著者
藤本 直也 菅原 遼介 高木 正則
雑誌
情報教育シンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.74-81, 2016-08-15

大規模CGM(consumer generated media)コミュニティでは,ユーザがコンテンツを作成し続ける必要がある.特にオンラインコミュニティでは,面識のない膨大な数のユーザを管理し,コミュニティを維持・活性化することは容易ではなく,面識のある知り合いベースのコミュニティとは異なる運営が必要となる.本研究では,持続可能なCGMコミュニティの構築を目的とし,流入,突破,継続,転換の4つの概念ループからなるCGMコミュニティ育成モデルを提案する.また,プログラミングに関する問題解決支援サービスteratailに本モデルを適用した.その結果,本モデルがCGMコミュニティの育成管理に有効であることが示唆された.同時に,定性的な側面であるコミュニティで生成されるコンテンツの品質管理についても考察し,コンテンツの品質を上げるためには,コンテンツ投稿者にコンテンツに対するフィードバックを与える手法が有効であることを示した.しかし,コンテンツ品質の向上施策は短期的かつ定量的なコミュニティの育成とは反比例することがわかった.以上より,持続可能な大規模オンライコミュニティの運用には,コミュニティを支えるプラットフォームの機能を充実化させる施策と,コミュニティの運用ルールを充実化させる施策の2 つの観点が必要不可欠であることを明らかにした.
著者
川島 崇 川本 峻頌 積田 大介 下山 翔 宗政 一舟 友松 祐太 林 邦興 高木 友博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1E201, 2018 (Released:2018-07-30)

近年,インターネット上でユーザに対して店舗の紹介を行うサービスが増えてきている.各サービスでは同時に,ユーザの嗜好に合った店舗を表示させる分析が幅広く行われてきている.推薦の分野ではユーザのクリック情報が十分に存在する時には協調フィルタリングが高い性能を誇る.一般的にユーザ×アイテムの行列を作成した際データスパースの問題が発生するので新規ユーザに対応することが難しい.また十分にデー タが得られなかった場合,バンディットアルゴリズムなどを応用しているケースが見られる.バンディットアルゴリズムは各アームを十分に試行してそれぞれから報酬を得ることで学習を進めていくためアイテム数が多くなった場合に全てを学習するのは実質的に不可能である.新たなユーザが出てきた時に十分にデータを集める必要性は協調フィルタリングと同様の問題がある.上記の問題を解決すべく本稿では強化学習の価値関数の更新に多層ニューラルネットを用いた深層強化学習による推薦システムの提案を行う.
著者
海部 健三 竹野 遼馬 三田村 啓理 高木 淳一 市川 光太郎 脇谷 量子郎 板倉 光 石井 潤 荒井 修亮
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.73-82, 2019-07-28 (Released:2019-09-10)
参考文献数
28
被引用文献数
1

ニホンウナギは重要な水産資源だが,現在個体群は減少し,環境省および IUCN によって絶滅危惧種に区分されている.個体群を回復させるための対策が求められているが,その生育城である河川や沿岸域の環境をどのように回復すべきか,知見は限られている.本研究では成育場である河川や湖沼,沿岸域の環境の回復策に資することを目指し,福井県久々子湖において,超音波テレメトリー手法を利用して,ニホンウナギ 10 個体の行動を追跡した.超音波発信機を挿入した個体を放流した後,全ての個体が測位可能範囲内で測位された.明け方(4:00-6:00)および昼(6:00-18:00)に測位された個体は少なかったが,夕方(18:00-20:00)および夜(20:00-翌4:00)にはほぼ全ての個体が測位された.位置が確認された時間の長さは個体ごとに大きく異なり,最も短い個体で 0.3 時間,最も長い個体で 102.3 時間,平均は 16.5 時間であった.調査期間全体の湖岸エリア(水際から 50 m 以内)と沖エリア(水際から 50 m 以遠)の滞在時間比と面積比を個体ごとに比較した結果,6 個体で有意差が検出された.このうち 4 個体は湖岸エリアの滞在時間比が大きく,2 個体は沖エリアの滞在時間比が大きかった.湖岸エリアに滞在しなかった 1 個体を除き, 9 個体について湖岸を石積み護岸エリア,ヨシ帯エリア,コンクリート護岸エリアに分けて,各エリアの滞在時間 比と面積比を比較したところ,全ての個体で有意差が検出された.このうち 7 個体では石積み護岸エリアの滞在時間が最も長く,ヨシ帯エリアの滞在時間が最も長い個体と,コンクリート護岸エリアの滞在時間が最も長い個体が,それぞれ 1 個体ずつ見られた.湖岸を利用する個体については石積み護岸を選択する傾向が見られたが,沖および湖岸の利用は個体ごとにばらつきがあり,一定の傾向は確認されなかった.
著者
海部 健三 竹野 遼馬 高木 淳一 市川 光太郎 脇谷 量子郎 板倉 光 平江 多績 猪狩 忠光 三田村 啓理 荒井 修亮
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.83-92, 2019-07-28 (Released:2019-09-10)
参考文献数
27
被引用文献数
5

