著者
米田 浩久 實光 遼 松本 明彦 岩崎 裕斗 金子 飛鳥 守道 祐人 鈴木 俊明
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101928-48101928, 2013

【はじめに】課題指向型の運動学習条件としてpart method(分習法)とwhole method(全習法)がある(Sheaら,1993)。このうち分習法は獲得する動作を構成する運動要素に区分して別々に練習する方法であり、全習法は獲得する動作をひとまとめに練習する方法である。全習法は分習法と比較して学習効果が高く、運動学習の達成度は早い。これに対して分習法は学習した運動の転移が可能なことから難易度の高い運動に有用であるが、獲得から転移の過程を経るため全習法よりも時間を要する。一方、理学療法では早期の動作再獲得を図るため障害された動作の中核を構成する運動を選択的かつ集中的にトレーニングする分習法を採用することが多く、1 回あたりの治療成績は全習法よりもむしろ分習法の方が良好であり、早期に改善する印象がある。そこで今回、分習法による早期学習効果の検討を目的にバルーン上座位保持(バルーン座位)による下手投げの投球課題を用いて全習法と分習法による運動学習効果を比較検討した。【方法】対象者は健常大学生24 名(男子19 名、女子5 名、平均年齢20.4 ± 0.4 歳)とした。検定課題は以下とした。両足部を離床した状態でバルーン(直径64cm)上座位を保持させ、2m前方にある目標の中心に当てるように指示し、お手玉を非利き手で下手投げに投球させた。バルーン上座位は投球前後に各5 秒間の保持を要求し、学習課題前後に各1 回ずつ実施した。目標から完全にお手玉が外れた場合と検定課題中にバルーン座位が保持できなかった場合は無得点とした。目標は大きさの異なる3 つの同心円(直径20cm、40cm、60cm)を描き、中心からの16 本の放射線で分割した64 分画のダーツ状の的とした。検定課題では最内側の円周から40 点、30 点、20 点、10 点と順次点数付けし、その得点をもって結果とした。学習課題は3 種類の方法を設定し、それぞれA〜C群として無作為に対象者を均等配置した。全群の1 セットあたりの練習回数は5 回、セット間の休憩時間は1 分とした。A群では検定課題と同様の方法でバルーン上座位保持による投球をおこなわせた。実施回数は主観的疲労を感じない回数として12 セット実施した。B群は、まず椅座位での投球を6 セット実施した後、バルーン上座位を6 セット実施した。C群では椅座位での投球とバルーン座位を交互に6 セットずつ実施した。学習課題ではお手玉が当たった分画の中央の座標を1 試行ずつ記録し、中心からの距離と方向とした。得られた結果から、検定課題では学習前後での得点の比較をおこない、学習課題では各群の成功例を基に投球結果座標による中心からの平均距離を標準偏差で除した変動係数とセット間の平均距離の比の自然対数を基にした変動率による比較をおこなった。統計学的手法は、検定課題では学習前後の結果比較に対応のあるt検定を用い、A〜C群の比較として検定・学習課題ともにKruskal-Wallis検定とBonferroni多重比較法を実施した。有意水準は5%とした。【倫理的配慮】対象者には本研究の趣旨と方法を説明のうえ同意を書面で得た。本研究は関西医療大学倫理審査委員会の承認(番号07-12)を得ている。【結果】学習課題前後の検定課題の平均得点(学習前/学習後)は、A群11.3 ± 16.4/26.3 ± 15.1 点、B群6.3 ± 9.2/33.8 ± 7.4点、C群10.0 ± 15.1 点/18.8 ± 16.4 点であり、B群で有意な学習効果を認めた(p<0.01)。学習課題中の投球結果の変動係数はA群19.67 ± 1.06、B群8.42 ± 0.49、C群13.50 ± 1.24 で、A群に対してB群で有意な減少を認めた(p<0.05)。また、学習中の投球結果の変動率は群間で有意差は認められなかったものの、他群に対してB群で安定する傾向を認めた。【考察】Winstein(1991)は、分習法はスキルや運動の構成成分を順序付ける過程の学習であるとしており、運動全体の文脈的な継続性を考慮して動作を学習させる必要があるとしている。本研究ではB群によって検定・学習課題とも他群に比べて良好な結果を得た。B群では分習法により投球とバルーン上座位を各々別に集中して学習したが、運動学習中の変動係数の減少と変動率の安定化を認めたことから、バルーン上座位での投球の重要な要素である動的姿勢を集中的に獲得できたことが全習法に対して効果が得られた成因であることが示唆された。【理学療法学研究としての意義】本研究の結果から運動学習課題の設定によっては、全習法よりも学習効果が得られる事が示唆された。特に運動時の姿勢の改善を目的とする学習課題を分習法に組み込むことによって学習効果が向上する可能性があり、理学療法への分習法の応用に有用であると考えられる。
著者
田中 俊明 揚妻 直樹 杉浦 秀樹 鈴木 滋
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.123-132, 1995 (Released:2009-09-07)
参考文献数
12

