著者
小野寺 淳 出田 和久 平井 松午 藤田 裕嗣 小田 匡保 礒永 和貴 大島 規江 川村 博忠 倉地 克直 杉本 史子 三好 唯義 小野田 一幸 種田 祐司 野積 正吉 青木 充子 尾崎 久美子 中尾 千明 橋本 暁子 横山 貴史
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

オランダ、ライデン大学図書館にはシーボルトが収集した21鋪の手書き彩色の国絵図が所蔵されている。21鋪の国絵図を高精細画像で撮影し、国内の類似の国絵図と詳細に比較分析した結果、21鋪の基図は慶長図1鋪、寛永図6鋪、正保図と寛文図14鋪であることが明らかになった。対となる国絵図がある一方で、基図の作成年代も個々に異なる例が多く、シーボルトの手書き彩色国絵図の入手先は複数あったと想定される。
著者
加香 芳孝 青木 孝良
出版者
鹿児島大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

豚の脳通電失神と殺法(電殺法)と,炭酸ガス麻酔失神と殺法(ガス麻酔と殺法)とによる,と殺豚肉の肉質を比較することを目的とし,まずと殺前の失神法のストレス負荷の差を比較するため,ストレスホルモン,アドレナリンの放血血液中濃度を指標として比較したところ,一見ストレス負荷が少ないと思われる炭酸ガス麻酔の方が同ホルモン濃度が高かったので,ラットを用い基礎実験した結果,豚を麻酔室へ追込むために使用される電気ムチの影響で高いことが明らかとなった.しかし,ガス麻酔と殺法ではストレス負荷が大きいにも拘らず,異常内PSEの発生率が0〜4%以下であるという事実との矛盾を解明するため,血液と筋肉の両者について両法でと殺した豚について検討した結果,次の諸点が明らかとなり,上記の矛盾の原因も解明された.(1)放血血液のpHは電殺法では7.45±0.067(n=50)であるが,ガス麻酔と殺法では7.00±0.096(n=21)であり,炭酸ガス吸入に起因するアシド-ジスの結果,脳循環血液pHの急激な低下によって脳の機能麻痺による失神状態の出現が推定された.(2)胸最長筋についてと殺後30分以降48時間までのpHの経時的変化を測定比較したところ,電殺豚(n=10)では30分後の6.42から徐々に低下し20時間後に5.84となり,以後やや上昇して6.09となる変化を示したのに対して,ガス麻酔と殺豚(n=10)では頭初から低く30分後の5.74から殆ど変化無く48時間後も5.78であった点は対象的であり,しかも従来PSE発生原因はと殺後1時間以内のpHの急激な低下にあるとされていたが,ガス麻酔と殺豚ではPSE発生は皆無であった.(3)ストレス負荷が大きいにも拘らず,PSEが発生しない原因追及のためアドレナリンが筋肉細胞に作用する際の二次メッセンジャ-として働くcAMPの生成量を比較したところ,電殺豚では極めて高いのに対してガス麻酔と殺豚では顕著に低い(-50%)ことを世果に先駆けて発見したが,その原因はアデニル酸シクラ-ゼ活性が筋肉の低pHのために低下することに起因すると推定した.
著者
横山 修 秋野 裕信 青木 芳隆 横田 義史 楠川 直也 伊藤 秀明 棚瀬 和弥
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

