著者
崔 成日 高橋 和也 堤 正臣 佐藤 隆太
出版者
精密工学会
雑誌
精密工学会誌 = Journal of the Japan Society of Precision Engineering (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.73, no.9, pp.1040-1045, 2007-09-05
参考文献数
10
被引用文献数
3 2

This paper describes the measuring methods for positioning accuracy of tilting axes in five-axis controlled machining centers with a tilting rotary table. The top surface of the tilting rotary table is generally in higher position than the tilting axis. In this case, there is no measuring method except for a manually operated clinometer. Thus, a clinometer consisting of a precision rotary encoder and a bubble level was firstly developed. In the method, operators have to read visually the scale of the level and the reading accuracy is dependent on their ability. Instead of the bubble level, an electronic level with high resolution was employed for comparison. A ball bar equipment was also applied to measure the angular positioning accuracy of the tilting rotary table, as the ball bar equipment can measure the angular displacement continuously.
著者
高橋 広人 福和 伸夫 岸浦 正樹
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.16, no.9, pp.9_46-9_66, 2016 (Released:2016-08-29)
参考文献数
47
被引用文献数
1 1

強震動予測及び液状化評価を目的とした表層地盤のモデル化手法を提示し、名古屋市域を対象に適用した。適用したモデルの妥当性を示すとともに、1944年昭和東南海地震による旧名古屋市の住家被害と地盤条件、震動特性との関係について考察した。表層地盤モデルは38600本のボーリング資料に基づいて9層の地層年代に区分し、地層年代別にN値と土質を標高1m刻みで水平方向に50m×50mメッシュ単位で補間し、これらを累積することで構築した。微動計測に基づくH/Vスペクトルのスペクトル形状や地震応答解析による地震動の増幅に基づいて表層地盤モデルの妥当性を確認した。1944年昭和東南海地震を想定した強震動予測及び液状化評価結果は、連区(学区)別の住家被害と対応がよく、地盤モデルに基づいて被害要因を解釈できる可能性について示した。
著者
高橋 澄夫 井野口 卓 華 常祥 堤 善多 森脇 優司 山本 徹也
出版者
一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
雑誌
痛風と核酸代謝 (ISSN:13449796)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.211-215, 2006 (Released:2012-11-27)
参考文献数
15

It is well known that patients with gout frequently have acidic urine, a major risk factor for urolithiasis. However, the underlying mechanism of acidic urine in patients with gout remains unclear. Recently, uric acid nephrolithiasis has been reported to be a factor contributing to of renal manifestation of metabolic syndrome. Therefore, to clarify the mechanism of acidic urine in patients with gout, we investigated the relationships between urinary pH and other components of metabolic syndrome. Patients with a 24-hour urinary pH below 5.5 showed higher or greater levels of blood pressure, serum triglyceride, blood sugar, plasma insulin, and visceral fat area, compared with those with a 24-hour urinary pH above 5.5. In addition, there were negative relationships between 24-hour urinary pH and serum triglyceride, visceral fat area, and HOMA index. PPAR a agonist, bezafibrate, significantly raised the 24-hour urinary pH in gout patients in accordance with a reduction in serum triglyceride concentration and HOMA-R, probably through improvement of insulin resistance. These findings suggest that insulin resistance plays at least a partial role in the development of acidic urine in patients with gout.
著者
高橋 祐輔 三島 修 北野 司久 三澤 賢治 牛山 俊樹
出版者
一般社団法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.435-439, 2013-05-15 (Released:2013-06-04)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

胸腔ドレーン抜去時には,創部を結紮したりフィルム剤を貼付したりと施設により方法は様々である.当院では胸腔ドレーン抜去時に縫合はせず,ハイドロコロイドドレッシングであるカラヤヘッシブTM(以下:カラヤ)を貼付しており,簡便で低侵襲であり創傷治癒の面から有用であると思われるため報告する.2010年1月から2011年10月まで当院呼吸器外科で手術を行い胸腔ドレーンを挿入した181人を対象とした.ドレーン抜去後にカラヤの交換が必要だった症例は9例であった.ドレーン抜去後に浸出液が多く創部を縫合閉鎖した症例が1例あった.再挿入は2例であったが,抜去の手技に問題はなく時期に問題があると思われた.以上の結果から,ほとんどの症例で,抜去に伴う問題はなく,当院におけるドレーン抜去の工夫は有用であると思われた.
著者
吉住 正和 小池 幹義 高橋 奈緒美 田仲 久人 木暮 政惠 岡田 正敏 津久井 智 猿木 信裕 高橋 篤
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.23-31, 2017-02-01 (Released:2017-04-05)
参考文献数
11
被引用文献数
1

