著者
伊藤 亮 村瀬 聡美 金井 篤子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.181-190, 2011-04-20 (Released:2011-06-23)
参考文献数
30
被引用文献数
1

本研究の目的は,過敏性自己愛傾向がふれ合い恐怖心性に及ぼす影響について,対人恐怖心性との比較から検討することであった。専門学校生,大学生,大学院生443名を対象に,ふれ合い恐怖心性,対人恐怖心性,過敏性自己愛傾向を測定する自己愛的脆弱性尺度からなる質問紙を実施した。パス解析の結果,自己愛的脆弱性尺度の下位因子である目的感の希薄さと自己顕示抑制の高さがふれ合い恐怖心性と対人恐怖心性の両者を高めていることが示された。しかしながら,承認・賞賛への過敏さの高さは対人恐怖心性を高め,自己緩和不全の低さおよび潜在的特権意識の高さはふれ合い恐怖心性を高めるという相違点が見出された。これらの結果から,両心性の背景には共通して過敏性自己愛傾向が潜んでいるものの,承認・賞賛の過敏さ,自己緩和不全,潜在的特権意識の過敏性自己愛傾向の下位側面のあり方によって,現れ方が異なってくる可能性が示唆された。
著者
八木 伸行 福井 一夫 榎並 和雅 佐々木 信之 金野 雄二 斉藤 英貴 伊藤 泰雅 富田 龍一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路
巻号頁・発行日
vol.93, no.288, pp.37-44, 1993-10-22

標準TV信号とハイビジョン信号に適用可能なビデオレート映像信号処理プロセッサLSI(HD-Picot)を開発した.本LSIは,演算器間の可変パイプライン構造,プログラム同期制御方式,プロセッサ間同期機構など映像信号処理に適したアーキテクチャを有し,映像信号処理指向の各種演算を,マイクロプログラム(最大32kワード,各48bit幅)により,37.125MHzの速度,24bit精度で行う.2個のALU,2個の乗算器に加え,アドレス演算回路を有しており,データメモリ(最大2Mbyte)の書き込み, 読み出しと同時にデータ処理を行うことができる.本LSIは,約123kゲートの回路規模でCMOSゲートアレイを用いて作られている.
著者
浜島 良吉 勝山 邦久 橋本 学 金折 祐司 長尾 年恭 早川 正士 勝山 国久 呉 智深 鈴木 隆次 古宇田 亮一 竹村 友之 西村 進
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1994

不連続体場での弾性、弾塑性、粘弾性の進行性破棄に応用できる解析法が浜島により開発された。本解析手法は熱・流体・応力の連成解析にも適用された。本解析手法は結晶構造のような多角形要素にも適用可能である。変位関数として3角形要素の定ひずみ要素を用いているため、そのままでは結晶構造モデルに対しては変形を十分表現することができない。ハイブリット仮想仕事の原理は、弱形式のつり合い式と弱形式の変形の連続条件となるが、本研究では、変形の連続条件に関して、要素内と要素間の剛性にそれぞれα、βをかけ、これらの値がつり合い式を満足し、かつ変形の誤差が最小となるように定められた。ただし、α、βの間にはα=β/(β-1)の関係がある。1995年1月17日に兵庫県南部地震が発生し、多くの人名が失われた。地殻変動解析の重要性が再認識されたが、本研究では、日本列島をブロック構造に分割し、本研究で開発された不連続体解析手法を用いて解析が行われた。その結果、本解析手法により、日本列島内陸の断層の動きを比較的良く表現できることを明らかにした。本解析ではせん断破壊と引張り破壊を同時に考慮しているが、引張り破壊時には断層面上の応力を全て解放している。引張り破壊領域は危険断層とされている部分に良く対応していることが明らかとなった。本研究では、種々の方法により地殻変動解析がなされたが、目的によりそれらを使い分けて利用することが必要である。今後はこれらの解析手法をうまく融合して、地球規模の地殻変動解析まで適用可能とするようにしたい。
著者
梶川 恒雄 野沢 立 尾張 幸久 藤澤 宏光 金子 卓司 野呂 一夫 高田 耕
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.92, no.5, pp.586-588, 2001-07-20
被引用文献数
2 2

