著者
近藤 哲郎
出版者
関西福祉大学研究会
雑誌
関西福祉大学研究紀要 (ISSN:13449451)
巻号頁・発行日
no.9, pp.119-132, 2006-03

本稿の目的は,フーコーの『狂気の歴史』第一部第二章「大いなる閉じ込め」の複雑に絡み合う議論全体をフーコーの分析手法の観点から解きほぐし,その論理の骨格を明確に示すことにある.すなわち,本稿における方法は,フーコーの活用する歴史資料にもっぱら注意を集中し,『狂気の歴史』第一部第二章で引用されるすべての歴史的事実と言説を,余すところなく,フーコーが意図した仕方で相互に位置づけるというものである.したがって,本稿は分析手法のレペルでの『狂気の歴史』の分析的再構成であり,そこで再現されるフーコーの議論は,その一切が歴史資料の裏づけのないものはないという意昧で,『狂気の歴史』の論理の骨格である.
著者
近藤 哲也 竹内 清夏
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.495-502, 2004-05-31
参考文献数
25
被引用文献数
2 8

ムラサキモメンヅルは「北海道レッドデータブック(2001)」において希少種に位置づけられているが,渡島支庁の渡島大島では,局内の各所に大規模な個体群が確認され,造成によって裸地化した場所にもいち早く定着している。このことは,本種は北海道での希少種であると同時に自生地周辺の植生回復材料としても有望であることを示唆している。本研究では,本種の保護と植生回復材料としての可能性を探るために,種子の発芽条件とその後の生育に間する実験を行った。種子は硬実休眠を有しており,無処理の種子は10%以下の発芽率であった。硬実休眠は凍結・解凍処理によっては打破できなかったが,濃硫酸に20〜90分間浸漬することで播種後6日以内に100%近い発芽率を得ることができた。電子顕微鏡による観察によって,濃硫酸処理は種皮に穴や亀裂を生じさせていることが示された。休眠を打破された種子は10〜30℃の温度で播種後10日以内に90%以上の発芽率を示し,14ヵ月間貯蔵後でも90%以上の発芽率を維持した。野外のセルトレイに5月25日に播種し,発芽した実生を圃場に移植した結果,翌年の10月には10個体のうちの6個体が開花結実した。
著者
佐藤 哲 片岡 智美 篠 道弘 西崎 久純 安達 勇
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.216-220, 2008 (Released:2008-06-27)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