鹿児島県水産技術開発センターの所有する人工池(21.2 m × 36.0 m,水深1.1 m)において,間隙を持つ石積み,および,間隙が埋められた石積みを作成し,超音波テレメトリー技術を利用してニホンウナギ 8 個体の行動追跡を試みた.砂泥底の実験池内に直径約 1 m,高さ約 0.7 m の円錐型に,石積みを6 基設置した.石積みのうち 3 基に関しては,実験開始 9 日後に砂泥を用いて石材の間隙を塞ぎ,その 26 日後に砂泥を除去した.行動追跡実験の供試個体としてニホンウナギ 8 個体を用い,ピンガーを腹腔に挿入して実験池に放流した.8 台の受信機を用い,個体ごとに 1 時間単位で二次元カーネル密度推定を行い,実験期間中のニホンウナギの存在位置を推定した.間隙のある石積みに定位する個体が確認されたが,定位する環境は個体ごとに異なるだけではなく,同一個体であっても,利用環境は時間の経過と環境改変とともに変化しうることが確認された.また,石積みの間隙を砂泥で埋めることによって,定位環境としての石積みの利用は激減した.複数個体が同一の石積みを利用することは少なく,個体の侵入によって,別の個体の石積みの利用が制限される可能性が示唆された.さらに,実験中にニホンウナギが砂泥に潜る行動が観察され,実験期間中には巣穴と考えられる構造が確認された.既往研究によれば,石の間隙が砂泥で埋まる要因として,土砂供給の減少と流量の安定化が考えられる.ダムなどの河川横断構造物が土砂供給の減少と流量の安定化の要因の一つとされており,ニホンウナギの生息環境の改善のためには,これらの問題に対する適切な対処が必要と考えられる.
著者
高木 優任 三村 大輔 阪谷 廣司 佐藤 哲
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.169-180, 2010-03-26 (Released:2010-03-26)
参考文献数
5

戸建て住宅などの小規模建築物向け地盤補強杭用の小口径鋼管に適用する機械式継手を提案し,必要とされる耐力(圧縮,ねじり)が確保できるかを確認するために,載荷試験,ならびにFEM解析を行った。検討の結果,提案する機械式継手は,鋼管と同等以上の圧縮耐力を有し,施工時に作用するねじりモーメントに対しても,鋼管のねじり耐力を基準とした許容トルクまで載荷できることを確認した。これらの結果から,提案する継手は施工,ならびに供用時の強度に問題はなく,設計上の要求性能を満足することを確認した。
著者
高木 絢加 岸田 菜々 鈴木 麻希 武田 一彦 木村 理恵 永井 成美
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.165-173, 2016 (Released:2017-01-19)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

