著者
高木 強治 小林 宏康 浪平 篤
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会論文集 (ISSN:03872335)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.226, pp.531-542, 2003-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
15

遺構「鼻ぐり井手」は, 加藤清正が新田開発のため, 慶長13年 (旦608年) に開削した延長390mの用水路である.鼻ぐり井手では, ヨナと呼ばれる阿蘇火山灰が水路底に堆積しないよう, 底部に穿孔を有する隔壁を一定の間隔で残したまま水路を開削し, 土砂の掃流力を高めたといい伝えられている.本研究では, 鼻ぐり井手の現況および過去に存在したと考えられる隔壁を模型に再現し, 水理実験によってそれらの通水機能, 掃砂機能および流れの構造を明らかにした.その結果, 鼻ぐり井手では, 連続する隔壁を通過する流れが常に噴流状態にあり, 掃砂機能が通常の開水路より格段に強化されていること, さらにこの掃砂機能に係わる流速の増加が穿孔面積を縮めることによってもたらされ, 掃砂機能と通水機能がトレードオフの関係になっていることを明らかにした.
著者
高木 直喜
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1105, pp.48-50, 2017-10-12

建築士が裁判に巻き込まれる。そのとき、仕事は、暮らしはどう変わってしまうのか。コストコ多摩境店事故の刑事訴訟で約3年争った高木直喜建築士は、「途中で設計に加わった私はスケープゴートにされた」と語る。
著者
岡田 東彦 太田 素良 木村 優樹 高木 龍太 林 美穂 松倉 未侑 浅川 満彦
出版者
北海道獣医師会
雑誌
北海道獣医師会雑誌
巻号頁・発行日
vol.64, no.12, pp.375-378, 2020-12

2020年9月上旬に道内S公園で発見されたハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)とハシボソガラス(Corvus corone)計12個体の死体について、剖検および病原体保有状況の検査を実施した。鳥インフルエンザウイルスおよびウエストナイル熱ウイルスの簡易検査を実施したところ、いずれも陰性を確認したが、数種の内外寄生虫を得た。多くの個体で黄褐色に染まった消化管内容物・粘液・吐瀉物等が認められ、頭蓋内出血、気管・腸管の黒変等が認められたことから、薬物中毒が疑われた。吐瀉物等を科学捜査研究所に化学成分の検査を委託したところ、有機リン剤シアノホス(CYAP)の成分が検出された。国内での先行事例と比較して、本事案はCYAP中毒の所見と類似したことから、この物質の急性中毒であることが示唆された。
著者
丹羽 俊朗 白神 歳文 高木 明
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.125, no.10, pp.795-805, 2005-10-01 (Released:2005-10-01)
参考文献数
81
被引用文献数
22 25

This article reviews the in vitro metabolic and the in vivo pharmacokinetic drug-drug interactions with antifungal drugs, including fluconazole, itraconazole, micafungin, miconazole, and voriconazole. In the in vitro interaction studies, the effects of antifungal drugs on specific activities of cytochrome P450s (CYPs), including CYP1A2, CYP2C9, CYP2C19, CYP2D6, CYP2E1, and CYP3A4, in human liver microsomes are compared to predict the possibility of drug interactions in vivo. Fluconazole, micafungin, and voriconazole have lower inhibitory effects on CYP3A4 activities than itraconazole and miconazole, and IC50 and/or Ki values against CYP2C9 and CYP2C19 activities are the lowest for miconazole, followed by voriconazole and fluconazole. In in vivo pharmacokinetic studies, it is well known that itraconazole is a potent clinically important inhibitor of the clearance of CYP3A4 substrates, and fluconazole and voriconazole are reported to increase the blood or plasma concentrations of not only midazolam and cyclosporine (CYP3A4 substrates) but also of phenytoin (CYP2C9 substrate) and/or omeprazole (CYP2C19/CYP3A4 substrate). On the other hand, no inhibition of CYP activities except for CYP3A4 activity by micafungin is observed in vitro, and the blood concentrations of cyclosporine and tacrolimus are not affected by coadministration of micafungin in vivo, suggesting that micafungin would not cause clinically significant interactions with drugs that are metabolized by CYPs via the inhibition of metabolism. Miconazole is a potent inhibitor of all CYPs investigated in vitro, although there are few detailed studies on the clinical significance of this except for CYP2C9. Therefore the differential effects of these antifungal drugs on CYP activities must be considered in the choice of antifungal drugs in patients receiving other drugs.
著者
佐藤 雪菜 高木 幸子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, 2015

