著者
劉 欣欣 池田 大樹 小山 冬樹 脇坂 佳子 高橋 正也
出版者
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.47-50, 2018-02-28 (Released:2018-02-28)
参考文献数
20

長時間労働は様々な心身不調と関連し,特に脳・心臓疾患の発症リスクを増大させることが知られている.国内では,過重労働(特に長時間労働)によって脳・心臓疾患を発症したとする労災認定件数,いわゆる過労死等の認定件数は年間250件から300件程度で推移し,明らかな減少傾向は認められていない1).長時間労働による心血管系負担の軽減策を検討・提案することは,労働者の健康維持,さらには過労死の予防に極めて重要である.本研究では,長時間労働を模した実験室での被験者実験により,血圧を維持するための心臓と血管系の反応(背景血行動態反応)について検討した.本稿では,その実験結果の一部である血行動態反応の個人差について紹介し,心血管系負担の軽減策を検討するための資料提供を目的とした.
著者
篠田 有史 鳩貝 耕一 岳 五一 松本 茂樹 高橋 正 河口 紅 吉田 賢史
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.67-72, 2016-06-01 (Released:2016-12-01)

より学習者に適応した教示の実現を目指して,取り上げる題材の難易度の調整を行うのではなく,学習者の個性豊かな学びに寄り添うという取り組みが行われている。学習者の好む教示方法や学び方を調査するため,本研究では「学びのスタイル」アンケートを提案し,主成分分析と決定木構築手法を組み合わせて分析する。情報基礎教育科目の授業に参加した学習者を対象にアンケート調査を実施し,取り上げた授業における学習者の学び方がどのようなものであるかを,取り組みを通じて明らかにする。
著者
高橋 正也
出版者
日本行動医学会
雑誌
行動医学研究 (ISSN:13416790)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1-1, 2018 (Released:2017-11-29)
著者
安井 真也 高橋 正樹 石原 和弘 味喜 大介
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.161-186, 2007-06-29 (Released:2017-03-20)
参考文献数
49
被引用文献数
4

The 1914-1915 Sakurajima eruption was the largest eruption in Japan in the 20th century and erupted andesitic magma was about 1.5km3 DRE (Dense Rock Equivalent) in volume. Pumice fall and lava flows were generated from the fissure vents on the western and the eastern flanks of the volcano and pyroclastic cones were formed around the vents. Eruptive style changed with time. It is divided into three stages. After the initial, vigorous, Plinian eruption of about 36 hours (Stage 1), extrusion of lava associated with intermittent ash-emitting eruptions with or without detonations lasted for about 20 days on both sides (Stage 2), followed by an outflow of lava for more than 1.5 years on the eastern side (Stage 3). Consequently, the vast lava fields, which consist of a number of flow units formed on both sides of the volcano. Some units of lava show evidence of welded pyroclastic origin, suggesting clastogenic lava. In the western lava field, surface blocks characteristically consist of pyroclastic materials which show variable degrees of welding even within a single block. Typical eutaxitic textures and abundant broken crystals are also recognized under the microscope. Some flow units can be traced upstream to a pyroclastic cone. These features indicate that many flow units of lava on the western flank are clastogenic, which were generated by the initial, Plinian eruption of Stage 1. In the eastern lava field, evidence of pyroclastic origin is rarely discernable. However, the content of broken crystals varies widely from 20% to 80% in volume. Most lava flows, which were erupted in Stage 2 associated with frequent ash-emitting eruptions, contain broken crystals more or less than 50%. This fact indicates that magma in the conduit experienced repetitive fragmentation and coalescence due to intermittent explosions prior to outflow. Lava flows of Stage 3 contain much smaller amounts of broken crystals indicating gentle outflow of coherent lava. Relatively large-scale lava deltas developed toward the sea in the eastern lava field. Eyewitness account at that time reports that ocean entry of lava from several points started several months after the beginning of Stage 3. Although small-scale breakouts formed at the flow fronts of some lava on both sides, a large volume of the deltas can not be accounted for by secondary breakouts of ponded lava within the precedent flow lobes. It is considered that lava tube system fed lava to form the lava deltas.
著者
高橋 正雄
出版者
医学書院
雑誌
看護学雑誌 (ISSN:03869830)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.446-449, 1994-05-01

