著者
十川 廣國 青木 幹喜 遠藤 健哉
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.121-145, 2005-02

継続的に日本企業の組織能力とイノベーションの関係について調査を行なっている。この報告書は, 変革を求められている日本企業のマネジメントを継続と変化という視点からその異動についての2年目の調査結果をまとめたものである。
著者
村川 雅洋 根本 千秋 箱崎 貴大 青木 健一 平間 孝弘 菅野 良子
出版者
福島県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

手術患者の予後に重大な影響を与える術後せん妄の神経化学的機序解明を目的として、ラットを用いて麻酔中の侵害刺激と鎮静による脳内神経伝達物質アセチルコリン放出の変化を検討した。その結果、現在一般的に用いられている全身麻酔薬と術後鎮静薬はアセチルコリン放出量に影響を及ぼすことが明らかとなり、大脳皮質のアセチルコリン放出の変化が術後せん妄に影響を与えていることが示唆された。
著者
田口 聡 細川 敬祐 小川 泰信 田口 真 塩川 和夫 青木 猛 鈴木 臣 田原 篤史
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

極域電離圏のプラズマは,様々な物理過程によって水平方向に10 kmから100 km のメソスケール構造を作ることが多い.本研究では,そのような構造と,さらにその構造の生成に関わるメソスケールのオーロラ構造を高い時間分解能で捉えることのできる全天イメージャーを構築して,その装置によって得られたデータを解析した.極冠域で生じている現象については,その出現特性と構造化の特徴を見出した.また,カスプ域については,磁気圏からの粒子降下が,これまでに同定されていない時間空間特性をもつことを明らかにした.
著者
大城 道則 金谷 一朗 橋本 英将 高橋 秀樹 設楽 博巳 青木 真兵
出版者
駒澤大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

ナイル河の西方地域における古代エジプト文化の影響を羊の頭部を持つアムン神信仰の伝播と受容から確認した。具体的な例としてはカルガ・オアシスのナドゥーラ神殿、ダクラ・オアシスのアイン・アムール神殿、シーワ・オアシスのアムン神殿、そして同地域に点在するその他の神殿群とサハラ砂漠地域の岩絵・線刻画が挙げられる。本研究は今後さらに西方へと調査範囲を拡大し、北アフリカ全域を視野に入れた古代エジプト文化研究の基盤となる。
著者
福瀬 達郎 有安 哲哉 張 謙益 室恒 太郎 水野 浩 神頭 徹 青木 稔 田村 康一 和田 洋巳 人見 滋樹
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.829-834, 1991-10-20
被引用文献数
4

当科に於ける過去17年間の肺癌総手術症例733例中, 40歳未満の若年者肺癌手術症例は24例(3.3%)であった.最年少は17歳女性で, 30歳未満は全例腺様嚢胞癌であった.性別は, 女性7例(29.2%)で肺癌手術症例全体での女性25.2%に比しやや多い.発見動機は, 検診が9例(37.5%), 有症状例が15例で, 症状の内訳は, 咳嚇が9例と最も多かった.若年者の非喫煙者の率は33.3%と総手術例の17.1%に比し有意に高かった.組織型は腺癌が10例と最も多く, 扁平上皮癌は少なかった.病期はI期11例, II期1例, lIIA期6例, IIIB期5例, IV期1例であり, 進行癌は50.0%で全体の59.6%に比しやや少なかった.手術は絶治12例, 相治6例, 相非2例, 絶非2例, 試験開胸2例であった.手術成績は, 5生率74.1%と良好で, 病期別ではI期列は5生率100%だったが, IIIA期例は5生率0%と悪かった.検診例に進行癌は比較的少なく, 予後良好であった.
著者
谷川 恵一 青田 寿美 木戸 雄一 山下 則子 高木 元 中丸 宣明 青木 稔弥
出版者
国文学研究資料館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