【目的】我々は,温スープ摂取後の安堵感の上昇にはスープの嗜好性が,体温上昇にはスープの温度が関連することを若年女性において見出したが,スープ中のナトリウム(Na)の影響の程度は不明であった。本研究の目的は,日常で摂取している容量のNaが嗜好性・安堵感や主観的温度感覚,深部・末梢体温の上昇に及ぼす影響を,スープと食塩のみを除いたスープ(食塩無スープ)を用いた実験により明らかにすることである。【方法】前夜から絶食した若年女性12名に対し,スープ(Na 440 mg)摂取,食塩無スープ(Na 61 mg)摂取,スープ摂取なし(ブランク)の3試験を異なる日の朝9時より無作為な順序で行った。サンプル(65°C,150 ml)は5分間で摂取し,直後に嗜好調査を行った。深部体温(鼓膜温),末梢体温(手先温・足先温),心拍数は,摂取10分前から65分後まで測定し,安堵感と主観的温度感覚は質問紙で6回測定した。【結果】スープでは食塩無スープと比べて嗜好得点が有意に高く,摂取後の足先温(曲線下面積:AUC)も有意に高かった。重回帰分析より,足先温上昇に嗜好得点が関連していることが示された。安堵感,主観的温度感覚,心拍数の各AUCは,両スープともにブランクより高かったがスープ間での差はなかった。【結論】スープに含まれるNaは,食塩としてスープの嗜好性を高め,摂取後の足先温上昇に関与することが示唆された。一方,両スープ摂取後の安堵感,主観的温度感覚,鼓膜温,心拍数は類似した経時変化を示したため,本研究で用いたサンプルのNa濃度の影響は限定的だと考えられる。
著者
村部 義哉 高木 泰宏 上田 将吾 加藤 祐一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0372, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】複合性局所疼痛症候群(CRPS:Complex Regional Pain Syndrome)の発症メカニズムとして,視覚と体性感覚といった異種感覚情報の不一致(sumitani 2009)が報告されている。しかし,下肢は視覚的に制御される機会に乏しいため,主に足底での皮膚感覚や下肢の各関節での深部感覚などの複数の体性感覚といった同種感覚情報により制御されており,これらの不一致が下肢のCRPSを誘発している可能性がある。今回,下肢のCRPSを呈し,異種感覚情報の一致を意図した治療介入では改善が停滞した症例に対して,同種感覚情報の一致を意図した治療介入へと変更したところ,更なる症状の改善を認めたため報告する。【方法】対象は恥骨骨折受傷後,保存療法にて4ヶ月が経過した90代女性。下腿前面から足背部にかけて皮膚の発赤や光沢化を認め,同部位にはアロディニア様症状による接触時痛を認めた。浮腫による足関節の可動域制限を認め,下腿周径は28cmであった。これらの評価結果と本邦のCRPS判定指標から,本症例の症状をCRPSと判断した。痛みの程度はマクギル疼痛質問票(MPQ:McGill Pain Questionnaire)にて44点であった。感覚検査では足底の触圧覚は中等度鈍麻,足関節や足趾の位置・運動覚は重度鈍麻であり,自己身体描写では足部や足趾が不鮮明であった。屋内外の移動はピックアップ型歩行器を用いて近位見守りレベルで可能であったが,実用性は低く,Timed up and go test(TUG)は139秒であり,Functional Independence Measure(FIM)は104点であった。長谷川式簡易知能評価スケールの点数は27点であり,コミュニケーションや指示理解に問題は認めなかった。痛みに対する医療的処置や服薬内容の変更および皮膚疾患や循環器疾患などの合併症の診断は認めなかった。訓練1:患者の足関節を底背屈位,内外反位のいずれかに動かし,患者が感じている足関節の角度と一致する写真を選択させることで,視覚情報から足関節の傾きを識別させた。写真は矢状面にて底屈20°,40°,背屈10°,20°,前額面にて内反15°,30°,外反10°,20°に足関節を傾けたものを使用した。訓練2:患者の足関節を動かし,足底の触圧覚が生じる部位と足関節の位置・運動覚を一定の規則性のもとに一致させることで,足底の触・圧覚から足関節の傾きを識別させた。規則性は①「小指-底屈内反」②「前足部-底屈」③「母指-底屈外反」④「踵外側-背屈内反」⑤「踵部-背屈」⑥「踵内側-背屈外反」とした。各訓練ともに介入頻度は2回/週,20分/回であった。訓練は患者から自身の下肢が見えない環境にて端座位で行った。毎治療開始時にオリエンテーションを実施し,各訓練はランダムに20回行った。訓練1の正答率は介入4週目で25%から100%であり,その後更に4週間同様の訓練を継続したが,症状の改善には至らなかった。その後,治療介入を訓練2へと変更した。訓練2の正答率は介入8週目で25%から95%であった。【結果】下腿前面から足背部にかけての皮膚の発赤や光沢化は消失し,アロディニア様症状の軽減を認めた。浮腫の軽減により下腿周径は24cmへと変化し,関節可動域の向上を認めた。よって,本邦のCRPS判定指標から,本症例のCRPSは改善したものと判断した。痛みの程度はMPQにて2点へと変化した。感覚検査では足底の触圧覚や足関節や足趾の位置・運動覚は正常となり,自己身体描写では足部や足趾が鮮明となった。屋内外の移動はピックアップ型歩行器にて自立レベルとなり,TUGは39秒へと変化し,FIMは117点となった。【考察】今回,視覚と体性感覚といった異種感覚情報の一致を意図した治療介入では十分な改善が得られなかった下肢のCRPSを呈した症例に対して,複数の体性感覚といった同種感覚情報の一致を意図した治療介入に変更したところ,症状の改善を認めた。神経生理学的に,感覚情報処理には階層性があり,異種感覚情報を統合する前段階に同種感覚情報を統合する過程が存在し,同領域(5野:上頭頂小葉)には下肢に関する神経が豊富に存在するとされている(Rizzolatti 1998)。以上より,下肢のCRPSの背景には複数の体性感覚といった同種感覚情報の不一致が存在しており,足底の皮膚感覚と下肢の各関節の深部感覚の一致を意図した治療介入が下肢のCRPSの改善に有効となる可能性がある。【理学療法学研究としての意義】下肢のCRPSに対する治療方法の1モデルの提案。
著者
伊藤 俊方 高木 信彦 佐藤 健一 佐藤 寿則
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.363-369, 2007-09-25

