著者
小野 かお里 Paul A. SEIB 高橋 節子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.813-820, 1999-08-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
16
被引用文献数
3

ヒドロキシプロピル化の置換度の異なる小麦澱粉2種を試料として小麦粉に10%添加して麺を調製し, 麺への添加効果を明らかにすることを目的として実験を行った.測定はファリノグラフィーによるドウの混捏特性, 麺の理化学的性質は溶出固形物量, 糊化度, 麺のテクスチャー・圧縮および引っ張り試験による凍結・解凍安定性などから実験を行い, 官能評価により食味特性を明らかにした.結果は以下に示すとおりである.(1) ファリノグラフィーから, 小麦粉にヒドロキシプロピル小麦澱粉を添加すると吸水率は増加し, 対照の小麦粉ドウに近似の図形を画き, こしの強いドウが得られた.(2) ヒドロキシプロピル小麦澱粉を添加した麺の茄で汁中への溶出固形物量は低下し, 溶出抑制効果が認められた.(3) β-アミラーゼ・プルラナーゼ法による糊化度の測定から, ヒドロキシプロピル小麦澱粉を30%添加した麺の糊化度は対照の小麦粉麺に比べて高く, 茄で時間の短縮効果が認められた.(4) 茹で麺の圧縮ならびに引っ張り試験から, ヒドロキシプロピル小麦澱粉を添加した麺は対照の小麦粉麺に比べて軟らかく凝集性が大で伸びのよい麺となり, 引っ張り強度・伸び弾性率がともに大きく, こしのある麺となった.(5) 茹で麺は凍結・解凍を繰り返すことにより, 硬さおよび伸びは低下, 伸び弾性率は増加し, 糊化度は低下するが, ヒドロキシプロピル小麦澱粉LLを添加した麺の変化は小さく, 老化しにくく凍結・解凍安定性の高い麺が得られた.(6) 官能評価によりヒドロキシプロピル小麦澱粉LLを10%添加した麺は白く, べたつきのない嗜好性の高い麺と評価された.
著者
大坂 淳 瓜生田 義貴 今村 宰 山下 清孝 高橋 周平 津江 光洋 河野 通方
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.55, no.637, pp.98-103, 2007
被引用文献数
1 3

An experimental research on supersonic combustion of kerosene in a model scramjet combustor has been conducted. Kerosene was injected normally into a Mach 2 by three types of methods. First, liquid kerosene was directly injected. In comparison with hydrogen, combustion did not take place at low total temperature or in the fuel lean condition. Secondly, “effervescent atomization” method was used. Effervescent atomization method could control penetration height and mass flow rate independently, and improve ignition limits of liquid kerosene. Finally, gaseous kerosene was used. While only intensive combustion mode and choke mode were observed when liquid kerosene was used, existence of transition mode was observed when gaseous kerosene was used.

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著者
[高橋富兄] [著]
出版者
[高橋富兄]
巻号頁・発行日
vol.[17], 1000
著者
高橋 良一
出版者
東京昆蟲學會
雑誌
昆蟲
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.26-32, 1940
著者
野田 和広 高橋 友和 井手 一郎 目加田 慶人 村瀬 洋
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.25, pp.367-372, 2006-03-17
参考文献数
10

