著者
相馬 武久 河口 雅登 高木 洋史 齊藤 奈美子
出版者
日本獸医師会
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.538-541, 2016 (Released:2017-01-27)

ワクチン接種後の経過年数と犬ジステンパーウイルス(CDV),犬パルボウイルス2型(CPV-2),犬アデノウイルス1型(CAdV-1)及び犬アデノウイルス2型(CAdV-2)の免疫状態を24カ月齢以上の犬178頭の血清を用いて抗体検査により検討した。その結果,ワクチン効果の保有率及び抗体価は4ウイルスともに経過年数に伴い減少する傾向が観察された。さらに抗体価の変動係数を検討したところ,ワクチン接種後2年以降,CDV,CAdV-1及びCAdV-2において顕著な上昇が観察された。以上の成績から,特にワクチン接種後長期間経過している例では抗体価が減弱している例が多く,そのために免疫状態の個体差が大きくなるものと思われる。このため,特に免疫介在性疾患等の理由でワクチン接種を避けるべき例に対して定期的な抗体検査により免疫状態をモニタリングする必要性があると思われる。
著者
高木 浩光 有田 隆也 曽和 将容
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.68-69, 1991-02-25

並列計算機のアーキテクチャを実行順序制御の観点から分類すると、命令のプロセッサ割り当てを実行時に行なう動的順序制御方式と、実行前に行なう静的順序制御方式とに大別することができる.後者は前者に比較して、実行時にスケジュール処理を行なう必要がない、先行制御が容易であるなどの理由により、高速な順序制御が可能であるという特長をもっている.ただし静的順序制御方式では、その性能を最大限に引き出すために、実行前に最適な命令スケジュールを決定する必要がる。この最適化は、命令の処理時間の予測をもとに行なわれるが、この処理時間の予測が適確でない、もしくは、キャッシュ・ミスやネットワーク遅延などの不確定要素によって処理時間が実行時に変動するような場合、実行前の最適化では十分に良い性能が得られない場合がある。これが静的順序制御方式の動的順序制御方式に対する欠点のひとつとなっていた。我々は、従来のスケジュール法を改良することによって、処理時間の予測どおりに実行された場合の性能は従来のままに保ち、かつ処理時間が予測から変動した場合の性能を向上させるスケジュール法:DTSP(Dependent Tasks Same Processor)法を提案した。本スケュール法を用いることにより、従来の方法に比較して5~10%程度の性能向上が得られることが示されている。この性能向上率は、タスクグラフの形状、タスク(命令)の処理時間のバラツキ、プロセッサ数、タスク数などによって変化するものであった。特にタスクの処理時間のバラツキに対しては特徴的な変化がみられた。本稿では、この特徴について明らかにし、DTSP法がどのような環境において特に有効であるか考寮する。
著者
高木 正則
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.62-65, 2018-12-15

情報処理学会では,2017年8月末から教員研修の講師紹介の相談窓口を設置している.本記事では,この相談窓口に最初に講師紹介の依頼があった青森県の教員研修(小・中学校プログラミング教育研修講座)について報告した.研修は2018年8月28日に青森県総合教育センターで行われた.講義後の事後アンケートでは,「企業・団体や地域等との連携について,今後希望する連携方法や支援してほしい内容」として,IT機器や教材等の貸し出し(5名),支援員等の派遣(4名),研修(4名),などの回答があり,2020年度から始まる小学校でのプログラミング教育に向けて,教員への支援体制の充実が必要不可欠であることが伺えた.
著者
高木 靖寛
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.544, 2017-05-24

定義 泡沫細胞,すなわち黄色腫細胞の集簇による病変である.胃ではよく認められるが内視鏡検査による食道での頻度は0.46%とまれである1).病理組織学的に黄色腫細胞は扁平上皮間結合組織乳頭部に嵌り込むように存在するため2),この所見が内視鏡像にも反映される.すなわち,典型例では多数で点状の黄白色小顆粒の集簇として観察される(Fig. 1a).拡大観察では乳頭の配列に一致して黄白色顆粒がみられ,このなかに縮れて走行する微細血管が観察され特徴的である2)(Fig. 1b).黄色腫細胞の量が多く充満した場合は顆粒結節状となることもある.
著者
高木 不二
出版者
慶應義塾福沢研究センター
雑誌
近代日本研究 (ISSN:09114181)
巻号頁・発行日
no.34, pp.434(37)-447(24), 2017

I. はじめにII. 事例研究1 横井左平太(1845~1875)の場合III. 事例研究2 津田静一(1852~1909)の場合シンポジウム講演録 : 東アジアの近代とアメリカ留学 : East Asian overseas students in the U. S. in the early modern era
著者
高木 佐恵子 岡田 陽介 岩崎 慶 吉本 富士市
出版者
The Society for Art and Science
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.135-144, 2005

