著者
青木 三和子
出版者
上田女子短期大学
雑誌
学海 (ISSN:09114254)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.93-98, 1990-03
著者
金子 隆之 安田 敦 青木 陽介
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

東アジアにおける噴火監視と噴火研究の基礎となる活動データの大規模収集を行うために,MODISとMTSATデータを利用した「複数の衛星を利用した準リアルタイム東アジア火山観測システム」の構築を行い,主要147活火山の常時監視を行った.これらのデータの解析結果に関して,ウェッブサイトを通じて広く公開すると共に,より詳しい噴火状況を知るため,高分解能衛星データや地上観測データを組合せて,統合的解析を試みた.
著者
ニラウラ マダン 中村 篤志 青木 徹 畑中 義式
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.19, pp.25-30, 2001-02-23
被引用文献数
4

ガンマ線計測とその画像応用の目的でCdTe単結晶を用いた核放射線検出器を作製し、その動作特性を報告する。この検出器はp-i-nダイオード構造をもち、n型CdTeは単結晶CdTe上にプラズマを利用したMOCVD法によりエピタキシャル成長法によって、沃素を不純物として添加し作製した。p型は金を電極とすることによりショットキー接合とした。この検出器でコバルト57の122keVのガンバ線に対して半値幅1.7keV(1.3%)の値を得た。また、画像検出のために、p型領域をエキシマレーザーによりストライプ状にドーピングするレーザードーピング法を開発した。これらの結果は、画像検出器に応用するのに良い指針を示した。
著者
田岡 洋子 高森 壽 井澤 尚子 斎藤 祥子 椋梨 純枝 青木 迪佳 高木 くに子
出版者
福知山公立大学
雑誌
京都短期大学紀要 (ISSN:13483064)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1-12, 2006-03

高齢者の生活意識と衣服環境についての調査を2001年10〜11月に北海道から九州の8地域に居住する元気な高齢者(男性282名、女性810名、計1,092名)を対象に質問紙調査法を用いて行い、有効回収率93.7%であった。「生活意識」は健康を心配し、健康維持のために食べることを男性53.5%、女性62.7%が注意し、楽しいのは人と接することであり、おしゃれ感のある男性51.4%、女性83.0%であった。服装については男性46.5%、女性66.7%がおしゃれ感をもち、着用時の第一留意点は「足もとには履きやすいもの」で、因子分析では自己表現・調和・実用性・着心地に女性が高得点で、男性は規範性に高得点であった。「望ましい高齢者衣服のイメージ」は暖かく・ゆったりした・上品な・明るいが上位で、因子分析では男性が親しみやすさ・活動性に、女性は容儀性・ファッション性に高得点であった。生活意識から見ると女性が暮らしの工夫をし、おしゃれ感、望ましい高齢者衣服のイメージには性差が見られた。
著者
田岡 洋子 井澤 尚子 高森 壽 斎藤 祥子 青木 迪佳
出版者
福知山公立大学
雑誌
京都短期大学紀要 (ISSN:13483064)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.17-39, 2007-03
被引用文献数
1

望ましい高齢者の衣服についての調査を2001年10・11月に北海道から九州の8地域の居住する元気な高齢者を対象に質問紙調査法を実施した。有効回収数1,092票、有効回収率93.7%であった。生活意識として、心配ごとは健康で、それを維持するために、食べ物に注意している。楽しいことは人と接することで、外出や旅行を好み、おしゃれ感もあり、服装におしゃれ感のある人が多い。着用時の留意点としては「足もとには履きやすいもの」「色・柄・デザインが気に入ったもの」「肌触りがよく柔らかいもの」など女性60才代、70才代、80才代の間に有意差のある25項目中17項目で、因子分析後の因子得点は「自己表現」に高得点を得た60才代と低得点の80才代。また、地域的には「自己表現」の高得点地域は関東、四国、近畿で、「実用性」は近畿、四国、が高得点であった。「調和」の高得点は九州、北海道、中部、四国の順であり、「規範性」は北海道が高得点であった。次にイメージとしては「ゆったりした」「暖かく」「上品な」「明るい」「親しみやすい」が上位で、18対の形容詞の中9対が有意差があり、因子分析後の因子得点は「活動性」に80才代は高得点を得て、低得点の60才代であった。また、地域では「容儀性」の高得点は関東、東北、近畿の順で、「活動性」は北海道、四国、中部の順に高得点であった。「親しみやすさ」は中国、関東が高得点で、「ファッション性」は近畿、中国、四国の順に高得点であった。以上のように、望ましい高齢者の衣服は年齢差、地域差があることが分かった。
著者
青木 徹 中村 篤志 浅野 浩司 ニラウラ マダン 中西 洋一郎 畑中 義式
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.40, pp.1-6, 2002-06-18

