著者
大上 耕作 今村 友香 八木 玲佳 井上 直美 門 恵子 加藤 貴雄 白井 由紀
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.119-126, 2022 (Released:2022-09-30)
参考文献数
17

【目的】心不全患者と医療者の間で行われる人生の最終段階を意識した対話(EOLd)の現状と関連要因を明らかにする.【方法】京都大学医学部附属病院循環器内科で2015年4月から2020年3月に死亡した患者を対象に診療記録調査を行い,「予後説明」と「人生の最終段階の医療の話し合い」の有無と関連要因を検討した.【結果】109名中,予後説明は40名(36.7%),人生の最終段階の医療の話し合いは25名(22.9%)に実施されていた.予後説明の実施には,年齢(若年)・入院回数の多さ・緩和ケアチームの介入・人生の最終段階の医療の話し合いの実施が関連していた.人生の最終段階の医療の話し合いの実施には,性別(男性)・入院回数の多さ・心不全入院歴があること・緩和ケアチームの介入・予後説明の実施が関連していた.【結論】心不全患者のEOLdは重症および末期心不全患者を中心に行われている現状が示唆された.
著者
白井 美穂 黒沢 香
出版者
法と心理学会
雑誌
法と心理 (ISSN:13468669)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.114-127, 2009 (Released:2017-06-02)
被引用文献数
3

本研究では裁判員制度の枠組みから「専門家でない人々による量刑判断の要因」について、前科情報による効果を中心に、しかし今後の研究の土台として他要因についても多角的な検討を試みた。大学生及び社会人を対象とした2つの質問紙実験の結果から、量刑判断の主な要因としては被告人の再犯可能性や事件の悪質性の推測が挙げられ、また厳罰傾向と呼べる個人変数も重要な要因であることが示された。本研究でみられた主な前科情報の効果は、被告人に前科がある場合はより再犯可能性が高く推測され量刑も重くなったこと、また呈示事件が前科から長期間経過しておりかつそれらの事件内容が類似している場合に、事件の種類に関わらず量刑が最も重くなったことが挙げられるが、量刑判断と前科情報の関連は被告人についての情報呈示のあり方によって顕著となる可能性が示された。また本研究では性犯罪である強姦致傷も含め量刑判断において性差は一貫してみられなかったが、参加者の性別とJW得点の交互作用が厳罰傾向を媒介して量刑判断に関連したことを示し、間接的に量刑へ影響を及ぼし得ることを示した。
著者
白井 暁彦
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.285-294, 2023 (Released:2023-03-01)
参考文献数
28

近年再注目されている「メタバース分野」への期待と不安,不明瞭さを専門家として整理する.前半はメタバースの歴史,定義,特にコンテンツとその受容,研究分野への影響,更に VR やエンターテインメント分野におけるUGC(User Generated Contents)と技術革新の歴史をまとめ,後半はスマートフォン向けメタバース「REALITY」を中心とした「令和のメタバース」研究開発の現場における,最先端の活動や考え方を整理する.エンターテインメント分野では常識となっている部分も多いが,進化の速い分野でもあり,工学の視点で隣接する他の研究開発分野に向けて,歴史を記録する目的も考慮しながらまとめた.
著者
白井 宏樹 小堀 正人
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.129, no.1, pp.51-55, 2007 (Released:2007-01-12)
参考文献数
8

バイオインフォマティクスは,各種生物情報を情報科学的手法によって整理や解析をすることで,生物学上の重要な知見を抽出したり,またそれを促進させる研究分野である.様々な生物情報がフリーで入手可能な今日,バイオインフォマティクスは分子生物学研究や創薬において重要な役割を担っている.本稿では,創薬におけるバイオインフォマティクスの現状と問題点,および将来への展望を記述した.とくにバイオインフォマティクスによる仮説立案の役割について,研究2例を紹介し,その重要性と問題点を記述した.
著者
増渕 佳子 石崎 泰男 白井 智仁 松本 亜希子 宮坂 瑞穂 中川 光弘
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.122, no.10, pp.533-550, 2016-10-15 (Released:2017-01-20)
参考文献数
29

