著者
古島 終作 金井 理 高橋 秀智
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.969-974, 1993-06-05
被引用文献数
3 1

本研究の結論は以下のようにまとめられる.<BR>(1) 手書きの線画の位相情報と幾何情報をもとに, 1枚の線画中で左右対称な頂点と曲線の対応付けと, 2線画間で同一な頂点と曲線の対応付けを自動的に行う手法を提案した。<BR>(2) 2次元曲線と3次元曲線との透視変換の関係が明らかである有理Bézier曲線の性質を用いて, 左右対称又は2線画間で対応付けられた2次元曲線を表わす点列から, その点列と投影された曲線との距離が投影面上で最小になる3次元有理Bézier曲線を直接計算する手法を提案した.<BR>(3) (1), (2) の手法を統合し, 容易かっ高速に手書きの線画から3次元自由曲線モデルを生成できるシステムを開発し, 手法の有効性を確認した.<BR>なお, 本研究は東京工業大学工学部知能化機械研究設備を用いて行われた.
著者
金 大祐 高橋 裕樹 中嶋 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.57, pp.65-70, 2002-05-10

本報告では,デジタルカメラで撮影した画像中のハングル文字領域の抽出,認識を行う手法について検討を行う.ハングル文字の構造特徴を利用し,輪郭特徴と色特徴から段階的にハングルを構成する字素を抽出することによって,情景画像からハングル文字列を抽出する手法を提案する.輪郭画像からは,ハングルの字素の構造の単純さを利用して,テクスチャやノイズを多く含む領域を削除し,字素としての形状の簡単な条件を用いて字素輪郭候補の抽出を行う.次に,字素輪郭候補に対する外接矩形を探索領域とする局所的な画像情報を用いて,字素を構成する領域である字素領域候補の抽出を行った後,文字列が同一の色から構成されているという特徴を用いて,色空間でのクラスタリングとハングルの字素の配置パターンによって文字列領域の抽出を行う.さらに,ハングルの字素の構造特徴を用いて,対象パターンの端点,交点の数と位置から字素を認識する手法を提案する.任意の条件で撮影した画像100枚に対して,ハングル文字列を抽出した結果,85.97%の文字抽出率が得られた.また,ハングルを構成する字素が連結していない理想的なハングルを対象に.字素認識を行った結果,71.96%の認識率が得られた.
著者
金子 猛 磯部 潔 笠原 正男
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.46-50, 2003-01-01
参考文献数
9
被引用文献数
4

術前腹部CTで石灰化を伴う小腸腫瘤性病変を認め,開腹手術で小腸間膜に異所性膵組織を認めた1例を報告する.症例は54歳の男性.1996年9月25日より腹痛出現し,入院精査で小腸に石灰化を伴う腫瘤性病変をCTで認めた.保存的治療で腹痛軽快するが,2週間後のCTでも縮小した腫瘤性病変を小腸に認めた.小腸造影では異常所見を認めなかった.1996年11月7日,再び腹痛が出現し救急外来受診・CTでは前回と同様に小腸壁の肥厚と石灰化病変を認めた.開腹手術を施行し,トライツ靱帯より50cm直肛門側に,小腸に接する小腸間膜内に4cm大の腫瘤性病変を認めた・小腸とともに切除した.H.E染色および特殊染色において腺房.1組織,導管とランゲルハンス島を検索され,HeinrichI型の異所性膵組織と診断された.好酸球浸潤を認め,異所性膵組織が膵炎を引き起こしたものと考えられた.
著者
金子 敏幸
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.425-428, 2011-10-01

商用データベース,Espacenetなどを利用することにより,多くの国の情報が得られるようになっている。しかし,収録期間が充分でなかったり,得られる情報が少ないなどで各国の特許庁からより多くの情報を得たいことがある。その際に,どのようにすれば特許庁のWebサイトから欲しい情報を得られるかについて台湾特許局を例に紹介する。台湾特許局の検索システムは日米欧のそれに引けをとらない充実したシステムで,言葉の壁がなければ他では得られない多くの情報を得ることができるのでぜひ活用したい。
著者
牧平 清超 二川 浩樹 西村 春樹 西村 正宏 村田 比呂司 貞森 紳丞 石田 和寛 山城 啓文 金 辰 江草 宏 福島 整 浜田 泰三
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.403-411, 2001-06-10 (Released:2010-08-10)
参考文献数
22
被引用文献数
4 4