M-π-n type Multi-pixel CdTe high-energy radiation detectors were fabricated by excimer laser processing technique combined excimer laser pattern doping with laser ablation method. The strip detectors showed high-energy resolution and uniform peak levels. The color high-energy radiation images colored by peak energy were obtained with high-energy resolution by 128pixel CdTe detector with ASIC chips.
著者
Edwards Cynthia 青木 睦子
出版者
北海道武蔵女子短期大学
雑誌
北海道武蔵女子短期大学紀要 (ISSN:03899586)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.1-18, 2003-03-15

本稿はリスニングプロジェクトの成果について論じる。学生達がクラス授業で養成されない英語学習の取り組み方の必要性を常に考察してきた。プロジェクトの一環として、1年間週1回昼休み20分間共同英語リスニング学習を試行してきた。その期間に事前/事後テスト、面談、調査等を実施し、被験者グループのリスニングに対する姿勢、リスニング能力に関するデーターを集め、分析をした。リスニング学習における自律性の成功、有効性についての研究と信条から生じる洞察力を提示する。
著者
山本 隆 山本 惠子 井岡 勉 青木 郁夫
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究の成果は、英国での実地調査や英国研究者を招聘して開催した研究会に基づいて、地域再生におけるネイバーフッド(基礎自治体内の小地域)・ガバナンスの理論を構築し、日英比較の可能性を明らかにした点である。理論と実態の両面から詳細に検証したことにより、わが国におけるネイバーフッド・ガバナンスの先駆的かつ包括的な研究となった。また、英国の大学研究機関と交流しており、今後の国際的な比較研究へ発展させることが可能である。
著者
青木 幸一
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1994

電極上に電解合成した導電性高分子膜は、電気化学的なスイッチングにより、導電体(酸化体)と絶縁体(還元体)との間で相変化を起こす。イオン性溶液中で還元膜を電気化学的に酸化すると、電極に接した部分はイオンの放出または取り込みを伴って電子導電体になり、それ自身が電極として作用する。その結果、導電層が電極表面から溶液/膜界面へ向かって成長すると考えられ、本研究室では、この成長を導電層伝播機構と名付けて理論的に取り扱い、成長速度を測定してきた。導電膜を還元すると、膜全体にわたって均一に絶縁体化することがわかった。それ故、膜の酸化還元を繰り返すと、膜の電極近傍では酸化状態、溶液に近い側では還元状態をとる。すなわち、イオンの膜への取り込み量に動的分布を作ることができる。この分布をマクロ的に拡大するため、電極から引き剥した膜の一端に別の電極を取り付けてスイッチングを行うと、膜の長さ方向に酸化と還元体の分布が形成できた。ポリアニリン膜における電位と導電種の濃度との関係をスペクトロメトリーにより測定したところ、大きなヒステリシスのために、不可逆性が重要な問題になった。酸化方向の膜の変化では、電位の変化速度に依存しなかったため、平衡に近い状態が得られた。電位と導電種の対数濃度との関係はネルンスト式で表される直線からはずれ、ある電位で急激に折れ曲がることが分かった。この電位はパーコレーション閾値電位と考えられ、電極と電子的につながった酸化体と電子的につながらない酸化体との線形結合によってネルンストプロットを説明した。また、誘導電流を利用した抵抗測定に成功した。現在、そのpH依存性について実験が進行中である。
著者
青木 久美子 ブレイ エリック キムラ バート リム ロン ユー キムラ メアリ 石橋 嘉一 宮添 輝美 モルナー パル
出版者
独立行政法人メディア教育開発センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

この研究においては、最近インターネット上で無料で使用可能となっている様々なコミュニケーションツールを用いて、国境を隔てて繋ぐクラスベースの遠隔教育に焦点をおいて、実際にそういったツールを活用して実験授業を行うことにより、課題等の認識、及び、解決策を見出すといったアクションリサーチ研究方法により、その可能性を追求した。また、授業方式として、従来の講義中心の授業ではなく、学生に主体性を持たせるプロジェクト型授業による遠隔教育の学習デザインを探求した。
著者
渡部 潤一 青木 和光 河北 秀世
出版者
国立天文台
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

