著者
金 徳男 高井 真司
出版者
大阪医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

PTFEグラフト移植後の外膜側から線維芽細胞の遊走がその管腔内内膜肥厚の形成に関与する可能性が示唆されてきた。本研究では現在広く使用されてきた多孔構造を有するPTFE人工血管と近年日本で開発された中層無孔体からなるグラシル(Grasil)人工血管を用いて比較検討し、PTFE人工血管移植後の血管内膜肥厚にはその外膜側からの線維芽細胞の遊走が非常に重要な役割を果たしていることを証明した。
著者
金 ウンビ 伊東 明宏 中塚 健太郎 坂入 洋右
出版者
Japanese Society of Sport Psychology
雑誌
スポーツ心理学研究 (ISSN:03887014)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.19-34, 2014
被引用文献数
3

Two studies were conducted to examine psychological and behavioral effects of adding music and physical contacts to exercise programs. In Study 1,146 college students were divided into four exercise conditions: (1) exercise with music and physical contact (2) exercise with physical contact (3) exercise with music (4) exercise without music and physical contact. The effects of exercise on psychological aspects such as mood, satisfaction with the exercise, and human relationships were compared among the four groups. Results indicated that the pleasure and arousal level of mood state increased after exercise in all four conditions. Moreover, both music and physical contact increased the satisfaction with exercise and the physical contacts promoted human relationships. In Study 2, psychological and behavioral effects of the exercise were compared with almost same exercise but without music and physical contact. The state of anxiety levels and the interpersonal distance and interpersonal behaviors between each subjects and a partner of exercise were investigated in 16 college students before and after exercise. Results indicated that the score of positive affect factor of State-STAI increased after exercise with music and physical contact comparing to exercise without them. Moreover, the effects of exercise on interpersonal relationships, such as perception of interpersonal attraction, shortening of interpersonal distance, and increase of positive interpersonal behavior were significantly higher after exercising in pairs with background music, compared to doing almost the same exercise without music and physical contact. Furthermore, statistically significant correlations were observed between the change of interpersonal distance and the effects such as increase of positive affect and interpersonal behavior. The results of the study suggest the effectiveness of adding music and physical contacts to exercise to improve psychological states and interpersonal interactions of people.
著者
竹内 聖悟 林 芳樹 金子 知適 川合 慧
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2006論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.56-63, 2006-11-10

本稿では、勝率と評価値の歪みに基づいた評価関数の調整法を提案し、将棋を例題に、本手法の有効性を示す。評価関数の調整は強いプログラムの作成に不可欠であるが、どこに問題があるか発見することや評価値を適切にあたえることはゲームの知識が必要であり困難が多い。本研究では、評価関数に問題がある局面では勝ち易さを適切に評価できず、勝率と評価関数との関係に歪みが生じていることに着目し、条件毎に勝率と評価値のグラフを描くことにより評価関数の問題点をを発見することを提案する。本手法を将棋において先手と後手の進行度差がある局面に対して用い、プレイヤ毎の進行度を評価しない評価関数には問題があることを示した。さらに、その問題を解決するため、進行度差を評価に含めた評価関数を設計し、値の自動的な調整を行った。そして、自己対戦によって調整後のプログラムの棋力の向上を確認し、本手法の有効性を示した。
著者
福田 謙一 笠原 正貴 西條 みのり 林田 眞和 一戸 達也 金子 譲
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.25, no.7, pp.696-701, 2005 (Released:2005-11-29)
参考文献数
4
被引用文献数
1

歯科治療行為による知覚神経障害は決して少なくない. 歯科領域の知覚神経障害は, 日常生活で容易に不快感を認識できるため, 患者を長期にわたって苦しめることがあり, 医事紛争に発展するケースもある. ここでは, 東京歯科大学水道橋病院歯科麻酔科・口腔顔面痛みセンターに通院している知覚神経障害患者のうち, 発症が医原性で医事紛争に発展した症例のなかから5症例 (症例1: インプラント埋入, 症例2, 3: 根管充填処置, 症例4, 5: 抜歯処置) を取り上げ, 歯科治療後知覚神経障害による医事紛争の現状と歯科臨床における問題点について報告した. 歯科治療における事前説明や事後対応は, いまだ十分に確立されていないのが現状であった.

