著者
岩井 敏 熊澤 蕃 石田 健二 高木 俊治 猪狩 貴史 早川 信博
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.399-404, 2021 (Released:2021-05-10)
参考文献数
14

モンテカルロ法は解析的に取り扱うことが困難な確率分布や尤度関数を扱う計算に有効に活用できる数値解法である。本稿では,別稿(連載Ⅱ)で定式化したベイズ推定法の解法として2種類のモンテカルロ法とアンフォールディング法の適用方法を解説する。
著者
石川 雄大 高木 昭佳 梶浦 新也 真鍋 優希子 髙橋 則正 小野 敦央 加藤 敦
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.1-9, 2021-01-10 (Released:2022-01-10)
参考文献数
24

Chemotherapy-induced peripheral neuropathy (CIPN) reduces patient quality of life, but there is little evidence of preexisting supportive care drugs. Mirogabalin is a novel drug with indications for peripheral neuropathic pain, and its mechanism of action involves strong and selective binding to the voltage-gated calcium channel α2δ subunit. We examined the effects of mirogabalin on CIPN. We followed up 21 patients with CIPN caused by taxanes or platinum-based anticancer drugs who started mirogabalin. A numerical rating scale (NRS) was used for the evaluation, and pharmacists evaluated the mirogabalin dose at its initiation by creatinine clearance in all patients, and no overdoses occurred. Mirogabalin significantly reduced NRS scores from a median of 6 to 2 (P < 0.001), and the median number of days of mirogabalin administration until determination of the best effect was 29.5 days. Furthermore, the median NRS significantly decreased by administration of mirogabalin in both the taxanes-based anticancer drug group and the platinum-based anticancer drug group. In the safety investigation, a somnolence grade of 1 or 2 was observed in 4 patients, an edema grade of 1 or 2 in 4 patients, and an edema grade of 3 was observed in 1 patient. There were no serious side effects that required hospitalization. Our study suggests mirogabalin has a palliative effect on CIPN and may be an important supportive care drug for chemotherapy. Simultaneously, it’s considered that pharmacists evaluate renal function and contribute to proper use, so that patients can expect the maximum drug efficacy after the introduction of mirogabalin.
著者
谷口 正成 高木 相
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.113, no.4, pp.238-244, 1993-04-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
16

In this study, the temperature and displacement of printed circuit board (PCB) due to heat of mounted parts were measured by using a thermographic video system and a holographic interferometry measuring system. The relationship between temperature and displacement was studied from the experimental results.As the results, the temperature and displacement on the PCB surface have been influenced with heat of mounted components due to current flow. The distribution of temperature showed some different relationships with the characteristics of the deformation. Therefore, the holographic pattern testing method may be useful in analysis of the detailed thermal stress evaluation of PCB surface and mounted parts.
著者
高木 康志
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.11, pp.745-750, 2015 (Released:2015-11-25)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

前頭開頭によるinterhemispheric approachは, 前交通動脈瘤に対しpterional approachを多用する施設においても, 同疾患のみならず前頭蓋底やトルコ鞍近傍の病変に対しても用いられ, 脳神経外科にとって非常に重要なアプローチの一つである. 脳神経外科専門医が必ず身につけていなくてはいけない手技の一つである. 本稿では, interhemispheric approachの歴史を振り返るとともにその基本的な手技について解説する. Interhemispheric approachにおいては, 手術の各ステップにおけるピットフォールを正しく理解, 認識し確実に手術を行うことが重要である.
著者
高木 哲一
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
雑誌
Synthesiology (ISSN:18826229)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.15-25, 2016 (Released:2016-03-19)
参考文献数
13

新興工業国の経済発展により、21世紀に入り金属資源価格が高騰し、さらに2009-2012年には中国のレアアース輸出制限によるレアアース危機が勃発した。これらを受けて、2010年より産総研では、レアメタル資源研究拠点の整備、海外地質調査機関との協力関係の構築を進めた。さらに、南ア、米国、ブラジル、モンゴル等でのレアアース資源調査を積極的に進めた。特に南アでは、有望な重レアアース鉱徴地を発見した。2011年秋以降、レアアース価格の暴落により、世界中のレアアース資源開発計画が頓挫し、レアメタル資源開発のリスクの高さを露呈した。民間にそのリスクに耐えて次のレアアース危機へ備えを求めるのは困難であり、産総研による調査研究体制の継続が求められている。
著者
田中 陸斗 高木 友博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会 95回 (2022/09) (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日
pp.47-52, 2022 (Released:2022-09-01)