太陽系天体の中でも、低温で凍ったまま46億年間経過している彗星は原始太陽系の化石である。太陽に近づくと熱によりその成分を蒸発させることから、その成分分析によりどの程度の温度で氷結したかが推定できるが、一般に上限値に限られ、また揮発成分を失った短周期彗星には使えない。本研究では、低温領域で温度と明確な相関がある水素原子の核スピン状態の差:オルソ・パラ比によって彗星氷結温度を求めようとしたものである。水分子でこの方法を適用しようとすると、地球大気の水蒸気が邪魔となる欠点があったため、水素原子が三つあって彗星に含まれるアンモニアに注目した。アンモニアは蒸発後、光解離により、NH2という分子となって、母分子のアンモニアの情報を保ちながら、オルソ、パラそれぞれの輝線を発する。高分散分光で輝線分離ができれば、オルソ・パラ比を知ることができ、さらにはアンモニアのオルソ・パラ比を推定できる。平成16年度は、国立天文台ハワイ観測所の口径8mすばる望遠鏡の高分散分光器HDSを用いた観測結果をもとに、ヨーロッパのデータも用いながら、本研究のまとめを行った。これによって、7つの彗星についてのスピン温度がすべて30K前後に集中していることがはっきりした。この解釈としては、彗星が誕生した場所の温度を示しているという可能性の他に、元々アンモニア分子が誕生した原始太陽系星雲のもととなった分子雲の温度を示している可能性もある。これらの可能性のどちらが正しいかを検証するためには、アンモニア分子以外の観測を行う必要がある。そこでわれわれは急遽メタン分子のオルソ・パラ比を考慮に入れ、すばる望遠鏡などによる観測を行ったところ、これについてもアンモニア同様30Kの温度を示すことが判明した。現在、これらのデータを慎重に検討しているところであり、本研究によって、当初の目的よりも先に進んでしまったことは、望外の喜ばしい結果である。
著者
青木 輝夫 青木 忠生 深堀 正志 内山 明博
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.595-614, 1999-04-25
被引用文献数
12

雪面及び大気上端(TOA)における波長別及び波長積分した積雪アルベドに対する大気の効果を調べた。そこでは空気分子、吸収気体、エアロゾル、雲による吸収と散乱の効果を、doubling and adding法とMie理論に基づいた大気 - 積雪系の多重散乱放射伝達モデルによって見積もった。波長別雪面アルベドは太陽天頂角が大きいとき、大気中の吸収気体によって大気がないときに比べて減少することが示された。その太陽天頂角依存性は波長0.5μm以下でレイリー散乱によって弱められ、ほとんどの波長でエアロゾル及び雲によって弱められた。水蒸気の豊富な大気は、太陽天頂角が大きいとき、水蒸気の吸収帯で波長別アルベドを減少させた。ところが近赤外域の下向きフラックスが水蒸気の吸収によって減少するため、波長積分したアルベドは数パーセント高くなった。エアロゾルは太陽天頂角が小さいとき波長積分した雪面アルベドを増加させ、太陽天頂角が大きいときには減少させた。しかし、エアロゾルは太陽天頂角が大きいときを除き、波長積分したプラネタリーアルベドを減少させた。光学的に厚い雲は太陽天頂角に依らず波長積分した雪面及びプラネタリーアルベドの両者を増加させた。太陽天頂角が小さいとき可視域では、雪面上における曇天時の下向きフラックスが晴天時のそれを上回り、また両者はさらに大気外日射フラックスを上回り得ることがわかった。この現象は雪面と大気(雲)の間の多重反射によって説明できる。しかし、雪面上における曇天時の全天日射量は、晴天時及びTOAにおけるそれらを上回ることはなかった。
著者
石川 統 NORMARK Benj MORAN Nancy BAUMANN Paul 佐藤 恵春 森岡 瑞枝 青木 重幸 NORMARK Benjamin 深津 武馬 佐々木 哲彦
出版者
東京大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

