著者
安部 朋世 神谷 昇 西垣 知佳子 小山 義徳
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.209-213, 2017-03

[要約] 本稿は,「データ駆動型学習(Data-Driven Learning; DDL)」開発の基礎的資料とすべく,現行の中学校国語教科書及び英語教科書に現れる文法用語を調査し,DDLによる文法指導における注意点や問題点等を整理することを目的とするものである。具体的には,中学校国語教科書と中学校英語教科書における「品詞」の現れ方と,小学校及び中学校国語教科書と中学校英語教科書における「文の構成要素」に関する用語の現れ方を調査し,国語と英語の品詞の内実の違いについての注意点や,文法用語の使用状況に関する問題点を明らかにするとともに,本研究を踏まえ,今後実践研究における分析を行うことにより,文法用語の適切な使用のあり方について考察を行っていく必要があることを指摘した。
著者
照本 清峰 鈴木 進吾 須原 寛 田畑 博史 中嶋 宏行 紅谷 昇平 吉川 忠寛 稲垣 景子 牧 紀男 林 能成 木村 玲欧 大野 淳 林 春男 河田 惠昭
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 = Journal of social safety science (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.137-146, 2007-11-01
被引用文献数
4

This paper discusses problem structures related to the time lag in the case that there is the interval between the Tokai-Tonankai earthquake and Nankai earthquake. First, the image of potential time lag problems in terms of the time flow after Tokai-Tonankai earthquake is shown. Second, the relationships between predicted earthquake intensities and population distribution are represented. Then the problems are arranged and examined for each separated area. Based on these discussions, problem structures due to the time lag are identified. Finally, through the individual specific problem examples associated with the time lag and hypothetical responses of local government officials, it is indicated that the time lag leads to various alternative problems.
著者
安部 朋世 神谷 昇 小山 義徳 西垣 知佳子
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.59-64, 2018-03

[要約] 本研究グループでは,英語の語彙・文法指導のひとつの方法として,「データ駆動型学習 (Data-Driven Learning:DDL)」の有効性について,継続して調査・研究を行っている。本稿は,DDL教材・指導法開発のための基礎的データを収集するために,学校英文法と学校国文法が既修である大学生に対して,英語と国語それぞれの品詞に関する理解度調査を行った結果を報告し,学校英文法と国語科文法学習の双方の影響と連携の可能性について検討する。具体的には,大学1年生を対象に調査を行い,その結果から,[ 1 ] 日本語文法と英文法の知識をどの程度正しく身に付けているか,[ 2 ] 日本語と英語の品詞によって理解の程度に差はあるか,[ 3 ] 日本語文法の知識から英語文法の知識に,どのような転移が見られるか,[ 4 ]英語文法の知識から日本語文法の知識に,どのような転移が見られるか,について実態を明らかにする。
著者
金谷 正敏 大谷 昇 高橋 淳 西川 猛 勝野 正和
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.642-652, 1995-07-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
86
被引用文献数
2

広禁制帯幅半導体シリコンカーバイド(SiC)は,耐環境用デバイスやパイスーデバイス用半導体材料として,また, GaNなどの基板としても注目されている.従来, SiCバルク単結晶の育成は困難であったが,最新の改良型昇華法成長め研究開発により,大口径バルク単結畠成長が可能になった.6H形および4H形SiCの単結晶が成長できるようになり,数々のデバイス試作が行われている.結晶性改善においては種々の欠陥の中でデバイス作製上問題となるマイクロパイプ欠陥の低減も進展している.本稿では,進展著しいバルクSic単結晶研究の現状と今後の課題を述べる.
著者
関谷 昇
出版者
日本公共政策学会
雑誌
公共政策研究 (ISSN:21865868)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.44-58, 2004-12-20 (Released:2022-01-18)