背景と目的:アカツツガムシを媒介としたつつが虫病は旧来より知られていたが, 1950年代から新型 (タテツツガムシあるいはフトゲツツガムシが媒介) が出現して全国的に拡がり, 群馬県でも1980年代から北部山間部を中心に散見されるようになった. 一方, 最近の群馬県におけるつつが虫病の発生状況は明らかとは言えない. 本研究では, 群馬県, 特に利根沼田2次保健医療圏における最近のつつが虫病の発生動向とその変遷などの特徴を明らかにすることを目的とする.方 法:群馬県統計年鑑・Infectious Agent Surveillance Report報告・利根沼田と吾妻地域の4類感染症発生届を用い, (1) 全国/群馬県/県内各2次保健医療圏におけるつつが虫病発生数と頻度の推移, (2) 利根沼田と吾妻地域における地域総人口/農業人口/60歳以上人口とそれらの発生頻度の推移・月別平均気温の推移 (3) 利根沼田地域のつつが虫病患者の年齢/職業/発生月/推定感染場所/血清タイプを検討した.結 果:(1) 全国と群馬県のつつが虫病発生頻度は2002年まで減少傾向にあったが, 群馬県の発生頻度は2007年以後上昇した. (2) 県内各地域の発生頻度は検討全期間を通して吾妻地域の占める割合が高く, 利根沼田地域では1995年を境に発生数が増加し, 2007年以後の利根沼田地域の発生数は群馬県の発生数の20~50%を占めていた. (3) 農業人口に対する発生頻度は各地域とも地域総人口に対する発生頻度と比べ有意に高く, 経時的に上昇していた. 一方, 60歳以上人口に対する発生頻度は地域総人口に対する発生頻度と比べ差異がなかった. (4) 利根沼田地域では最近の10年間で平均気温の上昇が認められた. (5) 群馬県及び利根沼田地域の発生時期は10月~11月, 推定感染場所は河岸段丘の農地が大半であった. (6) 利根沼田地域では感染地域の拡大が認められ, 血清タイプは標準型 (Karp・Gilliam型など) が70%と多かったが, Kawasaki型などの新しいタイプも認められた.結 語:近年の群馬県ではつつが虫病の発生が増加しており, その主因に利根沼田地域の発生増加が考えられる. 利根沼田地域の発生増加には河岸段丘農業地域における感染の拡大と感染率 (発生頻度) の増加, 気温上昇の影響が示唆される. 群馬県の有毒ツツガムシは血清タイプや発生月の推移から, フトゲツツガムシ (Karp・Gilliam型) によるものが主体で, 関東南部や九州に多いKawasaki型などを含むタイプとの混在も示唆される. 今後, 好発地域, 好発時期における地域住民に対する感染予防啓発が重要と考える.
著者
鈴木 偉元 藤原 廣則 石川 憲洋 上野 英俊 高橋 修
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.24(2001-MBL-020), pp.75-82, 2002-03-08

モバイル端末の普及によって、利用者からは移動通信網とインターネットのシームレスな通信環境の必要性が高まりつつあり、情報配信系サービスにおいてはシームレス通信環境に対する最適なマルチキャスト通信品質の実現が課題である.そこで本研究では、無線網と有線網といった特性の異なるネットワークが混在する環境を想定したマルチキャストの高信頼化技術について検討する.マルチキャストの高信頼化技術には、従来から誤り訂正符号化(FEC)や再送制御(ARQ)があり、それぞれエラー耐性やトラヒック特性といった特徴が異なる.ここでは、FEC及びARQをハイブリッドに組み合わせる方法について概観するとともに、ネットワークのエラー率を推定することによって、FECの冗長率の最適値を動的に特定する方法について提案する.
著者
高橋 純一 杉村 伸一郎 大村 一史
出版者
福島大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2022-06-30

本研究が対象とする「アファンタジア(aphantasia)」は2015年に提唱された新たな事例で,実際の知覚は機能しているが心的イメージを形成しにくい特質である。現在,成人を対象とした研究が展開されており,その知覚および心的イメージの特徴について知見が得られ始めている。アファンタジアは先天的な特質であるため,幼児期・児童期でも既に心的イメージ形成の困難さが生じている可能性が推測される。本研究は,幼児期・児童期におけるアファンタジアの新奇事例を提唱し,その定義を可視化できるアセスメントツールを開発しようとするものである。
著者
溝端 丞之介 奥山 永 清 拓哉 高橋 純一
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.2-7, 2023-03-25 (Released:2023-04-13)
参考文献数
20

