著者
河合 隆裕 竹井 義次 小池 達也 青木 貴史 神本 晋吾
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

1. 高階パンルヴェ方程式 (P_J)_m(J=I, II, IV; m = 1, 2, …) に対し、その 1 型変わり点の近くにおいて、そのインスタントン型解は 2 階 I 型パンルヴェ方程式の解に変換できることを示した。議論は高階パンルヴェ方程式の背後に在るシュレーディンガー方程式の WKB 解析的・半大域的変換論に基く。2. その WKB 解析的標準型がマシュー方程式となる一連の方程式の変換論を構築し、その WKB解の解析的構造を超局所解析的手法により明らかにした。
著者
小林 芳規 佐々木 勇 沼本 克明 月本 雅幸 鈴木 恵 原 卓志 山本 真吾 西村 浩子 佐藤 利行 山本 秀人 青木 毅 来田 隆
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

醍醐寺蔵宋版一切経6,104帖の悉皆調査により,角筆の書き入れを調べ,古代東アジアにおける言語文化の交流と影響関係を考察する目的の本研究は,2007~2009年に5回の現地調査を行い,書誌事項と共に角筆の有無を調べ,4,453帖に角筆による漢字と諸符号の書き入れを見出した。その精査は第二次調査を期している。又,東大寺図書館の調査で,唐代写経に角筆の梵唄譜とヲコト点様の単点・複点を発見し,新羅写経に角筆の新羅語の真仮名等と符号を発見して,解読を進めている。
著者
青木 重明
出版者
大東文化大学
雑誌
環境創造 (ISSN:13468758)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.45-65, 2002-10-27

現在、様々な危機を作り出している産業文明を乗り越えるべく新しい文明(エコソフィア文明と仮称)を構想する時、それはトランスパーソナルな経験を中核に考えられるべきである。トランスパーソナルな経験を、新しい文明の経験様式としてみるならば、相互連関性の形式を取り出すことができる。相互連関性には、科学・日常意識に経験される浅い(普通の意味での)相互連関性と、トランスパーソナルに経験される深い相互連関性とがある。ここで問題とする後者は、空間的には、存在者が相互浸透的である事態(とも存在およびポエティックな本質)として、時間的には、全時間がその中にふくまれる瞬間として経験される。時間性の変容によって、自己目的的な活動形式としての遊戯が、自己においても世界においても(世界遊戯)現れる。さらに、深い相互連関性の論理として、「同一性と差異性の相即的成立」を、自己のあり方として相互連関的自己(脱存)を考える。
著者
青木 智子
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会全国大会講演予稿集 (ISSN:1341593X)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.55-62, 1995-10-28

ボードリヤールは「消費社会の神話と構造」において,商品(モノ)は記号であり,人はそのイメーシを消費しているに過ぎないと主張した。仮に,商品(モノ)そのものより,イメージが消費に関係しているとするなら,商品イメージの説明に莫大な時間と金を投じて制作される広告やコマーシャル,すなわち,広告媒体がマーケティングで果たす役割は想像以上のものとなるはずである。しかも,情報化社会の到来は,私たちに次世代の広告の可能性や方向性を示すと共に,新たなマーケティングの在り方を提言してくれるに違いない。本研究では,広告とマーケティングの関係を踏まえた上で,深層心理学的な見地から,今や人の無意識を反映し,自己実現の道具とも化している商品と,これを促進し,欲望の刺激を試み続ける情報としての広告について分析を試みた。
著者
渡辺 幸一 朴木 英治 久米 篤 青木 一真 中野 孝教 石田 仁 松木 篤 岩坂 泰信 松木 篤 田中 泰宙
出版者
富山県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

高所に出現する弱い黄砂(バックグランド黄砂)の動態やその自然環境へ及ぼす影響を評価するため、立山において、エアロゾル粒子、微量気体成分、降水、霧水、積雪などの観測・分析を行うと共に、植生への影響について検討した。年度による程度の違いはあるものの、毎年秋期に「バックグラウンド黄砂」の影響がみられることがわかった。立山山の植生は、大気汚染物質だけでなく、黄砂粒子の影響も大きく受けている可能性が示唆された。また、立山での観測と並行して、回転翼航空機による富山県上空大気観測も行った。観測結果から、高所では高濃度の光化学オキシダント物質に植生が晒させやすいと考えられる。
著者
持田 灯 富永 禎秀 佐藤 洋 吉野 博 高橋 正男 青木 泰伸 清水 敬二
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本研究では、産業廃棄物(酸性白土から石鹸等の化学製品を製造する過程で生成される土塊(粒径5〜30mm)。無害)を散布することにより、地表面の粗度長を大きくして地表面付近の風速を減じ、飛砂発生を制御するという新しいタイプの飛砂防止対策の実用化を図った。(1)沿岸部の飛砂の実態調査・沿岸部の砂地における飛砂の現状を、風速・風向・飛砂量等の長期測定等により調べた。(2)飛砂に関する風洞実験・風洞内に砂を敷き詰め、風速を段階的に増加させることにより、限界風速・限界摩擦速度等に関するデータを採取した。・次に、風洞床面上に砂を敷き詰め、産業廃棄物の土塊を散布し、その飛砂防止効果を確認した。(3)CFDによる飛砂メカニズムの解明・CFDにより、上部風速と地表面の粗度及び砂面限界摩擦速度等の関係、周辺の地形や建物の影響等について系統的に検討した。(4)飛砂防止工法の最適化・上記(2)、(3)の結果をもとに、本飛砂防止工法で散布する土塊の粒径、散布密度、散布位置の最適化を行った。(5)現場測定による本工法の有効性の検証・実際の砂地造成地に、産業廃棄物である土塊を散布し、風速・飛砂量の測定結果により、本工法の飛砂防止効果を確認。また砂地緑化の効果を確認するために、砂地や砂浜に種子を植え、生育状況を観察した。(7)効率的な施工方法の検討・今回の飛砂防止方法では、土塊をいかに均一に安価に散布するかも重要な問題となる。ここでは建設工事用のクローラダンプを応用した施工方法を開発し、試験施工によりその有効性を確認した。
著者
青木 薫
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.46-48, 2001-01-05
著者
宮崎 俊一 大坪 雅史 青木 央 澤谷 拓治
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.858-865, 1996-07-15
被引用文献数
1 5