本報告では,特定ジャンルの長時間放送映像から繰り返し区間を高速に検出する適応的特徴選択手法について述べる.長時間の放送映像には,CM やロゴ,重要なニュースなど,多くの繰り返し区間が存在する.これらを全て検出するためには,2 乗オーダで計算量が増加する繰り返し照合処理が必要となる.我々はこれまでに,低次元に圧縮した特徴空間内での繰り返し照合で候補を絞り込むことにより,計算量を抑制する手法を提案してきた.この手法により,長時間の一般放送映像からの繰り返し区間の検出を高速化できたが,固定された画面構成が多いジャンルの映像に適用した際に,低次元繰り返し照合による絞り込みの効果が小さかった.そこで本報告では,放送映像のジャンルに応じて適応的に画素を選択して特徴量を作ることにより,絞り込みの効果を向上させる手法を提案する.実験では5 つのジャンルの映像に対して,提案した画素選択法を用いた低次元繰り返し照合を行った.その結果,エントロピーを用いた画素選択法により,固定された画面構成が多いジャンルの映像における絞り込み効果の向上を確認した.In this paper, we propose an adaptive feature selection method to retrieve every single pair of repetitive segments in a long broadcast video stream whose genre is specified. We have previously proposed a fast retrieval method which narrows down the candidates of repetitive segments that need to be compared in detail, by an iterative comparing process in the compressed feature space. The computation time was actually cut down when this method was applied to a general broadcast video stream. However, when this method is applied to a video in which the composition of part of the picture is consistent, it did not always narrow down the candidates sufficiently. This report proposes a method to narrow down the candidates further by adaptively selecting pixels that represent the difference between segments according to the genre of the video stream. The result of an experiment showed that the method which selects the pixels by the entropy between frames narrows down the candidates best.
著者
宮崎 保光 橋本 忠弘 高橋 港一
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and Systems Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.133, no.2, pp.260-267, 2013-02-01
参考文献数
12
被引用文献数
2

In recent years, RFID systems have received much attention in information management and security. For evaluation of RFID systems, study of electromagnetic wave propagation and scattering of UHF wave and microwave transmitted from tag antenna to reader antenna in in-door and out-door is indispensable. In this paper, we describe the characteristics of electromagnetic wave scattering, diffraction and interference by obstacles in propagation channel and show the distribution of received level using FDTD method. In RFID systems, receiving characteristics are strongly influenced by the structure of roads and buildings for out-door environment and rooms, doors and windows for in-door environment. Three-dimensional numerical analysis is studied to evaluate the effects of the earth of roads and building with finite heights for out-door applications and effects of ceil and floor of buildings for in-door applications. Signal processing and control are important to recognize each tag code correctly even if multiple codes from tags are received by a reader simultaneously. In this paper, received characteristics when multiple tags transmit signals modulated by ASK are studied by FDTD method and compared with the analytical results.
著者
高橋 靖弘
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.281-288, 2016 (Released:2018-05-09)

This paper presents Akita Prefecture's “Second Phase Strategy of New energy-related industries in Akita within its industry strategies.Akita, blessed with energy resources such as wind, geothermal, and biomass, is one of Japan's leading regions in the potential of creating renewable energy.While promoting the expansion of renewable energy, Akita has worked together with cooperating industries to formulate a strategy that tackles and greatly increases job creation as well as industrial development, and for that purpose has had the expansion and development of various policies to approach the issue.
著者
安藤 敏 高橋 千晶 幾見 京子 増田 彩子 清水 俊雄
出版者
日本育種学会
雑誌
Breeding science (ISSN:13447610)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.195-201, 1997-09-01
参考文献数
20
被引用文献数
1

