著者
高橋 重雄 酒井 洋一 森屋 陽一 内山 一郎 遠藤 仁彦 有川 太郎
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海洋開発論文集 (ISSN:09127348)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.159-164, 2008 (Released:2010-08-25)
参考文献数
27

The primary objective of tsunami disaster mitigation is to reduce the casualties. The major cause of the deaths is drowning by tsunami current, especially during evacuation. In the paper, the causes of deaths are discussed through reference to past experiences. A fault tree is presented to summarize the physical danger posed by tsunami waves to the human body, and the personal danger is discussed based on the tree. The stability of the human body against wave front collision and tsunami currents is discussed and threshold conditions are proposed. The time for evacuation is usually very limited and the risk of encountering a tsunami during evacuation is often high. Walking in inundated areas during a tsunami attack is especially dangerous. Vertical evacuation is highly recommended.
著者
酒井 忍 尾田 十八 米村 茂 坂本 二郎
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.73, no.734, pp.1177-1182, 2007-10-25 (Released:2011-03-02)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

In the United States and Japan, baseball is a very popular sport played by many people. However, the ball used is hard and moves fast. A professional baseball pitcher in good form can throw a ball at up to 41.7 m/s (150km/hr). If a ball at this speed hits the batter, serious injury is quite likely. In this paper we will describe our investigations on the impact of a baseball with living tissues by finite element analysis. Baseballs were projected at a load cell plate using a specialized pitching machine. The dynamic properties of the baseball were determined by comparing the wall-ball collision experimentally measuring the time history of the force and the displacement using dynamic finite element analysis software (ANSYS/LS-DYNA). The finite element model representing a human humerus and its surrounding tissue was simulated for balls pitched at variable speeds and pitch types (knuckle and fast ball). In so doing, the stress distribution and stress wave in the bone and soft tissue were obtained. From the results, the peak stress of the bone nearly yielded to the stress caused by a high fast ball. If the collision position or direction is moved from the center of the upper arm, it is assumed that the stress exuded on the humerus will be reduced. Some methods to reduce the severity of injury which can be applied in actual baseball games are also discussed.
著者
野本 保夫 川口 良人 酒井 信治 平野 宏 久保 仁 大平 整爾 本間 寿美子 山縣 邦弘 三浦 靖彦 木村 靖夫 栗山 哲 原 茂子 浜田 千江子 佐中 孜 中尾 俊之 本田 雅敬 横田 眞二 須賀 孝夫 森 典子 下村 旭 金 昌雄 今田 聰雄 田中 良治 川西 秀樹 枝国 節雄 福井 博義 中本 雅彦 黒川 清
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.303-311, 1998-04-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
24
被引用文献数
25 25

硬化性被嚢性腹膜炎 (sclerosing encapsulating peritonitis, SEP) はCAPD療法における最も重篤な合併症の1つである. 平成7-9年度にわたり, 厚生省長期慢性疾患総合研究事業慢性腎不全研究班に参加した『CAPD療法の評価と適応に関する研究班』にてこの病態に焦点をあてSEPの診断基準, 治療のガイドラインを作成し検討を重ねてきた. 今回平成7-8年度の成果を土台に1年間経験を各施設より持ち寄りその実際的な問題点を明らかにし, 改訂するべき事項があればさらに検討を続けることを目的として叡知をあつめ, 平成9年度硬化性被嚢性腹膜炎コンセンサス会議を開催した.今回は主に診断指針の見直しおよび治療および中止基準の妥当性に焦点をあて検討し改訂案を作成した. 診断基準に関しては昨年度に提示した定義に根本的な変更点はなかった. しかし, 治療法に関し若干の手直しを行った. 栄養補給は経静脈的高カロリー輸液 (TPN) を主体に行うが, 具体的投与量を提示した. 一部症例にステロイド薬 (含パルス療法) がSEP発症直後の症例に著効を示した症例に加えて, 一方不幸な転帰をとった症例も報告された. また, 外科的腸管剥離についても再検討を行った. 中止基準に関しては一部の手直しと小児症例に関するガイドラインも新たに加えた.以上当研究班で3年余にわたる作業を行ってきたが, 現時点での諸家のコンセンサスを得たSEP診断治療指針 (案) を上梓することができた. しかしながら本病態の多様性, 治療に対する反応性の相違から基本的な治療方針の提示にとどめた. 今後さらに中止基準を含んだSEP予防法の確立や生体適合性の良い透析液の開発が重要であることはいうまでもない.
著者
邱 嘉仁 酒井 清 隆島 史夫
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.343-351, 1991-12-15 (Released:2010-03-09)
参考文献数
16
被引用文献数
2