左尿管結石に対するESWLにより,腸管穿孔を起こした症例を経験したので報告する.症例は69歳,男性で,1996年3月に両側総腸骨動脈瘤に対してグラフト置換術を受けていた.1999年2月,左側腹部痛が出現,レントゲン検査で左尿管結石の診断となった(lt.U1,14×8mm).結石は骨盤部まで下降後,下降しなくなったため,入院の上,3月30日,腹臥位でESWLを施行した.終了直後より左下腹部痛を訴え,鎮痛剤で治まらないため,3月31日,CTを施行した.明らかな異常所見を認めなかったが,その後も痛みが続き,4月2日には,筋性防御も認めるようになった.再度CTを施行したところ,free air,イレウス所見を認めたため,緊急手術を施行した.トライツ靭帯から130cmの空腸に,2mm大の穿孔を2カ所認め,ESWLによる腸管穿孔と診断した.術後経過は良好で,4月23日,退院となった.ESWLによる腸管穿孔は,極めて稀な合併症であるが,腸管の癒着の可能性のある既往歴,腹臥位でのESWLは,リスクファクターと考えられた.
著者
金森 修
出版者
岩波書店
雑誌
思想 (ISSN:03862755)
巻号頁・発行日
no.958, pp.100-128, 2004-02
著者
金 成洙
出版者
専修大学経営研究所
雑誌
専修マネジメント・ジャーナル = Senshu management journal (ISSN:21869251)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.51-63, 2011

本稿の主な目的は、「韓流」の源泉を究明することである。まず「韓流」についての先行研究のレビューを通して本研究の位置づけを明確にした。その後、消費者行動モデルを再検討し、そして「韓流」(文化)をグローバル戦略との関連で検討することで、標準化-現地化問題に新たな主張を加えた。The main purpose of this paper is to study the sources of "Hanlyu". First I clarifed positioning of this study through the review of precedent studies on "Hanlyu". Then, the consumer behavior model was reexamined. New viewpoint was suggested for the standardizationlocalization issue with reference to "Hanlyu(culture)" in global strategies.
著者
金 哲 宿野部 幸孝 種谷 真一
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.10-17, 1997-01-15
被引用文献数
1

回転膜ろ過システムで,連続的に酸カゼインをプロテアーゼMにより加水分解を行い,その分解物を膜ろ過し,運転条件を把握した.<BR>(1)酵素プロテアーゼMによる加水分解物の膜透過液は,運転時間(0~6時間),および(基質濃度S/酵素濃度E)比に関係なく,分子量300~600のペプチドが多い.<BR>(2)反応槽中に酵素液を入れ,その酵素が濃縮される途中の酵素濃縮液および透過液の酵素活性を調べた結果,漏れはごくわずかであった.また透過流束の変化から酵素の膜面付着を調べたが,付着は微量であった.<BR>(3)回転膜ろ過システムでの反応速度が,ミハエリスーメンテンの理論式に従うとすると,ミハエリス定数は2.94%,最大反応速度は33.56%・h-1であった.<BR>(4)透過流束は圧力とともに,増加するが,圧力200kPaで,S/E=3.0%/0.25%,およびS/E=5.0%/1.0%では,運転時間が長くなるほど,透過流束は減少する傾向があった.透過流束量の減少の少ないS/E=3.0%/1.0%が最も良好であった.<BR>(5)反応槽の固形分濃度に対する透過液固形分濃度の割合を基質変換率と定義した.基質変換率は圧力の増加に対して低下する傾向をもち,またS/E比にも関係し,S/E=3.0%/0.25%で低く,S/E=3.0%/1.0%およびS/E=5.0%/1.0%では同じ傾向を示し,35kPaの圧力で最大基質変換率0.85を示した.<BR>(6)平均滞留時間は,圧力の増加につれて減少する.35kPaではS/E=5.0%/1.0%で35kPaのとき13.5hの最高値,S/E=3.0%/1.0%で200kPaのとき1.82hの最低値を示した.<BR>(7)膜回転数に関係するテーラ数と透過流束との関係から,圧力100kPaの場合,透過流束はテーラ数450(1000rpm)で最も低く,678(1500rpm)で最大になり約30.5kg・m-2・h-1の高い値を示し,その後は減少した.<BR>(8)酵素重量に対する膜透過分解物の重量割合で表す生産性からみて,S/E=3.0%/0.25%が最も良好な生産性を示した.
著者
竹内 彩陽 金子 堅司 榎本 和城
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2008, no.6, pp.263-264, 2008-08-02