幕末から明治初期にかけての時期に刊行された仮名垣魯文の著作をひとつひとつ検討していくという基礎作業を積み重ねた本課題は、当該時期の文学・文化研究の学術基盤の整備に関して、主として以下のような成果を挙げた。1.従来の仮名垣魯文の著作目録を大幅に補訂し、236点に及ぶ魯文の著作を掲出し、それぞれの著作の所蔵先を併記した著作目録を作成した。なお、本目録では、当時の戯作者と本屋(版元)をめぐる出版状況に鑑み、魯文序や魯文〓といった一般的には著作と扱われない作品をも拾い出すことで、より広範な問題領域に対応させた。2.80点の魯文の著作または魯文に関連する著作について、書誌事項を中心とした詳細な解題を作成した。3.明治8年から12年にかけて魯文を主筆として刊行された『仮名読新聞』の記事の中から、魯文およびその周辺人物の動向に関連した記事を拾い出し、仮名読新聞記事データベースを作成した。4.購入した原本や原資料を展示に供し、また研究成果の一部を取り込んで、詳細な解説を付した展示目録を作成・配布することによって、研究活動を対外的に拓いたものとした。これらに加え、従来明らかでなかった以下の事項について取り組み、明治初期という過渡期における文学と出版文化との研究を進展させた。5.新聞に掲載された〈つづきもの〉が単行本として刊行される過程において、著者・版元・読者がどのように関与したのか、具体的な作品に即しながら再構成した。6.「著作道書キ上ゲ」として知られるテクストを同時代の情況の中で多角的に分析することによって、明治という新たな時代を迎えたときの魯文たち戯作者の動向を明らかにし、文学史におけるあらたな戯作の位置づけを提出した。
著者
佐藤 嘉洋 矢垣 真也 吉田 親子 能代 英之 佐藤 雅重 青木 正樹 杉山 芳弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.654, pp.23-28, 2006-03-07

高集積MRAM用のトンネル磁気抵抗素子(MTJ)として、低い反転磁界と高いディスターブ耐性を同時に満たすアステロイド特性と、最小セルサイズ8F^2を実現する砂時計型MTJを提案する。Landau-Lifshitz-Gilbert (LLG)シミュレーションによると、この砂時計型MTJは反転磁界が低減するように磁化反転時のスピン分布状態が動く特徴であり、従来のMTJ形状の磁化反転過程とは異なる。今回我々は260×420nm^2サイズの砂時計型MTJと200×400nm^2サイズの楕円MTJを試作した。LLGシミュレーションの結果と同様に、理想的なアステロイド曲線と楕円MTJよりも50%低い反転磁界を実現した。
著者
鹿毛 哲郎 大塚 友彦 小池 清之 柚賀 正光 青木 宏之
出版者
東京工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

東京工業高等専門学校では、プログラマブル・ロジック・デバイスであるFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いたHDL論理回路設計の教育に取り組んでいる。FPGAを用いると、HDL設計した論理回路を実装して、その場で論理動作を検証・確認することができる。本報告では、東京高専電子工学科4年生の電子工学実験で行ったHDL設計の導入の実習実験、専攻科1年生に対する電気電子工学特別演習、卒業研究において組み込みプロセッサを使ったシステムLSIの試作開発の取り組みについて報告する。
著者
木村 光雄 上田 静男 傍島 善次 青木 朗 国村 昇
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大學學術報告. 農學 (ISSN:00757373)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.15-20, 1959-09-01

