著者
鈴木 聡士 Peter NIJKAMP Piet RIETVELD
出版者
日本地域学会
雑誌
地域学研究 (ISSN:02876256)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.1041-1053, 2008 (Released:2009-04-30)
参考文献数
20
被引用文献数
3 6

Data Envelopment Analysis (DEA) has become an established approach in the analysis of efficiency problems in both public and private sectors. The aim of this paper is to present a newly developed Distance Friction Minimization (DFM) approach based on the BCC (Banker-Charnes-Cooper) model in order to provide an appropriate efficiency-improving projection model in DEA. In this approach a generalized distance friction will be developed to assist a Decision Making Unit (DMU) in improving its efficiency by a proper movement towards the efficiency frontier surface. Our DFM model is based on a generalized distance friction function and serves to assist a DMU in improving its performance by a proper movement towards the efficiency frontier surface. Standard DEA models use a uniform input reduction or a uniform output augmentation in the improvement projections, but our DFM approach aims to generate a new contribution to efficiency enhancement strategies by deploying a weighted projection function, while it may address both input reduction and output augmentation as a strategy of a DMU. A suitable form of multidimensional projection functions mapping out efficiency improvement is given by a Multiple Objective Quadratic Programming (MOQP) model in conformity with a Euclidean distance. The above-mentioned extended DEA model will be empirically illustrated by using a data set on government-ordinance-designated cities in Japan, where the aim is to increase the efficiency of administration management in these cities, based on various input and output performance characteristics of these cities.JFL classification: C44, C61, H72
著者
鈴木 聡 宮楠 克久 佐藤 嘉洋 菊地 靖志 川上 洋司
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.100, no.8, pp.1021-1028, 2014 (Released:2014-07-31)
参考文献数
17
被引用文献数
2 4

Antimicrobial ability of Cu contained stainless steels was investigated. Antimicrobial ability increased with elute fraction of Cu ion from stainless steel surface into antimicrobial test medium. It is necessary to promote eluting fraction of Cu ion, that is, to achieve giving antimicrobial ability to Cu contained stainless steel that sub-micron order or larger size ε-Cu phases are dispersed in stainless steel, surface of stainless steel has high electrode potential and dissolved oxygen exist in the test medium.
著者
熊谷 謙一 山内 康太 小林 裕貴 萩原 理紗 岩松 希美 小柳 靖裕 藤本 茂 鈴木 聡
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.554-561, 2015 (Released:2015-12-20)
参考文献数
20

【目的】脳卒中治療における効果判定ツールとしてのStroke Impairment Assessment Set(以下,SIAS)の有用性を検討した。【方法】対象は脳卒中の診断で入院,リハビリテーションを実施した244例とし,評価は入院7,21日目に実施した。SIASの反応性はStandardized Response Mean(以下,SRM)を用いて検討した。Minimal Clinically Important Difference(以下,MCID)の検討は,歩行能力の改善を臨床上重要な指標の変化と定義し,それが生じるのに必要なSIASの変化量を検討した。【結果】SIASのSRMは0.61で,歩行能力が改善するためのSIASのMCIDは2点であった。【結論】SIASは経時的に改善し,2点の改善が歩行能力改善と関連していた。そのため,脳卒中治療の効果判定として有用な指標であることが示唆された。
著者
鈴木 聡 鈴木 宏昭
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.331-341, 2011

主張型レポートの作成能力の必要性は増加しており,この能力を高めるための学習環境の構築は重要といえる.本研究では,学習者がこの能力を高めるためのアプローチとしてライティング活動におけるテキストの問題構築的読解に注目した.直感的・感情的思考が問題発見に寄与するという心理学・認知科学・神経科学の知見を踏まえ,こうした思考をライティング学習に応用するための学習環境の構築は有用といえる.そこでWeb上のテキストの下線・コメント(マーキング)と感情タグの付与を可能にするEMU(Emotional and Motivational Underliner)を開発した.そして,EMUの感情タグが問題構築的読解に与える影響を実験により検討し,それらの機能が学習者による問題構築的読解を促し,結果として気づいた問題点に基づく主張型レポートの作成につながることが示唆された.
著者
鈴木 聡
出版者
日本微生物生態学会
雑誌
日本微生物生態学会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.23, 2007-09-15