魅力的な外見は一般に好まれる傾向にあるため,通常,人々は自分をよりよく見せようとする傾向がある.我々は,顔の個人的特徴をできるだけ残しつつ,その美しさを向上させるために,顔データを変形する手法を提案する.顔の魅力に関する既存研究を調査した結果,小さい,かつ/または,アンバランスな目と,突出した口を変形対象とする.変形は,3 次元の顔データに対して適用される.用いる顔データには,顔の部分(目や唇など)に分類された特徴点が含まれている.変形は,特徴点の移動により実現し,その移動は特徴点を囲む計測サンプル点の座標にも反映される.提案手法を適用して変形した8 人分の顔データを用いて,アンケート調査を行った.その結果,提案手法が個人的特徴を残しつつ美男美女化することに有効であることが確認された.
著者
高木貞治 著
出版者
開成館
巻号頁・発行日
vol.平面幾何, 1911
著者
中村祐基 中島裕聡 高木正則 山田敬三 佐々木淳
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.863-865, 2014-03-11

近年,大学生の就職活動と企業の採用活動のミスマッチが問題となっている.学生は大企業志向の傾向が強く,普段あまり目につかない業種や中小企業に目を向けて採用先を探しきれていない.本研究では,企業が求める人材像と学生の適性とのマッチング支援を目的とし,就職活動支援システムを提案する.本システムは,学習成果物と学生のスキル向上過程の気づきを記録するeポートフォリオと,企業の採用ページから特徴語を抽出し,その特徴語とeポートフォリオに蓄積された学生の能力(社会人基礎力等)スコアとの適合性に基づいて,マッチング度合を提示する機能から成る.本稿では,本システムの概要とプロトタイプシステムの開発について述べる.
著者
高木 武
出版者
東洋大学法学会
雑誌
東洋法学 = Toyohogaku (ISSN:05640245)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.71-76, 1986-03
著者
高木 英至
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.149-159, 2012

高木(2010)で作成した恋愛関係形成のシミュレーションモデルをもとに, 恋愛関係における戦略が進化するシミュレーションモデルを作成し, 試行的に実施した. シミュレーション結果では次の結果(モデルの予測)が観察された. 1) 社会的望ましさを相手に求める傾向は, 望ましさが高い者ほど強い. 望ましさによるこの相違は, 両性が自由にプロポーズできる場合に顕著である. 2) 社会的に望ましい者は恋愛における積極性(プロポーズや受諾のしやすさ)が低くなる. またプロポーズ権に不平等があるとき, プロポーズ権のない側は積極性が低下する. 3) 相手との釣合いを求める傾向は社会的望ましさの高い者ほど強い. 釣合いを求める傾向はまた, プロポーズ権が両性にある場合に高くなる. さらに, 戦略進化の結果としてカップル間の望ましさにおける釣合いが高まることも示された. このシミュレーション結果は, 相互作用状況の構造的要因から個人レヴェルの志向が生まれる可能性を示唆している.
著者
高木 彩 武田 美亜 小森 めぐみ 今野 将
出版者
一般社団法人 日本リスク学会
雑誌
リスク学研究 (ISSN:24358428)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.213-221, 2021-06-25 (Released:2021-06-23)
参考文献数
21

Emerging information technologies are rapidly growing and expected to change the social systems drastically. This study investigated the relationships between knowledge and risk perceptions regarding new technologies such as AI, machine learning, self-driving, and VR. We conducted an online survey and measured the risk perception and basic scientific knowledge and domain specific knowledge (subjective and objective knowledge regarding emerging information technologies). The results of hierarchical regression analyses showed that the interactive effect of subjective and objective domain specific knowledge was significant. Participants who rated higher in both of subjective and objective knowledge perceived lower risk than other participants. Basic scientific knowledge was correlated with objective knowledge but not significant predictor of risk perception. The explanatory power of the knowledge factors was lower than institutional trust.
著者
斎藤 純男 井上 治 孟 達来 高木 小苗
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

アフガニスタンにおけるモンゴル系のモゴール語は現在絶滅した可能性の高い言語であるが、服部四郎が1961年に現地調査を行なった際の未発表の録音資料が島根県立大学の資料中に発見され、それに基づいて研究を行なった。モンゴル系語彙を含むハザーラ語の話者の協力を得ながら、録音されたモゴール語の語や文を音声・文法・意味の面から詳しく記述した。使用した録音資料からは、モゴール人はハザーラ語も話すという新しい情報も得られた。また、永久的保存のためテープによる録音資料をデジタル化するとともに、過去に発表されたモゴール語語彙を電子化してデータベースの基礎とした。