著者
河本 敏孝 高木 敏伸 國武 祐一郎
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.524-538, 2019-07-15

近年,「API(Application Programming Interface)」を通じて,外部企業との連携や協業を図ろうとする取組みが増えている.外部のサービスとシステムを連携するためのプログラムやインタフェースを公開することによってデータのやりとりを可能にするオープンAPIという仕組みにより,オープンAPI公開元の企業は自社製品の付加価値が向上するような拡張機能や新サービスの開発を促進することができ,ビジネスチャンスを増やすことが可能である.特に,FinTechの台頭により金融機関では,さまざまな金融サービス創出に向けた取組みが始まっている.銀行口座と連携した「家計簿アプリ」のようなヒット作が生まれ,今後も新たなサービスの創出が期待される.本稿はこうしたオープンAPIが世の中に根付いてきた現在までの経緯と課題,および今後のオープンAPI拡充へ向けた<みずほ>の取組みについて記載する.
著者
袁 博 高木 教夫 岡崎 真理 平野 俊彦
雑誌
日本薬学会第141年会(広島)
巻号頁・発行日
2021-02-01

Arsenic and its compounds are widely distributed in the environment and exist in organic and inorganic forms. Although as a well-known poison, arsenic has been used medicinally for over 2,000 years. Notably, administration of trivalent arsenic derivatives (arsenite, AsIII) such as arsenic trioxide (ATO) has demonstrated a remarkable efficacy in the treatment of acute promyelocytic leukemia (APL), the vast majority of which is characterized by the promyelocytic leukemia (PML)-retinoic acid receptors (RARα) fusion caused by the t(15;17) translocation. Differentiation associated with the degradation of fusion protein PML-RARα, apoptosis induction, cell cycle arrest as well as autophagy induction have been shown to be linked to the therapeutic effects of ATO against APL. Several research groups including us have conducted detailed pharmacokinetic studies of ATO in APL by using biological samples such as peripheral blood, cerebrospinal fluid, bone marrow from patients. Aquaporin 9 and multidrug resistance-associated proteins (MRP1/MRP2/MRP4) have been reported to play pivotal roles in the uptake/efflux of arsenic, respectively. Here, we are going to introduce the mechanisms underlying the antitumor activity of AsIII and provide new insights into its potential novel application in terms of combinational treatment. Despite organic arsenicals mainly contained in seafood are known to be harmless, a novel organic arsenical, S-dimethylarsino-glutathione (darinaparsin, Dar), synthesized by conjugating dimethylarsenic to glutathione, has shown promising anticancer activity and is currently in use in human clinical trials in cancer patients. It has been demonstrated that Dar has overlapping, but distinct, signaling mechanisms of cell death induced by AsIII. We also provide some recent evidence of the cytocidal effect of Dar on several leukemia cell lines for understanding the arsenic compound in comparison to AsIII.
著者
高木 優也 綱川 孝俊
出版者
[栃木県水産試験場]
雑誌
栃木県水産試験場研究報告 (ISSN:13408585)
巻号頁・発行日
no.59, pp.40-41, 2016-02

県北部の渓流漁場をモデルとして,アンケートにより釣獲と釣り人の実態について調査しました。その結果,年間で延べ11,099人の釣り人が,88,001尾のヤマメ・イワナ・ニジマスを釣獲し,42,645尾を持ち帰ったと推定されました。県外からの釣り人が多く(日券者の72%,年券者の52%),ルアー・フライなどのエサ釣り以外の釣り方の釣り人が多い(日券者で47%,年券者で49%)という特徴が見られました。また,40歳未満の釣り人が少なく,渓流釣り歴が長い釣り人が多い(85%が渓流釣り歴5年以上)という傾向が見られました。
著者
高木 庸一
出版者
駒沢女子大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02884844)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.17-22, 1995-03-03

こんかいの調査に当たって、THI調査票と独自の「生活環境調査」とのクロス集計を試みたが、両者の統計処理に不如意なことが多く、面接調査を実施するまでにいたらなかったが、数名の対象者との面談の結果などを総合して保育科学生として自分の健康に対する意識度は、期待よりは低く、このことは、定期健康診断に際して、1-2日以前から、食事の回数を減らしてまで、誤った感情的標準体重を記録に残したい努力が行われていることからも推定できる。健康度そのものに関しては同年令標準女子集団のそれと比べて大差なく、ごく普通の女子学生である。生活状態の調査結果でも、精神衛生的立場からは若干のコメントがあるような気がするが、「今の若い女の子」としては、注目すべき特異性は認められなかった。本調査は、現状の把握と、その結果をフィードバックし、個々の学生の心身の健康維持・増進に有効に作用させることを目的とし、それにより、教育効果の向上を期待したものである。今後、調査時期、調査内容と統計処理方法の改善を行い、経年的に継続したいと考えている。
著者
河野 貴美子 坂本 政道 世一 秀雄 高木 治 小久保 秀之 山本 幹男
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.34-39, 2013-03-01 (Released:2018-12-11)
参考文献数
7