1988年9月から1989年8月までの間, 印旛沼におけるオオクチバスの産卵期, 卵形成過程および精子形成過程を組織学的に調べるとともに, LHRH-aによる催熟促進や低温処理による3倍体魚の作出を試み, 以下の結果を得た。1) 組織学的に本種の卵母細胞の発達過程は10期に分けられた。2) 組織学的に本種の精子形成の発達過程は3期に分けられた。3) 卵母細胞の発達様式は非同期発達型に属した。4) 産卵期は排卵痕の出現時間より4月下旬から6月上旬と推定された。5) 精子形成には春と秋の年2回のピークが認められた。6) 体重1kgあたり15~80μgのLHRH-aコレステロールペレットを腹腔内に投与することにより, 投与後31.5~55時間で排卵させることができた。7) 媒精後3~7分経過時に0℃の低温に受精卵を20~30分間浸漬することにより, 3倍体魚の作出が可能であった。
著者
松田 俊介 酒井 貴広
出版者
日本生活学会
雑誌
生活学論叢 (ISSN:24332933)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.1-14, 2016 (Released:2021-05-14)
参考文献数
23

Since 2001, a characteristic ritual called Goran-shiki has been conducted at Tsuga-cho Ienaka, Tochigi City. Hard drinking and the food taboo on eggs are features of this ritual. Although Goran-shiki is relatively new, both the citizens of Ienaka city and visitors to it are accepting it as a tradition. We think that Goran-shiki acts as an identity symbol for people in Ienaka city. We analyzed the acceptance process and identified three points regarding this ritual.(1) Various people are involved in the management of Goran-shiki, for example, the chief priest of a Shinto shrine, event consultants, and the kagura preservation meeting. Moreover, Goran-shiki is conducted only after considering various expectations.(2) In spite of the various expectations from it, Goran-shiki has been strongly appealing for a food taboo on eggs. This phenomenon is the paradoxical effect of a ritual that strongly appeals to people’s traditional consciousness.(3) Goran-shiki is based on the Nikko-zeme constitution at the Rinno-ji temple. The management introduced the unique feature of forbidding the eating of eggs in this ritual. This characteristic has made Goran-shiki an accepted ritual.
著者
酒井 佳寿美 山下 高廣
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.351-353, 2022 (Released:2023-01-25)
参考文献数
7

脊椎動物の視覚を担うロドプシンは光で活性状態を生成する.しかし,この状態から光でも熱でも直接元の不活性状態に戻ることができない.本稿では,ロドプシンが「光活性化」に特化したメカニズムに迫るため,活性状態から光でも熱でも元の不活性状態に戻る変異体を1アミノ酸置換で作製したので紹介する.
著者
漆崎 昇 水野 稔 下田 吉之 酒井 寛二
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.66, no.549, pp.75-82, 2001-11-30 (Released:2017-02-04)
参考文献数
17
被引用文献数
8 6

Using limited extension effect summation method based on the 1985, 1990 and 1995 Input / Output Tables in Japan, the environmental loads (material consummations and carbon emissions) from construction activities are estimated. Total Japanese carbon emissions are 1,053 Mt-CO_2 in 1985, 1,251 Mt-CO_2 in 1990, and 1,363 Mt-CO_2 in 1995. The percentages occupied by construction related of Japanese carbon emission are 40.9%in 1985, 42.8% in 1990, and 42.8% in 1995. Regard to carbon emission per unit floor area, the carbon emission from construction materials production is decreased, but the carbon emissions from transportation and processing process are increased.
著者
酒井 敦 野口 麻穂子 齋藤 智之 櫃間 岳 正木 隆 梶本 卓也
出版者
一般社団法人 日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.104, no.7, pp.374-379, 2022-12-28 (Released:2023-01-21)
参考文献数
25