はじめに 『リア王』1)(1605年)は,シェイクスピアの4大悲劇の頂点と目される2)など,今日なお高い評価を受けている作品だが,精神医学的には,リア王の言動が痴呆性老人に似ている点で興味深い作品である.もっともリア王痴呆説は別に目新しいものではなく,前世紀末のレールをはじめ,ワイガントやガイヤーも既に唱えている3).ただ,ここで面白いのは,『リア王』という悲劇そのものが,リア王の痴呆に周囲の人々が気づかなかった,あるいは気づいても適切な対策を取らなかったがために起きた悲劇のように見えることである.即ち,『リア王』という物語は,臨床的には周囲が痴呆に対する認識を欠き,その対応を誤った場合に生じる事態によく似ているのである. そこで本論では,リア王の痴呆老人的な言動とそれに対する周囲の対応を中心に,作品冒頭の財産分与の場面と,その後の長女・次女の対応,最後の場面でのコーディーリアの対応という順で,検討を加えてみたい.
著者
萬 礼応 青山 朋樹 福本 貴彦 森口 智規 高橋 正樹
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.855, pp.17-00223-17-00223, 2017 (Released:2017-11-25)
参考文献数
17

Gait measurements and physical fitness tests are carried out in the community health activities for health promotion and care prevention services in the growing elderly population. In particular, the timed up and go test (TUG) is the clinical test most often used to evaluate functional mobility in many clinical institutions or local communities. To evaluate the functional mobility during the TUG, a gait measurement system (Laser-TUG system) using a laser range sensor (LRS) has been proposed. The system tracks both legs and measures the foot contact positions to obtain walking parameters such as stride length and step length. To reduce the false tracking and improve the measurement accuracy during the turning phase of the TUG, a data association considering gait phase and a spline-based interpolation have been proposed. However, the false tracking is likely to be occurred in the elderly and the measurement accuracy during the turning phase is still deteriorated because of occlusion and inaccurate observation of legs. Therefore, this paper presents a high-accuracy gait measurement system using multiple LRSs. Using multiple LRSs is able to reduce the situation of leg occlusion. However, the measurement accuracy of leg position depends on the distance from the LRS. To improve the measurement accuracy, an integrated leg detection method by a weighted mean of the observation candidates from each LRS data based on the distance from the LRS is proposed. We confirm that the proposed leg detection method can improve the success rate of leg tracking in the elderly and measurement accuracy of the leg trajectory and walking parameters.
著者
根本 啓一 高橋 正道 林 直樹 水谷 美由起 堀田 竜士 井上 明人
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.1600-1613, 2014-06-15

近年,自発的・持続的な行動変革を誘発するためのアプローチとして,ゲーミフィケーションが着目されている.ゲーミフィケーションはゲームの考え方やデザイン・メカニクスなどの要素を,ゲーム以外の社会的な活動やサービスに利用するものとして定義される.このゲーミフィケーションを活用して,多数のユーザの行動変容を促すことで,社会的な課題を解決する活動が生まれている.本稿は,このような社会的課題の解決にゲーミフィケーションを活用することに関して述べている.従来の社会課題解決型のゲーミフィケーションは,ウェブ作成者など特定の作者が作成した仕組みを使って,ユーザの行動を喚起するために利用されることが多かった.しかし,個々のユーザやコミュニティが抱えている課題は多種多様であるため,課題解決の観点では,本質的課題をとらえることが難しい.課題を抱えるユーザ自身が行動をデザインすること,必要に応じて改良可能な参加型の仕組みが必要である.そこで,課題を持つユーザ自身による課題解決のための自発的・持続的な行動の設計と実行をゲーミフィケーションを利用して支援する仕組みを提案する.我々は,参加者が自らの課題に取り組むためのゲームを設計するワークショップを設計・実践し,さらに,そのアイデアをゲームにして実行に移すことができる,ゲーミフィケーション・プラットフォームと呼ぶウェブサービスを試作した.ゲーム作りのワークショップを計3回実施し,48名が参加した.プラットフォーム上には9つのゲームが作成され,ゲームプレイを通じて827個の行動がなされた.本稿では,これらの結果をふまえ,動機づけ,能力,誘因という3つの観点から自発的・持続的な行動を生み出すための課題について考察する.
著者
高橋 正明
出版者
帝京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2015-08-28

本研究は、主にアメリカ及びカナダの議論を手掛かりとして、社会構造上の差別の是正のあり方に焦点を当てつつ、憲法上の平等原則の解釈論の再構成を試みるものであった。具体的には、まず、社会構造上の差別の是正を憲法上の責務として捉える学説の意義と課題を解明した上で、我が国の憲法理論への受容可能性を意識した理論枠組を提示した。さらに、社会構造上の差別の一類型である「私人による差別行為」の規制のあり方について考える上では、「市場独占の排除」や「社会空間の公共性の維持」という観点から、私法秩序における憲法上の平等原則の作用を把握することが有用ではないかとの知見を得ることができた。
著者
岸川 圭希 青柳 翔太 高橋 正洋 幸本 重男
出版者
日本液晶学会
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp._PB03-1_-_PB03-2, 2013