メタボリック症候群候補遺伝子の変異が下部尿路症状(lowerurinary tractsymptoms:LUTS)の発生と関連しているのか、ヒトあるいは病態モデルを用いて検討して以下の結果を得た。(1)過活動膀胱患者の血液サンプルを用いて、特にcycloxygenase-2(COX-2)遺伝子多型(JAMA291:2221,2004)について検討した。COX-2のプロモーター領域には-765番目のグアニンがシトシンに変異している一塩基多Single Nucleotide Polymorphism(SNP)が存在するが、その頻度は低く、これが直接過活動膀胱発生に関与しているとは考えにくかった。しかし、ヒトの症状スコアーと尿中パラメーター(PGE_2、PGF_<2a>、NGF、substance P)を用いて解析した結果、脳血管障害患者では、そのphenotypeとしての尿中PGE_2量は下部尿路症状、特に過活動膀胱(overactive bladder;OAB)症状と有意に関連し、他のメディエーターであるPGF_<2a>、NGF、substance Pよりも強い相関があった。脊髄疾患患者でもOAB症状と尿中PGE_2量とは有意の相関を示した。(2)福井県住民健康診査を受けた男女を対象に、夜間頻尿と下部尿路症状とメタボリック症候群のリスク因子との相関を検討した。その結果、夜間頻尿は肥満・高血圧・心疾患・不眠が独立したリスクで、メタボリック症候群の危険因子の数が多いほどオッズ比が大きかった。(3)なぜ上位脳血管障害患者で尿中PGE_2量が上昇するのか、動物モデルを用いた検討を行った。ラットに脳梗塞を起こさずに排尿反射のみを亢進させても尿中PGE_2量やATP量に変化はみられなかった。しかし脳梗塞を作成すると膀胱壁のATP量増加が認められ、知覚C線維をレジニフェラトキシンにて脱感作するとATP増加はみられなかった。したがって脳梗塞により膀胱の知覚C線維のupregulationが生じていると考えられた。PGE_2量は遅れて増加するものと推測される。(4)メタボリック症候群の病態モデルを用いて、排尿筋過活動の発生について実験を行った。その結果、高フルクトース食にて11ヶ月飼育したラットでは、高血圧・インスリン抵抗性が獲得され、排尿回数の増加とともに膀胱壁COX-2発現の上昇・尿中PGE_2の増加がみられた。
著者
青木 哲 角舎 輝典 青木 哲
出版者
岐阜工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

(1)通気層の断熱性能に関わるパラメータとして、壁本体構造、方位(日射量)、通気層厚および開口率、室内温度、地域差(外気温度、日射量)を変数とした非定常計算を行い、通気壁の断熱性能を定量的に算出した。その結果、各パラメータが通気壁の断熱性能に与える影響を定量的に把握することが出来た。またパラメータによっては、それぞれ熱負荷計算に拠らない熱負荷の算出に可能性が見出された。(2)通気層の冷却効果を促進させる手法として、外装材の材料(熱物性)および表面処理方法(日射吸収率)の影響、通気層内側壁に低放射率材料を使用して放射抑制を行った場合の影響を検討した。その結果、外装材の材料、表面処理方法および通気層内の放射抑制は、通気壁の冷却効果を促進させる有効な手法であることを確認した。(3)日本各地の都市における通気壁の断熱性能の簡便な把握を試みた。その結果、壁本体の熱抵抗値と負荷軽減量の関係を用いて、熱負荷計算に拠らずに、壁本体構造から熱負荷軽減量の把握が出来ると思われた。また、壁本体構造以外のパラメータについても、東京一日データとアメダスデータの検討結果の関係を明らかにすることで、さらに高精度な断熱性能の把握が出来るものと期待された。(4)計算の効率化、計算時間の短縮を目指し、プログラムの簡略化するための新たな計算法の提案を行った。その結果、定常・非定常伝熱状態において、いずれの場合も十分な精度で計算できることを確認し、本計算方法は有効であると確認できた。
著者
小松 輝久 青木 優和 鰺坂 哲朗 石田 健一 道田 豊 上井 進也
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

