著者
柴田 政彦 寒 重之 大迫 正一 三木 健司 栁澤 琢史 助永 憲比古 恒遠 剛示 新田 一仁 岩下 成人 福井 聖 黒崎 弘倫 中野 直樹 若泉 謙太 上嶋 江利 本山 泰士 高雄 由美子 溝渕 知司
出版者
日本疼痛学会
雑誌
PAIN RESEARCH (ISSN:09158588)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.189-196, 2016-11-26 (Released:2017-01-27)
参考文献数
37

The review was performed to investigate the functional brain alterations in patients with various kinds of chronic pain including fibromyalgia, chronic low back pain, migraine and the other chronic pain conditions. In these patients functional connectivity was different not only in the sensory–motor system but also in the affective and reward system. New technology have allowed us to identify and understand the neural mechanisms contributing to chronic pain, which provides us novel targets for future research and treatment.
著者
福井 俊哉
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3+4, pp.156-164, 2010 (Released:2012-01-01)
参考文献数
8
被引用文献数
2

【要旨】遂行(実行)機能とは、「将来の目標達成のために適切な構えを維持する能力」と定義され、具体的には、1) 目標設定、2) 計画立案、3) 計画実行、4) 効果的遂行などの要素から成り立っている。換言すると、1) 意図的に構想を立て、2) 採るべき手順を考案・選択し、3) 目的に方向性を定めた作業を開始・維持しながら必要に応じて修正し、4) 目標まで到達度を推測することにより遂行の効率化を図る、という一連の行為を指す。 遂行機能の総合検査法には、簡便なものとしてFrontal Assessment Battery (FAB)、詳細なものとしてBehavioural Assessment of the Dysexecutive Syndrome (BADS)などがある。さらに、遂行機能を包括的な機能と捉えた場合、その一部を構成する下位脳機能(とその検査法)として、分割注意、複数課題の処理能力(かなひろいテスト、Trail Making Test)、思考セットの変換(Stroop Test)、思考スピード(語想起)、帰納的推測(Wisconsin Card Sorting Test、Tower of Hanoi)などがある。遂行機能障害は前頭葉または線条体前頭葉投射系の障害で生じる。遂行実行機能障害の発現に直接関与する投射系は背外側前頭前野投射系であるが、外側眼窩前頭葉投射系の障害は脱抑制的・無軌道な行動を生じ、また、前部帯状回投射系の障害は無為・無関心を生じ、いずれも遂行機能を間接的に障害する可能性がある。
著者
石津 日出子 大鹿 淳子 代継 由紀 竹井 よう子 藤野 吉世 平岡 英子 中原 満子 金谷 昭子 大江 隆子 原 知子 藤井 美紗子 嘉ノ海 有紀 梶本 五郎 深見 良子 的場 輝佳 高村 仁知 木村 雅美 湯川 夏子 百本 紀子 堀内 攝之 熊谷 篤呼 大山 美紀代 大重 淑美 太田 馨 富山 久代 福井 広子 真砂 佳美
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.304-309, 1993-11-20
被引用文献数
8

油脂の風味の強さを5段階表示したものを対照にし、180℃で大豆油を加熱し、同じような5段階の風味をもつまでに要した加熱時間、ならびに各段階のフライ油で揚げたポテトについて官能検査を行い、油脂と揚げポテトの風味を比較した。1.第1回目の合同実験では、フライ油の風味の点数3(油っぽい、油臭い、重い)に達するまでに要した加熱時間は、最も早い機関で16時間、遅い機関で50時間で、その差は大きかった。2.5段階表示の油脂の風味を経験した後の第2回目の合同実験結果では、フライ油の風味3に達するまでの時間は、16時間から22時間内で、第1回目の合同実験に比べ機関間のバラツキは非常に小さくなった。3.風味3のフライ油のアニシジン価は7機関の平均で150、カルボニル価は13.7であった。4.風味5(新鮮油)、4、3のフライ油で揚げたポテトの味、香りは、それぞれフライ油の5、4、3の風味とよく似た味、香りを示した。揚げポテトの風味が明らかに低下する時は、風味3のフライ油で揚げた時である。したがって、風味の良い、おいしい揚げポテトを作るためには、フライ油の風味の点数3が使用限界としての目安にできると考えた。
著者
福井 勇
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.5, pp.p301-307, 1976-12

近来徐々にではあるが,居合道を修練する者が増加していることは居合道を愛好する者にとっては大きな喜びである.現在居合道は一部の流派を除いては全日本剣道連盟組織内の一分野に位置づけらわているが,居合道と剣道とのスポーツ性等の関連やその違い等については,成書類には理論的に解明されていないので,所謂る剣道人の多くは居合道について確固とした理念に乏しく,中には明治時代以後強調された日本精神や武士道精神を基調とする考え方をしている者が多いのではないかと考える.筆者は居合道については,この練習のための筋肉連動は一般保健体育上から見たスポーツとは縁遠いように考えるし,またスポーツ性の有無の論よりも別な観点に立って居合道が芸術性と密着しているその性格を重大視している者である.このように述べて来ると剣道界の中から居合道が芸術であるとはそもそも論外であり,武道を冒演するものと厳しく反論される人が出ることも当然予想されるが,筆者としては甘んじて批判を受ける覚悟である.然しながら近代に普及させるためには論理に無理があってはならないと思うので,筆者は本文のように居合道と芸術性との結びつきについて論理的に考えてみたのである.但し本稿はすべて古流の居合道を対象にしており,明治時代以後新設された抜刀居合術についてはその時代の背景があるうえに実戦剣法としてこの道の練達者多人数によりそのさ形,を制定されたものと承知しているので,この居合術については理論的には全く別な観点から考えることが自然であり,本文の芸術性との密着についても異る性格であると考えているのでこの種居合術に関するものは除外して論述することにした.
著者
高林 裕 福井 亘 藤原 春奈
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.157-160, 2021-08-31 (Released:2021-12-29)
参考文献数
11

