著者
金田 幸恵
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

雲や降水を直接計算し、より現実的な台風の内部構造を表現する極めて高解像度の雲解像モデルを用いて、極端に強い台風の急激な中心気圧低下メカニズムを調査した。まず最低中心気圧877hPaに達した歴史的顕著台風・1958年9月狩野川台風の24時間当たり90hPaを上回る急激な中心気圧低下の再現に成功した。水平解像度を変えた感度実験から、発達に伴う内部構造やプロセスの解像度依存性と対応する中心気圧低下量(発達率)を明らかにした。さらに温暖化実験を実施し、将来温暖化気候下で極端に強い台風がより急激な中心気圧低下を経て、より強い台風に発達する可能性を示唆した。
著者
竹島 久志 金森 克浩
出版者
仙台高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、障害児・者を含めた多様な運動・知的特性を有する学習者が利用できる学習ソフトを増やすことを目的に、スキャン入力等のアクセシビリティ機能を容易に学習ソフトに組み込むための「アクセシビリティ機能ライブラリの開発」と、学習ソフトが備えるべき「アクセシビリティ適用指針の検討」を実施した。開発したアクセシビリティ機能ライブラリには、多様な入力方式および多様な視覚・聴覚フォーカスを備えることができた。本ライブラリをWebで公開すると共に、サンプル学習ソフトの制作、利用講習会を実施しその有用性が確認した。加えて、アクセシビリティ適用指針の案を提案した。
著者
金子平吉 編
出版者
探古堂
巻号頁・発行日
1884
著者
櫻井 芳雄 金子 武嗣 青柳 富誌生
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、多様な記憶情報の活用を担う機能的神経回路、すなわちセル・アセンブリの活動を神経科学的に実証することを目的とした。様々な記憶課題を考案し、それらを遂行中のラットからマルチニューロン活動を記録し解析した。その結果、時間弁別課題、報酬確率予測課題、順序弁別課題など多様な記憶課題の遂行中に、海馬、扁桃体、前頭前野などでニューロン活動が変化することがわかり、さらにそれらの部位間で同期的に活動するニューロン集団、つまりマクロなセル・アセンブリの活動を検出することができた。
著者
市野 順子 金山 尚史 田野 俊一 橋山 智訓
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.1570-1580, 2012-05-15
被引用文献数
1

大型ディスプレイが普及しつつあるが,ユーザ個人に対する影響を定量化することはほとんど行われていない.本稿では,大小の2つの物理サイズの異なるディスプレイ上での,ユーザのテキスト読解を比較する3種類のタスクからなる実験を提示する.本実験では,2つのディスプレイの観視距離を調整することによって,観視角度を一定に保った.実験の結果,ディスプレイサイズの違いが,個人のテキストメディアの短時間の読解タスクパフォーマンス―文字・単語といった小さい単位のテキスト情報の探索タスクと,文・段落といった大きい単位のテキスト情報の理解タスクのいずれにおいても―に影響を及ぼさないことが分かった.映像や画像メディアの場合,大きいディスプレイはユーザを自己中心座標系の視点に偏らせ,小さいディスプレイは外部参照座標系の視点に偏らせることを示した先行研究の結果と,本研究が注目したテキストメディアに関する実験結果が大きく異なる結果となった.Large wall-sized displays are becoming prevalent. Although researchers have articulated qualitative benefits of group work on large displays, little work has been done to quantify the benefits for individual users. In this article we present an experiment that compares user's the performance of text reading on a large display to that on a small display. In these experiments, we held the visual angle constant by adjusting the viewing distance to each of the displays. Results from the experiment, which included three kinds of tasks, suggest that physical display size doesn't affect individual performance on text reading tasks.

1 0 0 0 OA 草と芸術

著者
金井紫雲 著
出版者
芸艸堂
巻号頁・発行日
1931
著者
仁木 啓司 松浦 健二 後藤田 中 金西 計英 矢野 米雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.583, pp.139-144, 2007-03-02
被引用文献数
2

近年,パワーポイントによるスライド教材を利用した講義が多くなってきている.しかし,スライド教材での授業を行う場合,授業中は教員から学習者への一方向的な授業になるケースも多い.また,パワーポインドを単にWebコンテンツとして学習者に対して,一方的に配布するだけでは,スライド教材の特徴を十分に生かし切れていないと思われる.そこで,本研究では授業中に用いたスライド教材を,学習者自身が自由にカスタマイズし,それを通じて学習内容だけでなく表現手法の向上も行える学習環境を提案する.
著者
金子 睦雄 米山 達哉 山来 貴 磯部 律元 中沢 潔 南家 俊彦 岸 良示 三宅 良彦 桜井 庸晴 松本 直樹 西崎 光弘 岡本 登 渡邉 佳彦
出版者
The Japanese Society of Electrocardiology
雑誌
心電図 = Electrocardiology (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.59-68, 2009-02-05