東シナ海においてブリやマアジの稚魚の生育場として流れ藻は重要な役割をはたしている.しかし,流れ藻についての知見は今までほとんどなかった.そこで,東シナ海の流れ藻の分布,生態,供給源について調べた.その結果,流れ藻がホンダワラ類のアカモクのみから構成されていること,黒潮フロントよりも大陸側に多数分布すること,中国浙江省沖合の島のガラモ場ではアカモクが卓越し,供給源となっていることを明らかにした.
著者
城 仁士 岡田 由香 二宮 厚美 青木 務 杉万 俊夫 近藤 徳彦 小田 利勝
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究は地域一体型の老人介護施設における利用者本位・住民主体の介護サービスがどのようなものであればいいのか提案し、さらにサービス機能の今後の方向性や評価方法を提言することを目的とした。平成13年度から15年度の3年間にわたって、次のような4つの研究アプローチを設定し、研究遂行した。1)社会システム論的アプローチ高齢者をとりまく社会システムを高齢者の発達及び自立支援という視点からアプローチした。特に介護保険によるサービスを個人の尊厳により選びとれる環境整備や制度的な問題点の洗い出しを行った。2)医療システム論的アプローチ高齢者を支援する環境づくりに向けて、地域医療の観点から実践研究を展開した。具体的には、高齢化率の高い過疎地域(京都市北区小野郷)における、住民が主体となって診療所を開設・運営するという新しい地域医療運動に、研究者も参加しながら、運動の経緯を検討した。3)生活環境論的アプローチ高齢者の衣食住環境を生活の主体者としての意識や生活意欲をひきだす環境づくりという視点からアプローチした。被介護者のみならず介護者、利用者の家族、スタッフのストレスを軽減するハード面とソフト面の機能を住環境学、食環境学、衣環境学から分析・評価した。4)心理行動論的アプローチ地域一体型施設における被介護者を中心としたスタッフ、介護者、地域住民の連携を促進する介護サービスの開発と評価を生活環境心理学、ストレス心理学、環境生理学の観点から行った。施設のサービス体系にもとづく調査結果を整理し、第8回ヨーロッパ心理学会や日本心理学会第67回大会に発表するとともに、今後の介護サービスの方向性やその評価方法について検討した。以上の結果に基づいて、今後は施設における集団ケアを少人数のユニットケアへ移行するとともに、個人の尊厳にもとづく新世紀型の施設介護のあり方を提言した。また、環境生理から研究からは、寒くなるとエアコンをつけるなどの行動性体温調節反応が高齢者ではどうなのかを検討した。この反応は自律性体温調節反応が衰えると大きくなり、また,高齢者では皮膚温度効果器の低下にも関係し、若年者より劣っている.このことから,高齢者の生活環境を支援するためにはこの反応も考慮する必要があることを明らかにした。最終年度には、本研究プロジェクトのこれまでの研究成果を実績報告書という形で公刊し、今後の施設ケアの方向性の参考として福祉施設関係者に配布した。
著者
中野 照男 西川 杏太郎 内田 俊秀 西山 要一 尾立 和則 増田 勝彦 三浦 定俊 川野辺 渉 青木 繁夫 中野 照男
出版者
東京国立文化財研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

この研究は、展示や保管における日常的な地震対策に関する研究、地震発生時における緊急措置に関する研究の2本の柱から成る。両研究とも、阪神淡路大震災の折に被災した博物館等の機関、社寺、所蔵家をはじめ、文化財の救援活動に携わった諸機関、諸団体及び個人の協力を得ながら遂行した。震災直後に諸機関や諸団体が行った被害状況調査の報告、被災博物館等による被害の具体的状況に関する調査報告、震災後に博物館等が文化財や試料の収蔵、保管、公開、展示のために実施した改良や工夫に関する情報を、基礎的情報として、可能な限り収集し、それらを解析することによって、新しい防災対策策定のための指針を導き出そうと努めた。その上で、免震装置や吊金具、固着剤など、震災後に大いに着目されている装置や材料、防災対策にとって重要と思われる事項については、それらの有用性や問題点の所在を、実験や分析を踏まえて検討した。さらに、万一災害が発生した場合の文化財等の保全方法、被害を最小にとどめるための緊急措置、文化財等の救出や救援活動などについては、阪神淡路大震災やその他の災害の折の研究分担者、研究協力者の経験をもとにし、諸外国での研究成果を取入れて研究を進めた。また、災害に対応するための博物館や美術館、地方公共団体等のネットワークの形成に関しては、多くの機関に協力を呼びかけ、意見を交換しながら研究を行った。また、資料や参考文献等を多数収集したが、これらは、神戸市立博物館内の文化財防災資料センターにすべて移管し、今後の新たな研究や防災対策の策定に活用する。
著者
丹尾 安典 青木 茂 岩切 信一郎 谷田 博幸 森 仁史 安松 みゆき 阿利 直治 岡谷 公二 奥間 政作 尾崎 有紀子 河田 明久 喜夛 孝臣 顔 娟英 向後 恵里子 迫内 祐司 志邨 匠子 瀧井 直子 滝沢 恭司 増野 恵子 村松 裕美
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、日本の近代文化における「南方」概念の形成を、その視覚表現において分析し、日本の造形文化の展開に及ぼした影響を考察する基礎的な研究である。調査の対象は、沖縄、台湾、東南アジア等をふくむ広範囲な地域にわたる「南方」である。そこで生成した多様な「南方」の視覚表象を、データベースの作成をすすめながら総合的に検証し、これらの成果に基づいて「南方」イメージの形成と変遷を具体的に考察した。
著者
宮武 昌一郎 青木 和久 佐藤 憲子
出版者
(財)東京都医学研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

