著者
松平 浩 笠原 諭 酒井 美枝 井上 真輔 鉄永 倫子 高橋 紀代 高槻 梢 二瓶 健司 矢吹 省司 髙橋 直人
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.14, no.6, pp.858-868, 2023-06-20 (Released:2023-06-20)
参考文献数
12

慢性非特異的腰痛患者には,心理社会的要因が関与している症例が多く,その場合はそれらの要因を的確に評価し,それに応じた適切かつ合理的な認知行動的アプローチが求められる.就労に支障をきたしている患者に対しては,社会的支援も必要である.これらと運動療法を併せることが主軸といえる慢性腰痛に対する集学的治療は,本邦の慢性疼痛診療ガイドラインにおいて最高位の“施行することを強く推奨する”1A判定である.一方,筋骨格系疼痛に対する「心理社会的フラッグシステム」が,世界の有識者による会議を経て英国で開発され,欧州では各国の診療ガイドラインで推奨されている.我々は,令和3年度厚生労働省慢性の痛み政策研究事業(慢性の痛み患者への就労支援/仕事と治療の両立支援および労働生産性の向上に寄与するマニュアルの開発と普及・啓発)の中で,意欲ある治療者のOperation Systemとなる合理的な手法を目指した「新心理社会的フラッグシステム日本版」を開発した.本稿では,心理社会的要因であるイエローフラッグ(認知行動療法の選択・実施に向けた心理社会的要因と具体的なアプローチ)を中心に解説する.
著者
酒井 章次 洪 淳一 山本 修美 橋本 光正 細田 洋一郎 椎名 栄一 川村 貞夫
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.975-979, 1990-05-25 (Released:2009-04-21)
参考文献数
17

後天性食道気管支瘻は食道癌に伴って起こることはよく知られているが,憩室に伴う食道気管支瘻は比較的まれである.本症例は66歳,女性で,55歳時に嚥下困難があったが肺化膿症および食道アカラシアの診断で放置していた.66歳になり嚥下困難,発熱,体重減少,背部痛があり当院に入院した.食道鏡により上部食道に発生した食道憩室を認めた.食道憩室造影から食道憩室と右肺上葉との連絡がみられた.この食道憩室造影所見から上部食道憩室の胸腔内破裂により生じた後天性食道気管支瘻と考えられた.
著者
三好 明 酒井 康行
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.1021-1026, 2017 (Released:2018-05-15)
参考文献数
36
被引用文献数
30

直鎖アルカン,分岐鎖アルカン,環状アルカン,芳香族,アルケンから構成される5 成分ガソリンサロゲート燃料を提案し,その詳細反応機構を構築した.その着火遅れ時間と層流火炎伝播速度の検証結果を紹介する.
著者
高村 智恵 横江 絢子 穴澤 梨江 相澤 豊昭 河野 正和 酒井 俊彦 戸島 洋一
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.219-222, 2015-03-25 (Released:2016-10-29)

背景.良性石綿胸水は職業性の比較的高濃度の石綿ばく露により生じる疾患と考えられているが,疫学的調査が十分ではなく,その実態については不明な点が多い.症例.76歳男性.職業性の石綿ばく露歴はないが,小児期よりかつて操業していた石綿工場近隣に居住しており,工場周辺でよく遊んでいた.健診で右胸水貯留を指摘され経過観察をしていたが,胸水の増加を認めたため入院となった.胸水は血性,滲出性でリンパ球優位であり,確定診断のため局所麻酔下胸腔鏡検査を施行した.胸腔鏡検査では壁側胸膜にプラークを認めたが,腫瘍を疑う所見はなく,発赤部の生検でも悪性細胞は検出されなかった.上記より良性石綿胸水と診断してフォローしているが, 2年以上経過した現在でも悪性腫瘍の出現はない.結論.近隣ばく露が原因と考えられる良性石綿胸水の1例を経験した.良性石綿胸水は比較的低濃度の石綿ばく露でも発症し得るため,原因不明の胸水の鑑別診断には当疾患も念頭に置き,職業歴のみならず,居住歴も聴取することが重要である.
著者
藤木 利之 酒井 恵祐 奥野 充
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
pp.62.2202, (Released:2023-09-16)
参考文献数
43

