著者
大塚 攻 長谷川 和範 木村 妙子 三宅 裕志 近藤 裕介 飯田 健 Honorio Pagliwan Ephrime Metillo
出版者
The Malacological Society of Japan
雑誌
Venus (Journal of the Malacological Society of Japan) (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1-4, pp.93-98, 2017-11-27 (Released:2018-01-11)
参考文献数
39

ウロコガイ科二枚貝ベッコウマメアゲマキScintilla philippinensis Deshayes, 1856の生体がフィリピン・パラワン島で採集されたが,外套膜とその膜上の突起,足を用いてウミウシ類及びカニ類に擬態と考えられる行動が観察された。ウミウシ類型の場合,外套膜を変形させて形態を似せる。カニ類型の場合には形態的類似性だけでなく足も用いて行動も真似る。ウロコガイ上科は他の動物に共生することで知られるが,擬態に関する知見は少ないので,今後のより詳細な研究が待たれる。

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著者
近藤浩一路 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1917
著者
近藤 一博
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.218-221, 2013

現代はストレス時代と言われ,ストレスの蓄積状態である「疲労」による,うつ病や自殺が増加している。このような状況を打開するためには,疲労を客観的に測定して予防することが必要となる。我々はこの目的のために,人の意志では変化しない疲労のバイオマーカーを検索し,唾液中に放出されるヒトヘルペスウイルス(HHV-)6による疲労測定法を開発した。HHV-6は突発性発疹の原因ウイルスで,100%の人の体内でマクロファージとアストロサイトに潜伏感染している。マクロファ ージで潜伏感染しているHHV-6は,1週間程度の疲労の蓄積に反応して再活性化し,唾液中に放出される。このため,唾液中のHHV-6の量を測定することによって中長期の疲労の蓄積を知ることができた。さらに我々は,HHV-6の再活性化の分子機構を研究することにより,疲労因子(FF)と疲労回復因子(FR)の同定に成功した。FF と FRは末梢血検体で測定可能で,被験者の疲労の定量だけでなく,回復力の評価も可能であることが明らかになってきた。HHV-6は,ほぼ 100%のヒトで脳の前頭葉や側頭葉のアストロサイトに潜伏感染を生じている。この潜伏感染HHV-6も,ストレス・疲労によって再活性化が誘導されると考えられる。我々は,脳での再活性化時に特異的に産生される,HHV-6潜伏感染遺伝子タンパクSITH-1 を見出した。SITH-1発現は,血液中の抗体産生に反映され,血中抗SITH-1抗体を測定することによって,脳へのストレスと疾患との関係を検討することが可能であった。抗 SITH-1抗体陽性者は,主としてうつ病患者に特異的にみられ,抗 SITH-1抗体がうつ病のバイオマーカーとなることが示唆された。さらに,SITH-1タンパクを,ウイルスベクターを用いてマウスのアストロサイト特異的に発現させたところ,マウスはうつ症状を呈することがわかった。これらのことより,脳へのストレス・疲労負荷は,潜伏感染HHV-6の再活性化を誘導することによって,潜伏感染タンパクSITH-1を発現させ,うつ病の発症の危険性を増加させるというメカニズムが示唆された。
著者
近藤 龍司 土肥 真人 柴田 久
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.669-672, 1998-05-25 (Released:2011-07-19)
参考文献数
3
被引用文献数
1

本研究は, 日常から非日常への心理的変化とそれに及ぼす環境の影響を把握する事を目的とする。東京ディズニーランドの来訪者を被験者として, 性別, 年齢, 利用交通機関などの被験者の属性および出発点から終着点までの10の場面毎の日常-非日常の心理的変化を聞き取り, 共分散構造分析を用いて被験者属性と場面特性との因果解析を行った。本論の分析, 考察より, 被験者の約9割がディズニーランドを非日常空間として認識し, 被験者の約7割は物理的環境からの直接の影響により非日常への心理的変化が喚起されている事が明らかになり, 被験者の個人属性, 物理的環境からの影響の有無, 心理的変化の場面特性の因果関係を定量的に把握した。
著者
近藤 里恵
出版者
環太平洋産業連関分析学会
雑誌
産業連関 (ISSN:13419803)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.3-10, 2007-02-28 (Released:2015-03-24)
参考文献数
15
被引用文献数
1

