著者
祓川 摩有 田辺 里枝子 曽我部 夏子 山田 麻子 五関‐曽根 正江
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.271-277, 2015 (Released:2015-12-18)
参考文献数
36
被引用文献数
1 1

高脂肪食にビタミンK2 (メナキノン) を添加し, アルカリホスファターゼ (ALP) への影響について検討を行った。7週齢のSD系雌ラットを対照 (C) 群, メナキノン-4 (MK-4) を添加したビタミンK食 (600 mg/kg diet) (K) 群, 高脂肪食 (F) 群, 高脂肪食にMK-4を添加した高脂肪ビタミンK食 (600 mg/kg diet) (FK) 群の4群に分けた。実験食開始83日後において, 十二指腸のALP比活性はK群がC群に比べて有意な高値を示し, FK群がF群に比べて有意な高値を示した。また, 大腿骨のALP比活性において, K群がC群に比べて有意な高値を示し, FK群はF群に比べて有意な高値を示した。以上の結果より, 高脂肪食摂取時においてもビタミンK摂取により, 小腸および大腿骨のALP活性が上昇することが明らかになった。
著者
尾崎 洋二 柴橋 博資 矢崎 紘― 大塚 孝治 関口 雅行 片山 武司 遠山 潤志 高瀬 雄一 今西 章 丸山 浩― 青山 惇彦 西田 生郎
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.4-17, 1999-03

理学部での40年/尾崎先生送別の辞/東大理学部での40年/矢崎紘一先生を送る/退官にあたって/関口雅行先生を送る/思い出と提言/遠山濶志先生を送る/おせわになりました/今西さんを送る/いろいろあった40年/青山さんを送る
著者
関 悠倫
出版者
智山勧学会
雑誌
智山学報 (ISSN:02865661)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.391-410, 2020

<p> 本稿は、『釈論』が空海とその門流においてどのように受容されているのかを検討したものである。真言密教において『釈論』は、重要な典籍として位置付けられ、教学面において非常に研究が盛んであった。確かにこれまで講伝された記録があるのだが、それは事相面についてはほとんど言及されておらず、近年では専ら教相のみで用いる典籍と認識されてきたようである。さらに『釈論』を真言密教から切り離して同教学を論じようとする研究動向も確認できる。本研究は、空海や後代の学匠における『釈論』理解を再検証し、さらには実践面、すなわち事相における法流の印信類を紐解きながら、『釈論』が事教二相の両方に密接であり、真言密教の所依の典籍の中でも重要な位置を占めていることを改めて論じたのである。</p>
著者
藤井関一著
出版者
願学社
巻号頁・発行日
1942
著者
伊藤 まり 相馬 啓子 小関 芳宏 池上 奈歩
出版者
一般社団法人 日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.186-189, 2010 (Released:2011-11-30)
参考文献数
14

他覚的耳鳴は身体内部に耳鳴となる明らかな音源がある場合で、他覚的耳鳴は筋性耳鳴、血管性(拍動性)耳鳴、その他に分けられる。血管性(拍動性)耳鳴は脈拍と一致しており、原因疾患として局所疾患と全身疾患に分けられ、全身疾患による拍動性耳鳴は循環動態の変化と関係があり、貧血や甲状腺機能亢進、beri-beri(ビタミンB1欠乏症)、褐色細胞腫、妊娠が挙げられる。全身疾患による拍動性耳鳴が他覚的に聴取されることは極めて稀である。今回、我々は子宮筋腫に伴う不正出血、貧血により、左他覚的拍動性耳鳴を引き起こし、子宮筋腫摘出術後、貧血の改善に伴い耳鳴が改善した症例を経験し、その耳鳴音を記録、解析し得たので報告する。
著者
濱田 信次 森本 沙也香 関野 秀男
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第37回情報化学討論会 豊橋
巻号頁・発行日
pp.P13, 2014 (Released:2014-11-20)
参考文献数
7

近年、密度行列埋め込み理論とよばれる動的平均場理論のある種の簡易版が提唱されており、これを6角格子のHubbard Modelに適用してグラフェンの電子状態の理解を試みた。
著者
大関 勝久 山田 誠
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.41-46, 2020 (Released:2021-03-30)
参考文献数
4