がん性疼痛の中でもオピオイドが奏効しにくい神経障害性疼痛に対してNMDA受容体拮抗作用を持つケタミンの有用性は高い. 今回, ケタミン内服液を使用した31症例を対象に投与量や継続期間などについて検討した. 治療効果が認められ継続投与された症例は22症例であった. 継続された症例における開始時の服用量は平均107.3mg/日, 服用期間は平均63日であった. 効果はあったが, 有害事象が観察されたため中止となった症例は7症例(嘔気・嘔吐4症例, 傾眠3症例)であった. 十分な効果が認められなかった症例は2症例であった. 神経障害性疼痛に使用して有効だった症例は18症例中14症例あり, ケタミンの内服液は神経障害性疼痛の緩和に有効であることが示された. Palliat Care Res 2008; 3(1): 216-220
著者
江⽊ 盛時 ⼩倉 裕司 ⽮⽥部 智昭 安宅 ⼀晃 井上 茂亮 射場 敏明 垣花 泰之 川崎 達也 久志本 成樹 ⿊⽥ 泰弘 ⼩⾕ 穣治 志⾺ 伸朗 ⾕⼝ 巧 鶴⽥ 良介 ⼟井 研⼈ ⼟井 松幸 中⽥ 孝明 中根 正樹 藤島 清太郎 細川 直登 升⽥ 好樹 松嶋 ⿇⼦ 松⽥ 直之 ⼭川 ⼀⾺ 原 嘉孝 ⼤下 慎⼀郎 ⻘⽊ 善孝 稲⽥ ⿇⾐ 梅村 穣 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻⾕ 正明 對東 俊介 武⽥ 親宗 寺⼭ 毅郎 東平 ⽇出夫 橋本 英樹 林⽥ 敬 ⼀⼆三 亨 廣瀬 智也 福⽥ ⿓将 藤井 智⼦ 三浦 慎也 安⽥ 英⼈ 阿部 智⼀ 安藤 幸吉 飯⽥ 有輝 ⽯原 唯史 井⼿ 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲⽥ 雄 宇都宮 明美 卯野⽊ 健 遠藤 功⼆ ⼤内 玲 尾崎 将之 ⼩野 聡 桂 守弘 川⼝ 敦 川村 雄介 ⼯藤 ⼤介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下⼭ 哲 鈴⽊ 武志 関根 秀介 関野 元裕 ⾼橋 希 ⾼橋 世 ⾼橋 弘 ⽥上 隆 ⽥島 吾郎 巽 博⾂ ⾕ 昌憲 ⼟⾕ ⾶⿃ 堤 悠介 内藤 貴基 ⻑江 正晴 ⻑澤 俊郎 中村 謙介 ⻄村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 ⻑⾕川 ⼤祐 畠⼭ 淳司 原 直⼰ 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松⽯ 雄⼆朗 松⼭ 匡 峰松 佑輔 宮下 亮⼀ 宮武 祐⼠ 森安 恵実 ⼭⽥ 亨 ⼭⽥ 博之 ⼭元 良 吉⽥ 健史 吉⽥ 悠平 吉村 旬平 四本 ⻯⼀ ⽶倉 寛 和⽥ 剛志 渡邉 栄三 ⻘⽊ 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五⼗嵐 豊 井⼝ 直也 ⽯川 雅⺒ ⽯丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今⻑⾕ 尚史 井村 春樹 ⼊野⽥ 崇 上原 健司 ⽣塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕⼦ 榎本 有希 太⽥ 浩平 ⼤地 嘉史 ⼤野 孝則 ⼤邉 寛幸 岡 和幸 岡⽥ 信⻑ 岡⽥ 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥⽥ 拓史 ⼩倉 崇以 ⼩野寺 悠 ⼩⼭ 雄太 ⾙沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 ⾦⾕ 明浩 ⾦⼦ 唯 ⾦畑 圭太 狩野 謙⼀ 河野 浩幸 菊⾕ 知也 菊地 ⻫ 城⼾ 崇裕 ⽊村 翔 ⼩網 博之 ⼩橋 ⼤輔 ⿑⽊ 巌 堺 正仁 坂本 彩⾹ 佐藤 哲哉 志賀 康浩 下⼾ 学 下⼭ 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉⽥ 篤紀 鈴⽊ 聡 鈴⽊ 祐⼆ 壽原 朋宏 其⽥ 健司 ⾼⽒ 修平 ⾼島 光平 ⾼橋 ⽣ ⾼橋 洋⼦ ⽵下 淳 ⽥中 裕記 丹保 亜希仁 ⾓⼭ 泰⼀朗 鉄原 健⼀ 徳永 健太郎 富岡 義裕 冨⽥ 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊⽥ 幸樹年 内藤 宏道 永⽥ 功 ⻑⾨ 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 奈良場 啓 成⽥ 知⼤ ⻄岡 典宏 ⻄村 朋也 ⻄⼭ 慶 野村 智久 芳賀 ⼤樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速⽔ 宏樹 原⼝ 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤⽥ 基 藤村 直幸 舩越 拓 堀⼝ 真仁 牧 盾 增永 直久 松村 洋輔 真⼸ 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村⽥ 哲平 柳井 真知 ⽮野 隆郎 ⼭⽥ 浩平 ⼭⽥ 直樹 ⼭本 朋納 吉廣 尚⼤ ⽥中 裕 ⻄⽥ 修
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
pp.27S0001, (Released:2020-09-28)
被引用文献数
2

日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG2016)の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG2020)の目的は,J-SSCG2016と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG2016ではSSCG2016にない新しい領域(ICU-acquiredweakness(ICU-AW)とPost-Intensive Care Syndrome(PICS),体温管理など)を取り上げたが,J-SSCG2020では新たに注目すべき4領域(Patient-and Family-Centered Care,Sepsis Treatment System,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な117の臨床課題(クリニカルクエスチョン:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQには,日本国内で特に注目されているCQも含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員24名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班を2016年版に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,117CQに対する回答として,79個のGRADEによる推奨,5個のGPS(Good Practice Statement),18個のエキスパートコンセンサス,27個のBQ(Background Question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG2020は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。
著者
観 公子 牛山 博文 新藤 哲也 斉藤 和夫
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.127-132, 2005-06-25 (Released:2009-01-21)
参考文献数
29
被引用文献数
7 10

