著者
飯田 孝 神崎 政子 仲真 晶子 小久保 彌太郎 丸山 務 金内 長司
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.1341-1343, s・v, 1998-12
被引用文献数
12 55

ヒト, 動物, 食品, 合計31, 127検体におけるL.monocytogenesの検出率はリステリア疾患者100%(39/39), 健康人1.3%(38/2, 970)であり, 動物ではネズミが最も高く6.5%(13/199)であった.市販食品は枝肉より高い汚染率であった.チーズ, 魚介類および魚介類加工品における検出率は市販食肉に比べて低かったが, これらの食品から分離した菌の血清型は, 患者から多く分離される1/2a, 1/2b, 4bの3血清型が96.7%(29/30), 90.0%(9/10), 100%(13/13)と高い割合であった.
著者
青木 公也 金子 豊久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.72-83, 2003-01-01
被引用文献数
6

本研究では人間と共存するロボット(福祉・ホームロボット)の外界認識システムに焦点を当て,その導入研究として距離情報とカラー情報を利用した3次元物体の検出について検討を行った.ステレオビジョンが任意に移動していく過程で蓄積されていく外界情報を利用し,指定された物体の位置・姿勢を検出するアルゴリズムを提案する.3次元モデルベーストマッチングに改良した遺伝的アルゴリズム(GA)を適用する.視点移動は GA に動的環境をもたらすと考え,多峰性問題と評価関数の変化に対応するために「種族」と「競争的共存」の概念の導入を図った.また,ロバストなマッチングを行うために3次元モフォロジー演算を利用した評価空間の生成手法を提案した.距離画像の各画素に距離データだけでなく,HSV カラー情報を付加することによって形状情報とテクスチャ情報を同時に評価する手法も提案する.最後に提案手法についてシミュレーション及び実画像での実験を行いアルゴリズムの有効性を示す.本アルゴリズムは探索対象とする物体形状の複雑さに柔軟に対応できること,センサによる距離情報取得の際の外乱に対してロバストであるという特長をもつ.
著者
鈴木 誠一 金浜 耕基
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.97-101, 2002-06-15
被引用文献数
2 2

シンテッポウユリを種子親, ヒメサユリを花粉親とした交雑で育成されたユリの新品種'杜の乙女', '杜の精', '杜のロマン'の花芽分化と休眠覚醒の時期について調べた.無加温パイプハウス内で栽培した場合, 新球根の形成時期は三品種とも親球根の開花直前であった.供試した三品種とも, 花芽の分化はヒメサユリと同様に萌芽前の新球根内で開始したが, 花芽の分化開始時期は11月1日頃で, ヒメサユリよりも遅かった.供試した三品種の新球根からの萌芽時期はいずれも12月1日頃で, ヒメサユリよりも早かった.供試した三品種には, 萌芽前の新球根内で花芽が分化するというヒメサユリの特性と休眠が浅いというシンテッポウユリの特性が導入されていた.新球根を掘り上げて昼温20℃/夜温16℃で育てると, 7月3日までに掘り上げた場合に花芽は分化しなかったが, 8月1日以降に掘り上げた場合は花芽を分化した.新球根の休眠は浅く, 11月1日以降には三品種とも萌芽した.
著者
原 裕一 金川 明弘 山内 仁 高橋 浩光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.344, pp.11-16, 2006-11-06

GPにおける島モデルの研究は遺伝的アルゴリズム(GA)に比べてその報告数は少なく,また過去の研究よりその効果はGAより良好な結果ではないことが示されている.本報告ではGPの探索の性質に沿ってGP独自の島モデルとして異文化型島モデルを提案しその有効性をいくつかの問題に対して適用することで実験的に示す.
著者
橋本 一也 金子 善則 高倉 規彰 中島 隆
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.331-332, 1996-09-04

近年、マイコン組み込みシステムにおいて、プログラミングの容易さや並列処理による効率化のために、リアルタイムOS(以下OS)を用いることが多くなってきている。これに伴い、OS上のタスクを効率よくデバッグできるタスク・デバッガが開発されてきた。従来、タスク・デバッガは、モニタやデバッグ用のタスクで実現されていたが、これらの方式では、ユーザによる組み込み作業が必要であることに加えて、メモリの制約を受けるという欠点があった。特にメモリ容量の小さなマイクロコントローラを利用するとき、この制約により、タスク・デバッガを実現するのは困難な場合が多い。そのため、一般的にデバッグ装置として利用されているインサーキット・エミュレータ(以下IE)上でタスク・デバッガを実現することが望ましい。一方、デバッグを行なうターゲット・システムが自動車のエンジン制御やモータ制御などのリアルタイム制御装置である場合に、ターゲット・システムのソフトウェアが停止してしまうと装置を破損してしまう恐れがあるが、リアルタイム応答性を保証することによって装置の破壊を回避することが可能になる。上記理由により、ターゲット・システムのソフトウェアのリアルタイム応答性を損なわずデバッグ可能とすることがタスク・デバッガの重要な機能として要求されている。本論文では、このタスク・デバッガの実現にあたっての必要機能を洗い出し、その実現方式について考察する。
著者
渡辺 正敏 旭 博史 石田 薫 阿部 正 近藤 宗廉 小川 将 天野 一之 斉藤 功 金 直樹 中村 隆二 西成 尚人 森 昌造
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.18, no.8, pp.1753-1757, 1985-08-01