1958年の8月6日&acd;10月28日にわたり, 葡萄のMuscat of Alexandria種の1年生1芽挿苗木を材料として砂耕栽培を行い, これに有機界面活性剤として, Polyoxyethyleneglycol Octyl Phenol Etherの4種類を夫々濃度を(10)^<-3>, (10)^<-4>及び(10)^<-5>としLauryl Alcohol (30mol) Ethylene Oxyde Co-polymerを濃度(10)^<-4>, (10)^<-5>及び(10)^<-6>として培養液に添加し, 有機界面活性剤の存在が葡萄の生育に及ぼす影響を調査した。その成績は次の如くである。1)有機界面活性剤の濃度がPolyoxyethleneglycol (×) Octyl Phenol Etherは(10)^<-3>, Lauryl Alcohol (30mol) Ethylene Oxyde Co-polymerは(10)^<-4>では高濃度に過ぎて供試樹は途中で枯死した。2)有機界面活性剤の濃度をPolyoxyethyleneglycol (×) Octyl Phenol Etherは(10)^<-4>, Lauryl Alcohol (30mol) Ethylene Oxyde Co-polymerは(10)^<-5>で添加すると供試樹の生育に好影響を及ぼす可能性がある。
著者
深尾 良夫 山田 功夫 青木 治三
出版者
名古屋大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1990

最終年度の研究は大別して2つに分けられる。1つは前年度までに試作した改装CMG-3地震計を用いて、火山性微動の観測を行うこと、もう1つは前年度までの研究でメーカー規格との食い違いが明らかになったSTS-2地震計の感度特性を最終的に確立することである。第1の課題については1991年6月から約1年半雲仙普賢岳で試験観測を行い、特に火砕流に伴う震動記録を数多く記録した。これらの記録には通常の高感度地震計では捉えられない5-10秒の比較的長周期成分が明瞭に含まれており、広帯域地震計の威力を見せている。ビデオカメラによる火砕流記録と震動記録とを比較した結果、火砕流に伴う震動は地表に押し出された溶岩塊がゴロンと斜面を転がり始めるときに出るものであることが分かった。第2の課題については、感度特性が振巾・位相と共に固有周期140秒の速度型地震計との特性等価であることを2つの独立な方法で確認した。これはメーカ規格による固有周期120秒とは大きく異なり、解析にあたって十分な注意が必要である。またSTS-1地震計との並行観測を行い、STS-2地震計は周期50秒以上で地震計台の傾斜変動によるものではないノイズが卓越すること、このノイズは地震計を耐圧容器をかぶせることにより顕著に減少することを見出した。そこでSTS-2地震計用の耐圧容器を製作し、現在これを東海大学敷地内の地下1mに埋設しテスト観測中である(横浜市立大学と防災科学技術研究所との共同研究)。記録は地球潮汐を明らかに捉えており、この耐圧容器の効果の絶大なことを示している。
著者
山本 將 河野 誠二 岡島 由佳 青木 和子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.27-37, 2002

美容や理容にとって頭毛は最も重要な施術素材であり洗髪など頭毛が水または水溶液に浸漬される機会も多いが,その物理的性質に関する情報は少ない。そこで頭毛の含水量に対する反応について研究した。頭毛は水中で膨潤するが,直毛赤毛,直毛黒毛,波状毛黒毛では10〜12%の仮直径の増加でいずれも差がなかった。なお同一個体由来の59本の直毛黒毛ヴァージン毛の%増加率平均値と標準偏差は112(%)±2.5である。長さの変化も同一個体の直毛黒毛による実験でそれぞれ101.9(%)±0.24であった。水中に浸漬した頭毛は急速に吸水し,約2分で最大値に達して安定する。この変化を同一頭毛で繰り返すと,わずかだが塑性変形の傾向を示す。また膨潤による仮直径の%増加率は,その太さにかかわらずほぼ一定である。一方で,頭毛の横断ブロックでの実験では塑性変形が著明になる。以上のことから,ヘアカットにおいて頭毛含水量を多くした場合の危険性について考察した。さらに頭毛の実験において,その直径に言及する必要があるときはその代用として仮直径を用いることの妥当性を論じた。
著者
寺内 文雄 久保 光徳 青木 弘行
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,触知覚や操作に対するフィードバック感覚を利用して,直感的に情報を伝達するための方策について検討した。具体的には,飲料の種類を識別できる飲料パッケージ用触覚記号や薬剤の種類を示唆するパッケージ用触覚記号を提案することと,押しボタンスイッチの操作感とスイッチの物理特性の関係を解明することを試みた。本研究の結果は以下のように要約できる。1)晴眼者と視覚障害者を対象とした実験によって,内容物に対応した飲料パッケージ用触覚記号の形状と材質を明らかにした。2)薬剤パッケージを対象として,薬効を示唆する触覚記号と容量の異なるパッケージが存在することを伝える触覚記号の具体案を示した。3)押しボタンスイッチを対象として,スイッチの操作感と操作目的,スイッチの物理特性の関係との対応関係を明らかにした。さらに,スイッチの操作感評価においては,時間の要因を考慮する必要があることを示唆した。
著者
青木 淳賢
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

