著者
粟屋 利江 岩崎 稔 澤田 ゆかり 佐々木 孝弘 野本 京子 吉田 ゆり子 大川 正彦 臼井 佐知子 金 富子 米谷 匡史 左右田 直規 小田原 琳
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

ジェンダーをめぐる支配と差別の構造が「家族親密圏」における暴力を通していかに現れるのかということを、アジアとヨーロッパ・アメリカという地域軸、伝統社会における近代化、植民地支配からポストコロニアル状況へという時間軸にそって分析した。その結果、各地域固有の社会的実践や権力関係に見られる〈暴力〉は、支配・被支配の結果であるばかりではなく、相互干渉、癒着、相乗作用の上に成立するものであることが判明した。
著者
金 鐵権
出版者
Waseda University
巻号頁・発行日
2003-03

制度:新 ; 文部省報告番号:甲1791号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:2003/3/24 ; 早大学位記番号:新3569
著者
金崎 良三
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

本研究の結果は、以下のように要約される。(1)スポーツを通じての人間関係の質的量的把握に基づいて作成した尺度によって対象者のスポーツ・コミットメントの測定を行ったが、男女ともコミットメントのレベルが高いほどスポーツとのかかわりが深い。したがって、本研究で用いたコミットメント尺度の有効性は検証された。(2)学校体育とスポーツ・コミットメントの関連については、性別、学歴別を問わず学校時代の体育授業の評価が高い者、体育授業に意欲的に取り組んだ者、体育授業で楽しい経験をした者、体育行事て活躍した者、体育行事で楽しい経験をした者および課外でのスポーツを実施した者ほど、スポーツ・コミットメントのレベルは高い。すなわち、学校での体育授業や体育行事の経験、課外スポーツ活動の経験は、卒業後のスポーツ・コミットメントの形成に影響を及ぼしていることが明らかになった。(3)男女の高卒者、大卒者ともに学校体育における経験は、卒業後のスポーツとのかかわりないしスポーツの継続化を規定する要因となっている。(4)生涯スポーツにつながる学校体育の在り方に関して、本研究の結果からいえることは、第1に体育授業のための場所・施設・用具などのハード面の条件を整備すること、第2に授業を行うクラスの人数が多すぎたりせず、生徒・学生の運動量が適切であること、第3に彼らの好きな運動やスポーツの種目がある程度実施できること、第4に教師は指導の仕方を工夫すること、第5に生徒・学生が意欲的に授業に取り組むように動機づけをし、楽しい経験を積ませること、第6に体育行事への参加の機会を増やし楽しい経験をさせること、第7に課外でのスポーツ活動を奨励することである。
著者
金井 明子 松原 宏 丹羽 清
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.294-306, 2007
参考文献数
25
被引用文献数
1

「地域」が新しい知識や技術を生み出す場として,近年注目を集めている。本研究は,地域が競争力を生み出す仕組みに学習という概念を適用した「学習地域(learning region)論」に注目し地域的な枠組みの発展を,「テーマの共有」という要素を加えることでさらに大きくできる可能性を提示する。まず,日本でも有数の産業集積地域である東大阪地域の製造業企業へのアンケート調査を通して「テーマ共有」が,従来研究が明らかにしてきた学習地域の4つの要素と同等に影響力を持つことを明らかにした。次いで同地域における人工衛星プロジェクトのケーススタディにおいて,インタビュー調査を行った結果,テーマの共有が「役割分担の明確化」「参加機会の確保と参加者の淘汰」「モチベーションの向上」という3点で実際の仕事を進める上で有効であることが分かった。さらに共通テーマを掲げたこのプロジェクトによる「地域の知名度の向上」「地域への信頼性の向上」という2つの効果が示唆された。本研究は,従来の学習地域にはない「テーマ共有」という要素を備えた新たな学習地域の一形態の重要性を示した。
著者
金海 好彦 齋藤 修一 河合 栄治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.375, pp.23-28, 2011-01-13