クック諸島アチウ島Areora地区東部の湿地から得られた堆積物で花粉分析を行った結果,約1,600 cal BP (約350 cal CE) にココヤシと草本の花粉,シダ胞子,木炭片が急増し,タコノキ属花粉やヘゴ科胞子が急減するという劇的な植生変化が確認された.大規模な森林伐採などによるかく乱により,草原が拡大したと考えられた.アチウ島は約350 cal CEに人類が定住していたと考えられたが,この時代にアチウ島には人類定住の痕跡となる考古学データは全くない.また,約1100 cal CE以降にサツマイモなどの栽培植物花粉が微量ではあるが出現し,木炭片が急増した.よって,アチウ島への人類到達は2段階ある可能性が示された.年代は若干異なるが,この結果はTiroto湖の古環境データとほぼ一致している.堆積物を用いた古環境復元から人類定住年代を研究する場合は,島の様々な集水域の堆積物の分析を行って,多面的な分析結果から議論する必要があると考えられた.
著者
酒井 章吾
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1201, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】超音波診断装置では,骨格筋量の指標である筋厚測定に加え,骨格筋の質の指標となる筋エコー輝度(以下,筋輝度)の測定が可能である。筋輝度は筋内脂肪などの非収縮性組織を反映し,筋輝度が筋力と負の相関を示すことが報告されている(Fukumotoら2011)。筆者らは骨格筋の質的評価が重要であると考えている。足関節内反捻挫では,受傷時の急激な伸張による筋損傷や疼痛による不動,関節の腫脹などによって神経筋の活動が低下し,長腓骨筋に代表される足関節外反筋の筋力低下が生じるとされる(Konradsen 1998)。本研究の目的は,足関節内反捻挫を繰り返した脚の筋力,筋厚,筋輝度を足関節内反捻挫の既往のない脚と比較することで,その特徴を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は,足関節内反捻挫を繰り返し受傷した経験(受傷回数7.3±2.9回)を持つ男性(I群)7名7脚(年齢22.0±1.3歳,身長170.4±5.9cm,体重62.5±9.3kg)と内反捻挫の既往がない健常男性(N群)6名12脚(年齢21.8±1.5歳,身長174.5±10.6cm,体重61.0±10.7kg)とした。足関節外反筋力の測定は,Biodex System3(Biodex Medical Systems)を使用し,等速性(120°/s)の求心性・遠心性筋力の最大値を体重で除した値を算出した。超音波診断装置(Noblus;Hitachi,Ltd)による長腓骨筋の評価は,腓骨頭と外果を結んだ線の近位25%の部位で長腓骨筋の画像を描出した後,筋厚および筋輝度を算出した。筋輝度はImage J(NIH社製)を用いて,0から255の256階調で表記される8bit-gray-scaleによって算出され,値が大きいほど非収縮性組織が多いことを示す。統計学的解析は,SPSS statistics20にて,筋力,筋厚,筋輝度の比較に対応のないt検定を使用した。危険率5%未満を有意とした。【結果】足関節の求心性外反筋力(Nm/kg)はI群0.34±0.11,N群0.53±0.18,遠心性外反筋力はI群0.48±0.13,N群0.72±0.25であり,I群で求心性36%,遠心性33%の有意な低下を示した(p<0.05)。筋厚(mm)はI群24.59±1.7,N群26.28±2.8であり有意な差はなかった。筋輝度はI群102.96±16.97,N群77.46±5.34であり,I群で25%の有意な高値を示した(p<0.01)。【結論】N群に比べI群では有意に筋力が低値を示したにも関わらず,筋厚は群間で差がなかった。I群では長腓骨筋内の筋内脂肪などの非収縮性組織の割合の増加が,足関節外反筋力の低下に関与している可能性が示唆された。
著者
山形 伸二 菅原 ますみ 酒井 厚 眞榮城 和美 松浦 素子 木島 伸彦 菅原 健介 詫摩 武俊 天羽 幸子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.103-119, 2006 (Released:2006-10-07)
参考文献数
65
被引用文献数
13 6