開発した合成心電図法を用い,標準12誘導心電図(St-ECG)から高位右側胸部誘導の波形を求め,Brugada型心電図自動検出に有用であるか検討を行った.対象はBrugada症候群と診断された19症例66件のSt-ECG,V<SUB>1</SUB>~V<SUB>3</SUB>誘導の一肋間上心電図(Hi-ECG),合成心電図法より求めた合成心電図(Syn-ECG)である.Hi-ECGとSyn-ECGではQRS-T部分の相関は0.74以上と高かった.循環器専門医がcoved型(A:J≧0.2mV),saddleback型(B),軽度coved型(C:J≧0.1mV)と判読したのはSt-ECGではそれぞれ29件,24件,0件で,Hi-ECGを加えると47件,19件,0件であった.Brugada型と判読された66件をSt-ECGのみで自動解析すると検出感度は68%(A:24件,B:20件,C:1件),Syn-ECGを加えると検出感度は85%(A:44件,B:11件,C:1件)に向上した.一肋間上の心電図と合成心電図は相関も高く,本法が臨床および検診でBrugada型心電図の自動検出に有用であることを確認した.
著者
本間 道夫 小嶋 誠司 柿沼 喜己 村田 武士 滝口 金吾
出版者
名古屋大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

細菌べん毛モーター回転のエネルギー源は、電気化学的ポテンシャル差によるイオンの流入である。海洋性ビブリオ菌Vibrio alginolyticusは、ナトリウムイオンで動く極べん毛を持つ。これまでに固定子内のイオン透過経路については、ほとんど研究が進んでいなかったが、ATR-FTIRを用いた測定によりNa^+結合部位をはじめて実験的に明らかにした。また、固定子タンパク質膜貫通部位への変異導入により、イオン透過経路を推測した。固定子構成タンパク質にGFPを融合させて、それらの局在の条件を調べたところ、Na^+依存的な局在を明らかにした。固定子のダイナミックな集合解離の重要性を示唆した。固定子タンパク質のペリプラズム側断片の結晶構造を解明しすることにより、大きな構造変化がイオンチャネルの活性化に必要であることを示唆することができた。
著者
那須川 哲哉 金山 博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.73, pp.109-116, 2004-07-16
参考文献数
15
被引用文献数
12 5

組織・製品などに関して好不評を示す表現,及びそれが好評を示すか不評を示すかの極性を,文書データから教師なし学習で獲得する手法を示す.ある対象に関して評価を述べる内容を記述する際には,好評もしくは不評の意見を列挙することが多く,好不評の極性を反転させる際には「けれども」「しかし」といった接続表現で明示することが多い.本手法では,この『評価表現の文脈一貫性』を利用し,「満足する」「不満だ」などの種表現の周辺文脈から評価表現の候補とその極性を抽出し,各候補の文書データ全体における分布から評価表現としての妥当性を判定する.得られた評価表現を種表現に追加する操作を再帰的に実行することで,好不評の極性付きの語彙を,少数の種表現から自動構築することが可能になる.デジタルカメラと映画に関する掲示板のデータで実験したところ,各々の分野に特徴的な評価表現を高い精度で抽出することができた.This paper presents an unsupervised learning method to acquire sentiment expressions that indicate either favorable or unfavorable opinion toward a specific subject. Our approach is based on a characteristic of sentiments that multiple sentiment expressions often appear near each other in texts with the same polarity of favorability, unless the change is explicitly indicated by a clue term such as an adversative conjunction. By taking advantage of this characteristic, our unsupervised method extracts sentiment expressions and their polarities from a corpus starting from a very small set of seed expressions and analyzing their neighboring expressions in the corpus. In our experiment on discussion board messages about digital cameras and movies, we could acquire a good set of sentiment expressions relevant to each domain.
著者
畠山 力三 金子 俊郎 加藤 俊顕
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

シリコン基板上への高品質グラフェン直接合成法を開発することに成功した. 拡散プラズマを利用して, シリコン基板表面に薄膜状に堆積させたニッケル内部の炭素拡散を促進させることで, ニッケルとシリコン基板界面に高品質グラフェンを直接合成することを実現した. また, 同様の拡散プラズマを利用することで, グラフェンエッジのみに選択的に窒素原子をドーピングすることに成功した. これにより, グラフェンの電気伝導特性をp型からn型に自在に制御する手法を確立した
著者
金城 達也 寺林 暁良
出版者
北海道大学大学院文学研究科
雑誌
研究論集 (ISSN:13470132)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.469-489, 2012-12-26

