著者
上野 耕平 里見 知昭 高橋 弘
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.22-00251, 2023 (Released:2023-07-20)
参考文献数
16
被引用文献数
1

軟弱な災害発生土を被災地から搬出する際に,高吸水性ポリマーを添加して流動性を低減させる手法が注目されている.搬出された災害発生土は改良され地盤材料に再利用されることが望ましいが,内包される高吸水性ポリマーの吸水膨張が改良土の耐久性に及ぼす影響は明らかにされていない.本研究では,塩化鉄との反応によって高吸水性ポリマーの吸水膨張を抑制する手法を検証した.さらに,既存の軟弱土固化処理技術である「繊維質固化処理土工法」により得られた改良土を用いて乾湿繰返し試験を実施した結果,内包される高吸水性ポリマーの吸水膨張により改良土の耐久性が低下すること,また,塩化鉄の作用により高吸水性ポリマーの吸水膨張が抑制され,改良土の耐久性の低下を抑制できることを明らかにした.
著者
永吉 美智枝 斉藤 淑子 足立 カヨ子 高橋 陽子 谷川 弘治
出版者
日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液・がん学会雑誌 (ISSN:2187011X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.150-156, 2020 (Released:2020-09-03)
参考文献数
19
被引用文献数
1

本研究は,小児がん経験者が復学後の成長発達過程における生活上で経験した困難を明らかにし,心理社会的フォローアップのあり方を検討することを目的とした.18歳以上26歳未満の小児がん経験者14名を対象に半構造化面接を行った.分析の結果,94個のコードから37のサブカテゴリー,15のカテゴリー,6の大カテゴリーが生成された.困難を構成する要素は,学校生活と就労に関連していた.小児がん経験者には,[化学療法後の体力低下による長期間の授業の欠席]など【学校生活の大変さ】が生じていた.【友人関係・コミュニケーションの難しさ】においては,[体力低下や治療により友達との集団行動ができないもどかしさ]を感じ,【入院前の自分との違いに対する混乱・葛藤】が生じていた.また,【学習の遅れ】を取り戻すには時間を要し,治療による出席日数の少なさから【進学上の不利】を生じていた.【身体・心理的晩期合併症】は修学や成人以降の心理へ影響を及ぼしていた.小児がん経験者が学校生活を通して自己概念を再構築し,新しい役割を探求するプロセスにおける心理社会的問題について,教員と医療者が相談する体制をつくり,継続的に支援する重要性が示唆された.
著者
高橋 勉 吉武 裕美子
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では縦渦リニアドライブ風車の動力特性に影響を及ぼす形状因子の解明を中心に実験的研究を行った.形状因子としては,円柱翼の直径,リング状平板の半径方向への厚さ,円柱翼とリング状平板のすき間が最も重要であった.円柱翼の長さに関しては,後流リングの幅から翼の飛び出し量が大きすぎる場合にはカルマン渦が形成され縦渦による揚力が低減することを見いだし,最適な長さ,飛び出し量を実験により求めた.パワー係数の向上のために多翼化を行い,翼の枚数の増加により回転数が受ける影響は小さいが,トルクが枚数に比例して増加することを見いだした.
著者
仲田 翔太 石川 亮太 佐藤 靖徳 高橋 勉
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.88, no.906, pp.21-00369, 2022 (Released:2022-02-25)
参考文献数
17

A prediction model of the fluid force on a cylindrical blade driven by the Necklace vortex is developed and verified by experiments when the yaw angle is given. Based on the measurement results of the velocity ratio of blade and wind velocity and the fluid force coefficient at zero yaw angle, a prediction model for the relationship between the rotation angle of the cylindrical blade and the fluid force coefficient considering the yaw angle was derived from the analysis of the two-dimensional velocity components acting on the cylindrical blade. The validity of the predictive model was demonstrated by experimental verification. From the comparison, it was found that there was a time delay in the formation and disappearance of the Necklace vortex. Based on the experimental results, the characteristics of the fluid force acting on the cylindrical blade were classified into five angular regions and based on the characteristics of the effective velocity ratio considering the yaw angle, the classification was made into 12 angular regions. Depending on the yaw angle, wind speed, and rotational speed of the blade, all of these regions may appear or only some of them may appear. Therefore, the yaw angle characteristics of the cylindrical blade wind turbine driven by the Necklace vortex are very complicated.
著者
仲田 翔太 佐藤 靖徳 高橋 勉
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.88, no.907, pp.21-00349, 2022 (Released:2022-03-25)
参考文献数
21