本研究は,人間行動遺伝学と双生児研究の方法,とりわけ多変量遺伝分析について紹介し,その適用例として4–6歳児の気質と問題行動の関連性を検討した。双生児の母親142名に対し質問紙調査を行い,子どものエフォートフル・コントロール (EC) および外在化問題,内在化問題についての評定を得た。表現型の相関を検討した結果,外在化問題と内在化問題は中程度の正の相関を示し (r=.55),またECは外在化 (r=−.42),内在化 (r=−.18) のいずれの問題行動とも負の相関を示した。多変量遺伝分析の結果,ECを低めるような遺伝的影響は同時に両方の問題行動のリスクを高めるような働きをすることがわかり,ECの低さが両問題行動の共通の遺伝的素因である可能性が示唆された。また,外在化問題と内在化問題の相関関係には遺伝 (22.8%),共有環境 (53.4%),非共有環境 (23.8%) のいずれもが寄与していた。問題行動間の相関関係への遺伝要因の寄与は相対的に小さかったが,これはECに関わる遺伝要因が両問題行動を正に相関させるように働くのに対し,ECとは関連しない遺伝要因が両問題行動を負に相関させるように働くため,互いに相殺しあった結果である可能性が示唆された。

1 0 0 0 OA 褐色細胞腫

著者
竹原 浩介 酒井 英樹
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.32-35, 2016 (Released:2016-04-20)
参考文献数
20
被引用文献数
2

褐色細胞腫はカテコールアミンを産生する腫瘍で,約90%は良性の疾患であり,適切に診断・治療することで治癒が期待できる。高血圧を中心に多彩な症状を呈し,心筋梗塞,不整脈,大動脈解離,心筋症,脳血管障害など重篤な合併症を併発することもある。根治治療は手術であり,術式に関しては腹腔鏡手術の適応が拡大しつつある。手術を安全に遂行するためには,術前の管理が重要であり,血圧のコントロールと循環血液量の回復を目的に,速やかにα1遮断薬の投与を開始して漸増する。また心血管障害や糖代謝異常の精査も必要である。術中は腫瘍からのカテコールアミンの放出を防ぐために,腫瘍を圧迫しないように心掛け,腫瘍摘出後は低血圧の危険性があり,必要に応じて昇圧剤を使用する。術後は低血糖にも注意する必要がある。退院後は悪性の可能性を考慮して,長期的な経過観察が必要である。
著者
根岸 龍 酒井 浩之 永並 健吾
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.693-699, 2023-08-15 (Released:2023-08-16)
参考文献数
10

本研究では,日経平均市況概況記事を自動生成するための一環として,株価と決算短信から株式動向を表現する文を自動的に生成することを目的とする.本手法によって自動生成される株式動向を表現する文は,例えば「小売業,卸売業,建設業関連が上昇.機械,鉄鋼,電気機器関連が下落」のような文である.本手法では,株価と決算短信から株式市場の動向,株価の変動要因となる事業,製品,社会背景等を投資テーマとして抽出する.具体的には,株価データから大きく変動した企業群を抽出し,各企業の決算短信から抽出したキーワードを基に,企業群をクラスタリングして絞り込みを行う.次に,絞り込みを行った企業群の各キーワードから投資テーマを推定し,推定された投資テーマを基に株式動向を表現する文の自動生成を行う.また,生成した株式動向を表現する文を用いて,日経平均市況概況記事の生成を試みる.
著者
酒井 絢美
出版者
日本監査研究学会
雑誌
現代監査 (ISSN:18832377)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.24, pp.103-114, 2014-03-31 (Released:2017-06-21)
参考文献数
21

本稿の目的は,監査人の交代という情報の公開が被監査企業の資本市場における評価に対してどのような影響を及ぼすかについて検証することである。本稿で取り上げるのは,株主総会の普通決議を経ず期中に監査人の交代があり,それに伴って一時会計監査人が選任される(期中交代)ケースである。期中交代は,米国にはない日本の監査人交代の大きな特徴の1つであるが,投資家にとってはBad Newsとなる可能性がある。そこで本稿では,累積異常リターン(CAR)を用いて期中交代と通常の交代との比較を行い,期中交代が被監査企業の株価にどのような影響を与えるかについて検討した。その結果,資本市場は通常の交代よりも期中交代についてよりネガティブに反応することを示唆する証拠が得られた。すなわち,期中交代という情報は投資家にとってネガティブな情報価値を有しており,ネガティブな投資行動を引き起こす要因となり得ることを意味している。
著者
牛頭 哲宏 髙松 邦彦 酒井 智行
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.8, pp.336-340, 2023-08-01 (Released:2023-08-01)

