著者
中村 建太 寺井 早紀 白井 直樹 海老原 充
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2016年度日本地球化学会第63回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.78, 2016 (Released:2016-11-09)

COコンドライト隕石は岩石学的にタイプ3に分類される炭素質コンドライトの1グループで、変成の程度に応じて、さらにタイプ3.0から3.7に細分化された分類を持つ。この岩石学的分類の違いは熱水変質の程度を示していると考えられている。しかし、元素組成と岩石学的分類の関係性は明らかになっていない。そこで、本研究では宇宙化学的揮発性元素に着目し、誘導結合プラズマ質量分析法を用いて、岩石学的分類の異なるCOコンドライト隕石中の揮発性元素の定量を行った。得られた結果より、揮発性元素組成と岩石学的分類の関係性を考察することを目的とした。
著者
鈴木 慎太郎 田中 明彦 岸野(大木) 康成 村田 泰規 楠本 壮二郎 石田 博雄 安藤 浩一 白井 崇生 大西 司 相良 博典 瀧本 雅文
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.118-124, 2016-03-25 (Released:2016-03-30)
参考文献数
5
被引用文献数
1

背景.数多くの健康食品が販売されており,医薬品と併用している場合も少なくない.なかでも滋養強壮を謳った「にんにく卵黄」は盛んに広告されており,愛飲者も相当数が見込まれる健康食品である.症例.69歳男性.4年前から「にんにく卵黄」を服用し続けていた.数週間前から労作時の呼吸困難と乾性咳嗽を自覚し,近医で肺炎の診断にて抗菌薬と副腎皮質ステロイドを投与されるも改善せず,当科を紹介受診した.胸部X線およびCT上,両側中下肺野,末梢側優位のすりガラス影を認めた.気管支肺胞洗浄液でリンパ球優位の細胞増加を認め,気管支肺生検ではリンパ球主体の炎症と軽症の器質化肺炎様の所見を認めた.「にんにく卵黄」の服用中止により速やかに改善し,リンパ球刺激試験でも同商品で陽性反応を示したため,同食品による肺障害を強く疑った.結論.健康食品やサプリメントの摂取歴についても,問診で詳細に聴取することが大変重要である.
著者
岩元 辰篤 白井 達 森本 昌宏 岩崎 昌平 南 奈穂子 中尾 慎一
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.559-562, 2016 (Released:2016-11-04)
参考文献数
10

プレガバリン(PGB)を長期間継続投与中で,治療効果が不明瞭な症例において,投与中止が可能であるかにつき調査した.PGBを6カ月以上投与している11症例を対象とし,続行によってもさらなる改善がないと判断した場合,受診ごとに投与量を半減し,痛みが増強した場合には元の投与量に戻すこととして,25 mg/日まで減量が可能となった時点で中止とした.この結果,7例では減量後も痛みの程度に変化はなく中止が可能であったが,4例では減量あるいは中止により痛みが増強したために投与を継続した.以上,治療効果判定が不十分なままPGBを漫然と投与している症例があることが判明した.今後は,長期間投与を行っている症例では,漸減・中止を考慮すべきと考えられた.
著者
白井 純
出版者
地域ブランド研究会事務局
雑誌
地域ブランド研究 (ISSN:18812155)
巻号頁・発行日
no.11, pp.41-60, 2016-03

旧松本藩の藩版に兵法書「兵要録」がある。「兵要録」はまず活字本が出て藩校教育に用いられた後、度重なる本文校訂を経た決定版が整版として大量に印刷され、書肆が流通を担当することで広く普及した。この「兵要録」活字本二種を、信州大学人文学部の日本文学・日本史学・日本語学分野が共同で行っている長野県木曽郡王滝村御嶽神社の文献史料調査の際に発見したが、そこには木曽山村氏の家臣であった大脇自笑による緻密な本文校訂が豊富な書き込みとして残されており、その内容を読み解くことで、木曽福島と中津川を中心に活動した兵法家を中心とした専門学術ネットワークの存在が浮かび上がってきた。大脇自笑は、江戸時代の兵学として著名な長沼流の兵法家である。長沼流兵法は松本藩出身の長沼澹齋が創始した合理性を重んずる兵法で、江戸時代には主要な二つの流派を中心に伝授されていたが、著者による写本や版本は残らず、流派を反映した異なる本文が乱立する状態にあった。大脇自笑はそうした伝授関係からみれば末流に過ぎないが、数多くの長沼流兵法家の名前と異文を引用しており、豊富な情報を収集し得たことが見て取れる。御嶽神社蔵「兵要録」は、僅かに残存するに過ぎない活字本の完本二種であるということに留まらず、木曽の人、大脇自笑による原典主義を基盤とする考証学的な本文校訂の姿を伝える貴重な文献である。
著者
白井 美穂 サトウ タツヤ 北村 英哉
出版者
法と心理学会
雑誌
法と心理 (ISSN:13468669)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.40-46, 2011-10

