著者
野田 航 石塚 祐香 石川 菜津美 宮崎 優 山本 淳一
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.93-105, 2021-05-31 (Released:2021-11-17)
参考文献数
17
被引用文献数
1

本研究の目的は、発達障害のある児童2名の漢字の読みに対して刺激ペアリング手続きによる遠隔地学習支援を実施し、その効果と社会的妥当性について検討することであった。事例Iにおいてはタブレット端末による刺激ペアリング手続きの教材を用いた自律的な学習をビデオ通話およびメールで遠隔地学習支援を行い、事例IIにおいてはビデオ通話を用いて教材提示から評価までをすべて遠隔で実施した。両事例とも、課題間多層プローブデザインを用いて介入効果を検証した結果、漢字単語の読みの正答率が向上した。また、対象児と保護者を対象に実施した社会的妥当性のインタビューから、本研究の遠隔地学習支援は高く評価されていた。一方で、事例Iにおいては介入効果の維持に一部課題が残った。介入効果を維持させるための介入手続きの改善、介入効果の般化の検討、介入実行度の検討など、今後の課題について考察した。
著者
野田 譲 小林 修
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.54, no.633, pp.467-475, 2006 (Released:2006-11-20)
参考文献数
2

Most airplanes use their ailerons to compensate the lateral displacement deviation from a reference flight-path. This study proposes a method of lateral flight-path control due to the rudder steering under constraint of automatic roll angle hold. This control method is estimated analytically to produce quicker lateral displacement response than the control due to aileron. Then, experiments using a flight simulator are carried out to evaluate the control characteristics on the task of holding the flight path. The pilot’s evaluation results show that, the rudder steering method gives better flying qualities than aileron steering method. Furthermore, as the more practical control measures, the mixture type of method is worked out, which is transferred from aileron steering to rudder steering depending on the lateral displacement deviation from a reference flight-path.
著者
小野田 正利
出版者
日本教育行政学会
雑誌
日本教育行政学会年報 (ISSN:09198393)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.77-93, 2009-10-16 (Released:2018-01-09)
被引用文献数
2

Nowadays in Japanese schools, including nursery schools, kindergartens, elementary schools, lower secondary schools and upper secondary schools, keeping a good relationship between teachers and parents has become more difficult. The advance of the information society and changes in social structures have been causes of stress for many people. At the same time, from the latter half of the 1990s the Neoliberal political movement has been promoted in the society and educational system. The result of the latter movement has been "structural reform," usually as seen as the weak becoming the victim of the strong. As the society has experienced greater and greater economic inequality, the tendency to turn one's own irritations and frustrations upon the other has become worse. In many industrial fields the demand for an improvement in the quality and content of services has been increasing, and such demands can now be seen for schools and teachers as well. In this context, on the one hand we have the schools, which now have little surplus energy, not to mention a lack of financial support, to deal with these high-level requests from parents, so they are at times caught in a dilemma. Given these changes, we have seen an increase in teacher suicides and cases of teachers suffering from mental illness, notably depression, lately attracting considerable attention as social problems. On the other hand, there is also a problem with traditional ways of thinking. Schools and those who work in them continue to have an authoritarian consciousness, thinking that parents should follow the logic and convenience of schools. Schools thus turn down reasonable requests from parents without good reason. Schools need to respond to these changes of the times and society, accept parents' request, and try to improve school management. In this paper, given the present situation where parents and teachers each actively assert themselves, how can better relationships be created between these two groups? We will examine some of the political prospects and problems by examining: 1 .The causes of difficulties in parents and teachers getting along with each other 2. The suicide of a new female teacher 3. The structure of parents' distrust of the school and bringing a suit against the school 4. The cause of an explosion of troubles between parents and teachers 5. The implementation of a policy for an improvement of the relationships between parents and schools
著者
溝口 博之 野田 幸裕 鍋島 俊隆
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.126, no.1, pp.17-23, 2005 (Released:2005-09-01)
参考文献数
32

