著者
金 銀好 向井 徹 飯田 浩二
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
2016
被引用文献数
2

北海道噴火湾周辺海域において,周波数 38, 120, 200 kHz の計量魚群探知機を用いて音響散乱層の特徴を調べ,その構成生物であるオキアミ類とカイアシ類の識別方法を検討した。生物の確認は,直径 80 cm のリングネットによる垂直曳網で行った。オキアミ類とカイアシ類は,周波数 38 kHz よりも 120 kHz と 200 kHz でより強い音響散乱を示し,さらにこれら 2 周波数の SV 差は,オキアミ類で−1.5~1.3 dB,カイアシ類で 2.2-3.7 dB となり,この SV 差を利用して両種を識別する可能性が示された。
著者
金児 靖二 井野 正興 高見澤 雄一郎
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.65-73, 1995-02-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

手術を施して活動量の低下したゴキブリ用のアクトグラフを3種類考案した。つるした円環状の容器中を昆虫が歩くトラックとし,歩行による揺れを検出する「浮き輪型」,昆虫の歩行により生じるアルミ箔の振動を検出する「振動型」,そして従来の回転輪装置を改良して微少な回転をも検出する「新回転輪型」の性能を比較した。記録方式はイベントレコーダによらず,アクトグラフ出力を電子回路を介してパーソナルコンピュータに直接入力し,自動的かつ定量的にデータ処理ができるようにした。いずれも正常個体,手術個体(断頭個体)に対して感度の高い,良好な記録が得られた。「浮き輪型」は一番感度が高かった。そのためノイズ的活動もピックアップするが,手術後の活動の特徴を捉える事ができた。「振動型」ではゴキブリに正帰還作用によるストレスの働かない,比較的自然な活動が記録できると思われた。「新回転輪型」はノイズが少なくリズムを明瞭に記録できた。またこれは3タイプのうちで測定の定量性が一番保証されるので,手術前後の活動量が比較できるという長所をもっていた。これらのアクトグラフは,他の昆虫の活動記録にも利用できるであろう。
著者
金子勇著
出版者
アカデミア出版会
巻号頁・発行日
1984
著者
定金 浩一
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学論集. 人文・社会科学編 (ISSN:18825966)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.17-33, 2016-06

Here a practical method to reduce the workload of school instructors is proposed, and an outline of a "seven minute interview" model is provided. This model is the result of actual trial and error casework. The interview model has been developed on the basis of the solution-oriented approach. This model is divided into 4 steps, which facilitate actions leading to a solution. I examine the usefulness of the "seven minute interview" for high school education counseling by considering 2 sample interviews that were conducted using this model.Here a practical method to reduce the workload of school instructors is proposed, and an outline of a "seven minute interview" model is provided. This model is the result of actual trial and error casework. The interview model has been developed on the basis of the solution-oriented approach. This model is divided into 4 steps, which facilitate actions leading to a solution. I examine the usefulness of the "seven minute interview" for high school education counseling by considering 2 sample interviews that were conducted using this model.
著者
西村 桂一 北田 好男 金田 泰雄 村松 宜江 小川 一 飯島 敬 高倉 伸有
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.169-175, 1996
被引用文献数
2

