著者
西垣 貴央 小野田 崇
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

観測データをそのデータの高次独立性に基づきクラスタリングする手法を提案し,文書情報など,複数のクラスタに属する情報がある場合での有効性を示した。しかし,ユーザが望むクラスタリング結果とならない場合があった。そのため,ユーザ制約を考慮できるように提案手法を拡張する必要がある。本報告では,ユーザ制約を考慮できる一つの拡張方法について述べるとともに,その有用性をベンチマークデータによる実験で示す。
著者
高橋 哲朗 野田 雄也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.400, pp.43-48, 2011-01-20
参考文献数
7

Twitterには,ユーザの行動や思考,意見,感覚などが投稿されているため,大量のtweetを集約することで実世界で起きている現象をとらえるセンサーとして用いることができる可能性がある.これを検証するために,我々は,Twitterに投稿された「花粉症」に関するtweetを集め,それらを都道府県別にマッピングし可視化するシステムを作成した.そして,ここで得られた情報と,実際の花粉の飛散量との関係を分析し,Twitterのセンサーとしての利用の可能性について議論する.
著者
野田 隆広 北川 結香子 藤本 強 鈴木 英夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.30, pp.193-200, 2004-03-19

エクストリームプログラミング (XP) を促進することを目指した オフィス環境設計事例を報告する.我々のプロジェクトでは教育支援システムの研究開発を行っている.研究の進展にともなって開発システムに当初予定していなかった新しい機能が追加されることがしばしばであり 変化に迅速に対応できる開発手法として XP を採用することにした.我々はプロジェクト立ち上げ時に 幸運にも空きスペースを与えられ 自由にレイアウトを決定できた. オフィス環境はソフトウェア開発において生産性を大きく向上させる要素でもあるので アレグザンダのパタンランゲージを利用して XP の導入が容易になるようなオフィス環境設計を心がけた.We report a case study of designing an office environment to facilitate extreme programming. We have been researching and developing education-support systems. While developing them, we often expanded and improved their functions. Consequently, we have been looking for a software-development methodology which can embrace changes, and found XP. XP is designed to enable us to respond to changing requirement of software. Fotunately, we could use a extra learge empty room and arrange furnitures where we wanted. Because an office environment is an important element which affects software productivity, we planned an office environment that made XP installation easier, to facilitate XP.
著者
小野田 崇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.776-784, 2002-05-01
被引用文献数
9

AdaBoostの有する高い汎化能力は,Support Vector Machineで導入されたmarginの概念を適用することで解明されている.しかしながら,この汎化能力の高さは,学習データ中に誤分類や非常に大きい雑音を含んだデータがない場合に限られるものである.誤分類や大きい雑音を含む場合,AdaBoostは高い汎化能力を実現できないことが実験的に示されている.また,これらの結果はmarginの改善という視点から,Schapireらの研究によって理論的な裏付けが行われている.本論文では,Schapireらの議論に基づき,AdaBoostの起こす過学習を避けるため,AdaBoostが最小化する目的関数に正則化項を導外した新たなアルゴリズムAdaBoost_<Reg>,ν-Arc,ν-Boostを提案する.
著者
黒瀬 圭一 野田 航
出版者
一般社団法人 日本LD学会
雑誌
LD研究 (ISSN:13465716)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.46-57, 2022 (Released:2022-02-28)
参考文献数
15

本研究の目的は,小学校5年生学級において,学級規模ポジティブ行動支援を実施し,その効果を検証することであった。学級規模ポジティブ行動支援では,学級目標をもとに学級担任と児童が共同でポジティブ行動マトリクスを作成し,目標行動を決定した。その後,特に集中的に改善に取り組む目標行動として,学級担任が話し出したときにきりかえて話を聞く行動(きりかえ行動)と児童同士で教え合う行動を選定した。その後,これらの目標行動に対して行動支援計画表を作成し,介入を実施した。介入実施中にも,児童と取り組みの経過を確認しながら介入方法を修正していった。介入効果を検証するために,きりかえ行動の回数および教え合い行動をしたことを報告するカードの枚数を測定した。また,日本版SLAQ(大対ら,2013)も実施した。介入の結果,目標行動が増加し,学校肯定感も有意に向上したことが明らかとなった。
著者
鈴木 智康 小野 孝也 髙橋 賢 野田 和彦
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.68, no.8, pp.201-204, 2019-08-10 (Released:2020-01-24)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