長伐期施業は多様な森林を造成する選択肢の一つである。スギやヒノキでは高齢林の成長データが充実しているが,カラマツに関しては少ない。そこで,秋田県の120年生カラマツ人工林で成長経過を調べ,多雪地におけるカラマツ人工林の長期的な成長や適切な伐期について検討した。カラマツ林には四つの調査区が設定され,初期段階に強度の異なる間伐が実施された。120年生時の立木密度は160~240本・ha-1,胸高直径は平均45.8~56.0 cm,樹高は平均31.6~36.6 mだった。直近10年間に冠雪害による樹高成長の鈍化がみられたが,直径は旺盛に増加していた。そのため,直近の材積成長量は5.5~8.6 m3・ha-1・yr-1と120年生になっても成長を維持していた。間伐材積を含めた総材積は1,035~1,173 m3・ha-1であり,間伐強度や回数の影響は小さかった。総平均成長量は約60~90年生時に最大となり,材積成長の面から伐期の目安となり得る。
著者
山下 秀幸 柳本 卓 酒井 猛 矢野 綾子 東海 正
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.804-812, 2013 (Released:2013-09-17)
参考文献数
33

アカアマダイやキアマダイの水揚げ地である長崎と大分で,これら既知 2 種の色彩的特徴を併せ持つ種不明の 2 個体を採集した。これらを,既知 2 種と比較し,交雑である可能性について検討した。計数形質はアカアマダイとキアマダイで明確な違いはなく,2 個体の形質でも両種の範囲内であった。計測形質による主成分分析および判別分析の結果,これら 2 個体は既知 2 種のほぼ中間に位置した。DNA 分析の結果,これら 2 個体はそれぞれアカアマダイとキアマダイの両方に類似した遺伝子型を有しており,両種の交雑個体であると推定された。
著者
酒井 徹
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

大豆中に含まれるイソフラボンは、これまで血清脂質低下作用、骨粗鬆症予防およびホルモン依存性の悪性腫瘍予防に関わることが明らかにされている。今回の研究では、大豆イソフラボンが免疫機能にどのように作用するか検討を行った。大豆イソフラボンの一種であるエクオールは、血中の抗原特異的IgE抗体を上昇させた。また、マウスでの実験的大腸炎の系では、炎症を増強することが明らかとなった。
著者
清水 太一 田島 貴文 善家 雄吉 大隈 佳世子 岡田 祥明 山中 芳亮 酒井 昭典
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.152-155, 2021-03-25 (Released:2021-04-30)
参考文献数
18

我々は,過去に当大学同門会員に対して,抜釘に関する意識調査を行い,その結果を報告した.今回,さらに解析を追加し,部位別の抜釘の傾向を検討した.質問内容は抜釘を行う部位や理由など計65項目とした.229名のうち81名(男性79名,女性2名,平均年齢41.7歳)より回答を得た(回答率35.4%).「必ず行う(100%)」および「だいたい行う(80%)」の頻度で抜釘を行う部位は,小児における髄内ピン(97.5%),肘頭TBW(tension band wiring)(72.8%),鎖骨プレート(71.6%),膝蓋骨TBW(66.7%)であった.逆に「決して行わない(0%)」および「めったに行わない(20%)」部位は,上腕骨髄内釘(77.8%),上腕骨骨幹部プレート(74.1%),大腿骨髄内釘(67.9%)などであった.また,術者の年齢が高くなるほど橈骨遠位端プレートを抜釘する傾向が有意に高く,前腕骨骨幹部プレートを抜釘する傾向は有意に低かった.
著者
酒井 健
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.69-81, 2016-12-20 (Released:2017-08-28)
参考文献数
21

新技術の制度化を進める上で,制度的企業家が誰をどのように支援者にすればよいのかという問題は,既存研究では十分には解明されていない.制度的企業家は,技術を正統化する権力の構造を読み解いて,制度化の鍵となる支援者を見出し,その支援を引き出すためにフレーミングを通じて政治的に働きかけるのである.本論文では,支援者の選別とフレーミングによる政治的働きかけが新技術の制度化の成否を左右することを示す.
著者
尾辻 健太 酒井 一徳
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.175-179, 2019 (Released:2019-06-30)
参考文献数
12
被引用文献数
1