四季の変動が非常に大きいわが国において, 人の肌色は四季の変化に従って変動することが推定されるが, その変化が太陽光量の増減による皮膚メラニン量の変化によるものか, 温度変化による皮膚血流の変化によるものかは, 非常に興味深い点である。<br>ある種の生物では, 季節の変動を太陽光の量で認識して, 来たる季節に備えることが知られているが, 我々はヒトには太陽光の変化により, 来たる季節に向かって皮膚血流量が変動をきたす「季節先取りプログラム」ともいうべき働きの存在を想定し, それに伴って肌色が変化すると仮定した。<br>そこで今回, 太陽光の変化曲線と一致する「東洋の季節」に従った測定時期を設定し, 色彩色差計を用いて肌色の季節変動を測定した。<br>男性の通年測定データから, 肌色の色相が「東洋の季節」に於ける春夏と秋冬で二相性に変動するという結果が得られた。またその変曲点は立春, 立秋の頃と推定された。<br>興味あることに, この変動は, 顔面等の露出部位だけでなく, 前腕や上腕のような非露出部でも認められた。この結果から, 肌色の季節変動の主原因は生体側の血流動態の変化によるもので, 外部からの直接的な光刺激に伴う皮膚メラニンの増加ではないと考えられる。この事から, 長時間人工光環境にさらされているヒトにも, 太陽光の変化を感知し, 生理反応を示す「動物」としての季節対応システムが今なお残されていることが示唆された。<br>女性においては, 頬の色相変化は男性と同様の変化を示したが, 額部では夏から冬にかけて色相値の変動はほとんど見られなかった。この違いは, 女性の日焼け防止に対する意識や行動, 性周期に伴う肌色変動などが影響しているものと考えられる。<br>今回の実験結果を, 化粧品的な立場から考えた場合, 肌色は春分, 秋分にはすでに夏型, 冬型となっていることから, 季節によって変化する肌色に合わせたメーキャップを行うためには, 東洋の季節に合わせて, 現状よりも1-2ヵ月早めに, 色号数の取り替えを行うことを提案したいと考える。
著者
中村 好一 伊東 剛 千原 泉 定金 敦子 小谷 和彦 青山 泰子 上原 里程
出版者
Japanese Society of Public Health
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.807-815, 2010-09-15
被引用文献数
2

<b>目的</b> 警察のデータを用いて栃木県の自殺の実態を明らかにし,自殺対策を進める上での要点を示すと共に,警察データの利点と問題点を検討する。<br/><b>方法</b> 栃木県警察本部から提供を受けた2007年,2008年 2 年間の自殺データ(小票)を集計解析した。<br/><b>結果</b> 栃木県における観察した 2 年間の自殺は1,166件(男865件,女301件)であった。人口あたりの自殺件数は全国と比較して高い傾向にあった。男では50歳代が最も多かったのに対して,女では30歳代から70歳代までほぼ同じ人数であった。20歳代,30歳代で人口あたりの件数が全国よりも高い傾向が観察された。平日の早朝や午前10時台に多い傾向が観察された。自殺場所は自宅が最も多く,手段は縊死が最も多かった(いずれも全体の約 6 割)。自殺の原因・動機(1 件の自殺について 3 つまで選択)では健康問題が最も多く(61.3%),次いで経済・生活問題(22.7%),家庭問題(17.3%)であった。健康問題では身体疾患と精神疾患がほぼ半数ずつを占めていた。経済・生活問題は20~60歳代の男で圧倒的に多く,中でも多重債務が多かった。約 3 分の 1 の者が遺書などを残していた。15.9%は自殺未遂の経験があった。以上のような結果をもとに検討した結果,栃木県の自殺対策を推進する上で,(1)学校保健や職域保健のさらなる充実,とくに20歳代および30歳代男への対応,(2)自殺のリスクが高い者に対して,家族への指導などにより常に他者の目が届くようにしておくことの重要性,(3)自殺未遂経験者へのハイリスク者としての対応,(4)相談窓口(とくに多重債務)の充実と住民への周知,(5)身体疾患をもつ患者の心のケアの充実,(6)精神疾患をもつ患者の治療を含めた管理の充実,の 6 点が重要であることを示した。さらに,警察データにおける原因・動機は,現場を捜査した警察官が判断しているために,心理学的剖検と比較すると情報の偏りが大きく妥当性は落ちるが,全数を把握しているために選択の偏りはなく,この点は心理学的剖検に勝るものであることを議論した。<br/><b>結論</b> 警察のデータを用いて栃木県の自殺の実態を明らかにし,栃木県での自殺対策を進める上での要点を提示した。利点と問題点を理解した上で利用すれば,警察のデータも自殺予防対策に有用な情報を提供することを示した。
著者
大寺 祥佑 金沢 星慶 金沢 奈津子 木内 隆裕 中山 健夫
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.596-603, 2015 (Released:2015-12-20)
参考文献数
28