In this study, effective chiral dopants possessing both rod-and arch-like control sites for the molecular arrangements were synthesized. In the nematic phases doped with these dopant compounds, their HTP values and generation of blue phases were investigated. As the result, the dopant showed very large HTPs, which indicated our methodology was suitable for generation of strong helicity. Further, the structure effect of the arch-site was investigated by the comparison of the homologues 1, 2 and 3.
著者
神内 謙至 橋本 善隆 新美 美貴子 山下 亜希 山内 光子 四井 真由美 西田 なほみ 山崎 徹 早川 太朗 中山 英夫 槻本 康人 並河 孝 笹田 侑子 前林 佳朗 高橋 正洋 磯野 元秀
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.256-263, 2014

50歳女性.平成4年に糖尿病を指摘され平成16年より当院にて加療中.低血糖で救急搬送された既往あり.インスリン治療で血糖コントロール不良,また低血糖も起こすため,平成23年2月教育入院となった.入院中,血糖正常であるものの低血糖症状のためパニックになることがあった.翌日のスケジュールを説明しても当日になると忘れる,糖尿病教室でテキストを忘れる,と言う出来事があった.そのため,注意欠如/多動性障害(ADHD)を疑い本人の同意の上で滋賀医科大学精神神経科に紹介しADHDの診断となった.抽象的な情報を処理する能力は低く,簡潔で具体的な手本を示し,時間的余裕が必要な症例であると判断された.全成人の4.7 %の有病率とされるADHDであるが,今のところADHDと糖尿病の合併にかかわる報告は極めて少ない.血糖コントロールが極めて悪化することが考えられ,適切な治療方法が必要である.
著者
高橋 正一
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電氣學會雜誌 (ISSN:00202878)
巻号頁・発行日
vol.45, no.446, pp.788-804, 1925

本論文は、昨年七月號本誌記載の「高壓送電線の充電と發電機の自己勵磁現象に就て」に關して筆者が九月電氣學會東京支部講演會の席上で、豫稿に掲載してある以外に、述べたるものに、補足追加したものである。高壓長距離送電線に就て、無負荷充電の際は往々恐る可き、發電機の自己勵磁現象を起して、送電系統を脅すことがあるが、無接地式送電系統に就て、送電線を一線接地すれば、送電線の容量は、發電機に對しては、不平衡容量となり、平常状態よりも尚恐る可き自己勵磁を惹起し易い。本論文には欺るゝ場合の正確なる圖式的解法を與へた。先づ一般に不平衡容量負荷の解法に對して.所謂重疊の理論を應用すれば便利なるを示し、之に依つて不平衡の場合の充電特性曲線、發電子零力率不平衡進電流によつて勵磁せらるゝ飽和特性曲線の正確なる求め方を示した。送電線の一線接地の際も重疊の理論を應用しつゝ、上記兩特性曲線を用ひて、發電機が自己勵磁を起す際の異常電壓、電流の求め方を記し、併せて電壓電流のヴエクトル圖も示した。期の如き自己勵磁現象の實例として、筆者は京濱電力株式會社龍島發電所の遞信省試驗の自己勵磁に就いて數字例を示した。ピーターゼンコイルにて中性點を接地することは、發電機の自己勵磁による異常電壓防止の點より論ずるも極めて、有效である事にも論及して居る。
著者
高寺 政行 大谷 毅 森川 英明 乾 滋 南澤 孝太 佐藤 哲也 鋤柄 佐千子 大塚 美智子 金 キョンオク 宮武 恵子 松村 嘉之 鈴木 明 韓 載香 柳田 佳子 古川 貴雄 石川 智治 西松 豊典 矢野 海児 松本 陽一 徃住 彰文 濱田 州博 上條 正義 金井 博幸 坂口 明男 森川 陽 池田 和子 鈴木 美和子 北折 貴子 鄭 永娥 藤本 隆宏 正田 康博 山村 貴敬 高橋 正人 中嶋 正之 太田 健一 堀場 洋輔
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2012-05-31

我が国ファッション事業の国際化に寄与する研究を目指し,国際ファッション市場に対応する繊維工学的課題の解決,国際ファッション市場に通用するTPS/テキスタイル提案システムの構築を行った.国際市場に実績ある事業者を対象とし,現場の調査,衣服製作実験,商品の評価を行い我が国との比較を行った.欧州・中国と日本における衣服・テキスタイル設計,評価および事業の違いを明らかにし,事業と技術の課題を明らかにした.デザイナーのテキスタイル選択要件を調査し,テキスタイルの分類法,感性評価値を組み込みTPSを構築した.日欧で評価実験を行い有効性を確認した.また,衣服・テキスタイル設計評価支援の技術的知見を得た.
著者
高橋 正弘 村上 賢二 金子 精一
出版者
The Japan Society of Veterinary Epidemiology
雑誌
獣医情報科学雑誌 (ISSN:09128913)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.27, pp.27-33, 1991
被引用文献数
2