ヒトは,風邪薬を飲むと共通して眠気を感じ,アルコール飲料の種類に係らず適量を飲むと多幸感が得られる.このような薬理作用を介してヒトは,ある種の薬物の摂取体験からその薬物を認知し,自覚する.これは,摂取感覚効果(自覚効果)と呼ばれ,ヒトばかりでなく,サルをはじめとする多くの動物でも認められる.依存性薬物は,それぞれ特異的な感覚自覚効果を持ち合わせており,この自覚効果が快感(陽性強化)であればそれを求めて乱用される.したがって,自覚効果は依存形成の重要な因子の一つとして考えられている.ヒトでの自覚効果は,薬物を投与したときの摂取感覚を質問表によって調べる方法が用いられている.実験動物の場合は,自覚効果を直接知ることはできないことから,薬物の摂取感覚効果を利用した薬物弁別試験が用いられている.我々はこれまでにラットの薬物弁別試験を用いて,依存性薬物の1つであるメタンフェタミンの自覚効果の発現機序について検討してきた.すなわち,メタンフェタミンに対する弁別を獲得したラットの側坐核と腹側被蓋野において,神経の活性化の指標となるc-Fosタンパクの発現の増大が認められたことから,メタンフェタミンの弁別刺激効果には,ドパミン作動性神経系を中心とした神経回路が重要であることを明らかにした.メタンフェタミンの弁別刺激効果は,ドパミンD2およびD4受容体拮抗薬によって抑制され,さらに,細胞内cyclic AMP(cAMP)量を増加させるロリプラムやネフィラセタムによっても同様に抑制された.これらの結果から,メタンフェタミンの弁別刺激効果は,D2様受容体とリンクした細胞内cAMP系シグナル経路を介して発現しているものと示唆される.したがって,細胞内cAMP量を増大させるような薬物やD2様受容体を介したシグナル経路を抑制するような薬物は,薬物依存の予防・治療薬となる可能性がある.
著者
野田 幸裕 亀井 浩行 鍋島 俊隆
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.114, no.1, pp.43-49, 1999 (Released:2007-01-30)
参考文献数
50
被引用文献数
4 9

近年研究が盛んに行われているシグマ受容体は,うつ病や不安神経症などのストレス関連疾患に関与していることが示唆されている.シグマ受容体アゴニストは,抗うつ薬のスクリーニングに汎用されている強制水泳試験や尾懸垂試験において無動状態を緩解し,この緩解作用は,シグマ1受容体アンタゴニストによって拮抗される.シグマ受容体アゴニストの中でもシグマ1受容体作動薬の(+)-N-アリルノルメタゾシン((+)-SKF-10,047)およびデキストロメトルファンは,抗うつ薬や抗不安薬でも治療効果の得られない治療抵抗性のうつ病モデルと考えられている恐怖条件付けストレス反応をフェニトイン感受性シグマ1受容体を刺激することによって緩解し,この緩解作用の発現には中脳辺縁系ドパミン作動性神経系の賦活化が関与していることが示唆されている.一方,シグマ受容体の内因性リガンドとしてニューロステロイドのデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)やニューロペプチドのニューロペプチドY(NPY)が注目されている.DHEA硫酸塩は,強制水泳による無動状態や恐怖条件付けストレス反応を緩解し,これらの緩解作用は,シグマ1受容体アンタゴニストによって拮抗される.また,NPYは,コンフリクト試験において抗不安作用を示し,実験動物にストレスを負荷すると血漿中のNPY含量が変化することが認められている.このように,シグマ受容体はストレス関連疾患との関連性について注目されており,シグマ受容体アゴニストは,従来の抗うつ薬や抗不安薬とは異なる新しいタイプのストレス関連疾患治療薬となりうる可能性が示唆されている.
著者
野田 孝子 坂上 真理 仙石 泰仁
出版者
日本健康学会
雑誌
日本健康学会誌 (ISSN:24326712)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.100-112, 2021-05-31 (Released:2021-06-21)
参考文献数
31