アルファルファ雄性不稔系統(CMS)のオルガネラの遺伝情報を栽培品種に導入するため非対称融合法の検討を行い,その結果,安定して雑種カルスを得る方法を確立した。栽培品種のプロトプラストはヨードアセトアミド(IOA)で処理し,CMSのプロトプラストにはX線を照射したのち電気融合法で非対称融合を行った。栽培品種のプロトプラストはアガロース包埋法で培養した場合,6mMのIOAで処理することでほとんど不活化できた。CMSのプロトプラストのコロニー形成を抑えるには900Gy以上のX線照射量が必要で,他の植物と比べ高いことが明らかとなった。融合処理した細胞はアガロース包埋法で培養したが,この時,培養の最初からナース細胞を加えず,アガロースのまわりにKaoの液体培地のみを加えることにより,不定胚を形成するカルス(embryogenic callus:EC)の出現が確認できた。両親の植物体から全DNAを抽出し,ミトコンドリアDNA(mtDNA)をプローブとしてサザンハイブリダイゼーションを行いRFLP(制限酵素断片長多型)を調査した結果,制限酵素XhoIとプローブatpAの組合せで両者を明確に区別できることを見いだした。IOA濃度として3mMと6mM,X線照射量として1350 Gyと2250 Gy,アガロースのまわりに添加する培地としてKP培地とKC培地を選び,それぞれの組み合わせで融合処理と培養を行い,カルス形成,EC形成,植物体の再生およびmtDNAのタイプ毎のカルスの出現割合に及ぼす影響を調べた。その結果,IOAは低濃度(3mM)の方がカルス数,EC数,再生植物体数が多かったが,栽培品種型のエスケープカルスを抑えるためには高濃度(6mM)が必要だった。X線照射量は2250 Gyの方がカルス形成の頻度が高かった。CMSのプロトプラストに2250 Gyという高い量のX線を照射する条件では,核ゲノムだけでなくオルガネラゲノムが破壊されることが懸念されたが,mtDNAの分析からCMS特有のバンドが確認され,この条件が許容されると判断された。細胞質雑種と考えられるカルスの出現割合,及びECや再生植物体数から考えると,IOA 6mMとX線照射量2250 Gyの組み合わせが最もよいと考えられた。MtDNA分析で雑種型と判断されたカルスについてmalate dehydrogenase(MD)のアイソザイム分析を行った結果,CMS特有のバンドをもたず核が栽培品種型であるサイブリッドと考えられるものが得られた。再生植物体についてもmtDNA分析を行ったが,全て栽培品種と同じ型を示し,雄性不稔の形質は導入されていないものと判断された。
著者
木村 丈司 甲斐 崇文 西海 一生 高橋 尚子 佐々木 秀美
出版者
Japanese Society for Infection Prevention and Control
雑誌
日本環境感染学会誌 = Japanese journal of environmental infections (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.405-410, 2009-11-25
参考文献数
7
被引用文献数
1 3

抗菌薬適正使用の推進は院内感染対策において最も重要な課題の一つである.当院では2006年4月より第4世代セフェム系,カルバペネム系,ニューキノロン系抗菌薬と抗MRSA薬を対象として使用届出制を開始した.使用届出制の開始後,特に第4世代セフェム系,カルバペネム系抗菌薬の使用量が減少し,また投与期間が14日以上に及ぶ長期投与の処方件数も減少した.また2008年4月からはpharmacokinetics/pharmacodynamics理論に基づく抗菌薬の投与方法に関する資料の配布を開始した.資料の配布開始以降,cefozopran (CZOP)では1000 mg×3回/day及び2000 mg×2回/dayの投与方法が,meropenem (MEPM)では500 mg×3回/dayの投与方法がそれぞれ増加した.緑膿菌のCZOPに対する耐性株率は2005年度から2006年度で一時増加したが,2007年度では2005年度と同程度まで減少し,またMEPMに対する耐性株率は年々減少が見られた.このように,抗菌薬適正使用の推進及び抗菌薬耐性菌の増加防止において,infection control teamによる積極的な介入は重要であると考えられる.<br>
著者
長沼 信治 高橋 和雄 鈴木 利昭 太田 和夫
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.1301-1305, 1986-06-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
6

血小板凝集抑制作用をもつPGI2誘導体(CS-570)を血液透析の抗凝固剤として使用し, その有用性について検討した。対象は安定した透析患者30名(男性18名, 女性12名, 平均年令46.6±11.6才)であった。投与方法はCS-570 50~150ng/kg/minを動脈側回路より接続注入し, 単独もしくはヘパリンと併用した。観察項目は回路内の残血凝血, 副作用であり, 測定項目は血中濃度, 血小板凝集能, 凝固系検査, 血液生化学, 血算などであった。同項目について対象患者でヘパリン使用時と比較検討した。その結果, CS-570使用時には血小板凝集が強く抑制され, 投与量の選択により, 残血凝血と副作用も少なく透析が維持できた。以上の結果からCS-570は血液透析の抗凝固剤として臨床応用が充分可能と思われた。
著者
高橋 泰弘
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会論文誌 (ISSN:18831648)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.491-499, 2004-11-30 (Released:2010-05-31)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