消費税は導入当初から効率的な間接税であるという了解があったように思われる.しかし現行の日本の消費税には「輸出のゼロ税率」や「資本形成による消費税の還付」の制度がある.ある産業において他の産業よりも多く投資がなされる場合,多くの還付がなされ,どの課税財に対しても定率の従価税という消費税の性質が保存されない可能性がある.よって消費税の実効税率を求める必要性が発生する.これら還付制度を考慮したとき,消費税は効率的と言えるのであろうか.これを消費税の実効税率を求めることによって明らかにすることを本稿の目的とする.実効税率の導出は,入谷(2004)の課税前価格を産業連関論における価格方程式によって計算する手法でなされている.
著者
近藤 泉
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集 言語・文化篇 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU RONSHU; Journal of Nagoya Gakuin University; LANGUAGE and CULTURE (ISSN:1344364X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.37-72, 2021-03-31

本論文においては,犯罪映画・ミステリー映画について,日本と中国の作品の比較を行う。このテーマについては,日中いずれにおいても,先行研究が存在しない。調査対象は2010年~2018年の9年間の作品とする。日本・中国とも各年度の興行収入ランキング上位の計約40本の作品を調査対象として,日中計80本ほどのすべての作品について,58の項目についてそれぞれ該当するかどうか一つ一つチェックし,表を作成する。日本と中国の表を比較することにより,できるかぎり客観的に日中の作品の比較を行う。ページ数の都合により,論文は3回ほどに分けて発表する予定であり,1回目の前回は中国の作品に関する部分を掲載しており,2回目の今回は日本の作品に関する部分を掲載する。次回は,作成した表などを使いつつ,日中の比較をする予定である。これにより,日中の映画の比較ができることはもとより,両国の社会や人々の意識の違いをも見て取ることができるはずである。
著者
近藤 健二
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.119, no.12, pp.1534-1535, 2016-12-20 (Released:2017-01-14)
参考文献数
8
被引用文献数
1
著者
宮本 康 福本 一彦 畠山 恵介 森 明寛 前田 晃宏 近藤 高貴
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.59-69, 2015-05-30 (Released:2017-11-01)
参考文献数
49
被引用文献数
2

鳥取県ではカラスガイの絶滅が危惧されているが、本種の個体群構造や繁殖の実態が明らかにされていない。そこで本研究では、本種の分布が確認されている3つの水域を対象に、サイズ組成、母貝の妊卵状況、本種の生息域における魚類相、およびグロキディウム幼生の宿主適合性を明らかにするための野外調査と室内実験を行った。多鯰ヶ池ではカラスガイのサイズ組成が大型個体に偏っていたことから、稚貝の加入が近年行われていないことが示唆された。しかし、母貝が幼生を保有していたこと、当池でブルーギルとオオクチバスが優占していたことから、これらの外来魚による幼生の宿主魚類の駆逐が本種の新規加入の阻害要因になっていることが併せて示唆された。一方で、他の2つのため池では大型個体に加えて若齢の小型個体も少数ながら発見された。これらの池ではブルーギルとオオクチバスが確認されない反面、室内実験より幼生の宿主と判定されたフナ属魚類が優占することが明らかになったことから、新規加入が生じる条件が揃っていることが示唆された。以上の結果より、現在の鳥取県ではカラスガイの個体群動態が魚類群集に強く依存していること、そしてブルーギルとオオクチバスが優占する多鯰ヶ池は本種個体群の存続が危ういことが示唆された。以上の結果を踏まえ、最後に当県におけるカラスガイ保全のための提言を行った。
著者
小倉 匡俊 近藤 沙紀 中尾 小百合 河村 あゆみ 福泉 洋樹 岡部 光太
出版者
動物の行動と管理学会
雑誌
動物の行動と管理学会誌 (ISSN:24350397)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.8-17, 2020-03-25 (Released:2020-04-24)
参考文献数
23

動物園において複数の動物種を同一空間で飼育展示する混合展示はさまざまなメリットがある。しかし動物福祉を損ないうる状況も存在し、たとえば出産と哺育に対して混合展示が負の影響を与えうることが指摘されている。本研究では日本の動物園における混合展示の代表的な組み合わせであるアミメキリンGiraffa camelopardalis reticulataとグレビーシマウマEquus grevyiを対象に社会関係を評価するとともに、グレビーシマウマの出産が動物福祉に与える影響を調べた。京都市動物園で飼育されていたアミメキリン3個体とグレビーシマウマ1個体(出産後は2個体)を対象に、社会行動と最近接個体、個体間距離を記録し、出産の前後で比較した。その結果、出産前後ともに異種間での親和行動が観察され、一定の良好な関係を築いていることが確認された。しかし個体の組み合わせによっては親和行動が減少し敵対行動が増加するなど、出産によるネガティブな変化も見られた。混合展示により個体数の限られた飼育環境においても社会的な刺激がもたらされることと、出産と哺育に際する攻撃行動の増加に対する注意の重要性が示された。
著者
小林 真之 武知 茉莉亜 近藤 亨子 大藤 さとこ 福島 若葉 前田 章子 廣田 良夫
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.605-611, 2010 (Released:2014-06-12)
参考文献数
27