1.本国際学術研究を通じて,社会性アブラムシ類の生態を詳細に検討することが可能になった.アメリカ合衆国コロラド州およびアリゾナ州で行った.Thecabius populimonilisの調査の結果,従来,非移住性の生活環をもつと考えられていたこの種が,アリゾナでは移住性の生活環を,コロラドでは移住性と非移住性の生活環を併せもつことが明らかになった.また,ゴール内のアブラムシを分析した結果,本種の非移住性生活環は移住性生活環から,有翅虫のゴール内産仔と,それに有翅虫の無翅化を経て二次的に進化したという,いわゆるGP仮説を支持する証拠が得られた.アイダホ州北部で行ったClydesmithia canadensisの調査からは,ミトコンドリアDNAの塩基配列の比較などから,この種はゴール内で産仔された第3世代1齢幼虫が(有翅虫の替わりに)寄主植物の根に自力で移住する生活環をもつことが判明した.2.アブラムシ類は一部の特殊なグループを除けば,すべてが菌細胞内に原核性の細胞内共生微生物(共生体)を保有している.これまでの研究によって,アブラムシは窒素老廃物を他の多くの昆虫類のように尿酸ではなく,グルタミンおよびアスパラギンに換える能力をもち,共生体がこれらのアミノ酸から不可欠アミノ酸を合成するという窒素再循環系をもつことを明らかにした.これは有機窒素に乏しい植物師管液を食物とする吸汁性昆虫に共生体が普遍的に存在することの説明になる.しかし,今回,同じ同翅目の吸汁性昆虫であるドビイロウンカを調べた結果,共生体を利用した窒素再循環のしくみが必ずしも一様ではないことが明らかになった.ウンカは窒素老廃物を一般の昆虫と同じく尿酸へ転換するが,それを排泄することなく組織内に蓄積し,酵母様共生体のもつウリカーゼを利用し,必要に応じてそれを利用可能な有機窒素へ変えていることがわかったからである.これはむしろ,系統学的には縁の遠いゴキブリの場合に似ている.アブラムシとウンカのこのようなストラテジーの違いは,2つの間の増殖性の違い,および移住に伴う飢餓にさられる期間の違いを反映するものであろう.3.アブラムシの共生体は進化的には大腸菌と近縁のプロテオバクテリアγ3亜族に属するバクテリアである.共生体は菌細胞内にあるとき,ある種のストレスタンパク質であるシンビオニンを選択的,かつ多量に合成している.シンビオニンは大腸菌GroELのホモログで,後者と共通に分子シャペロンの活性をもっているが,それに加えて,後者にはみられない特異的機能として,エネルギー共役性に基づくリン酸基転移活性をもっている.このときのシンビオニンのリン酸化部位はHis-133で,これに対応するアミノ酸残基はGroELではAlaである.2つのタンパク質のアミノ酸配列(550残基)には86%の同一性があり,大部分のアミノ酸置換が類似的置換であるなかで,ほとんどコドン-133だけが3連続塩基の置換による非類似的アミノ酸置換をうけており,その結果としてシンビオニンの新たな機能が創出されている.今回の研究ではこの点をさらに確かめる目的で,系統的にきわめて近縁な3種のアブラムシのもつ共生体のシンビオニン(遺伝子)の構造を比較した.この結果,3者間のアミノ酸配列の同一性は99%以上で,550残基のうちコンセンサスでない部位はわずか5箇所のみであった.この1つが部位133で,1つの種ではHisなのに対し,他の2種ではAsnであり,しかも他の4部位は何れも類似的置換であった.これらの結果は,シンビオニンのコドン-133は分子進化的にみたとき一種のホットスポットであり,共生体はこの部位におこる突然変異をポジティブに選択することを通じて,シンビオニンに新たな機能を創出し,細胞内環境に適応しつつあることをうかがわせる.4.この他に,例外的に原核性共生体の替わりにアブラムシに保有されている酵母様共生体の分子系統学的位置の検討,アブラムシ腸内細菌類の同定とその進化的起源等についても多くのデータを得た.
著者
田畑 哲之 磯部 祥子 青木 考
出版者
(財)かずさDNA研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