本稿では、人々が凶悪犯罪に対面しながらも公正世界信念(Belief in a Just World)を維持するために有効な加害者の「非人間化方略」として、「悪魔化」と「患者化」の2つを挙げ、それぞれにおける思考プロセスの可視化を目指した。先行研究の結果から、加害者の非人間化が生じる凶悪事例(EVIL)とそうでない事例(BAD)について、参加者によって記述された判決文(死刑/無期)を、複線径路・等至性モデル(Trajectory Equifinality Model: TEM)を援用してまとめた。その結果、凶悪事例の加害者は両判決文において「一般的でない精神構造」を持つ者と仮定され、そこから派生した加害者の特性ラベリング(悪魔/患者)は、両判決の理由として機能していた。本稿の結果は、凶悪事例の加害者に対する死刑/無期判決を合理化・正当化する際、どちらを前提とした場合でも、人々が公正世界信念を維持できる知識構造を有していることを示すものである。
著者
曽我 洋二 黒川 学 衣川 広美 内野 栄子 白井 千香 河上 靖登
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.269-276, 2012 (Released:2014-04-24)
参考文献数
16

目的 病原体サーベイランスが経口生ポリオワクチン接種後の便中ポリオウイルスの保有状況を知る一指標として有用であるかを検討し,その現状を分析すること。方法 神戸市における報告例:2000年 1 月 1 日から2010年 6 月30日の10年 6 か月間に,便検体よりポリオウイルスが検出された例を抽出し,接種からウイルス検出までの期間,年齢,性別について検討する。  全国における報告例:2000年 1 月 1 日から2010年12月31日の11年間に,全国感染症サーベイランスの病原体検出情報システムに登録された糞便検体からポリオウイルスの検出報告があった例を抽出し,検出されたウイルスの血清型,年齢,性別を分析し,年齢とポリオウイルスの血清型別の関連についてさらに検討する。結果 神戸市における報告例:10年 6 か月間に,31症例33件の便からのポリオウイルス検出があった。年齢は 2 歳以下が96.8%を占め,性別では,女性が54.8%を占めていた。ポリオウイルスの検出は,ワクチン集団接種期間中および,接種後 2 か月間に限られていた。  全国における報告例:11年間に,全国感染症サーベイランスシステムの病原体検出情報システムに,852件の報告があった。年齢は 2 歳以下が97.3%を占め,性別では女性が54.6%を占めていた。ポリオウイルスの血清型の分布を年齢別にみると 0 歳代の群では 1 型,2 型,3 型がそれぞれ33.2%,44.8%,22.0%,1 歳代の群では22.8%,27.6%,49.6%と 1 歳を境に排泄されるポリオウイルスの血清型の分布に違いがみられた。1 歳以上の群では 1 歳未満の群に比べ,便からの 3 型の検出が有意に高かった(オッズ比3.4,95%信頼区間2.5–4.6)。結論 神戸市および全国の病原体サーベイランスのデータは,経口生ポリオワクチン接種後の便中ウイルス検出に関する知見と矛盾していなかった。病原体サーベイランスは比較的幅広い対象から集積されていることから,その結果を地域における経口生ポリオワクチン接種後の便中ポリオ保有状況の間接的な指標として捉えることができる。生ワクチン接種者からの二次感染の現状を重く受け止めるべきであるとともに,将来の不活化ワクチン移行に向けサーベイランスの精度の向上等が期待される。
著者
市橋 則明 池添 冬芽 羽崎 完 白井 由美 浅川 康吉 森永 敏博 濱 弘道
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.79-83, 1998 (Released:2007-03-29)
参考文献数
6
被引用文献数
5 5

本研究の目的は,健常男性12名を対象に,各種ブリッジ動作中の股関節周囲筋の筋活動量を明確にし,さらに各筋のMMT3の筋活動と比較することである。測定筋は,大殿筋,中殿筋,大腿筋膜張筋,大内転筋とし,各筋の整流平滑化筋電図を求めた。その結果,両脚ブリッジの筋活動量は20%以下の低い筋活動であった。一方,片脚ブリッジの筋活動量は,股伸展・外転筋で高い値を示し,両脚ブリッジと比較し,すべての筋において有意に増加した。MMT3の筋活動とブリッジ動作を比較すると,大内転筋を除いて片脚ブリッジの方が大きい筋活動を示した。本研究結果より,片脚ブリッジは大殿筋だけでなく中殿筋や大腿筋膜張筋の筋力トレーニングとして有効であることが示唆された。また,片脚ブリッジをするためには,MMT3以上の筋活動が必要であり,訓練処方の1つの基準となると考えられる。
著者
井上 敬介 浦山 由巳 上久木田 務 白井 俊光 白木澤 治 杉山 篤央 須藤 眞生 田中 広徳 田原 繁広 那須川 真澄 平原 茂人 堀江 匠 光吉 浩 三原 宏美 宮本 貴之 村上 大吉郎 山中 邦昭
出版者
一般社団法人日本PDA製薬学会
雑誌
日本PDA学術誌 GMPとバリデーション (ISSN:13444891)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.5-93, 2015 (Released:2015-08-12)