能登半島地震の震源地に近い輪島市門前町において,自然ガンマ線探査を実施した.調査期間は,余震が続く4月19,20日である.探査はカーボーンによって行い,測線は国道249号に沿って実施した.探査期間中には震度1以上の有感地震は観測されていないが,M2.0以下の余震は数回発生しており,これらの発生時間におけるガンマ線強度の変化については,特定の傾向が得られなかった.三種類のガンマ線核種を用いた解析によると,ビスマスが急増する異常点がいくつかの地点で見出された.これらは地震断層に伴なう断裂の可能性がある.地震断層として発見された中野屋の県道では,すでに亀裂も修復されガンマ線強度の増加は認められなかった.今後は定点における長期連続測定を行い,余震前後のガンマ線強度変化を把握することによって,この手法が地震防災に活用できる可能性を検証する必要があると考えている.
著者
高木光太郎
出版者
新曜社
雑誌
想起のフィールド
巻号頁・発行日
1996
被引用文献数
1
著者
丸野 俊一 高木 和子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.18-26, 1979-03-30
被引用文献数
6

本研究は,基本的な物語のシェマがどの年齢段階でどの程度できあがっているのか,また認知的枠組形成のための先行オーガナイザー情報が後続する物語の理解・記憶にどのような効果をもたらすのかを検討するために企画された。被験者は平均年齢6才2か月の保育園児42名と9才2か月の小学3年生42名である。刺激材料としては,33文からなり,7つの事象を含んでいる「ぐるんぱのようちえん」という短い物語が用いられた(TABLE1)。被験者は各年齢とも無作為に,順序提示群,ランダム提示群,統制群の3条件にふりわけられた。順序提示群とは,7つの事象を絵にしたものを先行オーガナイザー情報として物語の展開通りに被験者に提示される群である。ランダム群とは7つの絵画情報がランダムに提示される群であり,統制群とは,絵画情報が与えられない群である。 実験は3つの部分から成っている: (a)絵画的先行オーガナイザーによる枠組形成と物語の提示のセッション,(b)理解テストおよび事象の自由再生テストを含む直後テスト,(c)事象の自由再生のみを3目後に行う遅延テスト。(a)においては枠組形成後,"これから象さんの話をします。後でどんな話であったか私に話せるようによくおぼえて下さい」という教示のもとで物語が話された。主な結果は次のとおりである。 (1) 展開部,終末部および因果関係の叙述での6才児の得点は9才児の得点とほぼ同じであったが,9才児は6才児よりも開始部の理解がすぐれていた(FIG. 1)。 (2) 事象の初頭と新近性部位での再生率は中間部位の再生率よりも高いという系列位置の主効果が有意であった。さらに直後再生における初頭と新近性部位における再生率(それぞれ.97と.95)は,遅延再生における再生率(それぞれ.95と.93)と非常に類似していた(FIG. 2)。 (3) 9才児は6才児よりも事象の継続的順序性をよりよく再生した(TABLE4)。 (4) 直後テストにおける順序提示群での順序性把握の得点は,ランダム提示群や統制群よりも優れていたが,遅延テストでの3群間の成績には差異はみられなかった(FIG. 4)。
著者
海野 徳仁 長谷川 昭 小原 一成 松沢 暢 清水 洋 高木 章雄 田中 和夫 小菅 正裕
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.399-410, 1985-09-25 (Released:2010-03-11)
参考文献数
13
被引用文献数
1 6