本稿は徳之島における生業活動の組み合わせとその変遷を整理し,そのな かでのソテツの位置づけを明らかにすることを目的とした。 歴史的に見た場合,徳之島の生業は稲作を主体に成り立っていた。同時に サトウキビの生産も重要な位置にあり続けた。また,イモや野菜類は自家用 の作物として栽培され,食糧が十分に手に入らない時代には主食のひとつと して重宝されていた。しかしながら現在においては水稲作付は自家用を除い てほとんど営まれなくなった。 そのような状況のなか,徳之島ではソテツの広がる景観が残されてきた。 畑地などの空間にソテツが配置されてきた意味も,こうした生業複合のなか で位置づけられる。同時に,徳之島におけるソテツの意義は現在の利用のな かでも位置づけなおすことができる。 その結果,徳之島の人々が歴史的に複合的に生業を組み合わせることで生 活をなりたたせてきたことが明らかになった。そのうえで,現在の徳之島に おけるソテツ景観が人々の多様な生業活動の結果として形成されてきたこと を指摘し,二次的生業(Second major subsistence)としてのソテツの可能性 について議論した。
著者
島田 恵 正木 尚彦 池田 和子 木村 弘江 金子 千秋 眞野 惠子 兒玉 俊彦 郷 洋文
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

慢性肝炎患者調査から、患者の治療継続を支援するには“患者の考える”治療の必要性や生活上の制限を聞き取る必要があることが分かった。また、外来看護師調査からは、患者の相談対応技術や外来システム・連携に課題があることが分かった。そこで、アクティブ・ラーニング形式で外来看護システムについて学ぶ「外来看護師育成プログラム」を作成し、肝炎外来看護研修を実施した。受講者は「HIV/AIDS外来療養支援プロセス」を参考に自施設における外来看護システムを考案し、アクションプランを立案した。研修後のフォローアップ調査では、受講者10名中3名が達成率80%以上に到達しており、その看護師達は管理職経験者であった。
著者
金丸 直義 西関 隆夫 浅野 哲夫
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.27(1991-AL-026), pp.25-32, 1992-03-23

本報告では,与えられた凸m角形内部のすべての整数格子点を列挙するO(+m+log )時間のアルゴリズムを与える.ここでKは列挙された格子点の個数であり,nは凸m角形の大きさ,すなわちm角形を包含する軸平行な長方形の垂直,水平な辺のうち短い方の長さである.さらに,m個の制約式を持つ2変数整数計画問題を解くO( log m+log )時間のアルゴリズムを与える.ここでnは計画問題の許容解空間である凸多角形の大きさを表す.このアルゴリズムは従来知られているアルゴリズムより単純であり,時間計算量も改善している.
著者
金子 英世
出版者
慶應義塾大学藝文学会
雑誌
藝文研究 (ISSN:04351630)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.1-22, 1997-06 (Released:1997-00-00)

一 「寛和二年 内裏歌合」について二 「寛和元年 内裏歌合」について三 結び
著者
河村 祐一郎 金谷 誠一郎 小原 和弘 長久 吉雄 砂川 理三郎 松下 貴和 五味 隆 和田 康雄 大歳 雅洋
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.9, pp.2620-2627, 2009 (Released:2010-02-05)
参考文献数
12

当科では,低侵襲性と機能温存を期待して,早期胃癌に対し,腹腔鏡下自律神経温存D1+β郭清術を行ってきた.本稿では,特にその迷走神経腹腔枝温存の手技と臨床評価について報告する.2001年5月から2008年6月までに当院で施行した腹腔鏡下幽門側胃切除術(デルタ吻合によるB-I再建)150例のうち追跡調査可能であった129例(温存群:84例,非温存群:45例)の患者アンケートおよび内視鏡検査により評価した.結果,非温存群では,便の性状が軟便傾向となる率が高く(20.5%対44.4%),胃内容こみ上げも有意差を認めた(17.9%対33.3%).内視鏡検査所見では,胆汁逆流が非温存群で有意に高い結果(44.1%対62.2%)となった.今回の検討では,両群間で郭清程度,病期といった背景が異なるものの,迷走神経腹腔枝の温存によって,下痢,逆流症状といった,術後後遺症が軽減される可能性があると考えている.