The purpose of the present survey was to investigate the awareness of the public on the problems arising from provisioning. The social problems of provisioned wild Japanese macaques happens throughout Japan including Yakushima Island in Kagoshima Prefecture. A questionnaire was given to residents in Yakushima and to tourists visiting. Responses were obtained from 438 people. The results may be summarized as follows: (a) The majority of people questioned were aware of some of the social problems in wild Japanese macaques caused by provisioning. (b) Many people gave wild monkeys food for reasons of amusement and in the belief that it improved their situation. This questionnaire revealed that the public understood some of the issues described above but their actions appeared to contradict this. Consequently there is a need to develop a better understanding on the influence of man particularly in regard to feeding.
著者
岩部 万衣子 小澤 啓子 松木 宏美 髙泉 佳苗 鈴木 亜紀子 赤松 利恵 岸田 恵津
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.151-167, 2017-08-31 (Released:2017-09-07)
参考文献数
32

目的:夜遅い食事及び夜食と肥満との関連を成人と子どもに分けて把握すること.方法:医学中央雑誌及びCiNiiを用いて,2005年以降の10年間に報告された論文を検索した.検索式には「夜遅い食事・夜食」と「肥満・MetS」を示す検索語を用いた.本研究の除外基準に基づき314件の表題と抄録を精査し234件を除外し,次に採択基準に基づき本文を精査して21件の論文を採択した.結果:21件中,縦断研究1件,横断研究18件,両方を含めたもの1件,介入研究1件であった.研究対象者は成人が15件,子どもが6件であった.成人では夜遅い食事を12件が調査し,7件で夜遅い食事の摂取者に肥満が多い等の正の関連があり,2件で性別等により肥満との関連の有無が異なり,3件で関連がなかった.夜食は10件で調査され,4件で夜食の摂取者に肥満が多く,3件で性別等により肥満との関連の有無が異なり,3件で関連がなかった.一方,子どもでは夜遅い食事の調査は1件と限られ,肥満との関連はなかった.夜食は6件で調査され,3件で関連なし,2件でBMIの高い者で夜食の割合が低く,1件で夜食の摂取者に肥満が多かった.結論:成人では夜遅い食事が肥満と正の関連を示し,子どもでは夜食が肥満と関連しないか負の関連を示した報告が多かった.しかし,多くは横断研究であり,交絡因子を調整した報告も少なかった.
著者
小林 晃 畑 泰司 山本 浩文 鈴木 真紀 竹元 慎吾 宮上 寛之 太良 光利
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.86-90, 2017-06-20 (Released:2017-06-21)
参考文献数
10

目的:徳之島の医療施設で経験した14例の悪性貧血について臨床的および疫学的検討を行った.方法:平成21年3月より平成26年5月までに当院で悪性貧血と診断した14例を対象として,後方視的に検討した.結果:全例50歳以上で,高齢女性に多かった.14例のうち6例は特に症状はなかったが,定期検査で大球性貧血を認めたことが契機で,悪性貧血の診断に至った.この期間における当院の年間発症数は中央値3(95%confidence interval[CI]:1.25-3.42)であった.結論:徳之島での今回の我々の成績では,悪性貧血の10万人当たりの年間発症率が,本邦の従来の報告例に比し,大幅に高い可能性があることが判明した.その理由として,高い高齢化率,看過されやすい疾患であること,民族的ないし地域的特異性が関与している可能性を指摘した.悪性貧血の罹患率は従来の報告より高い可能性があり,貧血の鑑別診断として,悪性貧血を念頭に入れて診療を行う必要がある.
著者
鈴木 義昭
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学日本語研究教育センター紀要 (ISSN:0915440X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-15, 1998-03-31