In a circular cylinder blade wind turbine driven by a longitudinal vortex, the torque characteristics of the turbine are greatly affected by the flow field at the blade tip. In general, wind turbines reduce drag by making the blade tips thinner. However, because this wind turbine uses a cylinder as a blade, it is important to control the flow field at the blade tip. From the experiments, it was found that the torque coefficient can be increased by attaching the endplate to the blade tips, and the rotational force can be obtained stably up to very low rotation speeds. The installation of fairing or endplates in circular cylinder blade wind turbines enables stable rotation at low speeds even under high loads, and also reduces drag at high speeds and increases the maximum speed. In the case of a disk-shaped endplate, the torque coefficient can be increased by up to 20 % by attaching an endplate with a diameter 2.5 to 3 times the diameter of the cylinder to the outer blade tip only. The L-type endplate has the effect of shifting the characteristics to the higher rotation side than the disk-type, and increases the torque coefficient at the same tip speed ratio. However, the lower limit of stable rotation becomes higher, and as a result, the value of the maximum torque coefficient obtained at high load decreases. If the endplate attached inside has a negative effect on the stable formation of the necklace vortex, it will inhibit the rotation at a low speed due to high load, making it difficult to obtain high torque.
著者
黒田 起吏 高橋 茉優 亀田 達也
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第85回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.PC-001, 2021 (Released:2022-03-30)

メンバー全員が集団意思決定に参加(投票)する場合,多数決は高い正答率をもたらす。しかし,投票がコストを伴い,そのため投票しない誘因がある場合でも,集合知が成立するかは不明である。本研究では「能力に自信がある人は,投票せずに個人として意思決定したほうが利益が見込めるため多数決に参加しない」と予測し,実験室実験を行った。参加者は知覚課題に取り組み,個人として回答するか,投票して多数決に従うかを選んだ。また,実験結果をもとにシミュレーションを行い,メンバー全員が投票した場合の多数決精度を計算した。分析の結果,自信のない参加者ほど投票しやすいことがわかった。この投票バイアスの結果,本実験での多数決は,全員が投票した場合(シミュレーション結果)よりも一貫して劣っていた。また,課題が難しい場合,投票する人数が多いとむしろ正答率は下がった。個人の自発的な選択から生じる投票バイアスに対して多数決が脆弱である可能性を,本研究は示唆している。
著者
原野 和芳 甘蔗 眞純 佐藤 道子 高松 純 高橋 成輔
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.22, no.7, pp.293-299, 2002-09-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
10

患者が麻酔とその危険性を理解するための支援について調査・検討した.情報提供の方法として麻酔前回診,「麻酔に関する説明書(以下同意書)」,麻酔・手術室全般をイラストで説明したパンフレットという3種類を用いた.結果は,麻酔および手術室手順の理解では同意書やパンフレット配付の有無で差はなかった.同意書は危険性への認識を高めた反面,不安を感じたという評価の割合が高く,前向きな気持ちに負の影響を与える可能性が示唆された.パンフレットは不安を軽減する可能性を認めた.以上のことから麻酔に関する危険性の理解を促進し,かつ不安を軽減するためには,同意書とパンフレット両方を麻酔前回診に配付することが有用であると考えた.
著者
山口 和子 高橋 史人
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.104-113, 1982-06-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
6
被引用文献数
1

In the previous study, by the application of multivariate analysis, seven preference factors for foodsregardless of attributive factorswhich gave influence on preference for foods were extracted and these factors were confirmed to play important roles for this preference.In this study, we have analyzed food preferences through crosstotaling attributiv e factors (such as age differences, living areas and occupations).The results were as follows:1. Even though the difference in food prefernces between men and women is scanty, this difference between the ages of 30 years old and 40 years old is conspicuous in both sexes. Therefore, it become possible to conclude that a turning point for food preferences lies in their 30's in both sexes.2. As to Japanese style cooked foods, there is also the difference of preference and men prefer proteinous foods and women prefer rather cereals.3. Though younger people prefer western-style foods, various kinds of snacks and desserts, older people (over 50's) prefer tradional Japanese foods.4. As to the regional difference of food preferences, people in Tokai district are moderate and resemble to the average of all over Japan; those in Kanto district select various foods indiscriminately; those in the Hokkaido, Chugoku, Shikoku and Kyushu districts are conservative in their food likes and also dislikes; Those in Kinki district show extreme tendencies for both their likes and dislikes; and those in Tohoku and Hokkaido show no definite preferences.5. When the trend of food preferences is compared with groups of same age, there are some differences for this preference between occupational groups, and the professional technical workers do the selection of foods more positively than the laborer do.6. In conclusion, the food preferences are greatly affected by age groups and little by groups of sex, living areas or occupations.
著者
明石(長谷川) 愛子 高橋 義秋 森本 みずき 横田 恭子 森本 展年
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.15-20, 2023 (Released:2023-01-28)
参考文献数
23