本稿では,様々な施設を内包する総合公園である京都市の梅小路公園を調査対象地として,様々な利用目的を持って訪れる利用者における公園の満足度や緑への関心を明らかにした。梅小路公園の無料区域内で対面でのアンケート調査を実施し,204の標本を得た。その結果,梅小路公園は京都市内のみならず市外の人々によっても利用され,「自然の豊かさ」や「広々とした空間」に関して満足度は高い結果が得られた。印象評価の結果,16形容詞対の平均値が全て正の値を示したことから,利用者が梅小路公園に比較的良い印象を持っており,利用者は施設の利用のみならず公園内の緑とのふれあいにも関心を持って訪れていることが明らかになった。
著者
福井 昌則 黒田 昌克 野村 新平 山下 義史 森山 潤
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-11, 2022 (Released:2023-09-24)

本研究の目的は,若者(高校生,大学生)のデジタルゲームに対するイメージ尺度を開発し,その信頼性と妥当性 を検討することである.予備調査として,デジタルゲーム開発を専門とする大学生 112 名に予備調査を行い,デジタルゲ ームに対するイメージを測定する項目として 115 項目を抽出した.その 115 項目を用いて,関西圏の高校生,大学生 360名を対象に調査を実施した.その結果,デジタルゲームに対するイメージとして,「個人的・社会的悪印象」,「特別体験・肯定的印象」,「スキル向上」,「広範的コミュニケーション」,「健康被害・依存誘発」,「思想的悪影響」,「運動不足」の 7因子(74 項目)が抽出された.
著者
山田 将成 福井 裕介 細井 雄一郎 牧 芳昭 藤井 博昭 中橋 亮平
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.12269, (Released:2022-12-09)
参考文献数
34

【目的】脳卒中片麻痺患者1例に対し,ウェルウォークのアシスト機能を用いた高速度歩行練習がトレッドミル練習と比較し歩行速度の改善に有効か検証した。【対象および方法】対象は視床出血により右片麻痺を呈した50歳代女性である。AB型シングルケースデザインを用いて,A期はトレッドミル,B期はウェルウォークを用いた歩行練習を各8日間実施した。評価項目は快適および最大歩行速度とした。解析は各期の回帰係数を比較するとともに,標準偏差帯法によりA期の平均値+2 Standard-deviation(SD)に対するB期の上位数を二項分布で検定した。【結果】快適,最大歩行速度いずれもB期の回帰係数が大きく,二項分布の結果,B期で有意な改善を認めた(p<0.05)。練習中のトレッドミル速度はB期において高値であった。【結論】脳卒中片麻痺患者に対するウェルウォークのアシスト機能を用いた歩行練習は,高速度な練習環境の提供を可能にし,歩行速度の向上に有効な可能性が考えられる。
著者
石川 利江 佐々木 和義 福井 至
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.10-17, 1992-03-31 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
18

本研究の目的は,2つの社会的不安尺度,Fear of Negative Evaluation Scale(FNE) SocialとAvoidance and Distress Scale(SADS)の日本版標準化であり,健常者300名と対人不安を訴える32名の被検者を調査対象として両尺度の信頼性と妥当性の検討を行うことである。その結果,以下のようなことが明らかになった。(1)日本版FNEとSADSの内的整合性は充分高いものである。(2)両尺度は因子的妥当性,臨床的妥当性が高く,社会的不安の高い者を判別できる尺度である。(3)再テスト法によって得られた両尺度の信頼性係数は,臨床的に用いる質問紙としては充分高いものである。(4)両尺度は,MASとSTAIと有意な高い相関が得られた。したがって,日本版FNEとSADSは,臨床的あるいは研究上の有用性が高いものであることが示唆された。本研究の結果は,社会的不安理論の枠組みで論じられた。
著者
嶋田 元 堀川 知香 福井 次矢
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.12, pp.3413-3418, 2012 (Released:2013-12-10)
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

厚生労働省では,平成22年度より医療の質の評価・公表等推進事業を進めており,「国民の関心の高い特定の医療分野について,医療の質の評価・公表等を実施し,その結果を踏まえた,分析・改善策の検討を行うことで,医療の質の向上及び質の情報公表を推進すること」を目的としている.平成22年度は国立病院機構,全日本病院協会,日本病院会の3団体が,平成23年度は全日本民主医療機関連合会,恩賜財団済生会,日本慢性期医療協会の3団体が本事業を実施した.