著者
谷野 賢二 鳴海 日出人 斎藤 二郎 本間 明宏 北原 繁志 黄金崎 清人
出版者
北海道東海大学
雑誌
北海道東海大学紀要. 理工学系 (ISSN:09162097)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.35-47, 1999-03-25

In Hokkaido ports on the Sea of Japan and along the Tsugaru Straits, which are along the course of the spawning migration of spear squids, Loligo bleekkeri, their eggs were found on breakwaters and other port structures. Therefore, research has been conducted on the spawning properties of spear squids and survival rates of eggs on breakwaters, as well as on related physical environment properties. On breakwaters and other structures, spear squids lay their egg capsules in cracks in vertical concrete walls of breakwaters and quays, as well as in the cavities of wave-dissipating works and armor blocks. In deep cavities created by wave-dissipating works and armor blocks, more eggs were found on blocks which were deeper in the cavities than the second row from the end of the slope. Since spawning grounds on reefs are not deep enough in many cases, the irradiance may be high at some parts to which egg capsules adhere. In highly illuminated spawning grounds, diatoms adhere to the surface of egg capsules and the survival rate decreases. In the port with little current, silt adheres to the surface of egg capsules and also decreases the survival rate. The cavities of wave-dissipating blocks, on the other hand, are washed by swift waves and the irradiance is low. There are no substance adhered to the surface of egg capsules and the survival rate is high.
著者
元木 章博 丸山 有紀子 金沢 みどり
出版者
Japan Society for Information and Media Studies
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.35-43, 2011

アメリカ合衆国における公共図書館の児童向けWeb版OPACについて,検索機能および利用者への応答や説明などの観点から,評価基準FREDに基づき現状を調査した.加えて,アメリカ合衆国の学校図書館Web版OPACの既存の調査結果との比較を行い,両者の差異について考察した.その結果,公共図書館の児童向けWeb版OPACは,学校図書館Web版OPACと比べて,Response(検索システムから児童への応答)に関しては優れているが,Diversity(検索システムの機能の多様性)に関しては劣っており,児童の発達段階に応じた多様な検索機能が充分に備わっているとは言えないことが明らかになった.さらに,Web版OPACのキーワード検索や件名検索の機能については,公共図書館の児童向けWeb版OPACおよび学校図書館Web版OPACの両方で,Web版OPACに不慣れな児童を支援するのに充分な機能が備わっているとは言えず,児童の情報活用能力の育成支援の観点から,今後の改善が必要である.
著者
門間 英毅 金澤 孝文
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:18842127)
巻号頁・発行日
vol.84, no.968, pp.53-57, 1976-04-01
被引用文献数
50 102

α-燐酸カルシウムの水和反応が塩基性液中, 100℃以下で生じることを見出した. 反応は温度およびpH低下とともに遅くなり, 室温およびpH約5以下ではほとんど進行しなかった. 水和反応生成物は硬化体として得られた. 十分に水和させた生成物は, Ca/Pモル比=1.5のカルシウム欠損水酸アパタイトであると同定された. このアパタイト中には水分子, OH<sup>-</sup>およびHPO<sub>4</sub><sup>2-</sup>のHとして約4.7%の水成分が含まれていた. アパタイト構造は700℃までの加熱によって全含有水分の約75%を揮発させても安定であった. このときHPO<sub>4</sub><sup>2-</sup>の消滅とP<sub>2</sub>O<sub>7</sub><sup>4-</sup>の生成とが確認された. 残りの水分は, OH<sup>-</sup>の除去とβ-燐酸カルシウムの生成とを伴って, 755℃で急激に放出された. アパタイト-燐酸カルシウム分解反応の見掛け活性化エネルギーは65kcal/molであった.
著者
リンガラ シャシャンク トマル アビセク ポカレル ラメシュ 金谷 晴一 吉田 啓二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.14, pp.45-49, 2010-04-16