これまでのノックアウトマウスを用いた解析により、オートタキシンは発生段階の血管形成過程に重要な役割を有することが明らかになっている。しかしながらその詳細な作用機構は明らかでなかった。この問いに答えるために我々はゼブラフィッシュに着目した。ゼブラフィッシュは分子レベルでも哺乳類と血管形成過程が類似していることが示されている。我々は、オートタキシンが、ゼブラフィッシュにも高度に保存されていること、および、in vitroで発現させたとき、リゾホスファチジン酸産生活性(リゾホスホリパーゼD活性)を示すことを確認した。さらにオートタキシンに対するアンチセンスオリゴ(MO)を投与することでオートタキシンの機能抑制を行ったところ、ゼブラフィッシュにおいても顕著な血管形成異常が観察された。今後は各LPA受容体、並びにオートタキシンの基質産生酵素候補遺伝子に関して、血管形成異常を指標として機能的関連性を明らかにし、オートタキシンの血管形成過程における役割を分子レベルで明らかにされることが期待される。
著者
上田 豊 中尾 正義 ADHIKARY S.P 大畑 哲夫 藤井 理行 飯田 肇 章 新平 山田 知充 BAJRACHARYA オー アール 姚 檀棟 蒲 建辰 知北 和久 POKHREL A.P. 樋口 敬二 上野 健一 青木 輝夫 窪田 順平 幸島 司郎 末田 達彦 瀬古 勝基 増澤 敏行 中尾 正義 ZHANG Xinping BAJRACHARYA オー.アール SHANKAR K. BAJRACHARYA オー 伏見 碩二 岩田 修二
出版者
名古屋大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