深層学習を利用した対話システム構築において対話データの質と量は重要である.しかし,日本語の対話コーパスは大規模なものが公開されておらず,限られたデータしかないといった問題がある.また,コーパスを用いてend-to-endに学習したモデルはありきたりで短い応答をすることが多く,生成文の多様性が少ないといった問題もある.これらの問題を克服するために,本研究では非会話文を活用して対話データを増やすことで対話モデルの多様性の向上を試みる.ここで言う非会話文とは,web上の文章や小説の台詞などの対話の形式として整えられていない文のことであり,対話データと比較して収集が容易である.逆翻訳とサンプリング生成を用いて非会話文から対話データを増やし,不適切な対話を除去するためのフィルタを通すことでより質の高いデータを獲得する.増やしたデータを加えて対話モデルを学習させた結果,生成文の多様性の向上が見られた.
著者
三好 潤 大森 泰 高木 英恵 玉井 博修 川久保 博文
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.126-127, 2008-12-10 (Released:2013-07-31)
参考文献数
2

症例は71歳,女性。ANCA関連血管炎に対するステロイド療法に伴うビスホスフォネート製剤の内服開始後47日目に心窩部痛が出現した。上部消化管内視鏡検査にて胸部中部下部食道に全周性の易出血性びらん・潰瘍が多発し,切歯列33cmに穿孔を疑う深い潰瘍を認めたが,胸部CTでは縦隔気腫・膿瘍形成を認めず保存的加療にて軽快した。本例は同剤の稀ながらも重篤な副作用である食道潰瘍が不適切な服薬状況により生じたと考えられる教訓的な症例である。
著者
高木 朋代
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.42-56, 2007-12-20 (Released:2022-08-19)
参考文献数
25

これまで団塊世代の大量退職の議論は,雇用促進施策に焦点が当てられてきた.しかし企業は全ての定年到達者を雇用継続できるわけではない.それゆえ雇用のマネジメントは,引退のマネジメントと表裏一体を成している.本稿は,雇用継続者,転職者,引退者の事例分析によって,制度設計だけでなく,雇用の可能性について自ら気づかせるような,働く側の心理に配慮した人事管理の仕組みが,円滑な高年齢者雇用に効果を持つことを示す.

1 0 0 0 OA SHとSSの生化学

著者
高木 俊夫
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.332-342, 1977-05-01 (Released:2010-04-23)
参考文献数
41
被引用文献数
1

Various organic compounds containing SH and/or SS are found in organisms, and are playing important roles to maintain life. In this review, the nature of the groups and their reactions of biological importance are described surrounding following topics : evolution of hydrogen sulfide from boiled egg, disulfide interchange, stereostructure of disulfide group, thioester linkage and its biological significance, role of acyl carrier protein, and metallothionein.
著者
高木 彩 武田 美亜 小森 めぐみ
出版者
一般社団法人 日本リスク学会
雑誌
リスク学研究 (ISSN:24358428)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.113-121, 2021-12-25 (Released:2021-12-17)
参考文献数
27

Digital contact tracing applications have been promoted as a tool to address the COVID-19 pandemic. The effectiveness of these applications depends on their rate of adoption. However, this appears to be low. Therefore, this study investigated the psychological factors associated with the use of a contact tracing application (COCOA) in Japan. An online survey was administered to 1000 participants living in the Tokyo metropolitan area. Respondents were classified into three groups: advocates, critics, and undecided. Our results indicated that perceptions of risk, benefit, cost, social norm and knowledge were significant prescriptive factors of COCOA usage. The results revealed that the critics group perceived low benefit and social norms appeared to hinder application adoption relative to the undecided group.
著者
高木 明
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.18-23, 2022 (Released:2022-07-31)
参考文献数
6

我が国の新生児聴覚スクリーニング,精密聴力検査機関,療育・介入の現状,課題について延べ,今後の方策に言及した。新スクに関しては結果の全数の可及的即時把握が肝要となるのでそれらを集約,coordinateするセンターが必要であり,今後は新スクの受検率,精度向上のためには産科との協働は欠かせない。里帰り出産などの結果把握のためには新スクは国による義務化が望ましく,また,産科,精密聴力検査機関からデータはon line入力(電子化)されるべきである。精密聴力検査機関の質の均てん化を図り,3ヶ月以内の診断ができるような体制を整える必要がある。人工内耳術後の療育・介入については現状では特別聴覚支援学校が担うことが多いが,音声言語獲得をめざす療育として十分とは言えず,専門家の養成が待たれる。
著者
島田 健司 佐藤 浩一 佐藤 裕一 羽星 辰哉 花岡 真実 仁木 圴 松崎 和仁 三宅 一 高木 康志
出版者
特定非営利活動法人 日本脳神経外科救急学会 Neurosurgical Emergency
雑誌
NEUROSURGICAL EMERGENCY (ISSN:13426214)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.157-164, 2019 (Released:2019-10-12)
参考文献数
16