目的: 本研究は, 市販義歯安定剤の細胞活性への影響および炎症性サイトカインであるインターロイキン1βの発現誘導に及ぼす影響を検討した.方法: 細胞活性への影響はaqueous soluble tetrazolium/formazan assay (MTS法) を用いて, またインターロイキン1βの発現誘導はEnzyme-linked immunosorbent assay (EUSA法) を用いて評価した.結果: クリームタイプを中心とした義歯安定剤は, 強い細胞活性の減少を示した. 特に新ポリグリップ無添加が最も低い細胞生存率を示した. 一方, ポリデントを除くクッションタイプでは, 細胞活性に対する影響をほとんど認めなかった. 粉末タイプおよびシールタイプでは, これらの中間の作用を示した. これらの細胞に対する作用は, pHの影響ではなくむしろ義歯安定剤の成分に大きく依存していることが示唆された.また, 細胞活性に影響を与えない6製品でインターロイキン1βの発現を検討した結果, すべての製品で誘導を示さなかった. しかしながら, 歯科で使用される材料由来の環境ホルモンによる人体への影響が懸念されているなか, 今後さらに分子レベルにまで踏み込んだ検討が必要と思われる.結論: 義歯安定剤にはこれまで報告されている機能面での為害性や細胞生物学的な為害性も有している製品もあることから, その使用にあたって歯科医師の十分な管理が必要と考えられる.
著者
金谷 繁明
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

大脳皮質抑制性神経細胞は主に腹側終脳の基底核原基にて誕生し、接線方向移動(tangential migration)をして大脳皮質に到達する。基底核原基のうち、内側基底核原基(MGE)、尾側基底核原基(CGE)が大脳皮質抑制性神経細胞の主なソースであり、主にMGE細胞はLhx6、CGE細胞はCOUP-TFIIを発現する。近年、マウスモデルを用いた研究により、間脳の一部である視索前野(POa)からも抑制性神経細胞が由来することが報告されている(Gelman et al., 2009)。POaは遺伝子発現様式により背側POaと腹側POaに分けられるが、腹側POaに発現するDbx1転写因子に由来する抑制性神経細胞が、5層に由来する多くの抑制性神経細胞がDbx1由来であることが示され、それらは胎生11日目付近で産生されることが示された(Gelman et al., 2011)。しかしPOaに由来する大脳皮質抑制性神経細胞が移動中にどのような分子を発現し、どのような移動様式や移動メカニズムを取るかはほとんど知られていない。我々はMGEとCGEの両方のマーカーである(Lhx6、COUP-TFII)を発現する細胞群(M-CGE細胞)がPOaに由来していることを突き止めたことから、POa内でのM-CGE細胞の由来を詳細に解析した。局所遺伝子導入法にて腹側POaにのみ遺伝子導入をして腹側POa由来細胞を解析したところ、この領域から由来する細胞のほとんどがLhx6/COUP-TFII二重陽性であることを突き止めた。さらに背側POa由来の細胞ではLhx6/COUP-TFII二重陽性の割合が少ないことから、腹側POaがM-CGE細胞の主なソースと考えられた。
著者
奥川 雅之 金田 忠裕 大須賀 公一
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会 研究発表講演会講演論文集 第48回システム制御情報学会研究発表講演会
巻号頁・発行日
pp.207, 2004 (Released:2004-09-01)

本論文では,レスキュー活動をテーマにしたロボットコンテストと関連する啓発活動を含む「レスコンシーズ」の概要とその将来性について述べる.地域によっては主として発生する災害の種類が偏っている可能性がある.ロボットや競技場を小型なものとし,開催を容易にすれば,地域に密着した災害をテーマとして競技会そのものを提案することが可能になり,各地域でレスコンが開催され,レスキューロボットに対する認知が高められる.このような小規模かつ提案型ロボットコンテストやその一連の啓発活動に対して,各地にレスコンの種をまくことにちなんでレスキューロボットコンテストシーズ(以下,レスコンシーズ: ResCon-Seeds と略する)と呼ぶ.レスコンシーズは,競技会(フィールドやルール)そのものを主催者側が提案することによって,レスキューロボットに対する認知向上を目的とする.
著者
金沢 百枝
出版者
新潮社
雑誌
芸術新潮 (ISSN:04351657)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.80-91, 2011-07
著者
小阪 真二 片倉 浩理 金光 尚樹 水野 浩 和田 洋巳 人見 滋樹
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.44-48, 2000-01-15
被引用文献数
4 2

胸腺嚢踵の壁に胸腺腫を合併した希な症例を経験した.症例は28歳男性で, 健康診断にて胸部異常影を指摘された.胸部レントゲソ写真にて心陰影の左側に重なる腫瘤影を認め, 胸部CTにて前縦隔の嚢腫様陰影とその壁に一部充実性の腫瘤影を認めた.胸骨正中切開にて腫瘤を切除したところ多房性の胸腺嚢腫の壁に胸腺腫を合併していた.胸腺嚢腫に胸腺腫を合併した症例は本邦11例目の報告であった.前胸部の嚢腫で胸腺嚢腫が疑われる場合, 悪性腫瘍の合併, 嚢胞性胸腺腫なども考慮に入れ, 慎重に切除することが大切と考えられた.
著者
近藤 信太郎 金澤 英作 中山 光子
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.114, no.1, pp.63-73, 2006 (Released:2006-06-23)
参考文献数
78