社会契約説という考え方は,個人主体を準拠点にして法と政治との応答関係を律する一つの規範原理である。近年はポストモダニズムの影響によって,そのt体性の構図や法学的思考の論理が批判されつつあるが,社会契約説の原理的可能性は依然として失われておらず,それどころかその原理性は法や政治政策にとって改めて問い直しの契機を発し続けていると考えられる。本稿は,社会契約説の現代的意義を改めて模索することを目的としている。社会契約説を,「作為」の論理という形で政治社会の発生の原理的基礎づけとして把えるならば,それは個々人が自発的に政治社会を営む民t主義原理を強調することを意味し,政治参加や政治過程の活性化を構成原理として弁証することにつながっていく。それはさらに,実践的な局面において,多元的な合意形成の充実を伴いながら,市民社会論として応用されてもいる。これに対して社会契約説の現代的復権は,所与の政治社会の帰結の原理的評価として再構成されるものであり,構成原理に対して制約原理にシフトしていると考えられる。それは法学的思考を背景とした配分的正義の導出を意味しており,それに甚づく国家権力の正当性を弁証することに応用されている。そこからさらに,リベラリズム的正義論として批判的に再構成されてもいるのである。本稿では,社会契約説が前者の側面から後者の側面へ転回した点を踏まえながら,そこに残されている課題を見出すことによって,今後の法学や政策学に必要とされる規範原理について検討を加えるものである。
著者
高橋 丈博 田中 利和 渋谷 昇 伊藤 健一 高橋 康夫
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
サーキットテクノロジ (ISSN:09148299)
巻号頁・発行日
vol.7, no.5, pp.314-319, 1992-09-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
7

プリント配線板における配線設計を行う上での設計指針を与えることを目的とし, ビアをもっ配線板で信号伝送測定を行い, 配線ビアの信号伝送波形への影響を調べた。この結果, 立ち上がり1ns程度の波形に対して, 伝送波形はほとんど変化せず, ビアの個数やクリアランスの大きさを変えても波形はほとんど変化しなかった。ビア部分の特性インピーダンスを測定したところ, 特性インピーダンスはクリアランスの大きさに依存し, 配線部の特性インピーダンスから20%程度違っていた。しかし, 伝送波形の計算を行い, ほとんど影響を与えないことが計算でも確認された。つぎに, 信号の立ち上がり時間, ビアの特性インピーダンスとの波形歪と関係を計算し, 立ち上がり時間が速くなってくるとビアの影響が波形に現れてくることを明らかにした。
著者
神谷 昇司
出版者
人間環境大学
雑誌
(ISSN:1348124X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-11, 2009-03-31

平成十七年一年間の柏露軒茶会記の内、先回は風炉の時期である五月から十月までの道具組を記載しました。今回は十一月と十二月を取り上げます。十一月は炉の正月、炉開き・茶壷の口を解く口切の時期です。茶摘みは二月四日の立春から数えて八十八夜(五月二日)くらいから準備をして五月十日ころから始まります、抹茶は「藁下十日、簀十日」といって、茶摘みの頃から逆算して、その十日くらい前に藁をのせて、さらに十日ほど前には、茶畑に組まれた足場に簀を拡げておくのが標準的段取りです。摘み取られた生葉は蒸して乾燥して「荒茶」となる。荒茶を「茶撰り」にかけて「碾茶」ができる。碾茶は茶壷の中に半斤の紙袋に収められた数種類の濃茶(夫々茶銘を記す)と周りに薄茶を詰めて濃茶が湿気ないように包み込んで暗冷所に一夏貯蔵される。秋まで寝かせると熟成されて旨みを増します。いわゆる「口切」を迎える頃にもつとも適した風味になるわけです。この十一月に父八十八歳、母八十歳、合わせて百六十八歳の「いろは茶会」を催しました。また十二月の茶会記は、利休居士の孫、元伯宗旦の命日にあたる十二月十九日に毎年厳修する「遠忌茶会」を取り上げました。それぞれの亭主の思い入れを感じていただければ幸いです。
著者
紅谷 昇平 木本 勢也 北後 明彦 室崎 益輝
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
no.7, pp.411-416, 2005-11

Recovery of local economy is one of the most important issues after natural disasters in rural area. We studied two local industries suffered from flood disaster in 2004, luggage industry in Toyooka-city and lacquer craft industry in Sabae-city. First, we figure out how local industries recovered from the disaster, especially focused on the activites by local companies in both cities. Second, we present expected local government role indispenasable for recovery of local indutries after natural disasters.
著者
紅谷 昇平
出版者
(財)阪神・淡路大震災記念協会(人と防災未来センター)
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2007