1.自動観測装置の設置と維持予備調査の結果に基づき、平成6年度にヒマラヤ南面と北面に各々2カ所設置したが、各地域におけるプロセス研究が終了し、最終的には南面のクンブ地域と北面のタングラ地域で長期モニタリング態勢を維持している装置はおおむね良好に稼働し、近年の地球温暖化の影響が観測点の乏しいヒマラヤ高所にいかに現れるかの貴重なデータが得られている。2.氷河変動の実態観測1970年代に観測した氷河を測量し、ヒマラヤ南面では顕著な氷河縮小が観測された。その西部のヒドン・バレーのリカサンバ氷河では過去20年に約200mの氷河末端後退、東部のショロン地域のAX010氷河では、ここ17年で約20mの氷厚減少、またクンブ氷河下流部の氷厚減少も顕著であった。地球温暖化による氷河融解の促進は氷河湖の拡大を招き、その決壊による洪水災害の危険度を増やしている。3.氷河変動過程とその機構に関する観測氷河質量収支と熱収支・アルビードとの関係、氷河表面の厚い岩屑堆積物や池が氷河融解に与える効果などを、地上での雪氷・気象・水文観測、航空機によるリモート・センシング、衛星データ解析などから研究した。氷河表面の微生物がアルビードを低下させて氷河融解を促進する効果、従来確立されていなかった岩屑被覆下の氷河融解量の算定手法の開発、氷河湖・氷河池の氷河変動への影響など、ヒマラヤ雪氷圏特有の現象について、新たに貴重な知見が得られた。4.降水など水・物質循環試料の採取・分析・解析ヒマラヤ南北面で、水蒸気や化学物質の循環に関する試料を採取し、現在分析・解析中であるが、南からのモンスーンの影響の地域特性が水の安定同位体の分析結果から検出されている。5.衛星データ解析アルゴリズムの開発衛星データの地上検証観測に基づき、可視光とマイクロ波の組み合わせによる氷河融解に関わる微物理過程に関するアルゴリズムの開発、SPOT衛星データからのマッピングによる雪氷圏の縮小把握、LANDSAT衛星TM画像による氷河融解への堆積物効果の算定手法の確立などの成果を得た。6.最近の気候変化解析ヒマラヤ南面のヒドン・バレーとランタン地域で氷河積雪試料、ランタン周辺で年輪試料を採取し、過去数十年の地球温暖化に関わる気候変化を解析中である。7.最近数十年間の氷河変動解析最近の航空写真・地形図をもとに過去の資料と対比して氷河をマッピングし、広域的な氷河変動の分布を解析中である。8.地球温暖化の影響の広域解析北半球規模の気候変化にインド・モンスーンが重要な役割を果たしており、モンスーンの消長に関与するヒマラヤ雪氷圏の効果の基礎資料が得られた。
著者
高橋 実 大友 一雄 渡辺 浩一 山田 哲好 青木 睦 吉村 豊雄 江藤 彰彦 大石 学 福田 千鶴 松澤 克行 東 昇
出版者
国文学研究資料館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は、当初の計画調書に明示しているように、幕府・諸藩など領主組織が各部署において作成・授受し、管理・保存し、活用してきた文書記録やアーカイブズをアーカイブズ学に立脚した視点から、通算15回の研究会を開催し、44本の報告と議論を行った。具体的には、江戸幕府、旗本、弘前藩、秋田藩、米沢藩、高田藩、松代藩、尾張藩、京都町奉行、岡山藩、鳥取藩、萩藩、土佐藩、福岡藩、長崎奉行、熊本藩、対馬藩、鹿児島藩について、最新の研究成果を得ることができた。
著者
青木 公也 金子 豊久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.72-83, 2003-01-01
被引用文献数
6

本研究では人間と共存するロボット(福祉・ホームロボット)の外界認識システムに焦点を当て,その導入研究として距離情報とカラー情報を利用した3次元物体の検出について検討を行った.ステレオビジョンが任意に移動していく過程で蓄積されていく外界情報を利用し,指定された物体の位置・姿勢を検出するアルゴリズムを提案する.3次元モデルベーストマッチングに改良した遺伝的アルゴリズム(GA)を適用する.視点移動は GA に動的環境をもたらすと考え,多峰性問題と評価関数の変化に対応するために「種族」と「競争的共存」の概念の導入を図った.また,ロバストなマッチングを行うために3次元モフォロジー演算を利用した評価空間の生成手法を提案した.距離画像の各画素に距離データだけでなく,HSV カラー情報を付加することによって形状情報とテクスチャ情報を同時に評価する手法も提案する.最後に提案手法についてシミュレーション及び実画像での実験を行いアルゴリズムの有効性を示す.本アルゴリズムは探索対象とする物体形状の複雑さに柔軟に対応できること,センサによる距離情報取得の際の外乱に対してロバストであるという特長をもつ.
著者
浅野 和也 青木 智一 長友 晃彦 菅原 拓 橋田 淳一 阿部 紀夫 岡本 諭 上野 悠也 七夕 雅俊 大久保 好幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム
巻号頁・発行日
vol.108, no.453, pp.145-146, 2009-02-23

低消費電力で1Gbpsフルワイヤ処理が可能な1Gbps IPsecアクセラレータの開発について前回報告したが,今回は同じLSIにルーティング機能(NAPT,PPPoE等)を追加した実装について報告する.結果として,NAPT+IPsec(トンネルモード/3DES/SHA1)を700Mbpsで処理可能であることが確認でき、高速かつ低消費電力のブロードバンドルータ実現に有効なソリューションとなることが実証できた.