意識探究プログラムとして知られるヘミシンクは、左右の耳にわずかに異なる周波数の音を聞かせることにより、深くリラックスした状態を作り出し、通常と異なる意識状態に導くことが容易な方法とされている。著者らは、今まで様々な変性意識状態下の脳波を検討してきた。今回、5名のヘミシンクトレーナーの脳波計測からヘミシンク聴取による脳の変化を検討することを試みた。後頭部のα波平均振幅値は、セッション中に減少し、軽眠を思わせたが、各帯域含有率で、α帯域における比率が大きく減少していたわけではなく、通常の入眠時とは異なると思われた。β帯域含有率はフォーカスレベルF10とFl2で、交互に変化する様子が見られ、刺激音のうなり周波数との関係を示唆させた。左右脳波のコヒーレンス値が聴取時に大きくなる傾向が見られたが、セッション中に後頭から前頭にかけて位相同期的な瞑想様脳波が見られた被験者も複数おり、瞑想に近い状態を容易に実現することで、コヒーレンスが高くなっていることも考えられた。
著者
須貝 哲郎 東 順子 高木 喬 庄司 昭伸
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.288-293, 1974

貼布試験は接触皮膚炎であることが明らかな患者に限らず, 慢性湿疹患者にも試みるべきである。貨幣状湿疹様皮疹を有する5例で, クローム感作によることが判明し, 以後の管理に成功しえた。また, 機械油皮膚炎のうち, 5例にCr<SUP>+6</SUP>貼布試験陽性をみ, 機械油, カッチング油および流動パラフィン中へのCr<SUP>+6</SUP>混入の可能性が示唆されたが, 発光分光分析で全検体にCrを認めず, 共通して検出されたのはCuとSiとであった。昭和47年における当科接触皮膚炎患者502例中, 医原性のものは122例で, その頻度は24.3%であった。医原性接触皮膚炎患者における貼布試験の陽性頻度では, 水銀系薬剤がもっとも多く, ついで, hexachlorophene, ラノヒドロ級還元ラノリン, 抗白癬剤, deodrant系殺菌剤, ラノリン, chloramphenicolおよびdiphenhydramineの順であった。
著者
伊豆原 月絵 高木 麻里 澁谷 摩耶 齋藤 久美子 百武 真友美 イズハラ ツキエ タカギ マリ シブヤ マヤ サイトウ クミコ ヒャクタケ マユミ Tsukie IZUHARA Mari TAKAGI Maya SHIBUYA Kumiko SAITOU Mayumi HYAKUTAKE
雑誌
大阪樟蔭女子大学学芸学部論集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.85-94, 2010-01-29

大阪樟蔭女子大学と神戸ファッション美術館の学館協働事業として、神戸ファッション美術館の収蔵品について、平成19年度より18世紀のフランス宮廷衣装のドレスの織物・刺繍・装飾・縫製の復元を行っている。復元研究の最終目的は、第一次資料を基に、美意識を支えた縫製・構成技術、ドレスのフォルムから身体のフォルムを、また、染織の色彩と紋様から意匠や象徴性などを解明することで、往時の求められていた美意識を明らかにすることである。復元研究では、19世紀末以前の衣装を対象とする服飾美学、服装史、構成学の既往研究のほとんどが、美術館、博物館の展示ボディに着装されたドレス表面の計測結果や図像資料から、また、欧米の文献を基にパターン(構成図)作成を試み、復元製作をしているのが実情である。なぜなら、現存する歴史衣装は少なく、華やかなるロココ時代の宮廷衣裳にいたっては、日本のみならず世界でも数十点に満たない。したがって、第一次資料を基にした復元研究は、少ないのが現状である。このようなことを鑑み本論文では、復元製作において、最も重要な情報収集として、18世紀のドレスの文献調査に併せて、保存状態の優れた神戸ファッション美術館所蔵の18世紀に製作された女子のフランス宮廷衣裳を第一資料とし、計測調査(1着のドレスの計測した箇所は、10,000箇所以上)とその記録方法に重きを置き、第二次資料作成の方法について述べた。
著者
堀江 真太郎 中谷 岳史 リジャル H.B. 高木 直樹
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.87, no.793, pp.211-221, 2022-03-01 (Released:2022-03-01)
参考文献数
58