神奈川県食品衛生課編「食中毒発生一覧表」に記載されている食中毒事件の発生日, 発生件数および患者数ならびに判別分析で求められた食中毒発生予測式から算出される予測値を供試し, 食中毒発生日の特異性を検討した。検討した期間は1979年から1988年の10年間で, 各年6月から10月の5ケ月間である。<BR>1) 食中毒発生の特異日は, 発生件数の平均値および変動係数によれば9月4日, 9月8日, 9月7日, 9月13日および8月26日であった。<BR>2) また, 患者数では9月4日, 9月13日, 8月5日, 8月25日および7月29日であった。<BR>3) 以上の結果から, 食中毒発生件数・患者数の特異日は9月上旬に集積性が認められた。<BR>4) 発生件数・患者数の曜日別発生頻度は, 統計的検定の結果, 日曜日, 金曜日, 火曜日に高く, 水曜日に有意に低いことがわかった。<BR>5) 予測値においては, 曜日間に有意差は認められなかった。<BR>6) 食中毒発生ありと予測された期間は, 予測値の日別平均値によれば, 7月14日から7月17日, 7月23日から9月17日の期間であって, そのうち, 特に予測値の高い期間は8月20日から23日の4日間であった。<BR>このように, 環境要因に基づく予測と実際の発生頻度にずれが生じているのは, 食習慣等の社会的要因や調理従事者等の人為的影響が食中毒発生に深く関与しているものと考えられる。そこで, 環境要因の他に発生件数・患者数の日別・曜日別平均値さらには日別平均予測値をダミー変数とし採用すれば, 食中毒発生予測式の精度の向上が可能と考えられる。また, 行政施策の用途によっては, 月ごとに食中毒発生予測式を構築する必要性も考えられる。
著者
谷川 東子 高橋 正通 今矢 明宏 稲垣 善之 石塚 和裕
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.149-155, 2003-04-05
被引用文献数
3

アンディソルとインセプティソルにおける硫酸イオンの現存量を調査し,以下のことを明らかにした。1)吸着態硫酸イオンが主体であるPO_4可溶性Sは全Sの約30%を占める主要な画分であり,その含有率はアンディソルでは16〜880mg S kg^<-1>と高く,インセプティソルでは10〜296mg S kg^<-1>と低く,明瞭な差があった。また欧米の土壌の既報値に比べ,本邦のアンディソルが含有する吸着態硫酸イオンは著しく多く,全Sに占める割合も高かった。2)溶存態硫酸イオン(Cl可溶性Sおよび水溶性S)は両土壌でPO_4可溶性Sよりも含有率が有意に低く,全Sの10%に満たなかった。そのため硫酸イオンはほとんど吸着態で存在していることが明らかになった。3)両土壌におけるPO_4可溶性Sの断面プロファイルは,表層で低く50cm〜1m深で最大値に達する特徴を持っており,とくにメラニューダンドでは最大値に達してからも,高い含有率が下層で維持されていた。4)PO_4可溶性Sは,硫酸イオン吸着能を持つ鉄やアルミニウムの酸化物,とくに腐植複合体画分を除いた非晶質酸化物やアロフェンといった非晶質粘土鉱物,さらに結晶質鉄酸化物の存在に影響を受けていると推察された。溶存態硫酸イオンのうち,交換性硫酸イオン含有率もまたこれらの土壌因子に影響を受けていることが示された。5)メラニューダンドの下層では,硫酸イオン吸着能が著しく高く,その高い硫酸イオン吸着能が水溶性硫酸イオン含有率を低く維持していることが推察された。6)表層から1m深まで積算したPO_4可溶性Sの現存量は,アンディソルでは870〜2670kg S ha^<-1>,インセプティソルでは91〜1440kg S ha^<-1>であった.溶存態硫酸イオンの現存量はPO_4可溶性Sに比べ著しく低く,表層から1m深までの積算で,Cl可溶性Sはアンディソルで17〜103kg S ha^<-1>,インセプティソルで13〜144kg Sha^<-1>,水溶性Sの現存量はアンディソルで23〜56kg S ha^<-1>,インセプティソルで26〜91kg S ha^<-1>であった。