ステントリトリーバーあるいは吸引カテーテルを用いた機械的血栓回収療法は中大脳動脈遠位部(M2)を除く,前方循環系脳主幹動脈閉塞による急性期脳梗塞に対する標準的治療といえる.さらに,ステントリトリーバーと吸引カテーテルを同時に使用する併用治療に関する報告例がいくつか散見されるようになった.しかし併用療法とこれまでの単独療法を比較した文献も少なく,併用療法はまだ標準的治療とは言い難い.今回我々は当施設での前方循環系脳主幹動脈閉塞(M2を含む)による急性期脳梗塞に対し,従来のステントリトリーバー,あるいは吸引カテーテルによる単独療法と,両者を同時に使用する併用療法の治療成績を閉塞血管別に比較し,検討した.2014年8月から2018年12月に前方循環の脳主幹動脈閉塞による急性期脳梗塞に対し血栓回収療法を施行した51例を対象とした.2017年8月までは単独療法で治療し(N=31),2017年9月以降併用療法で治療した(N=20).2群間での治療転帰や再開通率,再開通までの時間を比較したが,有意差はみられなかった.そこで閉塞部位別にM2閉塞とそれ以外の閉塞血管で比較したところ,やはり治療転帰や再開通率において2群間で有意差はみられなかった.しかし手技時間がM2閉塞では併用療法において有意に長く,それ以外の閉塞血管では併用療法が短い傾向であった.併用療法は閉塞血管によっては単独療法より有用な可能性のある治療法である.
著者
高木 恭子 宮崎 仁志
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.105-108, 2022-06-25 (Released:2022-07-21)
参考文献数
7

食品による健康危機事案が発生した際に対応可能な金属類の分析法を,マイクロ波分解装置と誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-AES)装置を用いて検討した.水道水質基準項目および水質管理目標設定項目に設定されている元素を含む18種類の元素(アルミニウム,ヒ素,ホウ素,カドミウム,コバルト,クロム,銅,鉄,水銀,マンガン,モリブデン,ニッケル,鉛,アンチモン,セレン,スズ,タリウム,亜鉛)を対象とし,食品試料として飲料5種類(緑茶,ブラックコーヒー,牛乳,オレンジジュース,ビール)および加工食品7種類(ビーフカレー,ぎょうざ,えびのチリソース和え,さばの塩焼き,えびピラフ,お好み焼き,果実缶詰)を使用した.添加回収試験の結果,真度は88~108%であり,室内精度は0.2~11.3%であった.本法では試料の秤量から測定終了までの所要時間は3時間以内であり,健康危機発生時における金属類の分析法として適用可能であると考えられた.
著者
田中 優 高木 修
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.75-92, 2011-02

The present study examined the effects of self-evaluation, self-acceptance, self-esteem on satisfaction of interpersonal relationship through consciousness of reciprocal interpersonal relationship. Students of a women's university (N=94) answered a questionnaire. Path analysis indicated 1) self-disgust of self-evaluation influences consciousness of compensation through self-acceptance and self-esteem, 2) evaluation apprehension from other of self-evaluation had a direct positive effect on satisfaction level of interpersonal relationship, 3) consciousness of reciprocity of reciprocal interpersonal relationship had a direct negative effect on satisfaction level of interpersonal relationship and 4) self-disgust of self-evaluation had a direct negative effect on satisfaction level of interpersonal relationship. 本研究の目的は、自己評価、自己受容、および自尊心が互恵的対人関係意識を介して対人関係満足に及ぼす影響を明らかにすることである。女子大学の94名の学生を対象に質問紙調査を行い、パス解析の結果、1)自己評価の自己嫌悪が自己受容と自尊心を媒介して返礼意識を規定する間接効果と、2)自己評価の他者評価懸念が返礼意識を規定する正の直接効果が認められた。また、3)互恵的対人関係の互恵意識が対人関係満足度を規定する正の直接効果と、4)自己評価の自己嫌悪が対人関係満足度を規定する負の直接効果が認められた。自己評価は互恵的対人関係意識の返礼意識を規定し、互恵的対人関係の互恵意識は対人関係満足度を規定することが明らかとなった。
著者
高木 祐一 橋田 昌弘 小味 昌憲 羽手村 昌宏
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.77, no.10, pp.1186-1195, 2021 (Released:2021-10-20)
参考文献数
16

When the fat-suppression technique was used in the MRI examinations of neck and extremities, incomplete regions of fat suppression were depicted frequently. These incomplete regions were caused by the non-uniform static magnetic field (B0). On the other hand, a non-uniform B0 caused banding artifacts using a balanced steady-state free precession (bSSFP) sequence. We investigated the prediction of incomplete regions of fat suppression using the banding artifacts of the bSSFP sequence. The fat-suppression techniques used in this study were the chemical shift selective and spectral adiabatic inversion recovery methods for turbo spin echo imaging. Using an oil bottle attached to a staple, the scan parameters of the bSSFP sequence were adjusted to overlap with the banding artifacts in the incomplete regions of fat suppression. The neck, ankle joint and femur of healthy volunteers were scanned using the obtained scan parameters, and a visual assessment was performed. As a result, the incomplete region of fat suppression matched the region of the banding artifact. We were able to predict the incomplete region of fat suppression using the banding artifacts of the bSSFP sequence. If the optimized bSSFP sequence is used as the localizer, we can assess the situation of incomplete fat suppression before the main scanning and reduce rescanning due to incomplete fat suppression.