症例は52歳男性.突然の異常行動と意識障害で救急搬送された.搬送直後から全身痙攣をきたし,ミダゾラムにて痙攣は停止するも健忘症状が遷延した.髄膜刺激徴候を認め,臨床経過と合わせ辺縁系脳炎と考えた.血清・髄液梅毒反応陽性の結果より脳炎の原因を神経梅毒と判断し,ペニシリンGで治療を開始した.頭部MRIでは両側側頭葉内側に左側優位のT2/FLAIR高信号病変を認め,ヘルペス脳炎の可能性も考慮し,髄液HSV-DNA陰性が判明するまでアシクロビルを併用し,ステロイドパルス療法も行った.経過とともに症状は改善し職場復帰した.辺縁系脳炎で発症する神経梅毒は稀だが治療方針を考える上で極めて重要な疾患である.
著者
高橋 舞
出版者
文化資源学会
雑誌
文化資源学 (ISSN:18807232)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.5-23, 2023 (Released:2023-07-14)
参考文献数
28

1980年代になると、ニュー・ミュージコロジーによって音楽学の研究テーマは多様化され、これまで作曲家や作品の影に隠れていた「演奏」も研究対象となる。それと平行して、1990年代頃から作曲家による楽譜そのものを「作品」と考える「作品観」が変化したことから、録音分析による演奏研究が発展した。特に2004年に設立された、録音の音楽学的研究を促進するための研究センターThe AHRC Research Centre for the History and Analysis of Recorded Music(CHARM)において、コンピュータ・ソフトウェアを用いた録音分析が活発に行われてきた。これまでの録音分析の成果から、演奏様式が20世紀前半に大きく変化することが認識されるようになった。1920年代までの初期の録音に残されている、急激な速度変化を特徴とする演奏様式こそは、18世紀末からのピアノ演奏理論書において受け継がれてきた「修辞学的演奏観」に基づいた「修辞学的演奏様式」である。一方で、1920年代以降の演奏様式の変遷については、見解が分かれている。また、これまでの録音分析は、作品の特定の構造に依存して行われることが多く、客観的な分析手法が開発されてきたとは言い難い。そこで本論文では、速度偏差と録音間速度相関に着目した、より客観的でかつ汎用性の高い分析手法を提案する。そして、その新たな手法をJ. S. バッハの《半音階的幻想曲とフーガ》BWV903と《平均律クラヴィーア曲集》第1巻第1番BWV846の前奏曲およびフーガの3作品の、1912年から2019年までの54種類の録音資料から計79種類の録音データに対して適用し、1920年代以降の演奏様式の変遷を検証した。その結果、1920年代以前は1930年代以降と比較すると、速度偏差が有意に大きく、「修辞学的演奏様式」であることが確認できた一方で、「修辞学的演奏様式」と類似した演奏形式は、1930年代から2010年代までほとんど常に見られ、選択可能なアプローチとして存在していたことが明らかになった。
著者
高橋 征三 藤原 正子 高橋 信行 竹内 和久
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

腎臓病患者の血中のビオチン(ビタミンH)濃度を測定したところ、健常者より高値であることを見出した。腎臓機能の低下した患者はビオチンだけでなくその代謝物を尿に排泄できずに血中に蓄積していることを意味している。この代謝物はビタミンとしての活性がないだけでなく、元のビオチンの活性を妨げることが言われている。腎臓病患者にとって慢性的な代謝物の蓄積は、病態を進行させるなど深刻な影響を与える。そこで活性のある元のビオチンと活性のなくなったビオチン代謝物を区別して測定する方法を開発した。さらにNMR(磁気共鳴)法を用いて慢性患者に特有の代謝を解明することにより、治療への道を拓きたい。
著者
岩崎 ちひろ 渋谷 正人 石橋 聡 高橋 正義
出版者
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 森林圏ステーション
雑誌
北海道大学演習林研究報告 (ISSN:13470981)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.21-30, 2015-03