This paper presents the design of a single-ended quadrature voltage controlled ring oscillator with the improved figure of merit (FOM). It exhibits a frequency tuning range of 1.23GHz to 4.17GHz with coarse and fine steps. The design is realized in 0.18μm CMOS and the measurement results obtained show a FOM of-163.8dBc/Hz at centre frequency 3.62GHz with phase noise of -125.8dBc/Hz at 4MHz offset from the centre frequency. Also a new topology to prevent latch-up in single ended ring oscillators is proposed.
著者
市橋 正一 福井 博一 金 勲
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.403-407, 2006 (Released:2006-12-27)
参考文献数
13

ミズゴケで栽培したドリテノプシスの乾物重と成分含有率に及ぼす培養液のイオン組成の影響について検討した.茎葉,根,花序などの乾物重と乾物割合は,処理区間での差は比較的少なかった.しかし,K+濃度の増加は茎葉の乾物重の増加に,Ca2+濃度の増加は減少につながった.乾物率は器官間での違いが大きく,茎葉部では6.4~7.4%であったのに対し,根部は8.5~10.4%,花序部では7.0~8.4%となった.各成分の含有率は培養液中の特定のイオン比率が上昇すれば同種元素含有率は増加したが,陽イオンあるいは陰イオン群内の他種のイオンの吸収は抑制された.本実験の陽イオン処理区では茎葉のCa含有率,花序のP含有率に違いが見られた.また,陰イオン処理区では根のP,Ca含有率,花序のN,Ca含有率に違いが見られた.これは,各イオンの吸収と移動が,培養液組成によって影響を受けたことによるものと考えられた.K+はH2PO4−の吸収・転流を阻害し,NO3−はCa2+の吸収を促進したが,その機作については不明であった.
著者
山崎 俊太郎 持丸 正明 金出 武雄
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.4_126-4_136, 2011-10-25 (Released:2011-11-30)

画像ベースレンダリング法を用いて,Webブラウザ上で自由視点画像を合成するシステムを提案する.本システムは,クラウド環境で動作する光線空間モデリングと,Webブラウザ上で動作する自由視点画像レンダリングのソフトウェアで構成される.モデリングには,画像特徴を利用したStructure from Motion法を用い,未校正の画像集合から,自動で光線空間を復元する.レンダリングには,透視変換の近似アルゴリズムを用い,Webブラウザ上で対話的な速度で画像を合成する.我々の手法は,3次元の形状モデルを必要とする既存のWeb3D技術に対して,(1)表示対象の形状モデル復元が不要,(2)合成画像が写実的,(3)標準的な計算機環境で利用可能,という利点がある.作成したモデルは,標準的なHTMLの形式で配布可能であり,単独のコンテンツとして閲覧するほか,既存のWebサイトへ埋め込んで利用できる.これにより,今まで静止画を利用していた様々なWebアプリケーションに,対話的な3Dグラフィクスの機能を追加できる.
著者
菅 伸二 本多 庸悟 金子 俊一 望月 亮 百鬼 史訓
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.173-174, 1994-09-20

人間型の脚機構を持つロボットに高速立上がり、跳躍といった瞬発的な動作を行わせるための制御方法について考察する。従来、跳躍などを行うロボットはそれ専用の特別な機構を用いているが、本研究では人間型の脚ロボットを研究対象とする事を特色とする。
著者
古橋 良一 小林 正彦 金子 美博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.453, pp.153-157, 2009-02-23

卒業論文や修士論文など,審査員を伴う論文発表を幾つかの会場で並行して行う場合,同一の審査員が担当する発表が重ならないようにする,同一の研究室は連続して発表する,審査員の会場移動は最小限にするなど,様々な条件のもとで発表プログラムを作らなければならない.我々はこれまでこのようなプログラムを自動作成するためのソフトウェア「江戸っ子」を開発してきた.江戸っ子のアルゴリズムは,各会場での発表件数を均等にすることから始めて,それらの条件を満たすように設計されている.しかし,そのような均等性や連続性を同時に満たさないような事例に今回遭遇した.この事例に対処するためには,これまでのアルゴリズムを改良して,「江戸っ子」をバージョンアップする必要がある.本稿ではこれについて報告する.
著者
金 壯一 新田 直子 馬場口 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.467, pp.335-340, 2011-03-03