This publication has been prepared to express a sound and practical view on the better manufacturing environmental control for non-sterile pharmaceutical dosage forms, which has been discussed for several years by a special working group members of Kansai Study Group (KSG) accredited as one of the committees in Parenteral Drug Association (PDA) Japan Chapter. The opinions proposed or advanced in the document are formed for the purpose of furnishing a beneficial and valuable guide with advisability to any persons or organizations concerned in establishing appropriate manufacturing control systems for quality products.   The leading topics discussed among the WG are focused on the prevention against cross-contamination and foreign matter ingress, and categorized into five subjects composed of HVAC systems, premises, gowning, cleaning, and cleanliness standards. Constructive and earnest discussion therein has been devoted to the key processes, wherein considerable amounts of powders are handled for the successful operations of weighing, granulation, mixing, and tableting. In the expectation of good usage, many of the principles and the way of thinking presented hereupon, in particular can be applied or rearranged to a wide spectrum of other manufacturing processes for various dosage forms of non-sterile drug products.
著者
上野 修司 高橋 勇 黒岩 丈介 白井 治彦 小高知宏 小倉 久和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.130, pp.41-46, 2006-12-09
被引用文献数
2

本研究では 我々は複数のWebページから剽窃した学生レポートを発見するためのシステムを提案する.このシステムを実現するために 我々は検索エンジンを用いて学生レポートの剽窃元になったWebページの検出と剽窃の可能性を評価する際の二つの問題を解決した また これらの新しい手法を用いたシステムを実装し システムの有効性を検討するため2つの実験を行った.その結果 複数のWebページから剽窃したレポートの発見支援が可能であることが示された.In the present investigatiou, we prpose a system in supporting facultures to out the leaner's report plagiarized from, several WEB pages. In order to realize the system, we have solved mainly two problems; (i) How to find out original WEB pages from which learners plagiarized by means of a certain WEB search engine?, and (ii) how to evaluate possibility of plagiarism? We implemented the new two algorithms in the system, and performed two experimentes to show the their effectiveness. From the results, we have almost succeeded to fond out the reports plagiarized from several WEB pages expect for a few reports.
著者
白井 達也 金子 真
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.385-394, 1993-04-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
10

Power transmission systems with timing belt are often used in various machines because of their simple mechanism and easy treatment. However, the diagnosis for those transmission system has not fully established. This paper discusses self-failure diagnosis for a timing belt transmission system using tension-differential-type torque sensor (TDT sensor). A tension pulley is usually incorporated into a part of the transmission system, so that the system can maintain a proper tension during operation. Since such a tension pulley receives force directly from the timing belt, it is expected that the diagnosis of the timing belt can be done with much high S/N ratio and thus with high reliability. Based on this idea, the authors designed a TDT sensor available for a timing belt application, and explored a diagnosis algorithm detectable not only for a timing belt with V-crack but also for a timing belt with blinding at a tooth. Through a number of experiments, we verified the effectiveness of the proposed algorithm and also found an interesting behavior of the sensor signals which is not expected.
著者
白井 嵩士 榊 剛史 鳥海 不二夫 篠田 孝祐 風間 一洋 野田 五十樹 沼尾 正行 栗原 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第26回全国大会(2012)
巻号頁・発行日
pp.1C3OS121, 2012 (Released:2018-07-30)

ソーシャルメディアでは多くのユーザーが活発な情報交換を行っており、情報が短時間で拡散するという特徴がある。しかし、これらの中にはデマ情報も含まれており、デマ情報の拡散が問題視されている。本研究ではTwitterにおけるデマ情報およびデマ訂正情報の拡散に焦点を当て、これらの拡散の様子を解析するとともに、感染症の伝播モデルを応用した拡散モデルを提案し、早急なデマ拡散の収束を目的とする方策を検討する。

9 0 0 0 OA 植物妖異考

著者
白井光太郎 著
出版者
甲寅叢書刊行所
巻号頁・発行日
vol.上, 1914