<b>〔目的〕</b> <br> 小学校家庭科における製作学習では、製作経験が少ない児童に対して限られた時間の中で指導することが求められており、結果として作品を完成させることに重きが置かれやすい現状がある。筆者は、2013年度に児童が考えながら取り組むことを目的とする製作学習を行ったが、活動の質を高めるためには、児童一人一人の進め方などの違いに対応できる学習環境を整えることの必要性が課題となった。そこで、本報告では、製作活動の進め方や進度、支援教材の活用の仕方に、児童の製作活動への取り組みの傾向(学習スタイル)や教材提示のタイミングがどのように影響しているのかを検討することを目的とする。 <br> <b>〔方法〕<br></b> 2014年11月~12月に新潟市内の小学校第6学年2学級(A組:男子17名 女子18名、B組:男子18名 女子18名)を対象に題材名「作ろう!オリジナル袋」とした授業実践を行った(A組8時間,B組6時間)。実践前には(1)児童の特性を捉えるためのアンケートを行い、結果を因子分析法によって分析し学習スタイルを整理した。実践後に(2)製作進度や進め方・支援教材の活用の仕方等の観点について、学習スタイル別の特徴をワークシートや製作物・事後アンケート等を用いて検討した。また、教師の働きかけとして(3)支援教材(動画・作り方ブック)の提示方法の違いによる児童への影響を、2学級の比較を通して考察した。 <br> <b>〔結果〕</b> <br>(1)事前アンケートは、滝聞・坂本ら(1991)が作成した認知的熟慮性‐衝動性尺度の項目<sup>1)</sup>、学習スタイルに着目した製作学習の開発を行った中沢ら(2010)の調査票<sup>2)</sup>などを参考に構成した。因子分析法を用いて分析し、児童の学習スタイルを〔熟慮/衝動型〕,〔能動/受動型〕として整理した。<br> (2)〔熟慮/衝動型〕の視点から比較して違いが確認されたのは、製作の進め方であった。衝動型の児童は製作初期から一定の速さで製作を進めていたのに対し、熟慮型の児童は製作初期よりも後半に製作の速さが高まる傾向が見られた。また、作品完成までの時間を比べると、能動型の児童の方が受動型の児童よりも早く製作を終えていた。これら2つの学習スタイルを組み合わせて考えると、熟慮かつ能動型に含まれる児童が早く製作を終え、熟慮かつ受動型に含まれる児童が完成までに時間がかかっていることがわかった。児童が使用した支援教材の種類を比較すると、使い方では〔熟慮/衝動型〕において違いが確認された。衝動型よりも熟慮型の児童の方が、動画を利用して製作を行っていることが伺えた。また、全過程を通して支援教材を用いず友達や先生に聞いて進めていたのは、衝動かつ能動型の児童にのみ見られた。支援教材の分かりやすさについては、学習スタイル別による有意差は見られなかった。 <br>(3)支援教材の提示方法に関して、毎時間の製作開始前に作り方ブックと動画を提示した学級の児童の方が、他の学級の児童よりも作り方ブックを分かりやすいと感じていた。 <br> 以上、学習スタイルの違いを捉えることで、製作学習の進め方や進度に影響していることが確認できた。多様な児童の製作活動を充実させ一人一人の学習を保障するためには、これらの違いを参考にした学習支援環境づくりを行うことができるのではないかと考える。今後、学習支援環境を構成し、その効果を確かめることが課題である。 <br>1)瀧聞一・坂本章,(1991),「認知的熟慮性-衝動性尺度の作成―信頼性と妥当性の検討―」,日本グループダイナミックス学会第39回大会発表論文集,39-40 2)中沢公美他,(2011),「小学校家庭科における製作学習の開発と実践-学習スタイルに着目したマスク製作-」,教材学研究(22),137-144
著者
藤井 隆太 高木 綾一 山口 剛司 高崎 恭輔 大工谷 新一 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.85-94, 2008 (Released:2009-01-15)
参考文献数
13
被引用文献数
2