Autism spectrum disorder is characterized by social communication difficulties, as well as restricted, repetitive behaviors and interests including those resulting from hyper- or hypoactive sensory input. The characteristics of the symptoms of females with ASD are not well-studied since the previous studies were conducted mainly on males with ASD. In particular, it is unclear how women’s menstruation and psychosomatic symptoms may influence the daily living activities of females with ASD, when they co-occur with their ASD symptoms. The purpose of this study was to investigate the effects of ASD symptoms and premenstrual symptoms on daily living activities in women with ASD based on the patients’ own experience.[Methods] We conducted semi-structured interviews on seven women with ASD and analyzed the changes in psychosomatic symptoms experienced before menstruation and their effects on daily living activities using a qualitative descriptive research method.[Results] Based on the analysis, the following three categories were elucidated: “premenstrual symptoms that become more severe due to the enhancement and appearance of hyperesthesia,” “difficulty in daily living caused by worsening of premenstrual symptoms,” and “self-management ability in symptomatic treatment and life improvement.”[Conclusion] Before menstruation, women with ASD experienced a unique physical disorder due to hyperesthesia, a characteristic of disability. These affected daily and social activities, causing difficulty in their lives. It was revealed that the subjects had created a way of dealing with premenstrual symptoms by their own ingenuity and advancing their self-understanding; however, they wanted to be better understood by people around them.
著者
野田 孝子 仙石 泰仁
出版者
NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会
雑誌
自閉症スペクトラム研究 (ISSN:13475932)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.123-131, 2021-09-30 (Released:2022-09-30)
参考文献数
20

自閉スペクトラム症(ASD)女性は、知的能力障害やダウン症候群の女性と比較し、月経前症候群(PMS)の割合が高いとされるが、その実態は明らかではない。本調査では、ASD女性のPMSリスクの実態を明らかにすることを目的とし、20~44歳までのASD 女性78名から自記式質問紙による調査を実施した。その結果、ASD女性はPMSリスクを伴う割合が高く、中でも精神症状が重症化しやすいことが明らかとなった。また、PMS全体のスコアとASD女性のQOLには関連があることも明らかとなり、ASD女性の健康を維持するためには、月経に伴うホルモン変動の影響をふまえた継続的な支援の検討が不可欠であることが示唆された。
著者
野田 伊津子 Itsuko Noda
出版者
金城学院大学
雑誌
金城学院大学キリスト教文化研究所紀要 = The bulletin of Christian culture studies, Kinjo Gakuin University (ISSN:13418130)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.79-94, 2017-03-31

本稿は,マリー・ローランサン(1883-1956)が「鎭靜劑 Le Calmant」によって提示した普遍的な痛みに対し,「忘れられたのは誰か」という問いを抱きながら,神学者カレル・ヴラーナ(1925-2004)が言葉について述べた論稿と対話し,劇作家ヴァーツラフ・ハヴェル(1936-2011)との違いを探ることによって,忘れられたのは誰か,忘却される恐怖はどこからくるのか,そして,この恐怖への処方箋を明らかにすることを目的とする。第一に,ヴラーナとハヴェルが言葉に対して理想としていることを示した。第二に,神との関係に光をあてた。第三に,支配階層が言葉に対して知覚していることに着目した。第四に,「忘れられたのが誰か」について,論考を通して導かれる処方箋が有効であるための条件までを検討して結びとした。
著者
中川 貴史 中村 健太郎 笠岡 祐二 村田 将光 西村 健二 瀬崎 和典 野田 誠 鈴木 文男
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.SUPPL.3, pp.S3_28-S3_33, 2011 (Released:2012-12-05)
参考文献数
4

持続する上室性頻拍においてP波とQRS波の出現タイミングは一定であり, 通常その関係が変化することはない. 頻拍中, 陰性P波の出現時相が, さまざまに変化したため, P波がQRS波に重なり, QRS波高が減少した房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)の稀な1例を経験したので報告する.症例は71歳, 女性. 月に1~2回の頻拍発作を認め入院. 心臓電気生理学的検査よりAVNRTと診断された. 入院前に記録された頻拍時の心電図では, 頻拍周期540~440ms, QRS波の直後に深い陰性P波を認めた. 頻拍周期の短縮に伴い逆行性P波は早い時相に移動し, QRS波形を変形させた. 軽度の前方移動ではS波を, より高度の前方移動ではQ波を, 中等度の前方移動ではS波とQ波を同時に形成し, QRS波形をさまざまに変形させた. QRS波高も同時に減少したが(陥没現象), 陰性P波の“重なり”効果によると推察された.
著者
宮崎 総一郎 北村 拓朗 野田 明子
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.122, no.12, pp.1475-1480, 2019-12-20 (Released:2020-01-09)
参考文献数
21