種酢から酢酸菌を分離し,分離菌株の分類学的な検討を行うとともに,農産物を原料とした分離菌による発酵技術を検討した.<BR>(1) 種酢からの分離菌No. 1株は,グリセリンからのケトン体の生成能,Hoyer-Frateur培地でのアンモニウム塩の資化性はみられず,GC含量が53.8%であった.<BR>以上の結果からBergey's mannualによりNo. 1株はAcetobacter pasteurianusと推定された.<BR>(2) No. 1株によるマルメロ,リンゴ,ホワイトアスパラガス、カボチャを原料とした酢酸発酵の条件を検討した結果,リンゴとカボチャは搾汁液にエタノールのみを添加した試験区で発酵が進行した.<BR>(3) ホワイトアスパラガスは搾汁液のpH 6.8に調整後,窒素源として麦芽エキスを0.1%添加するか,あるいは搾汁液にクエン酸を0.2%添加することにより発酵が進行した.<BR>(4) マルメロ果汁に含まれるポリフェノール成分が酢酸発酵を阻害することから,ゼラチン処理によりポリフェノール成分を除去し,窒素源として酵母エキスを0.1%添加することにより発酵は進行した.
著者
坂田 勝 阿部 博之 大塚 昭夫 北川 浩 宮本 博 青木 繁
出版者
東京工業大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1987

各研究分担者は当初の計画に従って研究を行い、開口および混合モード負荷を受けるき裂先端の弾塑性変形について解析および実験を行った。宮本・菊池・町田は、先端に巨視的ボイドを有するき裂について微視的ボイドの存在をモデル化したガーソンの構成式を用いて有限要素解析し、き裂とボイドの相互作用および合体について研究した。大塚・東郷は、混合モード負荷を受ける切欠きおよびき裂の挙動について有限要素法解析および実験をおこなった。切欠きについては、モードI負荷成分が大きいときの開口型き裂の発生は限界ボイド率によって予測できるが、モードII成分が大きいときのせん断型き裂の発生の予測は困難であった。き裂についても開口およびせん断型き裂が進展し、J積分による予測が可能なことを示した。坂田・青木・岸本は、混合モード負荷を受けるき裂について有限変形理論に基づく有限要素法によって、き裂先端に一個の巨視的ボイドが存在するモデルについて解析した。ボイドがき裂の鈍化側に存在するときには、き裂先端の塑性ひずみおよびボイド率の増加に寄与し破壊を促進するが、き裂の鋭化側に存在するときは相互作用しないことを示した。北川は、現象論的な構成式を用いないで、微視的なすべり機構を考慮した有限要素法シミュレーションを行って、き裂の開口形状を解析した。共役2すべり系による解析が実験結果とよく一致することを示した。阿部・坂は、有限要素解析およびすべり線場解析を行うとともに実験を行って、モードI負荷をうけるき裂の進展を規制する量として強変形域塑性仕事の概念を、混合モード負荷については一般化き裂開口変位の概念を導入し、これらがき裂の発生および進展を規制するパラメータであることを示した。
著者
近藤 和彦 西川 杉子 鶴島 博和 西沢 呆 小泉 徹 坂下 史 青木 康 秋田 茂 勝田 俊輔 秋田 茂 青木 康 金澤 周作 勝田 俊輔 小泉 徹 西沢 保 坂下 史 鶴島 博和 富田 理恵
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究の成果は、ブリテン諸島(現イギリス・アイルランド)地域の歴史をヨーロッパおよび大西洋の関係のなかでとらえなおし、古代から今日までの期間について、自然環境から民族、宗教、秩序のなりたちまで含めて考察し、そこに政治社会をなした人々のアイデンティティが複合的で、かつ歴史的に変化した点に注目することによって、旧来のホウィグ史観・イングランド中心主義を一新した、総合的なブリテン諸島通史にむけて確かな礎を構築したことにある。
著者
青木 哲夫 山本 唯人
出版者
公益財団法人政治経済研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

東京都公園緑地課作成「都内殉難者霊名簿」のデータベース化を完了した(31,318件)。東京空襲の犠牲者についての氏名・年齢・住所・遭難地・仮埋葬地などをふくむ本データベースは、今後の東京空襲の被害の実態、被災者の行動などの研究にとって貴重な資料となる。関連して、同名簿の用紙・書式・加除訂正など態様の特徴を洗い出した。これらは同名簿の作成のもととなった空襲犠牲者の改葬および慰霊事業の研究の基礎資料となる。