ヒトの上顎大臼歯と第二乳臼歯に見られるカラベリー結節は最もよく知られた歯冠形質のひとつである。この形質に関しては様々な観点から多数の研究が行われてきた。本稿では最近の研究を紹介するとともに,この形質が歯の人類学に与えた多くの課題を3つのキーワード「分布」,「遺伝」,「系統と発生」にしたがって検証した。「分布」の項では形質の基準,集団間の違い,ヨーロッパ人にカラベリー結節が多く見られる理由を検討した。「遺伝」の項ではカラベリー結節の遺伝,左右側の非対称性,性染色体とカラベリー結節,性差について考察した。「系統と発生」の項ではカラベリー結節の系統発生と個体発生,カラベリー結節は大きい歯にみられるのか,に関して検討した。歯の内部構造の研究方法の開発や分子生物学的な研究によりカラベリー結節は多方面からより詳細に研究され,未解決の課題が解明されることであろう。
著者
近藤 信太郎 金澤 英作 中山 光子
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
Anthropological science. Japanese series : journal of the Anthropological Society of Nippon : 人類學雜誌 (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.114, no.1, pp.63-73, 2006-06-01
被引用文献数
2

ヒトの上顎大臼歯と第二乳臼歯に見られるカラベリー結節は最もよく知られた歯冠形質のひとつである。この形質に関しては様々な観点から多数の研究が行われてきた。本稿では最近の研究を紹介するとともに,この形質が歯の人類学に与えた多くの課題を3つのキーワード「分布」,「遺伝」,「系統と発生」にしたがって検証した。「分布」の項では形質の基準,集団間の違い,ヨーロッパ人にカラベリー結節が多く見られる理由を検討した。「遺伝」の項ではカラベリー結節の遺伝,左右側の非対称性,性染色体とカラベリー結節,性差について考察した。「系統と発生」の項ではカラベリー結節の系統発生と個体発生,カラベリー結節は大きい歯にみられるのか,に関して検討した。歯の内部構造の研究方法の開発や分子生物学的な研究によりカラベリー結節は多方面からより詳細に研究され,未解決の課題が解明されることであろう。<br>
著者
金川 克子 山岸 映子 田村 須賀子 西村 真実子 大木 秀一 杵淵 恵美子 伴 真由美 浅見 洋 曽根 志穂 梅山 直子 高窪 美智子 杉原 敏雄 田中 理 吉村 香代子
出版者
石川県公立大学法人 石川県立看護大学
雑誌
石川看護雑誌 (ISSN:13490664)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-9, 2007

石川県立看護大学はJICAの依頼のもとに,タジキスタン共和国の母子保健の向上に資する目的で,2005年から概ね3年間の予定で「母と子の健やか支援プロジェクト」の企画,運営を通して,支援活動に加わることになった.その一環として2005年10月から12月まで,タジキスタンより研修員6人を受け入れ,県内の他機関との協力のもとで,研修を実施した.本旨は研修プログラムの企画,内容,評価等の実施状況と,研修のありかたについての考察についての報告である.研修の目的はわが国における母子保健や公衆衛生活動の現状を理解するのみでなく,研修員がこれらの成果を生かして,自国での母子保健の改善や新しいプログラム開発に向けてのアクションプランを作成し,実践することが課せられている.われわれもその目的に向けての研修のあり方の工夫が必要である.(著者抄録)
著者
浜本 義彦 金岡 泰保 富田 真吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.76-83, 1994-01-25
参考文献数
21
被引用文献数
5

パターン認識における特徴抽出系の代表的な設計法の一つに判別分析がある.これは,フィッシャー評価関数を最大にする特徴軸を抽出するものである.しかし,判別分析は,mクラス問題ではm-1個の特徴軸しか得られない,という問題を含んでいる.パターン分布によっては,認識性能向上のために,追加特徴軸を必要とする場合があるが,判別分析ではこれに対処することができない.この特徴軸数の制約問題を解決する一手法として,正規直交判別ベクトル法が提案された.正規直交判別ベクトル法は判別分析より識別能力の高い特徴軸を抽出することが,計算機シミュレーションを通して実験的に示されている.しかしながら,これまで理論的な立場から正規直交判別ベクトル法と判別分析との比較は十分になされていない.本論文では,特徴軸の直交性という観点から判別分析との比較を通して,正規直交判別ベクトル法について理論的に検討する.
著者
兪 文偉 横井 浩史 汪 金芳 村田 淳 横井 浩史 汪 金芳 村田 淳
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は運動機能及び感覚機能代行における機能補助機器とその使用者間の動的協調の実現を目指すものである。研究期間中,機能補助機器を筋電義手に限定し,(a)様々な動的タスクにおける肩・アーム・手複合体の協調特性の計測や動的補助動作を実現するための使用者運動意図の識別方法の開発,(b)使用者への感覚提示方法の提案,(c)(a)と(b)の統合で,動的協調を実現するためのインタフェースの構築を行い,その有効性を検証した.