淡水中における金属の腐食性モニタリングの検討を目的とし,種々の水溶液中にACMセンサ(Atmospheric Corrosion Monitor Sensor)を浸漬してその出力電流測定を行った.その結果,水温の変化や微量の水処理剤添加に対する瞬間的な応答を確認したことで,ACMセンサがごく短時間で腐食性の変化を出力として捉えられることがわかった.4種の淡水に対しては異なる出力を示し,RCMセンサ(Resistmetric Corrosion Monitor)での腐食量測定値との相関が高いこともわかった.従って,ACMセンサによって淡水系での腐食性モニタリングの可能性が得られた.
著者
渡辺 啓 松尾 玲 井上 裕基 安達 謙太郎 野田 章
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.287-294, 2012-12-20 (Released:2014-12-20)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

メーク落としに求められる重要な特徴は,「メーク落とし効果」と洗い流し後の「さっぱり感」である。しかしながら,これら2つのを要素を満たすメーク落とし製品は市場には存在しなかった。これは,従来技術ではこれらの要素はトレードオフの関係にあったためである。われわれは,この課題を解決するために,「メーキャップとのなじませ」と「洗い流し」の間に存在する「水を加える」という行動に着目し,界面活性剤の溶存状態変化を,相平衡図上で界面化学的に検討した。その結果,「メーキャップとのなじませ」時には洗浄力の高い逆ミセル油溶液であり,水を加えると,両連続構造を経由して,「洗い流し」が容易なミセル水溶液に相転移する特異な系を見出した。このような系を実現するためには,①HLB (親水性-親油性バランス) を釣り合わせ,界面活性剤低濃度領域に存在するO/W領域を縮小すること,②極性の油を添加し,相平衡図の中央付近に出現することの多い高粘性の液晶相を消去すること,が重要であることが明らかになった。逆ミセル油溶液をクレンジングオイルとして用いると,「メーク落とし効果」は非常に良好で従来のクレンジングオイルと同程度であり,「さっぱりさ」は皮膚上への油の残留がきわめて少ないためクレンジングローションと同程度であるという特徴を有していた。この高性能クレンジングオイルは,クレンジングオイルによるメーク落としプロセスを界面化学的に詳細に検討することで,トレードオフの関係にあった要素を両立させたものである。
著者
野田 和彦 片山 英樹 升田 博之 小野 孝也 田原 晃
出版者
Japan Society of Corrosion Engineering
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.54, no.8, pp.368-374, 2005-08-15 (Released:2011-12-15)
参考文献数
55
被引用文献数
3 5

材料の実用に際し, 大気腐食は身近にして多くの課題を有する問題であるが, 一般的な電気化学測定による評価が困難であるため, 大気腐食評価法に関して多くの取り組み, 試行がなされている。ここでは, 大気腐食性評価におけるモニタリング技術と表面観察法を中心とした大気腐食評価法を紹介した。モニタリングにおいては, 大気暴露試験, ACMセンサ, 交流インピーダンス法, QCMについて解説し, その有効性と適用範囲を整理した。鉄鋼材料の大気腐食性評価に用いたさび膜のイオン透過抵抗測定およびイオン選択透過性評価について, 試料作製から解析の一部を紹介し, 腐食生成物の物性評価の重要性を説明した。さらに, 表面観察法としてケルビン法や原子間力顕微鏡を用いた表面電位測定, 表面pH分布測定の有効性を解説することで, 表面可視化技術の発展と大気腐食性評価への適用の期待を示した。
著者
綾部 光芳 野田 和人 庄司 紘史
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.7, pp.1251-1254, 2006-07-10 (Released:2009-03-27)
参考文献数
5