海に目を向けてみよう.海にはクジラや魚からプランクトンにいたるまでたくさんの生物がいます.しかし,海洋にいる生物すべてを集めても,海洋全体の有機物の1%程度にすぎません.では, 99%の有機物はなんでしょう?それは「溶存態有機物」と呼ばれるもので,それを栄養として利用できる生物は微生物だけなのです.
著者
鈴木 聡 初田 賢司 内山 研一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.6, pp.16-21, 2005-12-15

混乱プロジェクトを削減するためには組織としてプロジェクトのマネジメント力を向上させる施策に取り組む必要があり,そのための施策を企業レベルで推進するためにPMOが設置される.PMOの活動はPMOとプロジェクトチームの連携を基にしており,プロジェクトのマネジメント力の向上は両者の連携の仕方に依存している.本稿はこの連携の改善を図るためにSSM(Soft Systems Methodology(P.Checkland 1981))による"'本音"のディスカッションを通して問題把握を行った事例を述べ,SSMがプロジェクトの状況を改善するために有効なプロセスであることを示す.
著者
鈴木 聡 山本 冬馬 小山 夏晴海 広谷 浩子
出版者
神奈川県立生命の星・地球博物館(旧神奈川県立博物館)
雑誌
神奈川県立博物館研究報告(自然科学) (ISSN:04531906)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.49, pp.101-105, 2020 (Released:2020-03-31)
被引用文献数
2

神奈川県周辺におけるタヌキ Nyctereutes procyonoides の体サイズの変異に疥癬が与える影響を調査した。体重には季節変異があり、冬は大きく、夏は小さい傾向が見られた。しかし、この傾向は疥癬症に罹患した個体には見られなかった。夏季には、疥癬非罹患個体の中にも罹患個体より体重の小さい個体が見られたことから、疥癬による削痩が直接的な死因になることは少ないと考えられる。一方で、冬季には疥癬罹患個体と非罹患個体の体重に差が見られた。このことから、罹患個体が冬の寒さに耐えられるだけの十分な脂肪を蓄積できていないことが、罹患個体の直接の死因と推測される。サイズを示す計測項目間の相関検定においては、全ての組み合わせで有意な相関がみられたが、いずれも相関性は弱かった。このような相関のパターンは、疥癬によってもたらされる形態的変化には影響されないと考えられた。サイズを示す計測項目間で相関が小さいことは、タヌキの形態的特徴の一つであると考えられる。
著者
竹口 祐二 鈴木 聡士
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.22-00074, 2023 (Released:2023-06-20)
参考文献数
18

近年,我が国では高齢者の運転免許自主返納者が増加している.さらに,地方部では公共交通の衰退や生活施設の統廃合が著しく,高齢者にとって移動手段の確保は生活の質や定住性の確保に関わる深刻な問題となっている.そこで本研究では,徒歩,運転,被送迎,公共交通の選択可否に着目したカテゴライズを行い,外出状況,主観的健康感,主観的幸福感,定住意向といったQOL(Quality of Life)に関する評価指標の属性差異を分析した.さらに,分析の結果,主観的幸福感の低かった運転依存群を対象にその要因分析を行った他,クラスター分析を活用して移動手段属性と転出可能性との関係性を考察した.これらの分析から,地方部の高齢者のQOL向上や定住性確保に向けて,移動手段確保の重要性とその施策方向性検討に関する示唆を得た点が本研究の特長である.
著者
鈴木 聡 齋藤 涼 岡部 哲也 小方 博之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.1151-1161, 2016-04-15