映像編集において,映像ショット列に対する音楽のミキシングは,質の高い編集映像を生成する上で,重要な行程の一つである.映像ショット列に対する音楽ミキシングにおけるプロセスに,1)映像ショット列の動画の印象に適合する音楽の選択,2)映像ショット列中の各ショットに対する適切な音量調整,の2つが挙げられる.本稿では,事例映像における動画と音楽の特徴間の相関関係に基づいた音楽選択,音響の特徴パターンに基づいた音量調整による,映像ショット列に対する音楽ミキシング手法を提案し,事例として映画予告映像を用いた実験により各プロセスによる編集映像の質の向上を確認した.
著者
金丸 学 古屋 義博 渡邊 恒子
出版者
山梨大学
雑誌
教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:13454161)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.23-32, 2001

学校で児童達は,授業環境との相互作用の中で学習を進める。知的障害養護学校に在籍する児童の実態は多様である。教師が予測しない行為を児童が授業の中で示すことがある。この原因を児童に帰属させず,「授業への参加を促すためのアフォーダンスを教師が授業環境に適切に配置できなかった」という視点を我々は持つことにした。この視点から授業(全6回)を計画・実施し,分析した。結果,教師が配置したアフォーダンスと児童が知覚したアフォーダンスとはしばしば一致しないこと,各児童が知覚するアフォーダンスはそれぞれ異なる可能性が高いこと,それらの不一致は教師の工夫により小さくできることなどを確かめた。以上より,知的障害養護学校においてより良い授業づくりをするための一助として,アフォーダンスという理論的枠組みから検討する意義を認めた。
著者
白坂 成功 石橋 金徳 中須賀 真一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
スペース・エンジニアリング・コンファレンス講演論文集 : Space Engineering Conference (ISSN:09189238)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.19, pp."F4-1"-"F4-4", 2011-01-27

Under the current development of mid-to-large size satellites, the high reliability is mandatory to avoid failures and their development cost increases enormously to achieve the high reliability. On the other hand, several universities develop and launch nano-satellites with low cost for the purpose of education from around 2000. To generate new market for satellite utilization, low cost and fast development are key points. The balance of cost and reliability is one of the very important points to realize the markets. The theoretical research toward the balance of cost and reliability is being conducted through the governmental first program "New Space Development and Utilization Paradigm by Nano-satellites Introducing Japan-oriented Reasonable Reliable Systems Engineering". This paper presents the concept of the way to realize the reasonably reliable systems engineering. Current reliability is based on the assumption that there is no miss-design and it only depends on the random failure of parts. However, many of real on-orbit failures were caused by design errors. We propose the new reliability which includes design error and the definition of the reasonably reliable Systems Engineering. The realization concept consists of re-use of design, reduction of complexity, functional redundancy and simple organization to develop nano-satellites.
著者
金澤 貴俊 間 博人 高汐 一紀 徳田 英幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.399, pp.123-128, 2009-01-15

近年,無線センサネットワークに関する研究が盛んである.この中で,無線センサネットワークを用いたアプリケーション構築におけるセンサノードの更新,及びメンテナンスに要するコストの高さが大きな問題となっている.このような課題に対する解決として,ノードのアプリケーションを動的に変更可能なセンサノードの動的更新機構が注目されている.一方,無線センサネットワークにおいて,ルーティングプロトコルはセンサネットワークのアプリケーションの多様な要求と密接に関係する.しかし,既存のセンサノードの動的更新機構は複数のアプリケーションをネットワーク上で動作させることによるネットワークの拡張性を目的としていたため,無線センサネットワークのアプリケーション以外の要素を変更することは想定されていない.本論文では,センサノードの動的更新機構上でのアプリケーションの変更に応じて最適なルーティングプロトコルを提供する機構,AFRo(An Adaptive Framework for WSN Routing)を提供する.AFRoを用いることにより,センサノードのアプリケーションの更新に際して最適なルーティングプロトコルが選択され,アプリケーション性能の最適化,またネットワーク資源の効率的な利用が達成される.
著者
金寺 登 荒井 隆行 岡田 賢治 浅井 健司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.155, pp.67-72, 2003-06-20