下水汚泥焼却灰中の有用な資源を回収する目的で水酸化ナトリウム溶液による溶出実験を行った。リン含有率の異なる4種類の焼却灰を用いてリンだけでなく, その他有用成分についても溶出特性を明らかにした。リンについて溶出温度と溶出時間の関係を検討した。アルミニウム, 亜鉛の効率的な溶出条件を調べるために焼却灰濃度, 温度について検討した。リンはリン含有率が高いほど溶出濃度は高かった。アルミニウムはアルミニウム含有率に関係なく, リン含有率が高いほどアルミニウム溶出濃度が高かった。焼却灰中のアルミニウム含有率にかかわらずリンとアルミニウムの溶出挙動は同じであったことからリン酸アルミニウムが溶出していると考えられる。アルミニウムの溶出率は溶出温度と焼却灰濃度に関係があることが明らかとなった。亜鉛の溶出率は水酸化ナトリウム濃度10%, 溶出温度80℃の時, 最大で16%であった。
著者
三浦 巌 高橋 正典 青木 聡之 安芸 晋冶
出版者
日本結晶成長学会
雑誌
日本結晶成長学会誌 (ISSN:03856275)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, 2004
参考文献数
1

The usefulness of low-power P MR in the study of polymorphous and molecular dynamics was examined. The milling, high temperature and humidification effect on amino acids crystal were studied by PMR. The results of these experiments were demonstrated that the normal liquid PMR system can be used as a powerful analytical tool of the solid materials.
著者
檜垣 彰吾 岸 昌生 永野 昌志 片桐 成二 高橋 芳幸
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.100, pp.20113, 2007

【目的】マウス未成熟卵子の体外成熟培養時の気相中の酸素濃度および培養時間は研究者間で様々であるにも拘らず、それらが卵子の成熟にどのように影響するかを調べた研究は限られている。そこで、本研究では、成熟培養時の気相中酸素濃度と培養時間が卵子の核成熟動態および胚盤胞への発生能にどのように影響するかを検討した。【方法】供試卵子はICRマウスにウマ絨毛性性腺刺激ホルモンを投与して48時間後に胞状卵胞より採取した。成熟培養は5%ウシ胎子血清、0.23 mMピルビン酸、1 IU/mlブタ卵胞刺激ホルモン、10 ng/mlヒト組み換え上皮増殖因子および、50 &mu;g/mlゲンタマイシン添加したWaymouth's培地に用いて5あるいは20%の酸素を含む気相下で行った。実験1では0-15時間の成熟培養後に核相の判定を行った。実験2では10-17時間の成熟培養を行った卵子を体外受精(TYH培地、5時間、20%酸素下)および体外培養(KSOM培地、120時間、5%酸素下)に供試し、胚盤胞への発生率を調べた。【結果】5および20%酸素下で成熟培養した卵子の卵核胞崩壊は共に培養開始2時間後から見られ、それぞれ培養開始後15および4時間後までに全ての卵子で終了していた。また、第二減数分裂中期(MII期)卵子の出現は共に培養開始7時間後から見られ、その8および3時間後にMII率はプラトーに達した。以上の結果より5%酸素下では20%酸素下に比べて核成熟の進行が同調していないことが示唆された。胚盤胞への発生率は成熟培養時の酸素濃度の影響は認められなかったが、培養時間によって差が見られた。すなわち、両酸素濃度下で10時間培養群(10%)に比べ、12-17時間培養群(30-45%)では有意に高く、12-17時間の成熟培養群間には有意な差は認められなかった。以上の結果より、卵子が十分な胚盤胞への発生能を獲得するためには成熟培養時の酸素濃度に拘らず12時間以上の培養時間が必要なことが示唆された。
著者
高橋 博
出版者
学習院大学
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.115-130, 2004