【目的】本研究の目的は理学療法診療ガイドライン第1版の質を評価し,今後の改訂に向けて検討すべき課題を提示することである。【方法】AGREE II を用いて4人の理学療法士が独立にガイドラインを評価し,各ガイドラインの質の最終評価について合意を形成した。【結果】16件のガイドラインが評価の対象となった。領域別スコアの中央値(範囲:最小値~最大値)は,「対象と目的」54%(32~65%),「利害関係者の参加」38%(32~51%),「作成の厳密さ」35%(32~51%),「提示の明確さ」31%(26~47%),「適用可能性」9%(6~17%),「編集の独立性」19%(17~19%)であった。重要な推奨の明示に関する評価は,7段階リッカートスケールで中央値が3.0点(2.5~3.5点)であった。【結論】今後の改訂では,推奨の明確な提示や臨床における適用方法,利益相反の明示に留意するべきである。

1 0 0 0 OA 家計の数学

著者
小倉金之助 著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1938
著者
井上 伸治 村田 真奈美 村上 浩徳 西田 好光 蝉 正敏 金田 忠裕
出版者
日本高専学会
雑誌
日本高専学会誌 : journal of the Japan Association for College of Technology (ISSN:18845444)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.1-4, 2011-07-31

ロボカップジュニアに参加している子どもたちの要望や基礎研究を基に,ルール変更のため対応が必須となったサッカーゴールの塗り分け色を判別する,低価格なカラーセンサモジュールの開発を行った.市販のデジタルカラーセンサを使用し,レンズとして市販のアクリル球を用いるなど低価格化のため工夫した.また,外寸やインターフェースなどは従来のロボット教材との親和性を確保した.構造やアルゴリズムを工夫して子どもたちにも扱いやすく,実用的なセンサモジュールを開発し,商品化まで行うことができた.
著者
佐藤 孝 善本 さゆり 渡邉 俊一 金田 吉弘 佐藤 敦
出版者
日本土壌肥料學會
雑誌
日本土壌肥料学雑誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.53-60, 2007
参考文献数
24
被引用文献数
2

重粘土水田転換畑では,土壌の物理性(通気性,排水性)が悪いために,畑作物の生育が抑制され,生産性が著しく劣る場合が多い.本報では,マメ科カバークロップのヘアリーベッチによる重粘土の物理性改善効果と,ダイズの初期生育に及ぼす影響について検討した.秋田県八郎潟干拓地内の水田転換畑にヘアリーベッチを水稲立毛間に播種した.ヘアリーベッチは旺盛に生長し,根は深度約45cmまで達していた.HV区では土壌構造が発達し,特に亀裂構造が深度50cmまで形成されており,圃場の排水性は向上していた.また,HV区ではダイズの生育初期において根の吸収活性および根粒の窒素固定活性が高く維持され,生育も良くなっていた.以上の結果から,転換畑においてヘアリーベッチを前作に植栽することで,ヘアリーベッチの蒸散作用により土壌の乾燥化を促進させるとともに,根の伸長により土壌の亀裂構造(粗孔隙)および毛管孔隙が発達し,土壌の物理性が大きく改善されて,ダイズの初期生育が促進されることが明らかになった.
著者
森泉 美穂子 金田 吉弘 福島 裕助
出版者
日本土壌肥料學會
雑誌
日本土壌肥料学雑誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.372-377, 2010
参考文献数
10

熱分析(熱重量測定:TG、示差熱重量測定:DTA、示差走査熱量測定;DSC)は、有機物の熱分解特性から有機物の化学形態の特徴を知ることのできる簡便法の一つである。田畑輪換の繰り返しにより土壌有機物の化学形態がどのような影響を受けるかを熱分析(DSC分析)により解析した。日本各地の連年水田および田畑輪換田土壌を採集し、それらのDSC分析を行い、DSC曲線の形態から有機物の熱分解特性を検討した。また、田畑輪換が繰り返されている圃場土壌のDSC分析を行い、田畑輪換の繰り返しが土壌有機物の形態に与える影響を調査した。更に、土壌肥沃度の変化と土壌有機物の形態との関わりを調査するために、4種類の土壌型の水田および輪換田土壌を用いて大豆栽培のポット試験を行い、試験前後の土壌の培養窒素量の測定およびDSC分析を行った。
著者
上野 満雄 中桐 伸五 谷口 隆 有沢 豊武 三野 善央 小寺 良成 金澤 右 雄山 浩一 小河 孝則 太田 武夫 青山 英康
出版者
Japan Society for Occupational Health
雑誌
産業医学 (ISSN:00471879)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.483-491, 1984

