著者
金久保 利之 米丸 啓介 福山 洋
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.62, no.492, pp.99-106, 1997
被引用文献数
9 5

The relationship between local bond splitting behavior and average ones in reinforced concrete members has not been clear, yet. As the first step to make clear this problem, local bond behavior in case of no lateral reinforcement is discussed based on the study by Tepfers. In this study, bond stress, τ_b, is provided as the function of internal crack depth, rt, and angle between the principal bond stress and the axis of the reinforcement, α. The bond splitting test is carried out using new-designed specimens. Test results show that the value of α is assumed to be 34 degrees, and r_i has a proportional relationship with slippage of reinforcement, s. Using these results, a new relationship between τ_b and s is proposed.
著者
金 煕恩 登倉 尋實
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.241-247, 1995-03-15
被引用文献数
1

本実験の目的は女性被験者が1日の異なる時間帯に温暖な環境にさらされたとき,衣服の脱衣行動は異なるのかを調べることである.人工気候室の温度が15℃から30℃まで1時間かけて上昇するとき,被験者は常に自分が快適になるように衣服を調節することを前もって指示されていた.環境温上昇時,午前より午後の方がもっと早く,そしてたくさんの服を脱ぐという結果が得られた.このことは体温調節のための脱衣行動がサーカディアンリズムの影響を受けることを示している.深部温のセットポイントは実際の深部温より先行していると考えられていることから,午前は実際値より上に,午後は下にセットポイント値があることが考えられる.これらを考慮し,本実験の結果を体温のセットポイントと実際値のあいだの負荷誤差の立場で考察する.
著者
金子 尚嗣 恩村 芳樹 平野 順治 菅野 理 川村 俊三
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.732-736, 1989-05-20

症例は29歳,女性.昭和52年頃より徐々にCushing症候群の症状が出現してきた.昭和55年9月に当院に紹介入院し,両側副腎腺腫によるCushing症候群の診断で,二期分割手術を予定し12月22日に右副腎摘除術を施行した.右副腎には径1.8cmの黒色結節と多数の黒色小結節を認め,病理組織診断はprimary adrenocortical nodular dysplasiaであった.術後ステロイドの補充を行わなかったが,副腎不全症状はみとめられたかった.しかし,3カ月後に副腎不全症状が出現し,以後4カ月間デキサメサゾンを投与した.その後Cushing症候群の症状なく経過していたが,昭和61年11月には再びCushing症候群の症状が明かとなり,昭和62年6月1日に左副腎摘除術を施行し,左副腎に右側と同様の所見を認めた.本症例の様な経過を示した結節性過形成例の報告はなく極めて稀と考えられる.また,本症例での血中ACTHとcortisolの変動にはACTHが必ずしも完全に抑制されていない時があること,また結節よりの自律分泌にも変動があると推測されることなどから下垂体と副腎の二元支配が疑われた.
著者
船曳 和彦 岡崎 圭子 仲本 宙高 有賀 誠記 相澤 昌史 金子 松五 蒔田 雄一郎 堀越 哲 富野 康日己
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.318-323, 2008-09