24時間社会の今, 人々の生活スタイルは夜型化し睡眠時間は確実に減少している. 短い睡眠時間でも日常生活に問題なければよいが, 実際には睡眠不足によりもたらされる影響は, 肥満, 高血圧, 糖尿病, 心血管病, 精神疾患等多岐にわたり, 看過できるものではない. 睡眠は「疲れたから眠る」といった, 消極的・受動的な生理機能ではなく, もっと積極的かつ能動的であり,「明日によりよく活動するため」に脳神経回路の再構築 (記憶向上), メンテナンス (脳内老廃物の除去) を果たしている. 睡眠不足や質の悪い睡眠は認知症の促進因子となり, 逆に, 質の良い睡眠は抑制因子となることが近年明らかにされてきている. また, 耳鼻科医が関与することの多い閉塞性睡眠時無呼吸は間歇的な低酸素や高二酸化炭素血症, および頻回な覚醒反応により, 肥満・高血圧・糖尿病・脂質代謝異常症などの生活習慣病と深く関連していることが報告されている. さらに最近の研究で, 認知症発症に対して睡眠時無呼吸が影響を及ぼしていることがいくつかの大規模研究によって示されている. 今後, 睡眠の観点からも認知症予防に取り組むことが必要であり, 特に30代から50代までの若い世代の睡眠不足や睡眠障害,睡眠時無呼吸に対する早期診断, また若年者からの睡眠教育が第1次予防として重要であると考える.
著者
野田 徹
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.493-498, 2004-09-20 (Released:2011-10-07)
参考文献数
11

われわれが物を見る際には, 眼球のレンズ系で網膜に映された映像が, 神経―脳伝達系で認識されるというプロセスがとられる. ヒトがどこまでの視力に達しうるかに関しては, 一般には眼球のレンズ性能の限界によるが, もしも眼球が理想レンズとなれば, 最終的には網膜の視細胞の密度によることになる. それを解剖学的に計算すると, ヒトの視力限界は2.0前後(空間周波数60c/deg相当)と推定される. ヒトの視覚認知は, 視標の形状をまず模様の大きさごとに分解して認識し(2次元フーリエ解析チャンネル)それを合成して認識するしくみとなっている. 眼球のレンズ系は, 細かい模様ほどコントラスト感度が低下する特性(low-pass型)をもつが, 視覚認識系全体の特性は, 視力約0.1 (3c/deg相当)付近が最も認識感度が高く, それより大きな模様でも細かい模様でも認識できるコントラスト感度が低下する(band-pass型). 近年, 天体観測技術である波面解析・補償光学技術が眼球組織内の光学測定に応用され, 生体の視細胞の観察をも可能とした. また, 逆に, 簡単な検査で, 生体網膜に視標がどのように映っているかをコンピュータグラフィックスで合成して見せることも可能となり, 視覚の質(Quality of Vision)を含めた視覚機能評価への臨床応用が期待される.
著者
野田 誠 鈴木 文男 藤波 竜也 山本 康人 吉川 俊治 田代 宏徳 薄井 宙男 市川 健一郎 瀬崎 和典 磯部 光章
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Supplement4, pp.12-19, 2008-11-30 (Released:2013-05-24)
参考文献数
8

三尖弁輪自由壁のatrio-fascicular型Mahaim(M)線維は,左脚ブロック型wide QRS頻拍の原因となりうるが,発生学的には“遺残副房室結節”がその本体と考えられる.M線維伝導を,房室結節・His束伝導(A-H-V伝導)のごとくA-M-V伝導として考えた場合,M伝導ブロックはAM blockとMV blockに分類しうる.持続性MV blockのためにMahaim頻拍の出現を認めないと推察された“innocent bystander Mahaim”の1例を報告する.【症例】68歳,女性.電気生理検査よりslow-fast型AVNRTが診断された.いかなる電気刺激にても心室早期興奮波形は出現しなかったが,三尖弁輪においた20極カテーテルよりM電位と推察されるスパイク電位を記録しえた.AM伝導は減衰伝導を示し,ATPによりAM blockが誘発された(房室結節類似組織の診断).心房期外刺激法において,AH blockが出現しH波・V波がともに消失したがAM伝導は保たれ,MV blockが明らかとなった.検査中,左脚ブロック型QRS波形が全く出現しないことより持続性のMV blockと考えられた.【結語】電気生理学的・発生学的観点より『MVblockを合併するMahaim線維(遺残副房室結節)』が考えられた.持続性MV blockのためにMahaim型QRS波形・Mahaim頻拍が出現しないものと推察された.
著者
杉山 政則 野田 正文
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