近世の朝廷内部の機構・制度の研究は、1980年代以降多くの進展が見られ、近年は地下官人の研究や史料の翻刻作業が活発である。だが、近世の女官の制度(上な位いよしりの尚か侍み・典侍・掌侍・命婦・女蔵人・御差・御末・女嬬・御服所等と称した)はまだ考察の余地が多く、河鰭実英著『宮中女官生活史』(風間書房、1963年)公刊以降、新たな進展が見みなかまられたと言えない。したがって本稿では三仲間(御末・女嬬・御服所の総称)を取り上げ、その近世後期における基礎的事実や人事・職務内容などにっいて検討したい。第1章では三仲間の定員・序列・年齢や採用などについて、歴代天皇の代替わりにおける動向も含めて検討する。三仲間の採用には、親類書・里請状・寺請状が必要であり、これらは親類書の審査とともに執次(各御所に設置の宮廷会計を掌る口向諸役人の最上席。江戸幕府任命の禁裏附武家の監督下にあった)の管理下にあった。三仲間の採用で親類書の審査が免除される理由として、実家が殿上人の家柄であることがその一つに考えられるが、なお検討を要する。三仲間の人事は天皇の崩御と譲位とでは大きく異なり、1779年(安永8)後桃園天皇崩御の例では三仲間頭と称する御末・女嬬・御服所の上首(阿茶・茶阿・右京大夫)を始め多数が薙髪して暇をとるが、1817年(文化14)光格天皇譲位の例では殆どが仙洞に移ることから、仕えた天皇との人的関係の強い人事であった。 第2章では三仲間の職務内容について検討する。安永年間(1770年代)には三仲間頭のうち、右京大夫が大御乳人の代役として、仙洞と幕府との連絡を行っている例がある。また、中宮御所の三仲間の事例であるが、光格天皇の譲位決定の御祝などの場合に、三仲間頭は中宮の女官からの使者として諸方に派遣されていた。中宮居住の皇子の移転の際の供と見送りのために、御所や中宮から三仲間の一人が派遣されることもあった。だが、中宮や御所および東宮は三仲間の上位の女官を「女中衆」と呼び、三仲間の職責の軽さが故であろう理由に拠り、三仲間と上位の女官とを、女官全体の序列間の中でも類をみないほど明確に区分していた。典侍・勾当内侍・伊予(命婦の上首)三頭と呼ばれ天皇代替わりでも御所に残ったのに対して、光格天皇譲位にて三仲間のうち女嬬と御服所が残されることはなかったのは、その職責の軽さを示すものかもしれない。"0-sue","Nyo-jyu"and"Go-fuku-dokoro", low-ranking posts of innner palace were collectively called"Mi-nakama"in the latc pre-modern age. The reason why we need to study"Mi-nakama"is a stagnation of studies comparing with those on the other posts. Accordingly,this article describes the personnel affairs of"Mi-nakama", the contents of those women's job, and so on.The.adoption of''Mi-nakama"was c・ntrolled by"T()ritsugi"・ apPointed by Tokugawa shogunate, with the judge of their''Shinrui-gaki(the paper oftheir family)". In the case of the succession to thc throne, the most working women of"Minakama" remained in thc Court togcther with the second one. But in the case of the emperor's death, most of them had their hcads shaved. One of"Mi一 nakama-kashira", the top rank in the"Mi-nakama"job was the messenger in the case of happy event in the Court, and the attendant with the prince.ln this way, "Mi-nakama"was related to the emperor intimately, but the responsibility was not always heaVy.
著者
至田 雅一 檀上 慎二 高橋 憲明
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育学会年会物理教育研究大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.72-73, 2012

将来を託される青少年が、不屈の精神を養い、知的に訓練される機会として2009年にスタートさせた理科実験野外教室も今年で5回目を迎えた。暑さ、寒さ、風雨にも影響される環境下で教員や、学芸員の指導のもと、学生、生徒が普段の研鑽の結果を発表する。これが本教室の基本スタイルである。更に2012年5月の5回目では「何のために」という目的意識と「自ら進んで」という主体者意識を参加する若者全てに養ってもらうべく新たな取り組みも始めた。このことも含め本教室の今までの経過と今後の展望を報告する。