保存しているリバーサルフィルムの分光スペクトルを測定し,その主成分分析(PCA)により,分光器により測定したスペクトルと等しい分光スペクトルを,スキャニングにより得たデジタルデータから再現できた.映写環境を考慮することで,再現された分光スペクトルから,フィルム映写と等しい色再現が可能となる.
著者
関 智彦
出版者
日本イスパニヤ学会
雑誌
HISPANICA / HISPÁNICA (ISSN:09107789)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.64, pp.125-142, 2021-01-20 (Released:2021-02-22)
参考文献数
21

本論は、スペインの思想史家であるマルセリーノ・メネンデス・ペラーヨ(Marcelino Menéndez Pelayo, 1856–1912)が、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、スペインのイスラーム思想史学に対して行った貢献とその背景を検討するものである。第一に、当時の西欧におけるスペインのイスラーム学の学風を検討する。第二に、ペラーヨと当時のイスラーム学者の往復書簡を分析し、両者の接点や影響関係を考察する。第三に、ペラーヨの歴史観を強く反映する著書である『スペインの学術』と『スペイン異端者史』におけるイスラーム思想史関連の叙述を分析し、当分野への貢献の背景にある、ペラーヨ自身のイスラーム思想史学における関心を指摘する。一連の考察により、スペインのイスラーム思想史学に対するペラーヨの貢献の背景には、19世紀後半におけるスコラ哲学の議論に対し、スペインから独創的な貢献を試みる彼自身の関心があったと結論付けた。
著者
横澤 直人 関本 義秀
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1475-1482, 2019-10-25 (Released:2019-11-06)
参考文献数
18

我が国では1990年代以降,国際化の進展や本格的な少子・高齢化社会の到来を背景に,都市計画分野において分権化が進められてきた.各種の権限移譲に伴い,地方自治体が地域の実情に即した柔軟な計画策定が可能になった半面,市町村間での計画の不整合や競合が課題となってきた.従来の研究では,主として実証的な立場から都市計画策定段階における広域調整の必要性が示されてきたが,実際に広域調整を行うための支援手法は開発されてこなかった.本研究では,都市計画マスタープラン及び立地適正化計画を念頭に置いて,都市計画の方針及び立地規制の厳格さの調整問題を対象として,市民の立地行動と計画の影響を考慮した将来土地利用予測シミュレーションを構築し,広域調整の影響評価手法を開発した.シミュレーションを富山県内の市町村に対して適用し,検証実験や現地でのヒアリング調査,実際の事例との比較などを通じて手法の妥当性を確認するとともに,広域調整の影響に関する新たな知見を獲得することが出来た.今後は,シミュレーションの高度化や他の広域調整問題への対応,ユーザビリティ改善などを図ることが望まれる.
著者
関根 道和
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.435-438, 2010 (Released:2012-03-27)
参考文献数
5

1) 医療の成熟度の高まりとともに,人材管理,技術管理,財務管理のバランスが求められるようになり,医師の生涯学習の一環として経営学習得の重要性は高まっている.2) 経営学は医学部の卒前・卒後教育のなかで学ぶ機会が少なく,多忙な生活の中で自身のキャリアパスを中断することなく学習する方法として,遠隔学習は有用な手段である.3) 中途退学等を防ぐためには,受講側の時間管理やモチベーションの維持とともに,提供側の管理運営システムの構築やリアリティを高める工夫が必要である.
著者
関口 順
出版者
埼玉大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