歯周病の主な原因菌はPorpyromonas gingivalisであり、本菌は毒素ジンジパインをくることで歯周組織を破壊する。予備的実験の結果, Aepergillus oryzae S-03株を脱脂大豆を用いて個体培養すると, 「毒素ジンジパイン」に対する阻害物質を産生することを発見した。 この度の本研究を通じて, 脱脂大豆を用いてA. oryzae S-03を培養し得られた麹由来のジンジパイン阻害剤の分子量は, 3, 000~10,000であり, クロロホルムや酢酸エチルには溶解しないが, 水には可溶であった。また, 100℃, 10 minの熱処理でも全く阻害活性は失われなかった。
著者
野田 伸一 石橋 文徳 井手 勝記
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.59, no.562, pp.1650-1656, 1993-06-25 (Released:2008-02-26)
参考文献数
9
被引用文献数
9 7

The induction motor is used in many industries. These days motor noise reduction is often required due to environmental concerns. This paper is concerned with the reduction of motor noise. The relationship of exciting force and vibration mode of the stator core is analyzed. An exciting force as an electromagnetic radial force was applied to the stator core. Analysis was performed for the case of a continuous distributed force and the case of a discrete multipoint exciting force. The vibration behavior of the core was analyzed theoretically, numerically (FEM) and experimentally with respect to modes, frequency and phase of exciting force. It has been confirmed that : 1. in the continuous distributed excitation, the core vibrates when M=±N and the exciting frequency coincides with the natural frequency, 2. in the discreted multipoint excitation, the core vibrates when M±N=mK. Here, N is the natural frequency mode, "is the excitation frequency mode, m is an integer, and K is the number of applied points of the exciting force.
著者
野田 文香
出版者
日本高等教育学会
雑誌
高等教育研究 (ISSN:24342343)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.33-52, 2020-07-15 (Released:2021-08-12)
参考文献数
39

導入から16年が経過した認証評価は,その目的である質の保証・改善については一定の成果がみられる一方,「社会への説明責任」は十分に果たしきれていないことへの懸念が示されてきた.法令適合性を重んじた外形的評価の限界や質保証の国際スタンダード化を背景として重点評価項目となった内部質保証には,今後,学生が身に付けるべきアウトカムを基軸とした「学位プログラム」の構築をはじめ,教育プログラムの質保証のより一層の充実が求められる.学修者主体の教育と学位等の国際通用性の確保を目指し,認証評価が高等教育と社会とを結びつけるプラットフォームとして機能していくために,社会的目線を伴うアウトカムに紐づいた参照基準や資格枠組みなどを,質保証制度に組み込んでいくことが重要である.
著者
遊磨 正秀 小野田 幸生 太田 真人
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.142-149, 2021-05-20 (Released:2021-05-28)
参考文献数
21
被引用文献数
3 1

琵琶湖流入河川においては瀬切れが頻発している.その一つである安曇川の下流部に伏流時水位をも計測できる低水位対応型水位計を設置し,2005-2008年に記録した河川水位から瀬切れの発生状況を把握した.安曇川下流部においては5月から12月まで様々な時期に瀬切れが生じていた.瀬切れ時の河川水位と降水量,農業用水取水,琵琶湖水位との関係を検討した結果,農業用水の取水や琵琶湖の低水位が関与していることが示唆された.琵琶湖と流入河川を回遊する魚類等の保全のためにも,低水位環境をモニタリングができる水位計ならびに流量監視カメラの設置が必要であることに加え,農繁期・農閑期および治水期・非治水期の各季節における河川・琵琶湖における水管理の再検討が必要である.