domperidone の gastroesophageal reflux (GER) 対する治療薬剤としての評価について, 健常人18名を対象に, 食道内圧測定 (5名), テレメタリングによる24時間食道 pH 測定 (13名) を行い検討した. lower esophageal sphincter (LES) の圧と長さは domperidone 0.2mg/kg 静注にて15分後から有意の増加を示し, 60分後は最大で対照の約2倍に達した. GER に関しては, 逆流回数では domperidone 投与後に著変を認めなかった. 一方, 逆流時間では24時間中, 日中, 夜間のいずれの1時間当りの逆流時間においても対照と大差は無かったが, 投与後1時間の値では対照群に比べ著明な短縮を示した. 以上より, 本剤は LES 機能, 食道自浄作用を高めることに寄与することが示唆された.
著者
岡上 伸雄 照井 啓介 荒木 肇 金澤 俊成 河井 聖司
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.265-270, 1999-12-01

湿潤な熱帯の各地で栽培されているヤマノイモ属植物(ヤム)は, その地域の野生種に由来するものが多い.これらのヤムの栽培に際しては栄養繁殖による増殖手段がとられている.今回, 種子からの芽生えを用いて増殖や育種を行う場合の利点を考え, ナイジェリアに分布しているヤマノイモ属6種の種子を入手し, その発芽のための条件を調べた.いずれの種の種子も20〜26℃の範囲では高い発芽率を示した.発芽可能最低温度は6種に共通して20℃であったが, 発芽した芽生えはより低い温度でも成長した.いずれの種も高温では発芽が抑えられた.発芽可能な最高温度は種により異なり, 26〜32℃の間にあった.高温で発芽しなかった種子を26℃に移すと容易に発芽するので, 高温は二次休眠を誘導していない.これは, 温帯アジア産のヤムの種子が高温によって深い二次休眠の状態に入ることと大きく異なる点である.種子から胚を遊離し, 糖を加えた培地で無菌的に培養すると, いずれの種の胚も高温による発芽の抑制は見られず, 広い範囲の温度で急速に発芽し成長した.種子の発芽の高温による抑制は胚以外の部分の性質に起因しているものと考えられる.なお, 遊離胚を29℃以上の温度で培養すると発芽後に胚の吸収型子葉は高頻度でカルス化した.このカルスはこの属の植物の遺伝子導入系として有用であろう.今回得られた結果は, これらの種の増殖や育種のために役立つものと考えられる.
著者
山本 拓弥 久保 満 河田 佳樹 仁木 登 大松 広伸 柿沼 龍太郎 江口 研二 森 清志 金子 昌弘 森山 紀之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.213, pp.13-18, 2003-07-11
被引用文献数
2

我が国の部位別がん死亡率の第一位は肺がんであるため,その死亡率の減少を目的とした肺がんCT検診に大きな関心が寄せられている.これは同一被検者の経時CT画像を用いて経過観察することにより比較読影を行い,早期肺がんの診断をしている.この問題点は,読影のための準備と大量の画像を読影することが,読影医師に大きな負担となることである.そこで効率良く比較読影が行えるシステムの開発が望まれている.本研究では肺容量の経時変化の結果を解析し,その結果を元に構築した比較読影用位置合わせアルゴリズムを提案する.解析結果から,肺血管情報を基準としたテンプレートマッチングによる位置合わせアルゴリズムを構築し実験を行う.
著者
加藤 肇 真山 滋志 関根 理江 金沢 英司 泉谷 有香 ウラシマ アルフレド S. 久能 均
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.175-185, 1994-04-25
被引用文献数
2

いもち病菌には, 従来知られていた洋梨型の分生子と同時に, 小型の分生子を形成する菌株がある。気中菌糸に単独または数個が順次分岐してフィアライドを形成する。フィアライドは淡褐色, 花瓶状, 基部は球形ないし楕円球形, 先端部は一端くびれ細くなってから外側に開いてカラー状 (corallette) を呈する。一細胞, 厚膜で基部に隔膜があり, 長さ5.9〜12.5 (平均8.9)μm, 幅3.3〜7.2 (平均4.5)μmである。小型分生子はカラー内の先端の細胞で分化し, 続く小型分生子は別の分岐場所から分化してくる。最初先端の丸い根棒状である。フィアライドの先端部に分化してきた数個の小型分生子が球状の塊を形成する。粘液に包まれた様相を呈する場合もある。個々の分生子はそのまま生長を続け, 新月状になる。細胞壁は薄く, 一細胞からなり, 長さ5〜8 (平均6)μm, 幅0.5〜0.8 (平均0.7)μm, 一核を有する。形成に光は無関係であり, オートミール培地, ジャガイモ煎汁培地は有効であるが, ツァペック培地, ザックス培地は無効である。25℃で移植1日目から形成が始まり交配能力の有る菌株, 特に両性株に多く, 交配型には関係なく, 雌雄性との関係は不明である。シコクビエ (日本, インド, ネパール, ウガンダ産) イネ (ギネア, インド産), コムギ (ブラジル産), Oryza longistaminata (コートジボアール産), クリーピングシグナルグラス(ブラジル産), メヒシバ属 (日本, ブラジル産), レーマンラブグラス (以下日本産), ナルコビエ, ヌカキビからの分離菌株に広く形成された。交配能力のある菌株で形成されないものもある。
著者
駒林 優樹 野澤 はやぶさ 和田 哲治 金井 直樹 原渕 保明
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.100, no.7, pp.559-563, 2007-07-01