1 0 0 0 OA 年頭ずいろん

著者
金子 光美
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.2-3, 2004-01-20 (Released:2010-03-18)
被引用文献数
1
著者
後藤 健介 金子 聰 藤井 仁人 奥村 順子 Panditharathne N. G. S. Gunasekera Deepa
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、スリランカにおけるデング熱の実態を把握するとともに、同国でデング熱の対策として実施されている、環境負荷のない、地域レベルでの地域清掃プログラムについて、エビデンス度の高い評価を行う研究を展開し、持続可能なデング熱対策を構築するために必要な基礎情報を収集することとした。研究成果として、実際に地域清掃プログラムが実施された、および拡大されている地域においてはデング熱患者が減少していることが分かった。この減少は自然環境の変化によるものではなく、本プログラムによるものであることも判明し、かつ、リサイクルや住民の協力、政府の指導の下、本プログラムが持続可能性が高いものでることが分かった。
著者
足立 幸男 飯尾 潤 細野 助博 縣 公一郎 長谷川 公一 田中 田中 小池 洋次 山谷 清志 金井 利之 田中 秀明 鈴木 崇弘 渡邉 聡 宇佐美 誠 土山 希美枝 秋吉 貴雄 佐野 亘 蒔田 純 清水 美香
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究プロジェクトによって以下の点が明らかとなった。日本政府はこれまで政策改善に向けた努力を疎かにしてきたわけではない(職員の政策能力向上に向けた施策の展開、省庁付属の政策研究機関および議員の政策立案作業支援のための機関の設置、審議会の透明化・民主化など)。大学もまた公共政策プログラムを矢継ぎ早に開設してきた。にもかかわらず、政策分析はいまだ独立したプロフェッションとして確立されておらず、その活用もごく限られたレベルに留まっている。我々は、政策分析の質を向上し、より良い政策の決定・実施の可能性をどうすれば高めることができるかについて、いくつかの具体的方策を確認することができた。
著者
金沢 裕之 カナザワ ヒロユキ

12805 博士(文学) 1997-01-31 大阪大学 14401乙第07102号
著者
千住 智信 金城 達人 上里 勝実 藤田 秀紀
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. B, 電力・エネルギー部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. B, A publication of Power and Energy Society (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.123, no.12, pp.1522-1530, 2003-12-01
被引用文献数
10 12

In recent year, power generation from renewable energy sources is comming up. Particularly, wind power generation is attractive because of it's advantages like, pollution free, no fuel cost, abundantly available in nature etc. However, the generated power is fluctuating and it mainly depends on the wind speed. These fluctuations will arise the bus voltage fluctuations and will cause power oscillations. A superconducting magnetic energy storage (SMES) unit based on a self-commutated inverter using Gate-turn-off (GTO) thyristor is capable of controlling both the active and reactive power simultaneously and quickly. <BR>In this paper, control system conguration for active and ractive output power control of the series and parallel compensator which applied SMES is presented. Furthermore, this paper also describes the effectiveness of generating power leveling of transmission line and compensation of the generator's terminal bus voltage instantaneous sag. It is show through simulations, that the controlling sequence of charging and discharging of the SMES coil effectively damps out the generator's terminal bus voltage fluctuations and transmission line power oscillations.
著者
金川 弘司
出版者
北海道大学
雑誌
試験研究
巻号頁・発行日
1983

生物材料や受精卵の凍結用に冷却曲線を自動的にプログラムできる装置は数種類開発されているが、これらの装置は植氷時の制御が不十分であり、試料を入れてある冷凍室を開放して、外部から冷媒や冷体で刺激を加えたり、氷晶片を投入したりして植氷を行っているために、冷凍室の温度が変動する欠点がある。また、植氷に伴う著しい温度の上昇がみられるのが普通である。これらの温度変動が凍結しようとする受精卵に何らかの悪影響を与えるものと考えられる。今回の研究で開発した凍結装置は、恒温槽、温度制御盤および加圧式液体窒素容器からなっている。恒温槽は、断熱槽、液体窒素槽、ヘリウムスペースおよびフレオン槽からできている。フレオン槽は気相部および液相部(フレオン11)の2つに分かれ、両部の冷却は液体窒素の冷熱によって行われる。液体窒素槽からの冷熱はヘリウムスペースに密封されている熱交換用ヘリウムガスによって、一定速度でフレオン槽内に伝達される。この冷却とフレオン槽内ヒーターの作動は槽内の温度を測定するモニター用温度センサーからの読み取りを通じてヒーター電流をPID制御(比例積分微分動作制御)する温度制御盤のマイクロコンピューターによって制御され、設定した任意の温度と冷却速度が保持される。この温度と速度は数段階に分けてキー入力できるようにプログラミングされている。気相部には凝固点温度(植氷)を予め検知できるように温度測定センサーが付属されており、液相部は温度勾配がほとんどないように撹拌機によって常に撹拌されている。本凍結装置は、植氷時に工夫を加えて、冷凍室を開放したり、外部から操作することなしに植氷を行い、植氷に引続いて起る温度上昇を1.0°C以内に抑えることができた。また、下降時の温度も変動範囲が0.1°C以内に制御できた。本装置を使用して、耐凍剤としての各種糖類および急速凍結法の検討を行った。
著者
金 誠
出版者
札幌大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は植民地朝鮮における朝鮮人知識人層ならびにスポーツ選手らのスポーツ活動が総力戦体制期の対日協力行為に如何に結びついていったかについて明らかにするものであった。本研究ではとりわけ植民地朝鮮において英雄となったマラソン選手の孫基禎に着目し、民族の英雄となった孫基禎の対日協力行為を当該期の朝鮮人知識人の近代的志向性と複雑に絡まり合うなかで生起してきた行為であったと結論づけ、植民地下の朝鮮半島におけるスポーツと対日協力の問題について考察を行った。
著者
山本 拓弥 久保 満 河田 佳樹 仁木 登 大松 広伸 柿沼 龍太郎 金子 昌弘 森山 紀之 江口 研二 森 清志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.172, pp.43-48, 2000-07-03
被引用文献数
6