目的:順天堂東京江東高齢者医療センターは2002年6月1日に開院し,質と安全度の高い先端的な高齢者医療を提供してきた.開院後5年間における血液浄化室にて施行した血液透析患者について解析し,今後の高齢者に対する透析療法に活かすため,わが国全体の慢性透析療法の現況と比較検討した.対象・方法:2002年6月より2007年5月までの5年間に,当センター血液浄化室にて透析療法を施行された慢性維持血液透析入院患者および維持血液透析療法に導入された入院患者計431名(男性265名,女性166名)を対象とした.対象患者を1年毎に性別,平均年齢,新規血液透析導入患者数を統計学的に評価するとともに,新規血液透析導入患者の原疾患および入院中の死亡原因について調査し,日本透析医学会の統計調査と比較検討を行った.結果:毎年透析患者数は増加傾向で開業時と比較して直近で約3倍となっていた.5年間の平均年齢は,70.8歳(男性69.4歳,女性73.4歳)であった.また,5年間で計89名(男性61名,女性28名)が新規導入され,平均年齢は71.6歳(男性66.7歳,女性76.4歳)であった.患者の原疾患は,糖尿病性腎症46名(51.7%),腎硬化症17名(19.1%),慢性糸球体腎炎7名(7.9%)であった.当センター入院中に46名が死亡し,原因として感染症が最も多く(14名),死亡患者全体の30.4%を占めていた.悪液質/尿毒症により死亡した5名の入院時平均血清アルブミン値は,24g/dlと低下していた.結論:当センター血液浄化室にて透析療法を施行された患者は増加傾向であり,2006年6月からの1年間では平均年齢73.6歳と全国と比較して7.2歳高齢であった.原疾患も糖尿病性腎症が半数以上を占め,急速進行性糸球体腎炎の比率も高いことは高齢化に起因すると思われる.死亡原因としては感染症が最も多く,患者の高齢化や糖尿病患者の割合が多く免疫不全により誤嚥性肺炎や敗血症に罹患しやすいためと考えられた.悪液質/尿毒症による死亡者は全例が高齢で長期透析患者であり,低アルブミン血症を伴っていたことから当センター入院中の高齢長期透析患者に対する適切な栄養管理および透析効率の確保が一層必要と思われる.
著者
宮上 順志 松橋 一雄 金沢 元美 矢内原 巧 中山 徹也
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.19-26, 1980-01-01

胎生期における胎児消化管生理解明の一助として、消化管ホルモンであるセクレチンを取り上げ,妊娠月数による母体血セクレチン値の推移像,胎児血中濃度と母体血との比較,胎児消化管組織申に於けるセクレチン含量の部位による相異を検した.併せてガストリン濃度についても同様の検討を行なった.I測定方法;1)血中セクレチン値はYanaihara et alの方法(1976)^<20>)によるRIA法,ガストリン値はGastrin-RIAkit(ダイナホット杜)により測定した.2)妊娠5カ月,6カ月中絶例につき胎児組織並びに胎盤組織申のセクレチン及びガストリンはWaterboiling法にて抽出,Sephadex G-25 Columnにてゲル濾過,凍結乾燥後に前記RIA法により測定した.II実験成績1)妊婦血中値 非妊婦・男子を対照としての妊婦124例についての成績では,妊娠により血中セクレチン値は増量し,妊娠末期に最高値248±150pg/mlに達する.ガストリン値は妊娠による変化はみられず平均65.4±36pg/mIであった.2)胎児血中値(i)セクレチン値は膀帯動脈血(UA)と騰帯静脈血(UV)中はそれぞれ460±166pg/ml,424±126pg/mlで胎児血は母体血(分娩時)の値307±158pg/mlに比し有意に高値を示した(p<0.05).(ii)ガストリン値はUA・Uv中でそれぞれ101±63pg/ml,91±38pg/mlで母体血(分晩時)の値67±22pg/mlに比しセクレチンと同様胎児血で有意に高値を示した(P<0.05).3)胎児組織中 immunoreactive Secretinは5カ月では小腸,6カ月では十二指腸に多量に存在し,消化管以外の大脳皮質中にも大量のセクレチンが検出された.immunoreactive Gastrinは胎児でも幽門部から十二指腸にかけて高濃度に存在した.
著者
秦野 康生 関根 泰樹 金子 敏信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.71, pp.5-12, 2002-05-15