In this study, effects of viscosity and aging on plastic behavior of A7475 aluminum alloy under biaxial loading and in stress relaxation at several temperatures, are investigated experimentally, and are analyzed theoretically based on the Two-Factors constitutive concept, which means the overstress concept including aging effect. As much as temperature become higher, viscosity stress increases, on the other hand, aging stress decreases. Both viscosity and aging in axial loading are larger than those in torsional loading. The model based on Two-Factors constitutive concept gives systematic predictions on both plastic flow behavior and relaxation behavior for each loading direction.
著者
木村 幹 浅羽 祐樹 金 世徳 田中 悟 酒井 亨
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究が明らかにしたのは、全斗煥政権が当時の状況に対して、如何なる主観的認識を持ち、どう対処しようとしたか、それが結果として、当時の韓国社会におけるどのようなイデオロギー的変化を齎したか、である。その結果は次のように要約する事が出来る。1)同政権は1980年代初頭における政治的弾圧をも駆使した結果得られた、政治的安定を大きく評価し、ゆえに多少の民主化運動の許容は、政権の基盤を揺るがさないものと考えた。2)政権内部にではこのような理解には大きな対立はなかった。3)しかしながら、実際にはこの結果行われた民主化運動は政権側の予想を超えて拡大した。4)この誤算が韓国の民主化実現に大きく貢献した。
著者
金 命柱
出版者
法政大学大学院 国際日本学インスティテュート専攻委員会
雑誌
国際日本学論叢 (ISSN:13491954)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.42-23, 2012-03-23

In this thesis "The Occupation years (1945-1952)" I compared andanalyzed Christmas in Japan and in the USA, paying attention not only to theChristmas influenced by the leading role of the occupying US forces,butalso to the way the Japanese,especially Japanese children,spent Christmasunder the American occupation. It became thus clear that in the occupiedJapan Christmas was celebrated with some political intentions by theoccupying side and in the social relations between the occupying and theoccupied sides. Through this,it was implied that Christmas had a bigreligious and cultural significance in Japan at the time.Obviously Christmas is not the only example of a custom,habit,culture,idea, religion or system from western societies that has established in Japan,it is one among innumerable others. From an international point of view,understanding how Japanese culture is changing in contact with the culturesof other countries and rethinking the position of Japan is an importantacademic mission to be fulfilled by the International Japanese Studies.Thisis what this thesis humbly tried to do.
著者
本田 卓士 松永 力 金谷 健一
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.18, pp.1-8, 2012-11-26

空間をわずかに移動する複数の点の移動前後の位置を 3 次元センサーで計測し,どのような並進,回転,スケール変化が生じているのか,あるいは生じていないのかを判断するモデル選択のために,誤差のある 3 次元データにさまざまな運動モデルを最適に当てはめる新しい方法を提案する.これは, 3 次元アフィン変換の部分群が変数にさまざまな内部拘束を指定して得られることに着目して,内部拘束をもつ 3 次元アフィン変換を拡張 FNS 法によって計算するものである.これにより,従来のように運動ごとに別々のパラメータを導入する必要がなく,すべての部分群が同一の方法で計算できる.この手法をステレオ視による 3 次元シミュレーションデータに対する幾何学的 AIC,幾何学的 BIC,幾何学的 MDL を用いたモデル選択に応用する.Given 3-D sensing data of points slightly moving in space, we consider the problem of discerning whether or not translation, rotation, and scale change take place and to what extent. For this purpose, we propose a new method for fitting various motion models to 3-D noisy data. Based on the observation that subgroups of the 3-D affine transformations are defined by imposing various internal constraints on the variables, our method fits 3-D affine transformations with internal constraints using the scheme of EFNS, which, unlike conventional methods, dispenses with particular parameterizations for particular motion models. We apply our method to simulated stereo vision data and show how model selection using the geometric AIC, the geometric BIC and the geometric MDL works.
著者
神谷 健一 田原 憲和 柿原 武史 三浦 由香利 堂浦 律子 川口 陽子 井上 昭彦 黒田 恵梨子 金 善美 高木 美菜子 池谷 尚美 齊藤 公輔 有田 豊 寺尾 美登里 林 和子
出版者
大阪工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究課題は9言語15名から成る共同研究プロジェクトであった。最終的に冊子版の研究成果報告書を作成し、主に大学で初習外国語教育に携わる関係者に配布した。PDF版は http://www.oit.ac.jp/ip/~kamiya/gk-fires/ からダウンロードできるようになっているので参照されたい。
著者
佐藤 金兵衛
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.56-57, 1973-09-23 (Released:2012-11-27)