OpenFlowの目的は,研究者や放送局,ネットワーク運用者からの異なった要求に従って,トポロジーやスイッチ間の接続を柔軟に変更できることを狙った技術である.いわゆるプログラマブルネットワークと呼ばれている.OpenFlowの特長を生かすためには,トポロジーが物理的にフルメッシュであるべきであるが,一般的に全国網は地理的・コスト的な問題からツリートポロジーで構築されている.つまり,全国に展開すべきOpenFlowネットワークを物理的なフルメッシュトポロジーで構築することは実践的ではない.我々は,既存のR&Dネットワークテストベッド上にOpenFlowネットワークをオーバーレイする手法を提案し,提案する手法の有用性を確認するために構築したネットワークを用いて実証実験を行った.全国展開したOpenFlowネットワークを用いて,放送局からの厳しい条件を満たす必要がある映像を伝送した.
著者
平澤 由平 鈴木 正司 伊丹 儀友 大平 整爾 水野 紹夫 米良 健太郎 芳賀 良春 河合 弘進 真下 啓一 小原 功裕 黒澤 範夫 中本 安 沼澤 和夫 古橋 三義 丸山 行孝 三木 隆治 小池 茂文 勢納 八郎 川原 弘久 小林 裕之 小野 利彦 奥野 仙二 金 昌雄 宮崎 良一 雑賀 保至 本宮 善恢 谷合 一陽 碓井 公治 重本 憲一郎 水口 隆 川島 周 湯浅 健司 大田 和道 佐藤 隆 福成 健一 木村 祐三 高橋 尚 由宇 宏貴
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.1265-1272, 2003-07-28
被引用文献数
2 12 4

遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤 (rHuEPO) が6か月以上継続投与されている慢性維持血液透析患者 (血液透析導入後6か月以上経過例) 2,654例を対象に, 維持Ht値と生命予後との関係をretrospectiveに調査, 検討した. Cox回帰分析による1年死亡リスクは, 平均Ht値27%以上30%未満の群を対照 [Relative Risk (RR): 1.000] とした場合にHt 30%以上33%未満の群でRR: 0.447 [95%信頼区間 (95% CI): 0.290-0.689 p=0.0003] と有意に良好であったが, Ht 33%以上36%未満の群ではRR: 0.605 [95% CI: 0.320-1.146 p=0.1231] と有意差を認めなかった. 一方, Ht 27%未満の群ではRR: 1.657 [95% CI: 1.161-2.367 p=0.0054] と有意に予後不良であった. また, 3年死亡リスクも1年死亡リスクと同様, Ht 30%以上33%未満の群ではRR: 0.677 [95% CI: 0.537-0.855 p=0.0010] と有意に良好であったが, Ht 33%以上36%未満の群ではRR: 1.111 [95% CI: 0.816-1.514 p=0.5036] と有意差を認めず, Ht 27%未満の群ではRR: 1.604 [95% CI: 1.275-2.019 p<0.0001] と有意に不良であった.<br>これらの調査結果より, 1年および3年死亡リスクはともにHt値30%以上33%未満の群で有意に低値であり, 生命予後の観点からみた血液透析患者のrHuEPO治療における至適維持目標Ht値はこの範囲にあると考えられた. ただし, 1年死亡リスクは, 例数が少ないもののHt値33%以上の群についても低値であったことから, このレベルについては今後再検討の余地があると考えられた.
著者
増井 志津代 大塚 寿郎 高柳 俊一 飯野 友幸 金山 勉 石井 紀子
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、17世紀植民地時代から21世紀に至るまでのアメリカ史におけるキリスト教の果たした歴史的、社会的、文化的役割を特に土着化(Contextuahzation;Americanization)の視点から通史的かつトピカルに分析研究することを目指した。従来の神学的キリスト教研究や教派研究というよりも、キリスト教の果たした役割を宗教史の狭い領域的研究の枠組みから解放し、より広い歴史的、地理的、社会的状況におけるダイナミズムの中で検証し、アメリカ的キリスト教の特性、さらにアメリカ化の過程を詳細に検討することとした。さらに、アメリカ人宣教師による日本における宣教活動を追うことにより、アメリカニズムとキリスト教との関係にも注目した。タイムスパンを長期に設定することで、通事的な研究を目指し、日米から多様な研究者を集めた。初年度には、初期アメリカ研究者David D.Hall教授を招聘し、植民地時代ピューリタニズムについての研究会を開催した。平成18年度は、Richard W.Fox教授を迎え、アメリカ文化とキリスト教についての研究会を開いた。両教授とも、専門研究者との交流だけでなく、ひろく一般、学生に向けた講演も行ない、本領域における学的関心を広く喚起できた。Mark A.Noll教授は来日は果たせなかったが、福音主義とアメリカ政治の関係についての論文を最終報告書に寄稿した。研究代表者、分担者共に、日本とアメリカを往復し、国内外での研究交流をはかると共に、リサーチを勢力的に行ない、学会発表、論文出版により成果を発表した。報告書は今後、研究書としてまとめ、出版を予定している。
著者
徳元 大輔 池戸 丈太朗 金子 孝夫 片岡 章俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. D-II (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.9, pp.1870-1883, 2004-09-01
被引用文献数
1