日中両国の文体改革の流れを見ると, ともに外圧的な動きの中で形成されてきた点に類似した面がある.日本の「言文一致運動」は, 明治維新, 外来文化の流入と同時に起こったのではない.中国の文体改革運動の&Lt;文学革命&Gt;, 清末の洋務運動・辛亥革命以来の洋化運動と直接に連動して始まったものではない.「言文一致運動」が明治二十年代, &Lt;文学革命&Gt;が1910年代後半と, ある一定の慣熟期間を経て醸成して来た点でもまた同様である.本稿では, &Lt;文学革命&Gt;のスローガンである, 胡適の"八不主義"の顛末を主として眺めてみたい.すなわち;1916年8月に「寄朱経農」から始まり, 1916年10月の「寄陳独秀」, 1917年2月の「文学改良芻議」(以上三者はアメリカで書かれる)経て・1918年4月叫建設的文学革命論」に至って定稿となる.いずれも八力条からなっており, 「建設的〜〜」で初めて, 文頭に「不上字の冠された"八不主義"が完成する.&Lt;文学革命>および"八不主義"は, 様々な問題を内包したスローガンである.アメリカのニュームーブメントを主導したイマジストクリードとの関連も見逃しがたい.ただ中国では, &Lt;文学革命&Gt;は単に文学の形式を変えるというだけでな<, 「文言と白話の木目克」の解消という文体論的課題を持っている.またそれは, 「五四運動」の先駆として, 数千年来の奥深い文化的側面の改革をも意味しているわけで, とても一日にして論是られるものではない."八不主義"の生成過程を辿ることにとって, そうした一端を考えてみたい.
著者
菅野 陽平 坂田 こずえ 中村 公亮 野口 秋雄 福田 のぞみ 鈴木 智宏 近藤 一成
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.113-123, 2017-06-25 (Released:2017-07-07)
参考文献数
15
被引用文献数
8

ツキヨタケは,シイタケやヒラタケ,ムキタケと誤認されやすい毒キノコの一種で,日本でのキノコによる食中毒の主要な原因キノコである.本研究では,ツキヨタケを迅速に判別する分子生物学的手法としてPCR-RFLPを用いた判別法を構築した.Sau96I, Bpu10I, SfcI, DrdI/HincIIの4組の制限酵素を用いたPCR-RFLPにより,有毒のツキヨタケと食用キノコのシイタケ,ムキタケ,ヒラタケを明確に判別することに成功した.また,加熱調理や消化によりDNAの一部が断片化した試料でも判別可能な200 bp程度の領域を対象としたShort PCR-RFLPも構築し,リアルタイムPCRによる確認試験法についても検討した.これらは,ツキヨタケが疑われる食中毒事例の原因究明に有効な検査法として有用と考えられた.
著者
山田 和彦 永田 靖典 高橋 裕介 莊司 泰弘 鈴木 宏二郎 今村 宰 秋田 大輔 石村 康生 中篠 恭一
出版者
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、超小型衛星に搭載可能な姿勢センサ群を開発し、ISSから放出される超小型衛星EGGを利用し、大気の影響を無視できない超低高度軌道での軽量膜面を有する宇宙機の挙動の実測を行った。超小型衛星EGGの運用において、希薄気体中における軽量な膜面に働く大気抵抗の影響により軌道が変更することを確認するなど、そのダイナミクスを理解するためや解析ツール開発の参照となる貴重な実測データを得ることができた。これらのデータは、運用終了時の衛星を非デブリ化する技術等、将来、超小型衛星にとって重要な技術開発のために役立つと期待される。
著者
鈴木 博之
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 = Journal of the Society of Biomechanisms (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.199-204, 2005-11-01
参考文献数
26
被引用文献数
2

夢が睡眠中のいつ起こっているかという疑問に対し,REM睡眠中に起こるという解答が既に得られていると一般的には考えられている.しかし,NREM睡眠時の夢の存在を主張する研究者も多く,夢発生のメカニズムに関しては未だ議論が続いている.従来の夢研究には,報告された夢が目覚める以前のいつ起こった体験か確認することが出来ないという方法論的問題点があった.そのため,夢とREM・NREM睡眠の明確な対応関係は検討されてこなかった.この問題点を解決するために,我々は20分間の睡眠区間を40分間の間隔をおいて78時間連続して繰り返し,各睡眠区間後に得られた夢と20分間の睡眠状態の関係を検討した.その結果得られたREM・NREM睡眠時それぞれの夢の特徴と,今回初めて明らかになった夢発生の概日変動について解説する.
著者
鈴木 明宏 茂庭 優貴 石井 賢治 藤原 誠助 永富 良一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.849, pp.16-00450-16-00450, 2017 (Released:2017-05-25)
参考文献数
10