Hypocenter determination for aftershocks of the 1983 Japan Sea Earthquake (M7.7) is made by using the seismic networks of Tohoku University and of Hirosaki University. The obtained aftershock area is 160km long in north-south direction with a width of 40km, distributing itself along the eastern margin of the Japan Basin. Most of the aftershocks are located within the area bordered by the 2000m and 3000m isobaths, northern and southern ends being surrounded by the Sado Ridge and the Oshima Plateau, respectively. Precise hypocenter distribution deliniates an eastward dipping fault plane with a shallow dip angle. Almost all the aftershocks are located in the crust, which is consistent with the fact that the PMP phase is clearly observed from most of the aftershocks.A remarkable later phase is observed at many stations 4-7 sec after the P arrival. This later phase is interpreted as the reflected wave both at the sea surface and at the Moho discontinuity (pwPMP). Focal depth distribution estimated from arrival time differences between PMP and pwPMP phases also shows the eastward dipping fault plane with a shallow dip angle.Foreshock activity started 12 days before the occurrence of the main shock within a concentrated area in the vicinity of the main shock hypocenter. All the foreshocks are classified into two groups: one with high peak-frequency and the other with low peak-frequency, each having very similar wave forms. Hypocenters of low peak-frequency events are located at shallower depths than those of the main shock and high peak-frequency events.
著者
小原 雄治 加藤 和人 川嶋 実苗 豊田 敦 鈴木 穣 三井 純 林 哲也 時野 隆至 黒川 顕 中村 保一 野口 英樹 高木 利久 岩崎 渉 森下 真一 浅井 潔 笠原 雅弘 伊藤 武彦 山田 拓司 小椋 義俊 久原 哲 高橋 弘喜 瀬々 潤 榊原 康文
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)『学術研究支援基盤形成』
巻号頁・発行日
2016

①総括支援活動では、支援課題の公募を行い、領域外有識者による審査委員会により選考し、支援を行った。経費上限設定など多くの採択ができるように努めた結果、応募188件、採択93件(採択率49.5%)となった。支援の成果として2017年度に54報の論文発表がなされた。②大規模配列解析拠点ネットワーク支援活動においては、最先端技術を提供するためにそれらの整備や高度化を進めた。遺伝研拠点では染色体の端から端までの連続した配列完成を目指して、ロングリードシーケンサー(PacBio Sequel)、長鎖DNA試料調製技術、さらに1分子ゲノムマッピングシステム(Irysシステム)の最適化を進め、実際の試料に応用した。東大柏拠点では、1細胞解析技術を整備し支援に供するとともに、Nanopore MinIONを用いた一連の要素技術開発を進めた。九大拠点では微生物ゲノムのNGS解析最適化を進めた。札幌医大拠点ではLiquid Biopsyによる体細胞における低頻度変異検出技術開発を進めた。③高度情報解析支援ネットワーク活動では、支援から浮かび上がった課題を解決するソフトウェアの開発を進めた。支援で特に活用されたものは、真核2倍体用denovoハプロタイプアセンブラPlatanus2(東工大)、染色体大規模構造変異高精度検出アルゴリズムCOSMOS、変異解析結果の信頼性を評価するソフトウェアEAGLE(以上、産総研)、エクソン・イントロン境界におけるスプライソソーム結合頻度の解析パイプライン(東大)、であった。また、CLIP-seqデータの解析パイプライン、高速オルソログ同定プログラムSonicParanoid、ロングリード向けアラインメントツールminialign(以上、東大)は今後の活用が予想される。高度化等の成果として48報の論文発表がなされた。
著者
吉本 美穂 高木 敬雄
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.156-162, 2005-06-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
30
被引用文献数
1