今日,ネットワークの双方向性を活用し,情報を受信するだけではなく,ネットワークの情報発信性という特性を有効に活用するためのサービスやシステムが注目を集めている.本論文では,IPネットワークを介して演奏者間のインタラクションがない合奏(以降,遠隔地間の合奏と記述)を行い,更に遠隔地の聴衆に演奏音間の時間同期を確立して,聞かせることができる遠隔合奏システムヘの適用を目的に開発した同期再生技術について報告する.また,音響信号間の時間同期を確立するための同期情報の検出方法としては,帝域制限相関法を考案した.この帯域制限相関法により検出される同期情報の精度を評価した結果, RTP(Real-Time Transport Protocol)によるパケット単位の同期では,最大27msとなる同期ずれを解消することができ,0.1ms以下(サンプリング周波数44.1 kHz)の精度で演奏音間の同期再生を実現できることが分かった.また,開発した同期再生技術を評価するための同期再生実験評価システムを構築し,その性能についても評価を行った.
著者
鈴木 新 劉 和輝 金井 伸行
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.131, no.9, pp.1559-1563, 2011-09-01 (Released:2011-09-01)
参考文献数
16

This paper proposes a method for estimation of a body temperature by using a relation between the upper arm temperature and the atmospheric temperature. Conventional method has measured by armpit or oral, because the body temperature from the body surface is influenced by the atmospheric temperature. However, there is a correlation between the body surface temperature and the atmospheric temperature. By using this correlation, the body temperature can estimated from the body surface temperature. Proposed method enables to measure body temperature by the temperature sensor that is embedded in the blood pressure monitor cuff. Therefore, simultaneous measurement of blood pressure and body temperature can be realized. The effectiveness of the proposed method is verified through the actual body temperature experiment. The proposed method might contribute to reduce the medical staff's workloads in the home medical care, and more.
著者
金子 拓也 中川 秀敏
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.317-343, 2006
参考文献数
11

In this paper, we propose a bank loan pricing model for non-listed companies. At first, we present a pricing formula for a principal-equal-repayment loan and obtain the corresponding formula of relevant loan interest rate, which is sufficiently tractable. Indeed, the pricing model is specified by the distribution of recovery rate estimated from Balance Sheet(B/S), the term structure of default probability and the default-risk-premium structure. Discussing how to compute the parameter called B/S-adjusted asset-debt coverage ratio that specifies the distribution of recovery rate, we give some numerical results based on real accounting data of non-listed companies.