肺がん集団検診で撮影された撮影日時の異なる2つのヘリカルCT画像のスライス差を, 自動的に算出する比較読影システムについて述べる.横隔膜部分は吸気量によって横隔膜の形状が異なるので, 肺形状を用いた従来のスライス差算出アルゴリズムでは横隔膜部を正確に合わせることが困難であった.そこで本研究では肺野領域における血管情報を使ったテンプレートマッチングによるスライス差算出アルゴリズムを作成し, 従来の手法と比較を行い, 有効性を示す
著者
栃内 文彦 札野 順 西村 秀雄 岡部 幸徳 金光 秀和 夏目 賢一 金 永鍾 デイビス マイケル プール イボー・ファン・ダ ピーターソン マーティン ニッケル フィリップ バーグ ポール・ファン・デン ワグナー-ツカモト シグモンド
出版者
金沢工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

社会のグローバル化を十分に踏まえた技術者倫理教育のための教材開発に資するべく、日・米・蘭の三カ国で技術者の価値観についての実証的比較研究を行ない、以下の成果を挙げた:1)「ソーラーブラインド(英語吹替版)」を用いたケースメソッド型の事例教材パッケージの開発、2)「技術者が重視すべき価値がモノづくりの現場においてどの程度重視されているか」に関する、日・米・蘭の工科系大学で学ぶ学生間における認識の違いの明確化、3)技術者倫理教育・研究ネットワークの拡大、4)現在行なっている技術者倫理教育のための教材開発への貢献、5)モノづくりにおけるアジア・イスラム的価値観に関する調査・研究の基盤構築。
著者
金沢 創 山口 真美 北岡 明佳
出版者
淑徳大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、乳児の知覚を検討するプロジェクトの一環として、「錯視図形」をキーワードに、乳児の視知覚の発達を実験的に明らかにしたものである。平成18年度においては、(1)拡大運動と縮小運動の感度の非対称性、(2)正方形と円を重ねたとき、背後の円の輪郭を補完するアモーダル補完、(3)2つの重なった領域の明るさの順序により、2つの透明な領域が重なっていると解釈される透明視、のそれぞれについて、その知覚が発生する時期を実験的に検討した。それぞれの成果はInfant Behaviour and Development誌、Perception誌、などの国際的な学術雑誌に発表された。また、平成19年度は、(1)右方向と左方向に運動しているランダム・ドットを重ねると、2つの透明な面が見える運動透明視、(2)共同研究者である北岡が作成した、緑と赤の小さな領域が囲まれた色影響により彩度が低下する色誘導刺激、についてそれぞれ知覚発達を検討し、これらの成果をPerception誌やInfant and Child Development誌に発表した。さらに最終年度の3月までに、(1)静止しているランダムドットの一部の領域の色を、時間的に次々に変化させていくと、運動する輪郭が知覚されるいわゆるcolor from motion刺激や、(2)局所においてはバラバラに動いて見えるバーが、それを隠す領域を配置すると四角形が補完されるパターン、(3)輪郭と白黒の配置から、絵画的な奥行き手がかりが知覚されるパターンなどの知覚発達も検討し、(1)についてはInfant Behaviour and Development誌に発表され、後者2つについては、Journal of Experimental Psychology、およびVision Research誌にそれぞれ掲載されることが2008年4月現在、決定している。
著者
大久保 善郎 清野 諭 藪下 典子 大須賀 洋祐 鄭 松伊 根本 みゆき 金 美芝 フィゲロア ラファエル 田中 喜代次
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.391-400, 2014-08-01 (Released:2014-07-26)
参考文献数
51
被引用文献数
1 2

The purpose of this study was to retrospectively examine the association of habitual exercise with “single fall (= 1)”, “multiple falls (≥ 2)”, and “injurious falls (≥ 1)” among community-dwelling older adults. A total of 1,683 community-dwelling older adults, aged 60-97 years (72.6 +/- 6.6 yr, 512 men and 1,171 women) were included in this study. Habitual exercises continued one year or longer (6.4 +/- 9.5 yr) were classified into twelve types. Exercise components (time, quantity, period of continuity, and number of exercises) were divided with median or tertiles. To assess the association between habitual exercises and fall status, multivariable logistic regression analyses with stepwise selection method, were applied. The multivariable logistic regression analyses showed that dance (odds ratio (OR): 0.30, 95% confidence interval (CI): 0.09-0.96) was negatively associated with “single fall”. Bicycling (OR: 3.72, 95% CI: 1.32-10.77) was positively associated with “multiple falls”, and the period of continuity (OR: 0.74, 95% CI: 0.60-0.91) was negatively associated with “multiple falls”. None of the exercise components were selected with regard to “injurious falls”. Results indicate that dance may be an effective type of exercise for fall prevention among community-dwelling older adults. However, caution about falling is warranted toward bicycling as an exercise. Moreover, a longer period of continuity (≥ 4 years) appears to be a positive factor of habitual exercise for fall prevention.