日本国有鉄道の新幹線は,早朝から深夜まで過密ダイヤのもとで,高速度を出して走行している.したがって,新幹線車両の清掃労働者は主に,深夜労働に従事することを余儀なくされ,頻回な夜間勤務を行っている.本研究は,新幹線車両清掃労働者の健康に及ぼす夜間勤務の影響を検討したものであり,特に,連続夜勤の回数と健康障害の関係について評価を行った.本研究は二つの調査研究から成っている.<br>最初の研究では,勤務実態と健康実態を明らかにするため, 1か月間の夜動の頻度,連続夜勤の回数,自覚症状を調査した.調査は,大阪駅で働く246人の男性清掃労働者に対して,日本産業衛生学会交代勤務委員会作成の質問用紙を配布する方法を用いて, 1981年に実施した.調査結果は,勤務形態別に3グループに分けて比較検討を行った.<br>グループAは,夜勤専従者であり,勤務編成は,週に5回の連続夜勤を基本とする102人のグループである.グループBは,一昼夜交代で週3回勤務をする124人のグループである.グループCは,週6回勤務の日勤者20人である.これら勤務の形態別比較の結果,グループAにおける胃腸障害,全身疲労感の訴え率が最も高く現われていた.<br>最初の研究結果にもとづいて, 2番目の研究では,連続夜勤の回数と健康障害の関係について検討を行うため,ケース・コントロールスタディを行った.研究対象は,最初の研究で対象とした夜勤労働者の中から60人を5歳階層ごとに無作為抽出し, 3グループに分け各グループ20人ずつとし,方法は,産業衛生学会疲労研究会作成の疲労自覚症状を勤務の前後で1労働週にわたって自記させた. 3グループは,グループA20人,グループB20人,グループD20人である.グループAとBは,最初の研究の同じ勤務形態であるが,グループDは,グループAのコントロールとして,夜勤3日目を非番日に変えた勤務に従事させた.調査の結果,グループAとBでは最後の勤務後に疲労自覚症状の訴え数が第1日目の勤務前と比べて有意に増加していたが,コントロールのグループDでは訴え数の有意な増加は認められなかった.<br>これら二つの研究結果から,夜間勤務の形態と労働者の健康状態の間に密接な関連があり, 5連続夜勤の3日目を非番日にすることは,労働負担を軽減するうえで効果的であることが明らかとなった.したがって, 5回以上の連続夜勤に就労する新幹線清掃労働者の職業的健康障害を防止するためには,連続夜勤回数の頻度や労働時間に関する勤務条件の改善がなされるべきであると考えられた.
著者
金平 隆
出版者
JAPAN MACRO-ENGINEERS SOCIETY
雑誌
MACRO REVIEW (ISSN:09150560)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.7-10, 1996

三峡ダムプロジェクトの実地調査を中心とした中国旅行は95年9月に実施されたが、文献や講演からの知識に加えて、多くの知見が得られ、大変有益であり印象的であった。長江に関する幾つかのテーマについて、以下に旅行の感想を述べる。 公式行事及び観光的な記録を含めてビデオに収録した。映像と音声による記録は、情報量が極めて大きいので、詳細はその記録に譲る。
著者
金原 秀行 中平 祐子 岩本 正実
出版者
Society of Automotive Engineers of Japan
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.1327-1333, 2011

頭部傷害値(HIC)では予測が困難な,頭蓋骨骨折を伴わない脳震盪などの頭部外傷を予測するため,ダミー頭部の加速度データから直接算出できる傷害評価指標を提案する.アメフトのボランティア実験等から得られた頭部衝撃データを用いて解析した結果,本指標は脳FEモデルから得られる脳損傷率(CSDM)と高い相関を示した.
著者
大場 敏文 金子 正秀 原島 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.2254-2258, 1997-08-25
被引用文献数
2

福笑いモジュールによって作成された合成顔画像を検索キーとして用い, 検索者の意図を反映した類似尺度に基づき, 顔画像をインタラクティブに検索する方法について述べる. 特徴量空間において, 特徴量ベクトルが互いになす角度が小さいものほど類似評価が高いとする類似尺度を用いることにより, 強調表現された合成顔画像を介して, 検索者の意図を反映した顔画像検索が行えるようになった.