寄生虫感染に対する生体防御やアレルギー疾患に関与するTh2細胞の分化について、マスターレギュレーターGATA3の作用機序を解析した。GATA3は転写を担うRNAポリメラーゼIIおよびFACT複合体を染色体へ運ぶ機能を持つことが示唆された。またサイトカイン遺伝子の発現制御にはDNA脱メチル化が重要で、T細胞の分化過程においてその活性が変化する事、DNA複製非依存的であること、メチルシトシン結合タンパク質が関与する事などを明らかにした。
著者
鈴木 文彦 堀田 光生 青木 孝之 土屋 健一 Francioni J.M. Lattanzi A.R. 本間 善久
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, 2003-02-25

ダイズ急性枯死症(SDS)の病原菌であるFusarium solani f.sp.glycinesのPCR検出をアルゼンチンにおいて検討した.プライマーには同菌のrDNA領域の配列に基づきO'Donnellらが設計したFSPF,FSPRを用いた.現地で採集したSDS病原菌と非病原性Fusarium属菌からそれぞれ抽出した全DNAをテンプレートにしてPCR反応を行った結果,前者からのみ特異的バンド(約950bp)が増幅されることを確認した.次に人工接種により感染したダイズ(播種後約4週間)を供試し,SDS病原菌の検出を試みた結果,発病した全ての個体において主根および側根から特異的なバンドが検出されたが,葉からは全く検出されなかった.-方,圃場から採取した自然発病ダイズについて根部からの検出を試みたが,常法のPCR反応では増幅産物はほとんど得られなかった.そこで上述の検出用プライマーとそれらの外側のプライマー(ITS5,NL4)とを組み合わせたNested PCR法で再検討した結果,主根上部からは58.8%の検出率で明瞭なバンドが増幅できた.
著者
端山 好和 木崎 喜雄 青木 清 小林 摂子 戸谷 啓一郎 山下 昇
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.4, pp.61-82, 1969-01-31
被引用文献数
6

上越地方には, 変成岩および蛇紋岩の小岩体が各地に散在するが,その多くは,もと片状岩類だったものが白亜紀ないし第三紀の花崗岩の接触変成作用によってホルンヘルス化した複変成岩である。いっぽう, 谷川岳頂上のルーフペンダント, およびジュラ系(岩室層)ないし第三系(栗沢層)の礫岩に見出される結晶片岩礫には,藍閃片岩または藍閃片岩相地域に特徴的な変成岩が認められる。これらによって, 上越地方には, 少くもジュラ紀から中新世にかけて, 藍閃石型広域変成帯が実在したと推定され,現在はほとんど失なわれているが,これを上越変成帯と名付けた。さらに次の理由から,上越変成帯を,飛騨高原をとりまく結晶片岩帯の東方の延長と考えた。1)上越変成帯の東縁をなす片品構造帯は種々の点から飛騨外縁構造帯に類似する,2)結晶片岩の変成様式が両地域で共通する,3)変成作用の時期が同じ,4)両変成帯の外側に分布する非変成古生層(丹波帯と足尾帯)は連続している,5)両地域の地史がよく似ている。
著者
青木 史郎
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 特集号 (ISSN:09196803)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.2-7, 1999-03-31
被引用文献数
1
著者
福土 審 青木 正志 金澤 素 中尾 光之 鹿野 理子
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