Lingual dermoid cysts are uncommon. To date, there have been twenty reported cases. We report an additional case of lingual dermoid cyst. The patient was a sixteen-year-old girl. She was referred to our clinic for painful tongue swelling. A firm, tender lingual mass with purulent drainage from the midline of the dorsum of the tongue was noted. After treatment with antibiotics and drainage, the size of the mass reduced gradually. Eight months later, regrowth of the mass was observed. The mass was totally excised via an oral and external approach. According to histopathological examination, the mass was diagnosed as dermoid cyst.
著者
二山 拓也 藤田 憲浩 常盤 直哉 進藤 佳彦 枝広 俊昭 亀井 輝彦 那須 弘明 岩井 信 加藤 光司 福田 康之 金川 直晃 安彦 尚文 松本 雅英 姫野 敏彦 橋本 寿文 劉 逸青 Chivongodze Hardwell 堺 学 丁 虹 竹内 義昭 梶村 則文 梶谷 泰之 櫻井 清史 柳平 康輔 鈴木 俊宏 並木 裕子 藤村 朋史 丸山 徹 渡辺 寿治 原 毅彦 大島 成夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.2, pp.39-42, 2009-04-06

32nmCMOS製造プロセスを用いて3ビット/セルの多値技術を持った32GビットのNANDフラッシュメモリを開発した。微細化と3ビット/セル技術の導入により、チップサイズ113mm2を実現した。プレスリリースされている32GビットNANDフラッシュとしては世界最小かつ最高密度であり、マイクロSDカードに実装できるNANDフラッシュメモリとしては世界最大容量を実現した。本発表では、最近のNANDフラッシュメモリの技術動向に関してもあわせて紹介する。
著者
新舎 隆夫 塩田 博行 金山 賢一郎 春名 宏一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.230-237, 1980-05-15

端末がインテリジェント化するにつれて 各種の端末群を集中的に作御 管理するTCE (Terminal Control Equipment)のソフトウェアは一層大規模化 複雑化してきた.本論文では 専用端末固有の業務処理を行うOP(Operation Program)の生産性向上方法を論じる.最初に OPの制御モデルを作成しOPの制御と処理を明確にする.次に (1)制御と処理の分離 (2)システム規模に対する拡張性 (3)モジュール化の促進 (4)システム固有な制御情報の識別の4つの標準制御構造の基本条件の視点からOPを構造化する.最後に これらの条件を満たすトランザクション処理プログラムヘの1構造的アプローチ SATC(Structured Analysis for Transaction Control)を提案する.SATCは1種のより実用的で強力な決定表プログラムであり 3階層の標準制御構造とこれに裏付けられた機能設計の基本手順を与える.SATCは トランザクション処理プログラムの機能設計と基本設計を単純化 形式化するので このプログラムの標準設計手段であると考えられる.最も代表的な専用端末である銀行の窓口装置にSATCを適用した結果 SATCはプロトタイプシステム開発時と比較して トランザクション処理プログラムの全体開発工数を少なくとも約15%削減可能であることが判明した.
著者
土師 誠二 宇佐美 真 平井 昭博 阪田 和哉 小谷 穣治 磯 篤典 金丸 太一 笠原 宏 山本 正博 斎藤 洋一
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.1652-1657, 1996-07-01
被引用文献数
8

大侵襲の消化器外科周術期の真菌血症の発生について検討した.対象は臓器真菌症を有さない胸部食道切除6例,胃全摘12例,膵切除4例で,術前,術後2,10日目に末梢静脈血を用いて細菌培養,カンジダ抗原価(Cand-Tec),β-D-glucan値(トキシカラー値とエンドスペシー値の差)を測定し,真菌血症の診断を行った.カンジダ抗原価,β-D-glucan値陽性率は2PODにはともに42.8%と有意に上昇し(p<0.01),カンジダ抗原価は10PODにさらに増加するのに対し,β-D-glucan値は減少し,一過性の上昇を示した.血液培養は全て陰性だった.術式別では食道切除術で陽性率が高かった.陽性群と陰性群で比較すると,カンジダ抗原価陽性群は手術侵襲が大きく,低栄養の症例が多かった.以上より,消化器外科手術後早期には培養陽性とはならぬが一過性の真菌血症が生じ,手術侵襲の程度や栄養状態と関連し,microbial translocationの可能性が強く示唆される.