目的 不活化インフルエンザワクチン接種とギラン•バレー症候群(GBS)の関連について文献的に考察する。方法 米国予防接種諮問委員会(The US Advisory Committee on Immunization Practices: US-ACIP)の勧告に引用されている文献を中心に,不活化インフルエンザワクチンと GBS の関連についてこれまでの報告を要約するとともに,考察を加える。結果 1976年,米国において接種キャンペーンが実施された A/New Jersey/76インフルエンザワクチンについては GBS との因果関係が明らかであった。その後の季節性インフルエンザワクチンと GBS については,一貫した論拠は得られなかった。統計学的に有意な関連を報告した文献では,研究の限界を考慮した寄与危険は最大で100万接種あたり1.6例と推定されていた。考察 通常の季節性インフルエンザワクチンと GBS の因果関係について,結論は得られなかった。しかし,これまで報告されているインフルエンザの疾病負担およびワクチン有効性と対比すると,インフルエンザワクチン接種が疾病負担を軽減する有益性は,観察されている季節性ワクチン接種後の GBS のリスクを大きく上まわると考察された。
著者
近藤 博之
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.1-15, 2014 (Released:2016-07-10)
参考文献数
59

教育拡大にもかかわらず教育達成の階層差が持続的であるという事実は,何らかの特定要因や単一メカニズムに依拠した説明が無効であることを示唆している.この講演では,教育不平等に関する計量社会学的研究での,ハビトゥス概念を用いた因果的探求の可能性について論じている.まず,ブルデューの「構造的因果性」の概念に立ち返り,それが近年の社会学の文献にみられる「基本的原因」や「根本的因果性」の考えと同じであることを示した.その見方によるなら,ハビトゥスは社会的条件付によって諸実践に差異をつくりだすメタ・メカニズムとして解釈することができる.その観点から,多重的影響を包含した社会空間アプローチについて説明し,例としてPISA2009日本データの分析結果を提示した.さらに,意志決定において埋没費用が問題となるように,教育的選択においても個人の無意識や過去からの慣性が重要な役割を演じていることを論じた.
著者
近藤 敏之 長嶺 伸 大村 優慈 矢野 史朗
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.87-97, 2016-09-05 (Released:2016-10-31)
参考文献数
33

本解説では,誰もが手軽に導入可能なポータブル実験系の一例として,没入型ヘッドマウントディスプレイ(head mounted display; HMD)の活用を取り上げる.Oculus Riftに代表される没入型HMDは,(1)周辺視野まで覆う広視野角,(2)左右独立の映像提示による立体視ならびに(3)頭部運動トラッキングによる映像追従機能等により,従来のHMDとは一線を画す没入感を実現しており,認知心理学実験において視覚刺激を提示する手段として十分利用可能である.またスマートフォンを用いて没入型HMDを実現するGoogle Cardboardなどの技術もあり,誰もが比較的容易に導入することが可能である.本解説では,現在我々のグループで取り組んでいる没入型HMDの活用事例について述べるとともに,具体的な実装手順について紹介する.
著者
梅田 純子 高田 龍一 道浦 吉貞 近藤 勝義
出版者
一般社団法人 スマートプロセス学会 (旧高温学会)
雑誌
スマートプロセス学会誌 (ISSN:2186702X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.323-327, 2014-09-20 (Released:2015-08-01)
参考文献数
5
被引用文献数
2

Rice husks, one of the typical agricultural wastes, consist with 70-75 mass% of organics and 15-20 mass% of amorphous silica. Silica can be obtained by combusting rice husks in air. However, silica purity is reduced by metallic impurities contained in rice husks. To extract high-purity amorphous silica from rice husks, the citric acid leaching process was developed to remove the metallic impurities from rice husks. By optimizing the citric acid solution concentration and combustion temperature of rice husks, completely amorphous silica ashes with 99.5 mass% were obtained. To establish the large-scale equipment to produce high purity amorphous rice husk silica, the process parameters in the citric acid leaching and air combustion were optimized. There was no significant difference of silica purity and the impurity contents of rice husk ashes by using between small-scale and large-scale equipment. Citric acid leached rice husk ashes were employed as the reinforcements of concrete materials. Compressive strength in use of high-purity amorphous silica revealed a higher value compared to the use of silica fume and raw rice husk ashes. The effect of citric acid leached rice husk ashes was high pozzolanic reactivity due to high-purity amorphous silica particles and the large surface area due to their porous structures.
著者
近藤 昌和 友永 進 高橋 幸則
出版者
水産大学校
雑誌
水産大学校研究報告 (ISSN:03709361)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.67-73, 2002-02