The purpose of this study was to investigate the effect of differences of the foot center of pressure in standing on postural control of stand-to sit movement. It was thought that the reverse reaction phenomenon of standing posture in normal subjects at the fist of the sitting movement start by reduction of the muscle activity of the lumbar back muscles. Stable stand-to-sit movement was able to be performed when COP was located forward. From this, the position of foot COP in standing before stand-to-sit movement influences the difficulty of adjustment of COP and COG. Therefore, we suggest that in order to improve stand-to-sit movement, it is important to evaluate foot COP in the standing posture and muscle activity of the lumbar back muscles.
著者
鮎川 健一郎 根本 利弘 茂木 和彦 喜連川 優 高木 幹雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.119-120, 1995-09-20

近年の情報化社会の進展により様々な分野に計算機が浸透するのに伴い、莫大なデータを扱うアプリケーションに対する要求が高まっている。その大容量のデータを記録する記憶装置として、磁気テープをロボティクスで管理するテープアーカイバがある。現在の商用テープアーカイバでは、容量は装置の格納可能なテープ数で決定され、容量を増やすためには新たに独立な匡体を追加することになる。現在、我々は小規模テープアーカイバを結合することで容易にデータ容量の拡張が可能なスケーラブルアーカイバの研究を進めている。数十~数千台からなるシステム構築に際しては、テープアクセス時の負荷分散が極めて重要な課題となる。本稿では、カセット移送機構を有するスケーラブルアーカイバでのカセットマイグレーションによる負荷分散の効果をシミュレーションを行ない評価する。
著者
根本 利弘 喜連川 優 高木 幹雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.349-350, 1996-03-06

現在、我々は衛星画像データのアーカイブを対象とした階層ファイルシステムを開発している。この階層ファイルシステムでは三次記憶システムとして、コモディティ化されたテープアーカイバを複数接続し、隣接するアーカイバ間で直接テープを移送可能とすることで、大容量かつ高性能を安価に実現することを目指したスケーラブルアーカイバを用いている。衛星画像データに特有のアクセスローカリティに対しても十分な性能を持つ階層ファイルシステムを実現するためには、三次記憶において負荷分散を実現するためのファイル編成が極めて重要となる。本稿では、この階層ファイルシステムにおけるファイル編成について考察を行う。
著者
根本 利弘 喜連川 優 高木 幹雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.11-12, 1996-09-04

現在、我々は衛星画像データを対象とした階層ファイルシステムを開発している。この階層ファイルシステムでは三次記憶システムとして、コモディティ化されたテープアーカイバを複数接続し、隣接するアーカイバ間で直接テープを移送可能とすることで、大容量かつ高性能を安価に実現することを目指したスケーラブルアーカイバを用いている。アクセスローカリティをもつデータに対しても十分な性能を持つ階層ファイルシステムを実現するためには、三次記憶におけるファイル編成が極めて重要となる。本稿では、この階層ファイルシステムにおけるファイル編成について検討を行う。
著者
鮎川 健一郎 根本 利弘 喜連川 優 高木 幹雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.395-396, 1996-03-06

近年の情報化社会の進展により様々な分野に計算機が浸透するのに伴い、莫大なデータを扱うアプリケーションに対する要求が高まっている。その大容量のデータを記録する記憶装置として、磁気テープをロボティクスで管理するテープアーカイバがある。現在の商用テープアーカイバでは、容量は装置の格納可能なテープ数で決定され、容量を増やすためには新たに独立な匡体を追加することになる。現在、我々は小規模テープアーカイバを結合することで容易にデータ容量の拡張が可能なスケーラブルアーカイバの研究を進めている。数十~数千台からなるシステム構築に際しては、テープアクセス時の負荷分散が極めて重要な課題となる。本稿では、カセット移送機構を有するスケーラブルアーカイバでのカセットマイグレーションによる負荷分散の効果をシミュレーションを行ない評価する。
著者
広谷 政彰 小坂 満隆 中尾 光伯 斎藤 政幸 高木 浩之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.317-318, 1992-02-24