沼沢火山の先カルデラ期とカルデラ形成期の噴出物の岩石記載,斑晶鉱物組成,全岩主・微量成分組成および同位体組成から,沼沢火山では,噴火期ごとに流紋岩~デイサイト質マグマで満たされた珪長質マグマ溜りが再生されたことが明らかとなった.マグマ蓄積率を求めると,カルデラ形成噴火では他の噴火期に比べ2~40倍の早さでマグマが蓄積されたと考えられる.また,4.3万年前の惣山噴火以降,珪長質マグマとともに安山岩質マグマが噴出している.先カルデラ期で噴出した安山岩質マグマは,噴火の主体となった珪長質マグマと同じ同位体組成をもち,起源物質は同じであると考えられる.一方で,カルデラ形成噴火で噴出した3種類のマグマは異なる同位体組成をもつことから,地下の多様な場でマグマが発生し,それが地殻中の浅所マグマ溜りに集積したことが示唆され,このことが大規模なカルデラ形成噴火を発生させた原因の一つになった可能性が高い.
著者
石塚 晴通 小野 芳彦 池田 証寿 白井 純
出版者
日本語学会
雑誌
國語學 (ISSN:04913337)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.86-87, 2001-03-31

「日下部表」と称する資料は,JIS漢字第1次規格(JIS C 6226-1978)の原典の一つである「標準コード用漢字表(試案)」(情報処理学会漢字コード委員会,1971年)の土台となった漢字表であり,日下部重太郎の著した『現代国語思潮続編』(中文館書店,1933年)に附録「現代日本の実用漢字と別体漢字との調査及び「常用漢字」の価値の研究」として掲げられている。この研究では,(1)JIS漢字の字種の選定に果たした日下部表の位置,(2)日下部表の「別体漢字」とJIS漢字における異体字の扱いとの関係,(3)日下部表に反映した現代日本語の漢字の使用実態,の3点について日下部表の内容を検証し,次の結論を得た。(1)日下部表掲載の漢字6473字のうち,JIS X 0208:1997で符号化可能なのは約90%,JIS X 0213:2000で符号化可能なのは約97%である。(2)日下部表の「別体漢字」796字のうち,JIS X 0208:1997で符号化可能なのは約68%,JIS X 0213:2000で符号化可能なのは約84%である。日下部表の「別体漢字」の枠組みと,JIS X 0208:1997及びJIS X 0213:2000のそれはおおむね合致している。枠組みの精度は同程度である。(3)JIS X 0208:1997に不採録の漢字667字のうち,461字がJIS X 0213:2000に採録されており,これらは現在でも使用の実績が確認できるものである。また,研究・調査のために文字を符号化し電子化テキストとする際に問題となるのは・JISの包摂規準の適用方法である。特に問題となるのは,「互換規準」に該当する29組の漢字,人名許容字体別表・常用漢字康煕別掲字の漢字104字,及び包摂規準の変更・追加に該当する漢字であり,これらに留意し,適用した包摂規準を明示すれば操作可能なかたちで情報交換が可能である。
著者
林 果林 端 こず恵 神前 裕子 土川 怜 浅海 敬子 齋木 厚人 龍野 一郎 白井 厚治 藤井 悠 黒木 宣夫 桂川 修一
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.920-930, 2016 (Released:2016-09-01)
参考文献数
39

目的 : 肥満症患者において心理的側面は病態と大きく関与している. その重要性を明らかにするため, 肥満症患者群とコントロール群で, ロールシャッハテストの変数を比較分析した. またその結果から, 肥満症患者の心理的側面について, 7クラスターに分類し検討した.  方法 : 肥満症患者群103名 (男性52名, 31.8±6.7歳/女性51名, 32.1±5.9歳) およびコントロール群160名 (男性61名, 30.8±9.7歳/女性99名, 30.4±9.7歳) のロールシャッハ変数を比較検討した.  結果 : コントロール群と比較したロールシャッハ変数109のうち, EA, EB, Lambda, DQ+, DQv, DQo, DQv/+, Populars, X+%, X−%, M, a, WsumC, CF, SumT, SumV, SumY, Afr, All H Cont, COP, FDを含む47で変数に有意差が認められた.  結語 : 肥満症患者は, 社会生活上求められる資質不足から, 物事の意思決定や行動選択において対処困難を伴いやすく, 自身の感情を把握し調節・表出する力が未熟な傾向にある. そのため自己防衛として, ①刺激を単純化して受け取ることで心理的な距離をとり安定をはかる, ②感情コントロール不全を避けるため, 感情そのものを否認する, ③対人場面では可能な範囲で他者とのかかわりを回避するという3点に集約できる. このような特性を治療者が認識し, 心身の状況を踏まえたうえで集学的治療を行うことが重要である.
著者
土方 敦司 塩生 くらら 中江 摂 塩生 真史 太田 元規 金谷 重彦 白井 剛
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.102-106, 2021 (Released:2021-03-25)
参考文献数
11