学習・労働などの現場における作業意欲の維持・向上は今日重要な課題となっている.本研究では,計算機環境において,ユーザの無意識下に働きかける形でユーザの作業意欲の維持・向上を図るため,ユーザの周辺視野に身体化エージェント(以下エージェントと略)を呈示し,エージェントからの被視感による作業遂行への影響を検討した.ただし,作業遂行への影響は作業の難易度に依存する点や,呈示されるエージェントの外観の違いは作業遂行へ影響する可能性を考慮する必要がある.そこで,ヒト型のシルエットと身体パーツで表現されたエージェントが,難易度の異なる課題に取り組む際のユーザの作業遂行に与える影響を,外観の異なるエージェントの比較も加えて実験により検討した.その結果,ユーザがエージェントの呈示への気づきの有無の影響もあったが,ヒト型シルエットと身体パーツのエージェントを呈示する条件で作業遂行は悪化した.さらに,その条件の中でも呈示時と非呈示時を比較すると呈示時の方が作業遂行が改善した.加えて,比較対象とした他の外観のエージェントと同様に,エージェントの呈示に気づいたユーザは,呈示中困難な課題に取り組む際に作業遂行が悪化した.以上の結果,特にエージェントの身体パーツの影響の大きさを考慮し,エージェントの周辺視野への呈示を通じたユーザの無意識下の認知過程への介入による作業意欲の制御の可能性について議論する.
著者
鈴木 聡
出版者
日本体育科教育学会
雑誌
体育科教育学研究 (ISSN:13428039)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.1-16, 2010-10-20 (Released:2013-03-26)
参考文献数
26
被引用文献数
4

The purpose of this study is to propose the new point of view about the ideal style of PE lesson study for teachers' growth. It is based on the opinion survey of the primary school teachers who are studying PE on function of the PE lessons study. Furthermore, it was tried out to offer the structured model of the function of the PE lesson study considering the teachers' career and the type of the study groups they belong to. As a result, it was found out that there existed five functions: “the relationship with other teachers", “the evaluation from leaders", “the improvement of teaching technique", “the investigation of subject contents", and “self-reform". In addition, the teachers' career and the type of their study groups made differences in how much they demanded for those functions. Furthermore, it was suggested that the functions may transform as the teachers grow up. In particular, it is notable that the function transforms from “the improvement of teaching technique" to “the investigation of subject contents" when they move from mid-level stage to the experienced. This transformation shows that the subject of study changes from the investigation of methodology to the theory of aims and contents.It is claimed that the lesson study is losing substance and going into decline.However, there is possibility that the successful PE lesson study will be developed if we understand the study contents in common and form it in agreement, considering the characteristics of types of the lesson study and teacher's career who participate.
著者
山内 康太 小柳 靖裕 岩松 希美 熊谷 謙一 藤本 茂 鈴木 聡
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.418-424, 2013-11-25 (Released:2013-11-25)
参考文献数
18
被引用文献数
3

要旨:【背景・目的】Scale for the Assessment and Rating of Ataxia(SARA)は脊髄小脳変性症における運動失調の評価を目的として作成された.脳卒中による運動失調をSARA にて評価した研究は少ない.本研究では急性期脳卒中におけるSARA の有用性について検討した.【方法】2011 年6 月から2012 月7 月までに椎骨脳底動脈領域の脳卒中による運動失調に対しリハビリテーションを施行した18 例を対象とした.発症1 週目におけるSARA,National Institute of the Health Stroke Scale(NIHSS),Functional Ambulation Category(FAC),Barthel Index(BI)および入院期間を調査し,SARA の有用性を検討した.【結果】発症1 週目におけるNIHSS とBIは相関を認めなかった(p=0.557,r=−0.148).しかしSARA とBI は有意な負の相関を認めた(p=0.001,r=−0.725).FAC に関しては,NIHSS との相関は認められず(p=0.582,r=−0.139),SARA とは負の相関を認めた(p<0.001,r=−0.800).NIHSS と入院期間に相関は認めなかった(p=0.550,r=0.151).SARA と入院期間は正の相関を認めた(p<0.001,r=0.874).【結論】脳卒中に伴う運動失調の重症度評価において,SARA はNIHSS に比べてFAC,BI,入院期間と相関が高く,有用であることが示唆された.
著者
鈴木 眞一 塩 功貴 松本 佳子 鈴木 聡 中野 恵一 岩舘 学 水沼 廣
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.87-91, 2021 (Released:2021-09-25)
参考文献数
12