The yellow-legged hornet Vespa velutina was accidentally introduced into near Oita port in Japan, and firstly founded the colony in 2018. We estimated its origin by the morphological comparison among the subspecies of V. velutina, and also by the mitochondrial DNA sequence analysis. Our results revealed that the hornet which was collected in Oita was V. v. nigrithorax, and its mitochondrial DNA haplotypes unmatched the unique haplotype which present in Taiwan, China (Jiangsu), South Korea, and Japan (Tsushima, Iki, and Kitakyushu). These findings suggest that the origin of V. velutina in Oita is other regions, and seems to be introduced via the regular routes of cargo ships.
著者
田辺 勇太朗 坂上 恭助 上村 直純 柴田 信次 高橋 眞美子 佐藤 和紀
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成26年度大会(秋田)学術講演論文集 第1巻 給排水・衛生 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.169-172, 2014 (Released:2017-11-15)

近年、住宅内で最も使用水量の多い大便器を環境配慮の観点より、節水型便器へ切り替る検討が行われている。 しかし、瞬時最大排水流量の大きい節水型便器は、同一排水管に接続されている異種衛生器具の排水トラップを破封させる問題が希に報告されている。 そこで、本研究では、洗い落し式便器の器具排水特性を検討することを目的として、3種類の配管タイプを用いて、汚物排出・搬送実験を行った。そして、汚物量、配管構成、洗浄水量が器具排水特性に及ぼす影響を評価した。
著者
高橋 勤
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2022-06-30

石牟礼道子の『苦海浄土』三部作は 60年代から水俣病問題を追跡し小説化した長大な作品だが、この作品は公害病を記録したルポルタージュであるばかりではなく、近代産業によってもたらされた権力と差別の構図、そして不知火海の自然と精神風土に対して加えられた暴虐を浮き彫りにする。そうした日本近代をめぐる石牟礼の思想性について考察し、語りの象徴性を検証するのが本研究課題の全体的なねらいである。環境人文学とは、環境教育を含めて、人文学の観点から環境問題を考察する知の枠組みであり、日本における環境破壊の捉え方、意見の対立、その文学的表象を検証する。
著者
須釜 淳子 石橋 みゆき 大田 えりか 鎌倉 やよい 才藤 栄一 真田 弘美 中山 健夫 野村 岳志 山田 雅子 仲上 豪二朗 佐藤 直子 柴田 斉子 長谷 剛志 深田 順子 三鬼 達人 有田 弥棋子 浦井 珠恵 大川 洋平 北村 言 臺 美佐子 高橋 聡明 玉井 奈緒 飛田 伊都子 野口 博史 松本 勝 三浦 由佳 向井 加奈恵 麦田 裕子 吉田 美香子 倉智 雅子 白坂 誉子 山根 由起子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.790-810, 2022 (Released:2023-03-10)
参考文献数
58

目的:本資料は,日本看護科学学会より公開した「看護ケアのための摂食嚥下時の誤嚥・咽頭残留アセスメントに関する診療ガイドライン」の要約版である.方法:本診療ガイドラインは,「Minds診療ガイドライン作成マニュアル2017」に従い,研究エビデンスと益と害のバランス,患者の価値観などに基づき作成された.結果:身体診査技術を用いた系統的アセスメント,反復唾液嚥下テスト,改訂水飲みテスト,フードテスト,頸部聴診法,超音波診断装置による嚥下観察,内視鏡による嚥下観察に関するクリニカルクエスチョンをもとに,10の推奨が作成された.8つの推奨はGRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation)2Cとして評価され,残りの2つはGRADEなしとして評価された.結論:看護ケアのためのアセスメントに焦点を当て,最新の知見を盛り込んだ信頼性の高い診療ガイドラインが作成された.本資料は要約版であり,臨床実践への活用が期待される.
著者
伊坂 哲哉 高橋 航 前原 孝光 益田 宗孝
出版者
一般社団法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.420-426, 2014-05-15 (Released:2014-06-13)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

鈍的外傷による外傷性気胸の経過観察中もしくはドレナージ療法後に遅発性外傷性気胸(LTP)を発症することが知られている.今回LTPのリスク因子を検討した.2006年11月1日~2012年12月31日に横浜労災病院で治療を行った鈍的外傷による外傷性気胸患者58人,61病変をLTP群と非LTP群に分けて患者背景および臨床背景を比較検討した.今回検討した肺嚢胞とは気腫性肺嚢胞および外傷性肺嚢胞とした.胸部CTにて,肺嚢胞は10病変(16.4%)検出された.LTPは7病変(11.5%)で発症した.単変量解析および多変量解析にて肺嚢胞の存在がLTPの独立したリスク因子だった.外傷性気胸の気胸側に肺嚢胞を有する場合LTPを念頭に厳密なフォローを要することが考えられた.