音声特微量の時間軌跡をフーリェ変換したものは変調スペクトルと呼ばれ,音声の認識には特定の変調スペクトルが重要であることが知られている.本報告ではよ音声認識にとって変調スペクトルの各成分がどの程度重要であるかを示す貢献度に応じて変調スペクトルを強調した音声認識特微量を提案する.自動音声認識実験の結果,提案した特微量は,雑音環境下において音声認識性能が約5%改善されることを確認した.
著者
金寺 登 Hynek Hermansky 荒井 隆行 船田 哲男
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.120, pp.15-22, 1997-12-11

CMS法や動的特徴は変調周波数特性を操作することにより音声認識性能が向上することが知られているが、どの変調周波数がどの程度重要であるのかという定量的な検討は行われていない。そこで本研究では、様々な変調周波数特性を持った入力に対し、音声認識性能の違いを種々の雑音環境、認識方式、特徴量のもとで調べた。その結果、以下のことが分かった: ) 言語情報のほとんどが1?16 Hzの変調周波数帯域に存在し、その中でも4 Hz付近が最も重要である。) 変調スペクトルにおいては位相情報も重要である。) 4 Hz付近の変調周波数を含む特徴量を用いることで動的特徴量と同等以上の結果が得られる。) 適切な中心周波数と帝域幅をもつ複数のサブバンドを変調周波数上で用いることにより、認識性能がさらに向上する。We report on the effect of band-pass filtering of the time trajectories of spectral envelopes on speech recognition. Several types of recognizers, several types of features, and several types of filters are studied. Results indicate the relative importance of different components of the modulation spectrum of speech for ASR. General conclusions are: (1) most of the useful linguistic information is in modulation frequency components from the range between 1 and 16 Hz, with the dominant component at around 4 Hz, (2) it is important to preserve the phase information in modulation frequency domain, (3) The features which include components at around 4 Hz in modulation spectrum outperform the conventional delta features, (4) The features which represent the several modulation frequency bands with appropriate center frequency and band width increase recognition performance.
著者
浜口 斉周 道家 守 金子 浩之 井上 誠喜
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.215, pp.95-98, 2008-09-18

TVML(TV program Making Language)とTVML Playerのインタラクティブ再生機能を用いて,キーボードでCG(コンピュータグラフィックス)キャラクタをリアルタイム動作させる"アドリブシステム"を開発した.アドリブシステムはリアルタイムで制御されるため,番組出演者と臨機応変に掛け合いをさせることができる.また,スクリプトベースなので制作現場で直接動作・演出を編集・加工することができる.さらに,声優の声を入力としてリアルタイムにCGキャラクタのリップシンクが可能である.ノートパソコン1台で動作するためコンパクトで,番組制作現場で使いやすいシステムとなっている.
著者
小金山 美賀 長尾 年恭 城和貴
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.42, no.14, pp.124-133, 2001-12-15
被引用文献数
8

短期地震予知の手法として,近年,VAN 法という観測方法で採取された地電流データから地震前兆シグナルを検出し,短期的な地震予知を行う方法が注目されている.しかし,我が国では,地電流データ中の多くを占める電車ノイズの影響で,地電流データから地震前兆シグナルを検出することが困難になっている.そこで,我々は,ニューラルネットを利用して,地電流データから地震前兆シグナルを自動的に検出し,実用的かつ信頼性の高い短期地震予知を行う研究に着手している.本論文では,その第1 ステップとして,地震前兆シグナルを検出する際に問題となっている電車ノイズを除去するニューラルネットの構築法とその評価について報告する.The method of detecting seismic electric signals (SESs)in telluric current data (TCD) observed by the VAN method has attracted notice recently as a method for short-term earthquake prediction.However,since most of the TCD collected in Japan is affected by train noise,detecting SESs in TCD itself is considered as an extremely arduous job.The goal of this research is to obtain a practicable and reliable method for short-term earthquake prediction by detecting SESs in TCD using neural networks automatically.In this paper,we describe the method of constructing neural networks to reduce train noise from TCD,which is considered as the main problem for the effective use of the VAN method in Japan,and validate the method by experiment.