甲状腺癌手術における手技のなかで,反回神経,Berry靭帯周囲の操作および副甲状腺の温存について解説した。基本的には被膜剝離法(CD)で行う。True capsuleとfalse capsuleの構造を理解し,この方法で副甲状腺や反回神経がfalse capsule内に温存される。また下甲状腺動脈と反回神経が交差することとそのバリエーションを理解し,その損傷原因も理解しながら手術を行うことが反回神経損傷を防ぐ重要な点である。またBerry靭帯やZuckerkandlの結節も反回神経温存には欠かせない解剖知識である。さらに術中神経モニタリングが多く使用される昨今,モニタリングの使用に有無での利点欠点についても述べた。小切開や内視鏡手術でも基本的に同様の概念で行うが,操作野が小さく甲状腺外背側の牽引,脱転が不十分になりかねず,CDが不十分になりやすいためIONMなどでの確認が必要である。
著者
伴野 太平 小森 ゆみ子 鈴木 聡美 田辺 可奈 笠岡 誠一 辨野 義己
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.229-235, 2016
被引用文献数
1

<p>さつまいもの一種である紅天使を健康な女子大学生22人に摂取させた。加熱後皮をむいた紅天使の食物繊維は2.9 g/100 gだった。摂取開始前1週間を対照期とし, その後1週間単位で紅天使を1日300 g, 0 g, 100 gとそれぞれ摂取させた。排便のたびに手元にある直方体の木片 (37 cm<sup>3</sup>) と糞便を見比べ便量を目測した。その結果, 対照期には1.8±0.2 (個分/1日平均) だった排便量が, 300 gの紅天使摂取により約1.6倍に, 100 g摂取により約1.5倍に増加した。排便回数も紅天使摂取量の増加に伴い増加した。300 g摂取でお腹の調子は良くなり便が柔らかくなったと評価されたが, 膨満感に有意な変化はなかった。各期の最終日には便の一部を採取し, 腸内常在菌構成を16S rRNA遺伝子を用いたT-RFLP法により解析した結果, 紅天使摂取により酪酸産生菌として知られる<i>Faecalibacterium</i>属を含む分類単位の占有率が有意に増加した。</p>
著者
大石 久 星川 康 岡田 克典 佐渡 哲 鈴木 聡 松村 輔二 近藤 丘
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.768-772, 2006-07-15 (Released:2008-03-11)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

血清(1→3)-β-D-グルカン値の測定による深在性真菌症の血清学的診断は,広く利用されているが,その測定値は真菌症以外の種々の因子による影響を受け,偽陽性を示すことがある.我々は肺リンパ脈管筋腫症の患者に対し,脳死両側肺移植術を施行した.術翌日の血清(1→3)-β-D-グルカン値は2964 pg/mlと異常高値を示した.原因を検討した結果,術中の人工心肺中のポンプ吸引使用により,ガーゼに浸み込んだ血液が体内へ送血されたことが原因である可能性が疑われた.それを踏まえ,我々は生理食塩水とガーゼを使用した(1→3)-β-D-グルカン値の実験的測定を行ったところ,ガーゼから生理食塩水への(1→3)-β-D-グルカン成分の溶出を示唆する結果を得た.ガーゼの大量使用,および人工心肺中にポンプ吸引を行った症例では血清(1→3)-β-D-グルカン値の異常高値を示す可能性があり,注意を要すると考えられた.