子持ちシシャモ (Mallotus villosus〔カラフトシシャモ, 別名 : カペリン [以下, シシャモ] 〕) 経口摂取によるアナフィラキシーを2例経験したので報告する. 2例とも食物アレルギーの既往はなく, シシャモ摂取歴は不明であった. 1例目は6歳男児. シシャモなど摂取後アナフィラキシーをきたした. シシャモの皮膚プリックテスト (SPT) の結果, 生では身は陰性で卵は強陽性, 加熱では身・卵とも陽性であった. 焼いたシシャモの食物経口負荷試験 (OFC) では, 身と卵のOFCいずれもアナフィラキシーをきたし, 卵ではアドレナリン筋注を要した. イクラ, タラコはともに特異的IgE陰性かつOFC陰性であった. 2例目は7歳男児. シシャモなど摂取後眼瞼腫脹あり. 加熱シシャモのSPTは身で陰性, 卵で弱陽性であった. 焼きシシャモOFCの結果, 身は陰性であったが, 卵はアナフィラキシーを認めた. イクラは自宅で症状なく摂取可能で, タラコOFCは陰性であった. 以上より, シシャモ卵独自のアレルゲンが存在する可能性があると考えられた.
著者
土井 啓行 本間 義治 園山 貴之 石橋 敏章 宮澤 正之 米山 洋一 酒井 治己
出版者
水産大学校
雑誌
水産大学校研究報告 (ISSN:03709361)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.87-89, 2014-03

日本沿岸には,フグ目ハリセンボン科は4属7種が生息するとされている。そのうち,メイタイシガキフグ属Cyclichthysは,棘長が眼径より短いこと,棘は不動で棘の断面は三角形から扁平状であること,尾柄部に棘がないこと,尾鰭軟条数が通常9本であること,及び各鰭に斑紋がないことなどで他属と区別されるが,日本沿岸からは世界全3種のうちメイタイシガキフグC. orbiculalis(Bloch)およびイガグリフグC. spilostylus(Leis and Randall)の2種が記録されている。これら2種は,前種が頭部に3根の棘を持つのに対し後種の頭部棘は4根であること,前種では体部背面と側面に黒斑が散在することに対し後種では腹面の棘の根元に瞳孔大の黒点があることで識別される。両種ともおもにインド・西部太平洋の熱帯・温帯の珊瑚礁や岩礁域に生息し,幼魚期には外洋で生活する。なお,最近地中海からも記録されているが,紅海からスエズ運河を通じての侵入者と見なされている。日本での採集例は少なく,メイタイシガキフグが佐渡島並びに伊豆半島以南,イガグリフグが富山湾並びに高知県以南より数例報告されていたのみであった。このたび,そのうちの1種イガグリフグ2個体が新潟県佐渡島地先で採捕され,下関市立しものせき水族館において飼育する機会を得た。これは日本沿岸からの稀な採捕例でもあり,しかも本種の北限記録と考えられるので報告する。
著者
木村 啓志 酒井 康行 藤井 輝夫
出版者
日本膜学会
雑誌
(ISSN:03851036)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.304-309, 2009 (Released:2015-06-14)
被引用文献数
1 1

Conventional method of cell–based assays in life science and medical application can be difficult to duplicate in vivo situation. Microfluidics is an emerging technology with potential to provide integrated environments for cell maintenance, continuous perfusion, and monitoring. In this paper, we introduce possibility of microfluidics to become a novel cell–based assay system with its concept. Then, we show a chip–based coculture system for cytotoxicity test, as our continuous effort to develop a multi–functional micro culture system realized by integration of fluidic control and detection functionalities. The culture zone in the chip was divided into two compartments separated by a microporous membrane through which substances in culture medium can freely come-and-go to induce the mutual interactions between the cells cultured at each compartment. Performances of the chip were examined 1) monitoring of polarized transport activity of intestinal tissue models, 2) cytotoxicity model through oral intake by coculture. As a result, we conclude that microfluidics may have applications in toxicity test and drug screening.