Amount of daily physical activity is strongly associated with the prevalence of lifestyle-associated diseases, and thus maintaining a certain level of physical activity is recommended. Amount of physical activity, namely energy expenditure, is commonly estimated from linear regression analysis of oxygen uptake during steady-state exercise of different intensities. Short-duration exercise, mainly walking lasting less than 3 minutes, has been reported to account for over 90% of the daily energy expenditure of healthy adults. The estimation of energy expenditure by ACSM Metabolic Equations used well, however, is based on steady-state exercise of more than 5 minutes, and energy consumption of shorter duration exercise is not commonly considered. Oxygen consumption remains elevated for some period of time after exercise. Then, the estimation of energy expenditure for short duration exercise must include excess post-exercise oxygen consumption (EPOC). The amount of EPOC change in duration exercise. Therefore, we attempted to elucidate the energy expenditure for VO2 kinetics. Ten healthy participants aged 19-54 y walked and ran for 1, 3 and 5 minutes on a treadmill at constant speed. Oxygen consumption during and post-exercise was measured using a portable gas analyzer in breath-by-breath mode. A best-fit exponential equation to estimate oxygen consumption from exercise duration and walking speed was generated. The root mean square (RMS) of estimate equations was calculated using Leave-one-out cross validation. The RMS(1.44~2.14 ml/kg/min) was lower, and the results of the Bland-Altman analysis revealed neither fixed nor proportional bias with the exception of the decent walking and running. An equation for the estimation of oxygen consumption at shorter durations of exercise was successfully generated. Accumulation of additional data may further improve the equation.
著者
鈴木 圭一 対馬 栄輝 石田 水里 小玉 裕治 新野 雅史
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, 2008-04-20

<B>【目的】</B>ボクシング競技において,非利き手を前方に構え打つ非利き手ストレートパンチ(非利き手パンチ)は,あらゆるパンチの基本であり,最初に習得するべき重要な位置を占める.この非利き手パンチ動作の技能は,経験者と未経験者で大きく異なると予想できる.そこで,非利き手パンチ動作において経験者と未経験者の上肢筋活動を計測し,筋活動の様式による違いがないか検討した. <BR><B>【方法】</B>経験群は国体,インターハイ出場レベルの現役高校ボクシング部員男子8名(年齢17.3±0.5歳,身長169±4.7 cm,体重57.4±8.7 kg,経験年数1.7±0.3年)とし,未経験群は男子大学生8名(年齢20.3±1歳,身長170±4.4cm,体重58.4±8.6 kg)とした.対象者には裸足,上半身裸となってもらい,構えをとらせた.経験群は各個人の構えを,未経験群は一般的な教則に従った構えとした.パンチ動作は,素手による非利き手パンチの素振りと,指定ボクシンググラブ(グラブ)を装着した非利き手パンチをトレーニングバッグ(バッグ)へ向けて打撃する2条件とした.さらにそれぞれの条件でスピード重視,強さ重視の条件で5回ずつ,計4条件20回の動作を行わせ,パンチ動作開始の合図は40回/分に設定したメトロノームとした.これらの動作において表面筋電計を用いて,非利き手の大胸筋,上腕二頭筋,上腕三頭筋長頭・外側頭,三角筋前・中・後部線維,僧帽筋上・中・下部線維,広背筋の筋活動を記録した.グラブがバッグに接触する際には筋電計と同期したスイッチを使用した.パンチ動作条件の順序は,疲労,学習効果による影響を相殺するために循環法を用いて配置した. <BR><B>【結果】</B>バッグ打撃・スピード重視の条件において,経験群の全対象でグラブがバッグに接触した直後に三角筋後部線維,僧帽筋上・中部線維に強い筋活動が確認されたが,未経験群(8名中5名)はグラブがバッグに接触する前から筋活動が認められた.また,同条件において,経験群の全てでグラブがバッグに接触する直前(平均28.8±15.7 msec)に上腕三頭筋外側頭の筋活動がみられなくなるのに対して,未経験群では8名中6名でグラブがバッグに接触した直後まで上腕三頭筋外側頭の筋放電が確認された.バッグ打撃・強さ重視の条件におけるグラブバッグ接触時間は経験群125.2±46.5 msec,未経験群168.2±75.2 msecで有意差が認められた.<BR><B>【考察】</B>非利き手ストレートパンチ動作において,一般的に,未経験者や初心者など,非利き手パンチ動作において肩や腕に無駄な力が入るとよくいわれる.今回の研究の結果から,未経験者は非利き手パンチ動作の打ち始めから接触後まで拮抗筋の余計な筋活動が起こるタイミングを確認することができた.こうした点をフィードバックするなど,パンチ動作の指導に活用することによって,より効率の良い習得方法を考案することが可能となるだろう.<BR>