The novel coronavirus disease (COVID-19) pandemic has emerged in late 2019 and rapidly spread all over the world. In order to assist structure-based discovery efforts for repurposing drugs against the infectious disease, we constructed homology models of SARS-CoV-2 proteins. We identified several potential drugs by comparing the ligand molecules in the template structures with approved or experimental drugs and compounds of natural drugs, including carfilzomib, sinefungin, tecadenoson, and trabodenoson, that would be further investigated for their potential for treating COVID-19.
著者
白井 剛
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.79-91, 2013-03-30 (Released:2015-03-30)
参考文献数
53
被引用文献数
1

アオサギArdea cinereaの繁殖地への執着性と個体の長期的繁殖履歴を明らかにするために,東京近郊の繁殖コロニーにおいて,幼鳥50個体と成鳥19個体に色足環を装着し,9年間にわたる追跡調査を行なった。幼鳥50個体のうち,38個体 (76.0%)については,その後出生コロニーでは観察されなかった。出生コロニーに戻ってきた12個体のうち,4個体 (33.3%) は2歳から,2個体 (16.7%) は3歳から,1個体 (8.3%) は4歳から繁殖を開始したが,残り5個体 (41.7%)はそこに滞在するものの繁殖は認められなかった。これら12個体のうち,2個体は9年後も生存していた。一方,成鳥19個体のうち18個体 (94.7%)は,翌年以降も再確認された。アオサギは,このように,同じ繁殖コロニーを毎年利用する傾向があった。毎年繁殖した場合,コロニー内の同じ場所に営巣することもあれば,違う場所に営巣することもあった。繁殖は,通常1年1回であったが,ときに (9%の巣で)2回続けて行なわれた。観察を行なった9年間では,22個体の雛を巣立たせたオスが最大の繁殖成功を示した。雌雄とも個体識別された4つがいの繁殖履歴を見ると,例外はあるが,どちらかがいなくなるまでつがい相手をかえない傾向があった。毎年,非繁殖期 (秋から冬)になると,繁殖コロニーでは見られなくなる個体が多い。そうした個体は,繁殖コロニーから離れた川沿いで目撃され,個体ごとに目撃場所が決まっていることが多かった。つまり,繁殖コロニーと非繁殖期の採餌場の移動を毎年繰り返している可能性がある。サギ類では,一般に巣立ち雛は長距離移動を行うことが知られている。今回のアオサギの追跡観察においても,幼鳥に足環を付けてから54日後に,出生コロニーから南西に1,580 km離れた久米島で確認された個体がいた。
著者
藤井 竜也 藤井 哲郎 小野 定康 白川 千洋 白井 大介
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.80-89, 2011-07-01 (Released:2011-07-01)
参考文献数
31
被引用文献数
1

筆者らは,高品質な画質を要求される分野での映像コンテンツの流通を目的として超高精細画像システムの研究開発と,その動画像アプリケーションとして4K ディジタルシネマの開発を進めてきた.本稿では, その4K ディジタルシネマのれい明期から検討を行ってきた劇場向けライブストリーミングの実現技術と, そのディジタルシネマ用プロジェクタとシネマ配信用の高速光ファイバネットワークによってコスト的にもそのビジネス性可能性を高めた新たな映像配信アプリケーションである劇場向けライブ配信(ODS サービス)について説明する.
著者
白井 暁彦
出版者
神奈川工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

「多重化隠蔽映像技術による新たな情報共有空間の創出のための映像制作手法の確立」は立体映像技術と互換の映像ディスプレイ技術として、偏光フィルタを用いたExPixel方式の多重化技術における画質向上技術について詳細は「多重化不可視映像技術(第3報) ―普及型ディスプレイにおける視聴特性評価―」において報告している。またFPGAによるハードウェア化に加え、偏光フィルタ等が必要ない方式についての実験的成功に至った。これらの基礎技術は次世代の多重化映像技術となる裸眼視聴可能な多重化映像技術「ExField」のベースとなっており、今後も幅広い研究応用性が期待できる。
著者
柘植 あづみ 菅野 摂子 田中 慶子 白井 千晶 渡部 麻衣子 石黒 真里 井原 千琴 二階堂 祐子
出版者
明治学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

女性の妊娠と出生前検査をめぐる知識と経験を把握するために、妊娠と出生前検査の経験について自由記述を含めて詳細に尋ねた首都圏でのアンケート調査(2013年実施、有効回答数 378票、有効回収率39.5%)と、全国の妊娠経験のある女性を対象に妊娠と出生前検査の経験に焦点をあてたインターネット調査(2015年1月~2月実施、有効回答数 2,357、有効回収率26.9%)を実施し、結果を分析した。さらに出生前検査を受検した女性、医師、遺伝カウンセラー、助産師、当事者団体等にインタビュー調査を行い、出生前検査をめぐる情報提供、夫婦の意思決定の過程と要因、医師の検査を提供することの考えなどを分析した。