カラマツ人工林の長伐期施業に必要な条件を検討するため、北海道十勝地方の54~80 年生のカラマ ツ人工林20 林分で林相の特徴を把握した。また、長伐期化する林分に重要な風害抵抗性に着目し、耐風 性の指標としてよく用いられる形状比と樹冠長率を検討した。その結果、密度や蓄積、収量比数が小さく、疎仕立て状の林分が多かった。平均形状比は68~90、平均樹冠長率は.42~ 0.62 であった。既存研究で風害抵抗性が高いカラマツ人工林は、平均形状比が70 未満、平均樹冠長率が0.45 以上とされているが、本研究の結果では、樹冠長率は既往の値と一致した が、形状比は一致しなかった。このことから、樹冠長率は風害抵抗性を指標する樹形要素として汎用性が高い可能性があると考えられ、その場合平均樹冠長率が0.45 以上であることが カラマツの長伐期林に必要な条件と仮定された。そこで、この仮定に基づいて平均樹冠長率0.45 以上を維持する密度管理方法を検討した。その結果、Ⅰ等地では、収量比数を25 年生 時に0.8 以下、30 年生以上では0.6 未満で管理する必要があり、また林齢にともなって、さらに収量比数を小さく疎な状態に維持しなければならないことが明らかとなった。
著者
高橋 慶太郎 市來 淨與 杉山 直
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.666-670, 2006-09-05 (Released:2022-05-31)
参考文献数
8

宇宙の様々な系に存在する磁場がいつ・どのようにして生成されたのかは宇宙論の大きな謎の一つである.我々はこれまで小さいために無視された効果を考慮することによって宇宙初期の密度ゆらぎが磁場を生成することを示した.ゆらぎの時間発展を数値計算で追うことによって磁場スペクトルを精密に評価した結果,宇宙のあらゆるスケールで磁場は生成されることを示した.これこそが,銀河に普遍的に存在する磁場の起源であるかもしれない.
著者
川崎 英二 丸山 太郎 今川 彰久 粟田 卓也 池上 博司 内潟 安子 大澤 春彦 川畑 由美子 小林 哲郎 島田 朗 清水 一紀 高橋 和眞 永田 正男 牧野 英一 花房 俊昭
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.584-589, 2013 (Released:2013-09-07)
参考文献数
13
被引用文献数
14

1型糖尿病は膵β細胞の破壊性病変によりインスリンの欠乏が生じて発症する糖尿病であり,発症・進行の様式によって,劇症,急性,緩徐進行性に分類される.今回,本委員会において急性発症1型糖尿病の診断基準を策定した.劇症1型糖尿病の診断基準を満たさず,口渇,多飲,多尿,体重減少などの糖尿病(高血糖)症状の出現後,おおむね3か月以内にケトーシスあるいはケトアシドーシスに陥り,糖尿病の診断早期より継続してインスリン治療を必要とする患者のうち,経過中に膵島関連自己抗体の陽性が確認されたものを「急性発症1型糖尿病(自己免疫性)」と診断し,同患者のうち膵島関連自己抗体が証明できないが内因性インスリン分泌が欠乏(空腹時CPR<0.6 ng/ml)しているものを単に「急性発症1型糖尿病」とする.しかし,内因性インスリン分泌欠乏が証明されない場合,あるいは膵島関連自己抗体が不明の場合には診断保留として期間をおいて再評価することが重要である.
著者
高橋 純一 安永 大地 杉村 伸一郎 行場 次朗 坂本 修一 堀川 友慈 齋藤 五大 大村 一史
出版者
福島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究が対象とする「アファンタジア(aphantasia)」は,実際の知覚は機能しているにもかかわらず心的イメージが機能しない特質のことであり,新たな事例として提唱された。心的イメージとは刺激対象が実際に目の前に存在していなくとも,それを疑似体験できる機能である。私たちは想像(創造)や思考など日常生活で意識せずにイメージを多用しているが,アファンタジア当事者はイメージを思い浮かべることが少ないことから,結果的にイメージ以外の情報処理機構を用いていると推測できる。本研究は,アファンタジアという新たな事例の認知・神経科学的理解を通して,社会におけるアファンタジア理解を促進しようとするものである。