結核性髄膜脳炎は亜急性に発症する髄膜炎の代表であるが, 未経験の医師が多いのが現状である. 初期に特異的な症状がないため診断の遅れが懸念されている. 意識障害など症状が悪化してから治療を開始したときには良好な予後は期待できない. 1週間以上持続する頭痛・発熱を呈する患者では結核性髄膜脳炎を考慮する. 髄膜刺激徴候を認めたときは直ちに髄液検査を行い迅速に診断を進める. 疑診の段階でも抗結核薬の投与を開始する.
著者
武者小路 公秀 宣 元錫 華 立 早尾 貴紀 小倉 利丸 羽後 静子 野田 真里 梶村 美紀 松原 弘子 鈴木 江理子 塩原 良和 金 敬黙 佐竹 眞明 近藤 敦 浜 邦彦
出版者
大阪経済法科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、グローバル移住の女性化が進む日本と韓国両国の移住者コミュニティにおける人間の不安全状況とこれに対応する移住者自身と市民社会のサポーターの活動において、ヴェトナムとフィリッピンを送り出し国として進められた。その結果、移住女性が直面する公共圏と親密圏における諸問題の性格、特に、移住先と故郷との双方を生活圏とする新しい公共、新しい市民像の形成を目指す移住市民との協力活動の重要性が確認された。
著者
吉田 匠 野田 聖 東城 幸治 竹中 將起
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.107-114, 2023-06-25 (Released:2023-06-28)
参考文献数
17

甑島列島は九州南西部に位置し,上甑島,中甑島,下甑島とそれらの周辺の小さな島々から成る.甑島列島は,最終氷期に形成された陸橋により九州島と接続したとされるが,多くの固有種が報告されている.これは,甑島列島において独自の生物相が形成されてきたためと考えられる.しかし,甑島列島では水生昆虫類の報告は少なく,本研究で着目したカゲロウ類に関する報告はない.そこで,甑島列島に生息するカゲロウ目昆虫を調査した.その結果,4科(Baetidae, Ephemeridae, Heptageniidae, Dipteromimidae)にわたる少なくとも5属7種のカゲロウ目昆虫を採集した(属種の同定ができなかったコカゲロウ科がBaetis属以外であれば6属となる).また,採集した甑島列島のカゲロウ類はすべて九州島との共通種であり,上甑島と下甑島で採集したカゲロウ相に違いはなかった.本報は,甑島列島におけるカゲロウ目昆虫類の最初の記録である.
著者
片井 加奈子 青木 洋輔 吉岡 瞳 桜井 ひろみ 濱田 和男 小野田 恵美子 今西 吉松 青木 康二 池見 明
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.157-166, 2018 (Released:2019-02-01)
参考文献数
48

We examined the effects of powdered Mekabu (sporophyll of Undaria pinnatifida) extract on bowel movement disorder among 15 elderly aged 65 years old or more and living in nursing homes. The participants were administered 1 g of powdered Mekabu extract (Mekabu group, n=10) or starch (control group, n=5) along with their meal once a day for 4 weeks. In the Mekabu group, the frequency of defecation, amount of stool per defecation and amount of stool per week significantly increased after ingestion for 4 weeks (p<0.05) . Moreover, fecal microbiota analysis of the Mekabu group showed that the occupancy rates of Lactobacilli (p<0.05) and Clostridium subcluster XIVa (p<0.01) significantly increased after ingestion for 4 weeks. Furthermore, the phenol concentration of the Mekabu group significantly decreased after ingestion for 4 weeks (p<0.01) . These results suggest that intake of powdered Mekabu extract improves the bowel movements of elderly people.

2 0 0 0 OA 奈良の墨

著者
野田 盛弘
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.514-517, 2016-10-20 (Released:2017-04-03)
参考文献数
8

奈良の正倉院には,およそ1300年前に中国から伝来したと考えられる「墨」1)が伝わっている。その「墨」の外観を見る限り現在の墨とその製法が変わっている様子はなく,油煙もしくは松煙などの煤と膠を混練した後に成型,乾燥させたように見える。和紙に墨で書かれた文字は,正倉院文書が現代に伝わっているという事実から1300年の時を経ても変わることのない,長期保存安定性に優れた稀有な記録材料であるといえる。コロイドという言葉の語源でもある膠を利用した記録材料である墨は,現在も全国生産高の95 %以上が奈良の地で作り続けられており,現代ではコロイドの技術がインクジェットプリンターのインキや導電性塗料,化粧品など我々の身近な製品に多く利用されている。