東京都において,ヒスタミンを原因とする食中毒などは,ここ20年間においてほぼ毎年発生しており,いわし,さば,あじなどの赤身魚によることが多い.そこで,ヒスタミンをはじめ5種の不揮発性アミンについて市販の魚およびその加工品637検体について調査をした.また,ヒスタミンの生成は細菌が関与することから水分活性などを測定した.その結果,ヒスタミンが66検体から5~340 mg/100 gの範囲で検出され,その大半はいわし類の干物であった.同時にチラミンが5~51 mg/100 の範囲で43検体,プトレシンが5~42 mg/100 の範囲で26検体,カダベリンが5~180 mg/100 の範囲で64検体およびスペルミジンが5~8 mg/100 の範囲で5検体から検出された.また,ヒスタミンが検出された干物試料の水分活性は0.68~0.96であった.
著者
佐藤 哲 大原 一興
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.72, no.619, pp.41-48, 2007-09-30 (Released:2017-02-25)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

This paper aims to make clear the staffs "image of unit care" and "idea of the space". The staff made the design proposal by the theme "house where the elderly with dementia live with the staff', "the capacity of the unit is ten people", and "two units". The drawing and the design concept were analyzed. The followings were obtained. 1. The image "user's room is a private room in unit care" was established. However, The difference was seen in the specification and the area of common space. 2. The staff thought about the environment by dweller's aspect and staffs aspect, and which to be valued, the space composition was different.
著者
小林 弘明 吹場 活佳 本郷 素行 佐藤 哲也 溝端 一秀
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.55, no.644, pp.418-425, 2007 (Released:2007-10-10)
参考文献数
8

Experimental studies on telescopic aerospikes for aerodynamic control are reported in this paper. Parametric study on the aerodynamic characteristics of the aerospike has performed including the effect of spike length L, base diameter of tip cone D, spike translating speed and direction. The Axial force coefficient Ca of the aerospike suddenly increases at L/D=3.0 due to flow mode transition from the separation to the reattachment. Reattachment/separation flow mode transition phenomenon can be applicable to a newly invented aerodynamic control device, which is called air-breathing aerospike. In this paper, verification test results of this air-breathing aerospike are also reported. A small solenoid valve in the body cylinder successfully controls reattachment/separation flow mode transition at the angle of attacks from 0 to 12 degree. The spiked bodies’ Ca varies according to the mode transition. As a result, we can control the aerodynamic property of the spiked body by opening/closing the valves periodically.
著者
阿形 清和 野地 澄晴 梅園 良彦 横山 仁 遠藤 哲也 柴田 典人
出版者
京都大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

新学術領域研究『再生原理』では、日本の看板研究の一つであった<再生研究>の成果をもとに、3次元構造をもった指や器官の再生を目指す-新しい再生医療をめざす研究領域を作るために本領域を立ち上げた。そして、再生原理を明らかにすることで、再生できない動物に3次元構造をもった指や器官の再生を引き起こすことを目指した研究を展開した。その結果、プラナリアやイモリで再生原理を明らかにしたことで、尾部からは頭部を再生できないプラナリアを遺伝子操作によって再生できるように成功し(Umesono et al., Nature, 2013)、また関節を再生できないと考えられていたカエルに関節を再生させることに成功した(Tsutsumi et al., Regeneration, 2015, 2016)。これらの画期的な研究成果をより広く世界中の研究者、一般の方々、再生医療関係者に広めていくのに、それらの成果を海外ジャーナルに出版するとともに、国内新聞やEurekAlertなどの国際科学Webサイトを使って広報した。英語での論文出版と、海外向けの広報活動などについてはElizabeth Nakajimaさんを雇用できたことでスムーズに展開することができた。この1年でカエルの関節再生を含め重要な論文を8報、英文誌に出版することができた。また、高校生向けとしては、京都市立西京高校、愛知県立一宮高校、明和高校、宝塚北高校、広島ノートルダム清心女子高校などに出張講義あるいは大学での実習を行った。一般向けとしては、東京で公開講演会を行うとともに、ABC放送、BSフジの『ガリレオX』などで本研究の成果は紹介された。このように、5年間にわたる本研究成果を、国内外に積極的に広報することに成功した。そして、最後に5年間にそれらの成果を冊子体としてまとめて報告書とした。
著者
遠藤 哲宏
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.459-467, 1971-06-01
被引用文献数
1