7 0 0 0 OA 菌類雜記

著者
白井[光太郎] [著]
出版者
白井[光太郎]
巻号頁・発行日
vol.1・2, 1899
著者
白井 彦衛
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.34-45, 1976-01-24 (Released:2011-07-19)
参考文献数
53
被引用文献数
2 1

Three streams of idears on“green space conservation” were appeared during the period 1915-1919. The first one is a series of tendancy originated by construction of Nleiji shrine. That is, T. Hongo completed planting method based on ecological aspects, and applied it for planting inside the forest of the Shrine. Then landscape architecture were lectured in Faculty of Agriculture of University of Tokyo.The second one was represented by Histric Spot, Beauty Spot and Natural Monument Conservation Law for which M. Miyoshi made a great effort in its establishment. Around that time Musashino Sociaty was estabtiished contributing to preservation of Metropolitan surburbs.The third one was seen in City Planning Law. That is, parks were not only regarded as one of the facilities in a city, but also regulated as scenic zones backed up by the idea on green space conservation. It was City Research Committee chaired by S. Goto that made an effort to establish the above Laws and promote the green space theory. During the period H. Ikeda's “Free Space Theory” was appeared in the technical magagin Toshi koron and its theory by T. Tamura, R. Ohya and K. Takei was also appeared in it. Moreover, K. Ohta and T. Kitamura were the first persons to use the term.“Green Space.”In Sept. of 1923, terriblily big earthquake destroyed the Kanto area resulting in burned out of 380, 000 houses and 80, 000 dead victims of it. For restoration of the Tokyo City, Research Committee submitted the large scaled reconstruction plan, however the plan was reduced in scale because of financial difficulty. Therefore, the chance to improve city circumstance by the introduction of green space was lost in spite of the social recognition concerning the effect of green space in term of prevention of disnster
著者
白井 利明 山田 剛
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. IV, 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.13-27, 1999-08
被引用文献数
1

現代青年の「インタラクティブ・ツール」と生活意識の関連を検討するために,大学と専門学校の学生で女性384人に対して質問紙調査を実施した。その結果,第1に,ポケベルや携帯電話は,電車内や友人との会話中が授業中よりも寛容になるという場面差がみられた。また,自分のものが鳴った場合は,使用者や関心のある者が関心のない者よりも寛容だったが,他人のものが鳴った場合にはそのような違いはみられなかった。第2に,「インタラクティブ・ツール」への関心は親密さ・回避(自分が傷つきたくない)・多忙感・空虚感とプラスの方向に関係したが,ボランティアを中心とする関心は別の次元であり,しかも空虚感との関連の方向がマイナスであった。The purpose of this study was to clarify how contemporary female adolescents may commit on the "interactive tools" such as "Tamagocchi", "Puri-Kura", beepers, portable telephones, personal computer communications, body touching and volunteers, by examining the relationships between the commitment on them and life feelings. Three hundred eighty four samples answered a questionnaire in 1997. Findings showed that firstly, they felt free to use or hear beepers and portable telephones more in a train and during talking with friends than during a lesson at school. At the same time, those who used or were interested in them did so more than others only in the case of their calling but there was no statistically significant difference in the case of other people to use. Secondly, commitments on interactive tools related to needs to intimacy, narcissism, pressure of business and low self-fullness but another dimension particular to volunteers showed high self-fullness.
著者
後藤 裕介 森田 裕之 白井 康之 市川 尚 濱田 直希 原田 智広
出版者
進化計算学会
雑誌
進化計算学会論文誌 (ISSN:21857385)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.23-39, 2022 (Released:2022-09-09)
参考文献数
27

In recent years, evidence-based policy-making (EBPM) has been called for to accommodate diverse stakeholders when local governments formulate new policies. Social simulation allows virtual observation of changes in social conditions resulting from various alternatives in policy-making. However, there has not been a generic social simulation for designing subsidy payment policies that can be used in various situations. The Evolutionary Computation Competition 2021 (EC Comp 2021), an optimization competition that has been held since 2017 and intends to promote interaction between industry and academia, asked participants to design subsidy payment policies with social simulation. EC Comp 2021 newly formulates a generic social simulation framework for designing subsidy payment policies. This social simulation estimates the effects of subsidy payment policies in response to changes in household economic conditions based on economic shock scenarios using statistically valid data on the residents in a city. This paper gives a detailed explanation of the subsidy payment design problem with the social simulation in EC Comp2021. This paper explains the participants’ optimization methods and their results, accompanied by a brief analysis of their results, and discusses the characteristics of the optimization problem.