脳腸相関とは、中枢神経系と消化管の機能的関連を言う。これは発生学的に古い現象であるが、不明な点が多い。脳腸相関には大きく分けて2つの現象・経路がある。一つはストレスにより、中枢神経系興奮が自律神経内分泌系を介して消化管機能を変容させる現象・経路である。もう一つは、消化管からの信号が求心路から中枢神経系に伝達され、中枢神経機能を変容させる現象・経路である。われわれは、ストレスにより、あるいは、消化管刺激により、脳の特定部位でcorticotropin-releasing hormone(CRH)を中心とする神経伝達物質が放出され、局所脳活動を賦活化する、そして、過敏性腸症候群においてはこの現象が増強されている、と仮説づけた。本研究は、この仮説を動物実験とヒトに対する脳腸検査によって検証することを主目的とし、positron emission tomography(PET)と脳波power spectra、topographyをはじめとする脳機能画像と併せ、脳腸相関におけるCRHならびにその他の物質の役割を明確にした。平成15-18年度の科学研究費により、過敏性腸症候群の動物モデルを作成することができた。この動物モデルの病態はCRH拮抗薬により改善した。また、消化管への物理ストレスにより内臓痛が生じ、視床と辺縁系で脳血流量が増加した。同時に、脳波power spectra、topogramが変化し、腹痛とともに不安が生じた。この時、消化管運動も変化した。過敏性腸症候群ではこれらの現象が顕著であるが、これらもCRH拮抗薬により改善した。過敏性腸症候群あるいはその病態を示す動物では、辺縁系におけるCRH遊離がこれらの結果を招くことが示唆された。これらの知見を平成15-18年度に得たことにより、脳腸相関におけるCRH系の関与を明らかにするという研究目的を達成することができた。
著者
伊藤 亜矢子 青木 紀久代
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究ではスクールカウンセラーの学校全体への支援を可能にするツールづくりを国際比較によって行うことを目的とした.米国,スコットランド,香港などの研究者・実践者との協議や現地調査,共同研究を行った結果,(1)学級を切り口に学校全体への支援を行うための学級風土質問紙小学校版の公開と,中学校版も含めた自動分析システムの構築,(2)子どもの肯定的資質をアセスメントする質問紙の作成試行,(3)SCと教師の協働を促進する教師向けパンフレット,テキスト作成,(4)支援サイト試行などを行えた(一部継続中).
著者
青木 亮 中村 彰宏 大西 靖 轟 朝幸 松本 修一
出版者
東京経済大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

路上駐車対策の実態調査および路上駐車の配置が旅行時間に与える影響や、路上駐車と実交通流の関係をモデル化することで、環境負荷を含めた路上駐車の社会的費用を計測した。シミュレーターを用いた社会的費用のモデル化については、理論仮説の成果にLIME などの手法を組み込み、路上駐車配置が交通流に与える影響を明らかにした。また実交通流をもとにモデル化することで、バス停付近における路上駐車が交通流および公共交通に与える社会的費用を、浦安駅周辺を事例に推計した。さらに表明選好法の一つであるコンジョイント型のアンケート調査データを用いて、違法路上駐車の利用傾向を分析した。これら成果をもとに、交通政策への適応可能性の検討に関する議論を行った。
著者
二村 良彦 大谷 啓記 青木 健一 二村 夏彦
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.14, no.6, pp.588-605, 1997-11-17
被引用文献数
1

長さnの順列を等確率,即ち1/n!で生成するO(n)アルゴリズムは知られている.しかし,整列アルゴリズム等の精密な評価のためには,このような一様乱順列による評価では不十分である.例えば,一様乱順列に含まれる葉数(自分よりも小さい隣人を持たない要素の個数),ランズ,および上昇部分の個数(即ちn-ランズ)は,平均各々約(n+1)/3,(n+1)/2,および(n-1)/2である.これは一様乱順列が極めて偏った特性を有することを意味する.アルゴリズムの性能に影響を及ぼす性質(例えば葉数)を制御しながらランダムに順列を生成し,それを用いてアルゴリズムの性能を評価する必要がある.本稿では,順列から非負の整数上への関数および関数値を順列の特性指標と呼ぶ.特性指標の中でも,順列の葉数,ランズ,上昇部分数等に対応するクラスを単純指標と呼び,それを形式的に定義する.そして長さn,単純指標mを持つ乱順列をO(nm)で生成する計算機オーバーフロー(またはアンダーフロー)無しの方法を提案する.また,単純指標が葉数である場合には順列をO(n)で生成する実用的近似方式について報告する.