The purpose of this study was to conduct a winter indoor thermal environment measurement and a subjective thermal comfort survey on detached houses in Nagano City. In addition, we estimated the neutral temperature and acceptable temperature range from the obtained data and explored the incidence of cold stress. The neutral temperature calculated using Griffiths’ method was 18.0 ºC and regression analysis was 21.5℃ in operative temperature. The lower limit of the acceptable range was 6.6℃. Occupants adapted strongly to the indoor environment. However, care must be taken because occupants also accepted the cold stress environment.
著者
見上 葉子 高木 優子 宮川 弘之 山嶋 裕季子 坂牧 成恵 小林 千種
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.12-19, 2022-02-25 (Released:2022-03-10)
参考文献数
16
被引用文献数
3

食品添加物であるジブチルヒドロキシトルエン(BHT),ブチルヒドロキシアニソール(BHA)およびtert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)のHPLC分析条件について検討した.内径2.1 mmのカラムを用い,タイムプログラムを使用し各至適蛍光波長に切り替えることにより,25分間で一斉分析が可能となった.蛍光検出をUV検出と併用することにより選択性が向上し,夾雑ピークの影響を大幅に改善できた.また,ガス供給不足に対応するため,GC-MSによる確認法の代替としてLC-MS/MSによる確認法を作成した.さらに,上記3化合物標準溶液の長期安定性について検討した.その結果,0.1%アスコルビン含有メタノールを用い−20℃の条件で,TBHQは約1年間保存が可能となったが,BHT, BHAは著しく減少する場合があった.BHA, BHT混合標準溶液の場合は,メタノール溶液で4℃,BHA, BHT, TBHQ混合標準溶液は0.1%アスコルビン酸含有メタノール溶液で−20℃としたときいずれも約1年間安定であることを確認した.
著者
矢田 智 高木 弦
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.1, pp.20-24, 1991-01-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
15
被引用文献数
5

8族金属触媒によるメントン1とその異性体であるイソメントン2の還元アミノ化反応の選択性と立体化学について検討した。1の反応生成物は第一級アミン異性体のネオメンチルアミン4,メンチルアミン5とネオイソメンチルアミン6であった。第一級アミン異性体の生成率は5%Pd-C>5%Ru-C≧5%Rh-C>5%Pt-C>Raney-Co>Raney-Niの順で収率24~84%の問であった。5%Pd-C触媒では3種類の第一級アミン異性体中,4が45%の収率で最も多く生成したのに対し,5%Ru-C触媒では6が41%の収率で最も多く生成した。このように,触媒による第一級アミン異性体の生成物分布の違いは反応中間体のP-メンタン-3-イミン3と3のエナミン形,3-P-メンテン-3-アミン10との間でエナミン形-ケチミン形互変異性化が生じ,これらに対する水素付加速度の違いによって説明した。また,1や2の反応ではまったく第二級アミンや第三級アミンの生成は認められず,その原因を1,2や3の官能基に対する置換イソプロピル基の立体障害によって説明した。一方,2の還元アミノ化反応では1にくらべて反応が進みにくい。しかし,2の反応によって得られた第一級アミンの生成物分布は1の反応の結果と似ている。2の反応では2が1に異性化して反応が進行したことを示唆した。
著者
高木正幸著
出版者
土曜美術社
巻号頁・発行日
1987
著者
高木 斗希夫 藤井 範久 小池 関也 阿江 通良
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.216-224, 2010 (Released:2016-04-15)
参考文献数
21
被引用文献数
10 1

本研究では,野球における速度の異なるボールに対する打撃動作に影響を及ぼす力学的要因を明らかにすることを目的とした.速度の異なるボール(75-80km/h,100-105km/h,125-130km/h)を被験者に打撃させ,3 次元自動動作分析システムを用いて動作を計測するとともに,2 台のフォースプラットフォームを用いて両足下の地面反力を計測した.下肢及び体幹部に作用する関節力および関節トルク,さらに股関節トルクを下胴の長軸周りの軸へ投影した成分(下胴回転成分)などを算出した.その結果,ボール速度の大きい条件では,投手方向への身体の移動に関与する力積が小さく,この要因として踏出足接地から身体重心速度が最大値に到達する時点までの動作時間の短さが大きく影響を及ぼしていた.また,ボール速度の大きい条件では,軸足側では股関節外転トルクの下胴回転成分,踏出足側では股関節屈曲トルクの下胴回転成分が大きく作用していた.