神戸常盤大学は2015年度からクラウド型教育支援システム「manaba」を活用した教育実践を行ってきた。その結果,多くの教職員がmanabaを使いこなすノウハウを身に着けた。この実践が功を奏し,2020年度のコロナ禍でも,神戸常盤大学は迅速にオンデマンド式の遠隔授業を実施し,学生の学びの質が損なわれないように工夫している。本稿では,manabaの活用によって,どのように遠隔授業が実施され,どのような教育効果があったのかについて報告する。また,manabaに蓄積された学生の学習データにもとづいた大学改革の成果についても紹介する。
著者
酒井 有沙 砂田 勝久
出版者
一般社団法人日本歯科医学教育学会
雑誌
日本歯科医学教育学会雑誌 (ISSN:09145133)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.43-49, 2023 (Released:2023-04-20)
参考文献数
8

抄録 目的:全国の歯学部において,全身麻酔の実習はほとんどが病院での見学実習であり,実際に学生が全身麻酔を行うことはない.そこで,病院実習前の第4学年の学生に対して,全身麻酔に関する理解度を高めることを目的に,全身麻酔の導入手順の実習を初めて行った. 方法:本学第4学年109名を4人1グループに分け,教員1名が2グループを担当した.40分間の講義後,急速導入手順の実習を1時間行った.BLSで使用しているマネキンに対し,①モニタ装着,②静脈路確保,③酸素投与開始,④静脈麻酔薬投与,⑤マスク換気,⑥筋弛緩薬投与,⑦経口挿管の順序通りに,臨床で使用する器材を用いて行った.実習前後でテストを行い,実習後に学生および教員にアンケート調査を行った. 結果・考察:アンケートの回収率は100%であった.テストの正答率は,実習前が39.4%に対し,実習後は63.3%と有意に上昇した.学生全員が「急速導入の手順が理解できた」「病院実習前に本実習を行えてよかった」と回答した.講義だけでは全身麻酔に用いる薬剤や器材が想像しがたく,用途も理解しづらい.本実習では,①臨床で使用している器材を用いたこと,②少人数で行ったこと,③操作の手技ではなく麻酔導入手順の把握を目的としたことによって理解度が高まったと考えられた. 結論:全身麻酔導入の実習を病院実習前に行うことは,全身麻酔の手順に対する理解度が高まることから,学生にとって有意義だと考えられた.
著者
杉本 利英 野崎 保 酒井 英男
出版者
公益社団法人 砂防学会
雑誌
砂防学会誌 (ISSN:02868385)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.23-29, 2013-05-15 (Released:2015-11-30)
参考文献数
15

The air-borne magnetic surveys are reported to determine the distribution of susceptible layers to landslide in the southwestern Toyama, including the boundary between the Hida belt and the green tuff region. The results show the strong magnetic anomaly for the igneous rocks but the weak magnetic anomaly for the hydrothermal alternation zone or thick colluvial deposits that are susceptible to landslide, and therefore determine the landslide areas in the Funatsu granitic rocks and the colluvial deposits in the Neogene formations. Further, there is a strong positive correlation between the boundary of the anomalies and the group of faults that divide granitic rocks and Neogene formation in the area. The air-borne magnetic survey is not affected by small variation such as intrusive rocks due to its relatively low resolution of less than several meters, suggesting that this technique could be a powerful tool for the first screening survey for the susceptible layers to landslide, although the magnetic properties of the regional rocks have to be clarified in advance.
著者
酒井 紫朗
出版者
密教研究会
雑誌
密教文化 (ISSN:02869837)
巻号頁・発行日
vol.1975, no.111, pp.1-10, 1975-08-01 (Released:2010-03-12)
著者
酒井(阿尾) あすか
出版者
京都大学 (Kyoto University)
巻号頁・発行日
2008-03-24

新制・課程博士

1 0 0 0 食葉群

著者
酒井香 藤岡昌介著
出版者
昆虫文献 六本脚
巻号頁・発行日
2007