高オレイン酸含有量の落花生育種を促進するため、オレイン酸含有量を制御する候補遺伝子情報を用いて選抜マーカーを開発し、マーカー選抜育種を開始した。同時に落花生のゲノムワイドな多型DNAマーカー(マイクロサテライトおよびトランスポゾン挿入マーカー)を開発し、連鎖地図の作成を行った。ゲノムワイドなDNAマーカーも選抜マーカーとして利用したところ、5年の選抜工程を3年に短縮することができた。
著者
西田 治文 朝川 毅守 瀬戸口 浩彰 村上 哲明 青木 誠志郎 ARMAND Rakot 湯浅 浩史
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

平成11年度は、下記地域に分担して最終調査を行い、10年度調査の資料と合わせて順次成果を刊行する予定である。調査に付随した話題の一部は、普及書にゴンドワナ大陸をめぐる植物分布の記事として西田、浅川が紹介したマダガスカル村上が、特にチャセンシダ科、ゼンマイ科の標本を採集した。すでに10年度に西田らとともに収集した資料の遺伝子的解析に着手しており、広分布種とされているレガリスゼンマイに多くの種内変異があることなどがわかり始めている。ボリビア・アルゼンチンボリビアで西田は、シダ類のフサシダ科、チャセンシダ科、シシガシラ科の、青木はタバコ属のそれぞれ遺伝子解析用資料および乾燥標本、、液浸標本を採集した。アルゼンチンではタバコ属を南部パタゴニア地域で広範に採集した。タバコ属内の遺伝子移動に関する論文を投稿準備中である。シシガシラ科の資料は、これまで形態のみで推定されてきた系統関係を検証するために解析が進んでいる。ニューカレドニア浅川が、第三期珪化木化石収集を行い、多数の資料を得た。10年度にマダガスカルで採集したペルム紀および白亜紀材化石とあわせて、比較解剖を進めている。ヤシ科、ヤマモガシ科などの材がみつかっている。ボルネオ瀬戸口が、キナバル山周辺で採集を行い、ビカクシダ属、ヤシ科、ゴマ科など系統解析用の資料を収集した。すでにビカクシダ属については10年度採集のマダガスカルの標本を含め、多の熱帯地域の資料解析が進んでおり、発表の準備をしている。全体として、シダ植物から被子植物まで、いくつかの分類群について、南半球での異なる分布形態とその成立過程が説明できる新たな結果が得られつつある。
著者
青木 繁 BUI Huy Duon YANG Wie KNAUSS Wolfg 北川 浩 岸本 喜久雄 YANG Wei HUY Duong BU WEI YANG WOLFGANG KNA MAIGRE H. RAVICHANDRAN ジー ROSAKIS Ares NAKAMURA Tos 天谷 賢治
出版者
東京工業大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

本研究は,日米中仏の4ヶ国の研究者の共同研究により実施するのもので,材料の破壊プロセスにおける微視的な内部構造変化について総合的に検討するとともに,それらを踏まえたメゾスコピック材料モデルを構築することを目的とする.すなわち,本研究では,原子レベルならびにナノレベルにおける微視的アプローチ,不均質材料,材料界面,高分子材料,複合材料の損傷・破壊モデルの検討,および,衝撃荷重や環境など外因の影響を踏まえた材料モデルの考察など,種々の立場から,材料モデルの構築を進めるとともに,相互に協力,啓発を行い,それらを統合化した材料の寸法尺度,時間尺度に対する階層構造を的確に捉えたメゾスコピック材料モデルの構築を目指している.本研究において設定した調査テーマは下記の通りである.(1)分子動力学法を基礎とする材料モデルの構築,(2)材料の損傷・破壊現象のミクロとマクロメカニクス,(3)界面強度特性とミクロ・マクロ材料モデル,(4)不均質材料の特性発現機構と損傷機構のミクロ・マクロモデル,(5)複合材料の損傷過程とミクロ・マクロモデル,(6)ミクロ構造を考慮した高分子材料モデルの形成とマクロ特性,(7)破壊のプロセスゾーンの損傷モデル,(8)衝撃荷重下における材料の破壊モデル,(9)材料の環境強度に及ぼす電気化学因子のモデル化また,東京工業大学,カルフォルニア工科大学,エコールポリテクニークにおいて共同研究を実施するとともに,中国,カナダ,アイルランド,ポルトガルにおいて調査研究を実施した.それらの結果,材料の内部微細構造の変化のダイナミクスを多面的に捉えるための分子動力学法,境界要素法,有限要素法などの種々の方法に基づくモデリング手法についての知見が得られた.