Camelliaは2000年にNTTと三菱電機によって開発された128ビットブロック暗号である。256ビット鍵のCamelliaに対しては、FL関数の無い場合であれば高階差分攻撃を用いることによって10段の攻撃が可能であり、FL関数の有る場合でもSquare攻撃を用いることによって9段の攻撃が可能であることが示されている。本稿では、16階差分によるCamelliaの高階差分攻撃について述べ、256ビット鍵のCamelliaに対して、FL関数の無い場合には11段の攻撃が可能であることを示す。また、本攻撃を選択暗号文攻撃の立場で使用した場合、FL関数の有る場合でも11段の攻撃が可能であることを示す。
著者
川端 健 大垣 康博 金子 敏信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.47, pp.55-62, 2001-05-10
被引用文献数
1

暗号アルゴリズムCamelliaは、NTTと三菱電機が共同開発したブロック暗号である。高階差分攻撃法は選択平文攻撃一つであり、GF(2)^n上の非線形関数に関する高階差分法を利用した攻撃法である。筆者らはE2に対し、平文を適切に選ぶことによる1階差分攻撃を示している。本研究ではその手法を8階差分に拡張しFL及びFL^<-1>を除いたCamelliaに適用した。6段Camelliaでは2^<12>組の平文,2^<22>のF関数計算量で解読が向可能である。計算機実験の結果、Pentium III 500MHzを用いて約10分程度の計算量である。また、この攻撃こ対し、n段消去型攻撃を適用するならば、鍵の全数探索2^<256>より少ないの暗号化計算量で10段まで攻撃可能であると推定できる。
著者
宮崎 誠也 申 金紅 青木 輝勝 安田 浩
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.966-973, 2004-07-01
被引用文献数
8 1

Many attempts have been made to reduce the burden and difficulty of CG (Computer Graphics) in movie production. One of the biggest evolutions is an automatic control approach driven by commands or language, instead of traditional CG production. In this paper, we propose methods and tools for automatic and directorial camera control that are invoked by a text script. This approach is based on the knowledge base of cinematographic rules and movie analysis imformation. We suggest considering directorial differences and optimal constraint satisfaction for adjusting CG camera work. An algorithm is implemented and checked in the DMP (Digital Movie Producer) system that aims at visualizing scripts written in simple natural language.
著者
金谷健一 菅谷 保之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.31, pp.25-32, 2007-03-19
被引用文献数
9

線形化可能な制約付き最尤推定のための拡張 FNS 法を提案する。これは Chojnacki らの CFNS法に変わる方法である。内部拘束の個数は任意であり、Chojnacki らの FNS 法の真の拡張になっている。基礎行列の計算を例にとり、シミュレーションによって精度を理論限界(KCR 下界)と比較して、CFNS 法は必ずしも正しい解に収束しないが、拡張 FNS 法は常に最適解に収束することを示す。We present a new method, called "EFNS" ("extended FNS"), for linearizable constrained maximum likelihood estimation. This complements the CFNS of Chojnacki et al. and is a true extension of the FNS of Chojnacki et al. to an arbitrary number of intrinsic constraints. Computing the fundamental matrix as an illustration, we demonstrate that CFNS does not necessarily converge to an correct solution, while EFNS converges to an optimal value which nearly satisfies the theoretical accuracy bound (KCR lower bound).
著者
金山 茂雄
出版者
拓殖大学
雑誌
拓殖大学経営経理研究 (ISSN:13490281)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.65-94, 2007-12