金融機関の営業店では,現金自動取引装置(ATM)を利用した現金取引業務の自動化が行われている。ATMで取り扱うことのできない窓口業務の自動化を推進するために、マルチメディアを利用した顧客操作端末システムを試作開発し、資金運用相談、金融商品案内、諸届などのアプリケーションを実装した。これらのアプリケーションは、相談や商品案内など、情報提供を中心とする業務のため、AMTが扱う現金業務と比較して、処理内容や手順をしばしば変更する必要がある。このため、銀行などのサービス提供者がプログラムを容易に作成できる仕掛けが必要になる。これに対し、サービス提供が顧客操作端末用業務処理プログラムを容易に作成できる環境のひとつとして、画面レイアウトの編集ツールを開発した。本稿では、本ツールの概要と実現方法について述べる。
著者
糸井 達哉 内山 泰生 高木 政美 末田 隆敏 長島 一郎
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.16, no.33, pp.827-832, 2010-06-20 (Released:2010-06-18)
参考文献数
23
被引用文献数
2 1

An earthquake disaster prevention system was developed. It predicts ground motion intensity and building response just before the arrival of strong motion, using the information of P-wave observed by an onsite seismometer. The prediction accuracy of the system was evaluated and compared with that of Earthquake Early Warnings provided by Japan Meteorological Agency. The prediction errors of the two methods were comparable to each other. The best estimate combining the two methods was proposed. It was also confirmed that the system performs well under an assumed environment using numerical simulation.
著者
中井 義勝 濱垣 誠司 高木 隆郎
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1297-1299, 1998-12-15

摂食障害は心身症の代表的疾患で種々の内分泌・代謝異常を来す。神経性無食欲症の血清総コレステロール値は幅広く分布し,高コレステロール血症は神経性無食欲症の33〜61.1%にみられる6〜9,12)。 神経性無食欲症は制限型とむちゃ食い/排出型に下位分類されるが,最近では神経性無食欲症の既往のない神経性大食症(以下BN)が増加している2)。BNの血清総コレステロール値についての報告は少ない9,13)。今回216名という多数のBN患者を対象に血清総コレステロール値を測定し,その結果を神経性無食欲症と比較したので報告する。
著者
坂本 昌信 遠藤 竜哉 西浦 博 高木 徹
出版者
日本科学技術ジャーナリスト会議
雑誌
日本科学技術ジャーナリスト会議 会報
巻号頁・発行日
vol.2021, no.99, 2021

<p><b>科学ジャーナリスト賞2021受賞作品</b></p><p>●新聞連載「サクラエビ異変」<br />&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;静岡新聞社清水支局長 坂本 昌信、同社編集局文化生活部記者 遠藤 竜哉</p><p>●「理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ!」<br />&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;京都大学大学院医学系研究科教授 西浦 博、作家 川端 裕人</p><p>●BS1スペシャル「デジタルハンター〜謎のネット調査集団を追う」<br />&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;日本放送協会(NHK)国際放送局チーフ・プロデューサー 高木 徹,<br />&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;NHKグローバルメディアサービス国際番組部ディレクター 高田 里佳子<br />&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;株式会社ウイング ディレクター 樋爪 かおり</p>
著者
古林 靖規 高木 剛
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2009 (CSS2009) 論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.1-6, 2011-10-12

近年,超楕円曲線上のペアリング暗号が注目を集めている.超楕円曲線上のペアリングの安全性は,入力のヤコビアンに対する離散対数問題と出力の有限体上の離散対数問題に依存している.しかし,種数の大きな超楕円曲線上のヤコビアンに対する離散対数問題 (HCDLP) の計算機実験の報告は数件しかなく,実験データに基づく困難性の評価を行うにはデータが不十分である.本稿では,素体F3 上定義される超楕円曲線H : y2 = x2g+1 +1 上に対し,種数の大きな超楕円曲線上の HCDLP に対し漸近的に最も高速である指数計算法を実装し,計算機実験を行った.その結果,種数g = 74 であるJH(F3) のHCDLP(#JH(F3)2≈120)を解くことが出来た.