本研究課題の対象である『司馬法』の研究蓄積は従来無きに等しかったが、最近、田旭東氏による成果が中国で出ていることが分った。これは学位論文であるため、現在同氏に内容を照会中である。この論文を作製したのち田氏は『司馬法浅説』という簡単な概説書を著したが(1989年5月出版)、それはその学位論文の成果を反映しているようである。その書によって推測すれば、田氏の研究は書誌学的な考証を主としており、思想史的な研究視角による本課題とは取り組みの傾向を異にすると言える。研究代表者(関口)は思想史的研究の立場に立ちつつ、本年度は逸文の収集に努めた。張〓の『司馬法逸文』一巻;黄以周の『軍礼司馬法攷徴』二巻;〓〓の『司馬法逸文』一巻;銭煕祚の『司馬法逸文』一巻などを基とし、さらに若干の原資料を調査した。それらの逸文は、大体において零細なものであったので、これらの逸文を整理し、資料集を出版する事とした。その計画では、次のようになっている。タイトルは『司馬法資料集成』。内容は1.思想史的分析に基づいた書誌的解題。2.現行本『司馬法』の校勘、注釈と翻訳。3.逸文の網羅的集成と内容に即した整理。現行本は明らかに残欠の文章の集成であり、全体の構成を多少なりとも伺うには逸文を重視しなければならないだろう。逸文および現行本の内容を総合して考えると、『司馬法』の構成は、1.平時における王官(王者の官職)司馬の職務、その主な内容は軍制の整備や軍賦の管掌、2.戦時における王師(王者の軍隊)の軍礼・軍法ーーの二つが大きな柱となっていると思われる。いずれも王者の統治の観点から王官・王師を論じている。このうち、司馬の職務は『周礼』と類を同じくし、軍礼・軍法は、韓信が整備したとされる漢の軍法(沈家本:漢律〓遺巻二十一)の理念形態を開示するものである。
著者
関 直規
出版者
東洋大学大学院
雑誌
大学院紀要 = Bulletin of the Graduate School, Toyo University (ISSN:02890445)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.329-342, 2017

本稿は、未開拓分野であった、東京市の「市民音楽」事業の成立と展開について、一次資料の発掘・分析に基づき、実証的に明らかにすることを目的とする。考察の結果、以下の三点がわかった。第一に、1920年代に入り、社会全体に音楽が浸透し、音楽の営利的興行の影響が問題化する中で、東京市は、音楽の民衆化を実現する場となった。社会教育課長は、情操教育としての音楽を統合する社会教育論を持ち、また、声楽家・教育家の外山國彦は、都市住民の音楽教育活動を積極的に引き受けた。第二に、「市民音楽」事業は、①「市民合唱団」・「市民音楽研究会」、②「音楽演奏会」・「音楽講演会」、③「短期夜間音楽講習会」・「巡回夜間音楽講習会」の三つに大別できた。第三に、これらの事業は、音楽の民衆化の視点から、音楽の専門世界と都市住民の日常生活の相互作用を促進し、「市民音楽」の分野を効果的・有機的に構築していた。
著者
関塚 剛史
出版者
国立感染症研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

腸管内バクテリオファージを効率的且つ簡便に回収する方法を考案し、新規バクテリオファージのゲノム配列を確定した。抗菌薬多剤併用療法を実施した潰瘍性大腸炎患者の治療前後の腸内細菌叢解析をメタゲノム解析により行い、抗菌薬多剤併用療法開始前の活動期に多く存在する細菌種、及び、治療後の寛解期で多く存在する細菌種が確認された。更に、phageome解析を行ったが、各患者で多様なパターンを示し、治療前後での共通性は認められなかった。しかし、個人の治療前後でのファージ組成は大きく変化していた。回収したファージを用いた細菌叢への感染実験を行ったが、供与したファージの増加は認められなかった
著者
鈴本 典子 五島 史行 齋藤 弘亮 金田 将治 関根 基樹 大上 研二 飯田 政弘
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.541-548, 2020
被引用文献数
1

<p> Dizziness can arise from diverse causes. According to reports, 20%-80% of patients presenting with vertigo have psychogenic vertigo. Diagnosis of psychogenic vertigo is not always easy. Until date, there is no objective examination tool for the diagnosis of psychogenic vertigo. Therefore, it is important for physicians to evaluate patients presenting with vertigo both physically and psychologically in order to make a definitive diagnosis of psychogenic vertigo. Posturography is the conventional method for evaluating the postural perturbation in patients with vertigo or dizziness, and there are many ways of analyzing the results of posturography. One such method is with the use of the "gravichart," and a characteristic finding in patients with psychogenic vertigo is a teardrop-shaped "gravichart." However, the detailed characteristics of patients showing the teardrop-type "gravichart" are still unknown. In this study, we attempted to identify the clinical importance of the teardrop-shaped "gravichart" in patients with psychogenic vertigo. While many patients with a teardrop-shaped "gravichart" are diagnosed as having psychogenic vertigo, not all patients with psychogenic vertigo show a teardrop-shaped "gravichart". Thus, while a teardrop-shaped "gravichart" may be useful for the diagnosis of psychogenic vertigo, it is necessary to clarify what types of patients with psychogenic vertigo show a teardrop-shaped "gravichart" in a future study.</p>