インターネット,電子メール,携帯電話などの開発については日本企業のソフトウェア開発が旧態の開発手法で行われてきたため,現在その開発スピードについて行けないのが現状である。21世紀に入り大企業の経営者は皆「ITシフト」と言っていた。しかし,先進的技術がいつも社会に受け入れられてきたわけではない。企業グループ化の現れは企業を中心とした経済社会にとって重要であり,グループの本質や目的・方針など今日のような科学・技術革新のスピードが速い状況化でどのように変革を遂げていくのか興味深いものがある。すなわち,環境の変化による企業グループの戦略的対応の仕方が重要になり,さらに製造企業にとって生産を行うための技術展開が戦略上重要になるからである。つまり,経営者の理念精神は企業の事業活動に強いインパクトを与え,経営者の固有の価値観とそれに基づいた企業風土が企業の戦略の創出などに大きく貢献している。企業の新しい事業展開が第三者から観て,新しいビジネスになりそうな場合,仮にならなくても新ビジネスに繋がるものであれば,投資家はその企業に投資しはじめ株式時価総額が増え,企業価値が増し,その評価も上がる。「インターネットの勝ち組」だけではなく,「企業全体の勝ち組」へと好転するのである。共通する点は,関連の企業経営においてスピード経営が「時代の変化を読み取る」「素早い対応」を行うことであり,企業の価値評価を上げていることである。したがって,時代の変化に適応した企業経営は時価総額を上げた企業が「経営やビジネスモデル」として評価でき,企業価値を高め,成功した企業(勝ち組み)への一事例として参考にすべきであり,低迷している企業が一気に飛躍するチャンスも秘あていると考える。そのためには,企業の成長戦略モデルとしてなにが重要で大切かを知ることが必要であり,情報化社会や情報社会ではコンピュータなどITと企業にとって重要かつ大切な経営資源,競争力向上のための企業体質等の強化が必要である。つまり,一つの事業から他事業への相乗効果も考えることでもある。新しい技術を活用した製品,サービスを生み出すためには新技術創出とそれを活用した製品とサービス,製造,販売について研究開発もまた必要である。経営資源を最大限活用することで新技術の創出を生み出し,IT活用型社会からIT社会,つまり「情報社会」の形成に至ったとき,企業の成長が社会にとって大切な組織・集団であると再認識し,その評価と価値が高まるのである。
著者
岸部 幹 吉野 和美 和田 哲治 金井 直樹 原渕 保明
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.99, no.9, pp.795-800, 2006-09-01
被引用文献数
2

著者版17歳男、前胸部痛、呼吸困難感を主訴とした。40〜60本/日の喫煙習慣があった。身長166cm、BMI 17.4であり、右側頸部に握雪感を伴う皮下気腫を認めた。胸部単純X線にて右鎖骨上窩の皮下気腫像を、頸・胸部CTにて右咽頭外側面〜胸鎖乳突筋裏面〜気管分岐部に気腫像を認めた。予防的にセフォペラゾンナトリウム:スルパクタムナトリウム合剤を開始したところ、前頸部から胸部の痛みは発症後2日で消失し、皮下気腫像は発症後6日目に消失した。食道造影、気管支ファイバーで異常はなく、特発性縦隔気腫と診断した。退院後43日目、誘引なく左頸部疼痛と呼吸困難感を認め、咳が多かった。CTにて左頸動脈間隙から胸鎖乳突筋裏面、鎖骨上窩、胸骨裏面、気管分岐部周囲、腹部大動脈周囲に気腫を認めた。後頸部から硬膜外ブピバカイン持続注入を開始したところ、翌日には疼痛、咳が消失した。また、セフォペラゾンナトリウム:スルパクタムナトリウムを7日間点滴した。気腫は消失し、禁煙を勧めて退院となった。以後、再発は認めなかった。
著者
金光 永煥 中里 秀則 星合 隆成 浦野 義頼
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DC, ディペンダブルコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.15, pp.7-12, 2008-04-16

分散環境でタスクを効率よく実行する場合,タスクの実行時間と通信遅延を考慮して実行粒度を調整することが重要である.これまで我々は,タスク実行粒度調整のためにDAGの最大経路長の増加を抑え,かつ通信遅延を抑えるために各マシンでの実行サイズに下限値を設ける,という特徴を持つ「タスクマージ」を提案した.ところがタスクマージでは各タスクの通信と実行の同期がとられ,応答時間の短縮にはつながりにくいという問題がある.そこで,実行と通信の同期を行わずにタスク同士をまとめる「タスククラスタリング」によって,応答時間を短縮することを検討した.本稿では,このような粒度調整を目的としたタスククラスタリングを行う最に必要となる基準を考察した.