This study investigated the individual differences of lightness filling-in on illusory contour figures with regard to the attention to figures; namely, to which information of hierarchical figures, the global information or the local information, subjects tended to allocate their attention. Subjects participated in a preliminary experiment to divide into a global group and a local group. The global group consisted of ten subjects who had a tendency to allocate their attention to the global configuration of hierarchical figures and the local group consisted of ten subjects who had a tendency to allocate their attention to the form of local elements of hierarchical figures. Both groups observed the Kanizsa squares and judged the lightness of the test field. The results showed that the local group significantly filled in greater lightness in the test field than the global group did. It is suggested that how subjects allocate attention to figures is one factor in individual differences of lightness filling-in and that lightness filling-in depends on top-down processing.
著者
マーカム ディアナ B.:著 高木 和子:訳
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.9-16, 2003
被引用文献数
2

この20~30年,デジタル情報テクノロジーが図書館に大きな変革をもたらしている。そして,電子情報サービスをサポートする技術インフラも整備されてきている。こういった状況にあって図書館は,利用者の情報ニーズに合った図書館サービスをどう決定していくか。図書館がデジタル革命を十分に利用するための諸方策はどうあるべきか。これらに対処することが図書館リーダーに求められており,またリーダーシップをどう高めるかは大きな課題であり,関心事である。新しいリーダーを教育,訓練するさまざまな開発プログラムが米国で出現しており,すでに実施されている。例えば,ACRL/ハーバードリーダーシップ専門講座,NLMのアソシエート・フェローシップ・プログラム,シラキューズ大学の夏期専門講座などである。著者はこれら9つのプログラムを紹介する。加えて,1999年に開始された,大学図書館のリーダー,管理者を対象とするフライ・リーダーシップ専門講座についてそのカリキュラムと成果を詳しく述べる。また,日本人も参加できるモーテンソン・センター国際図書館リーダーシッププログラムについても詳しく紹介する。
著者
高木 博史
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.61-70, 2010-03-31

2007年末に、「社会福祉士及び介護福祉士法」が制定されて以来、初めての改正が行われた。特に介護福祉士に関する改正で、「准介護福祉士」の規定が盛り込まれたことは、日本の介護労働事情に大きな影響を及ぼすことになる。 なぜならば、「准介護福祉士」資格は「介護福祉士」との関係において「下位資格」に当たるものであり、一般的にも低待遇が課題となっている介護現場において、さらに「低賃金・低待遇」の条件下での労働を強いられることになるのではないかという懸念が生じるからである。そこで、「介謹福祉士」と「准介護福祉士」 と同様の関係性を持っと考えられる「看護師」と「准看護師」 の関係を比較材料とし、その実態を明らかにすることで「准介護福祉士」の再考を促す問題提起としたい。
著者
高木 伸哉 池田 裕美 川瀬 貴博 長澤 麻央 チョウドリ V.S. 安尾 しのぶ 古瀬 充宏
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.67-72, 2013-10-10 (Released:2014-03-20)
参考文献数
17

カテコールアミンの前駆体であるL-チロシンの長期投与は慢性ストレスがもたらす行動を緩和することが知られているが、急性ストレス時にL-ならびにD-チロシンの効果を比較した報告はない。本研究では、急性ストレスに対するL-チロシンとD-チロシンの経口投与がマウスの行動に及ぼす影響と脳内の両チロシン濃度に及ぼす影響を調査した。オープンフィールドにおける行動量にL-ならびにD-チロシンの効果は認められなかった。経口投与35分後にL-チロシン投与により血漿L-チロシン濃度は急激に上昇したが、D-チロシンの投与では血漿D-チロシンの緩やかな上昇が観察された。興味深いことに、対照区の各脳部位(大脳皮質、海馬、線条体、視床、視床下部、脳幹ならびに小脳)において、D-チロシンの濃度はL-チロシンの1.8-2.5倍高かった。すべての脳部位において、L-チロシンの投与によりL-チロシン含量は増加したが、D-チロシンの投与でD-チロシン濃度の上昇は認められなかった。上記より、急性投与したL-チロシンとD-チロシンは行動量に影響しないが、L-チロシンとD-チロシンの脳内移行の様相は異なると結論づけられた。