子宮収縮の機構を解析する研究の一環として分娩時子宮収縮に要するエネルギー量を測定し,また分娩が新生児のエネルギー代謝にどの様な変化を与えているかという点から新生児のエネルギー代謝量を測定し次の結果を得た. 1) 分娩時母体エネルギー代謝量(10分間)は,分娩第1期初産婦20.5±2.48Cal/10min経産婦,22.2±2.21Cal/10min,第2期初産婦39.5±5.68Cal/10min,経産婦34.3±3.16Cal/10min,第3期初産婦11.2±2.75Cal/10min,経産婦10.8±2.09Cal/10minで,分娩時第2期に最も大きく,第1期はその1/2〜2/3,第3期は1/3〜1/4であつた.単位時間内に於けるエネルギー代謝量は初産婦でも経産婦でも殆んど同じである. 2) 分娩時子宮収縮1回に要するエネルギーは,分娩第1期初産婦は2.8±0.57Cal経産婦は3.3±0.38Cal,分娩第2期初産婦は3.4±0.75Cal経産婦は3.4±0.22Calであつて,いづれも同程度のエネルギー代謝量であつた. 3) 分娩1回に要する総エネルギー代謝量は,初産婦では薬2000Cal経産婦800Calとなり,初産婦は経産婦の約2.5倍のエネルギーを消費することになる. 4) 新生児エネルギー代謝量は,分娩直後が最も高く,分娩後2時間まで高値が続き,4時間後より急激に低下し,6時間より24時間まで低い値で安定している.その後3日,4日はやや低く,5日よりやや高くなる. 5) 未熟児は,分娩直後にやや高いが,2時間後より6日目まで正常新生児に比較して低い値で変動も少ない. 6) 正常分娩児と異常分娩児との間には差は認められなかつた. 7) 早産児,予定日超過児のエネルギー代謝量は正期産児よりやや低い. 8) 新生児の運動に要するエネルギー代謝量は,哺乳10.2±4.08Cal/kg/h,沐浴5.3±1.96Cal/kg/h.啼泣20.6±5.96Cal/kg/h.経運動11.5±6.02Cal/kg/h.であつた. 9) 分娩後チアノーゼを認める新生児と正常新生児を比較すると,酵素消費量とエネルギー代謝量は差が著明で,チアノーゼ郡は正常群の約2/3である.
著者
高木 優任 三村 大輔 阪谷 廣司 佐藤 哲
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.169-180, 2010-03-26 (Released:2010-03-26)
参考文献数
5

戸建て住宅などの小規模建築物向け地盤補強杭用の小口径鋼管に適用する機械式継手を提案し,必要とされる耐力(圧縮,ねじり)が確保できるかを確認するために,載荷試験,ならびにFEM解析を行った。検討の結果,提案する機械式継手は,鋼管と同等以上の圧縮耐力を有し,施工時に作用するねじりモーメントに対しても,鋼管のねじり耐力を基準とした許容トルクまで載荷できることを確認した。これらの結果から,提案する継手は施工,ならびに供用時の強度に問題はなく,設計上の要求性能を満足することを確認した。
著者
安藤 哲郎
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.19, 2005

本発表では、平安京における「成長」の概念について、日記や物語などの歴史的資料(史料)を基に、都のモチーフや動静を理解して考察を試みた。<BR> 都市の場合には人口や経済から成長の探求が行われるが、都は生産性と別次元にある。そこで、都と必要十分の関係にある天皇家や官人がどう考えていたか、という面から考えることとした。都が「宮処」である観点も大きく、また彼らの考え方を知る術もあるからである。<BR> 都は天皇が常に位置していることが求められたが、時折京外へ出かけた。その行幸(上皇の場合は御幸)から理解を試みるため、「京外空間」を糸口として考えた。まず、平安遷都前後における天皇遊猟の目的地から、遷都行動(遊猟)が平城・長岡・平安3京を相互に結び付けた可能性がみられた。また、白河上皇時代の行幸・御幸状況から、前期は成人天皇と共に鳥羽を王家の地として人々に認識させ、後期は幼主のために摂関家に由緒のある白河を王家の地になすことで王権伸張に役立てたとみられた。<BR> 天皇は次第に遠出をしなくなり、京周辺の神社などから日帰りするようになった。一方で王家の地となった鳥羽や白河などは日帰りしなくてもとくに指摘されない。そういう意味では、都人は自由になる京外空間が広がっている。<BR> ただし、平安京が外を好まない傾向は残っていた。比べてみれば、「都会」と表現されていた太(大)宰府は御笠下流の博多に鴻臚館を設け、そこと一体となったまちであった。一方平安京は交流施設を近くに持たなかった。京に近いところが都とは違うことも表現されている。<BR> 平安京は限られた空間の中で完結する都であり、他との接触を好まない都であることは続いていたが、その周辺部が平安京の意味付けのために使われ、自由に訪問できる空間として整備されることがあった。都人の活動空間が広がったと意識される意味では「成長」と言える可能性がある。<BR>