阪神・淡路大震災の事例では災害後の産業復興には顕著な遅れがみられ、事前対策の重要性が明らかになったが、大手企業へのアンケート調査では事業継続計画(BCP)を策定している企業は4割にとどまっていた。また地域産業復興の事例として、能登半島地震や四川地震、ノースリッジ地震の現地調査・資料調査を行い、仮設店舗による営業支援や日本型TIF(Tax Increment Financing)の可能性検討を行った。
著者
関谷 昇
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2023-04-01

本研究は、プロテスタントの拠点であった東フリースラントのエムデン(神聖ローマ帝国北西部)で活躍したヨハネス・アルトジウス(1557-1638)の政治思想を本格的に考察するものである。彼は、宿敵ボダンとは異なる新たな主権論の軸に、水平的・重層的・分権的な政治秩序を構想していた。そこには、アリストテレスやローマ法の受容、中世団体論の影響が色濃く見られ、絶対主権の支配ではなく、主権者(立法者)と統治者(執行者)との双方向的な関係のダイナミズムが見出される。究極的な価値対立の時代において、いかなる政治を通じて共生の秩序を具現化しようとしたのか、主権国家のオルタナティヴとして、その核心に迫る。
著者
米谷 昇子 篠崎 優子 鈴木 由美
出版者
日本視機能看護学会
雑誌
日本視機能看護学会誌 (ISSN:24333107)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.6-9, 2022-11-30 (Released:2022-12-18)
参考文献数
5

要 旨 目的:患児とその家族,眼科手術周術期の一連の流れの理解を深めるために,絵本を改定し,その絵本を使用したプレパレーションの効果について評価を行う。 方法:疾患および周術期のタイムスケジュールの理解を補助するための絵本を他職種と共同で作成。調査期間は2019年11月〜2020年3月。斜視および睫毛内反手術で入院し手術を受けた患児の家族に対し,退院後初回外来時アンケート調査を実施した。 結果:平均年齢:7.1±2.4歳,絵本を「読んだ」95%,絵本は子どもにとって良い効果がありましたかという問に対し,『強くそう思う』30%,『そう思う』55%。「内容」「ボリューム」「文字の大きさ」「絵・写真」について適切かどうかの問に対し,90%以上が『強くそう思う』『そう思う』に回答。 考察:眼科看護師が他部署のスタッフと協力し,絵本作成し,プレパレーションを実施することで,患児と家族が安心して手術を受けることの一助になったと考える。
著者
駒谷 昇一
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1_12-1_15, 2017 (Released:2017-02-04)
参考文献数
2

PBL (Project Based Learning or Problem Based Learning) has attracted attention as a method to develop human resources capable of solving problems with teams. PBL is a learning method to solve problems with a project type team. PBL is an educational method that can effectively acquire problem solving power, creativity and ability to help each other in a team. In PBL, how to evaluate educational purpose quantitatively is an important point. This paper introduces examples of how I evaluate the educational purpose of PBL.
著者
神谷 昇司
出版者
人間環境大学
雑誌
(ISSN:1348124X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-16, 2007-03-31

平成十七年一年間の我が家の茶会記を淡交社刊『なごみ』に連載しました。「年間の道具の取り合わせをみて、茶会に対する思い・客への心づかい・季節の移ろい・茶道具の妙味・茶道具周辺の時代背景などを感じていただけると思います。茶の湯は、亭主と客の二人称で観客のいない即興劇が、時間的経過の中で展開されます。この茶室空間は、亭主の「創意・工夫」によって、あるときは主客の緊張した空間にも、寛いだ華やかな空間にもなります。一月はお正月のおめでたい「初釜」を、厳寒の二月は逆勝手「大炉(だいろ)の茶会」、三月は「ひな祭り」(上巳(じょうし)の節句)、四月は「桜の花見茶会」と進み炉を塞いで、五月は畳の上に風炉・釜を置く「初風炉の茶会」を五月節句でとりあげました。六月は岐阜・長良川の「鵜飼の趣向」、七月は「七夕」、八月は「涼味の茶会」、九月は「月をテーマ」に、十月は風炉の最後の季節で「名残の茶会」、十一月は炉の正月、炉開き・茶壷の口を解く口切の時期です。ちょうど父八十八歳、母八十歳、足して百六十八歳の「いろは茶会」を取り上げました。最後の十二月では利休居士の孫、元伯宗旦の命日に厳修する「遠忌茶会」で締めくくりました。今回は一月から四月までとしました。それぞれの茶会における亭主の思い入れを感じていただければ幸いです。