.5%).
著者
萬代 武史 猪狩 勝壽 田原 秀敏 芦野 隆一 守本 晃 浅倉 史興
出版者
大阪電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

1.複数のフックス型変数をもつ線形偏微分方程式(複数の超曲面で退化した偏微分方程式の典型)について,フックス型変数については正則で,その他の変数についてはジュヴレイクラスに属するという関数のクラスで大域的な解を構成する問題について,アルジェリアのMechab氏,Belarbi氏と協力して構成することに成功した.2.上記方程式に関する滑らかな零解の存在について,ある種の双曲性の仮定のもとで,1,2階の場合にはかなり一般な条件のもとで,また高階の場合には典型的な方程式について,存在を示すことができた.3.Blind Source Separationの問題(複数のソース信号が混じっている観測信号から元のソース信号を分離する)で,3つ以上のウェーブレットを用いる方法について,2つの場合との比較などを行い,有効性を確認することができた.また,信号差をもって混ざっている場合について,東京理科大の佐々木文夫教授との協力のもと,解析信号(analytic signal)になっているウェーブレット関数を用いた方法について,具体的なアルゴリズムの詳細,理論的な裏づけの考察、シミュレーションなどについて,ほぼ最終的な形が得られた.これらの結果は2008年度中に論文にまとめる予定である.4.信号のフーリエ像の「中心」,「幅」について,どのような定義がもっとも適切であるかという問題について,数学的観点およびウェーブレット解析の観点から考察を進め,特に「不確定性原理」の修正について部分的な結果と言いうる不等式が得られた.
著者
杉山 高弘 伊藤 博司 宮内 幸司 宮下 洋一 太田原 剛 惣門 雅彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.99-100, 1992-09-28
被引用文献数
2

アプリケーションシステムのインタフェースに,近年,マルチウィンドウやアイコンを駆使した操作性と見栄えが優れたグラフィカルユーザインタフェース(GUI)が求められてきている.しかし,そのようなGUIを開発するには複雑なウィンドウシステムの理解と膨大な開発期間を必要とする.鼎インタフェースビルダ「ゆず」は,グラフィカルユーザインタフェース構築環境「鼎(かなえ)」を利用してアプリケーションシステムのGUIを開発するプログラマに換わって,C言語のGUIプログラムを自動生成する.本稿では,1)部品クラス定義,2)鼎エディタを用いたレイアウト機能,3)リハーサル機能を中心に「ゆず」の機能概要とその実現方式の優位性を説明する.